ウェンディさんのクチコミ(77ページ)全2,269件

タホ峡谷はロンダのヌエボ橋、ビエホ橋の下に横たわる垂直の谷で、その絶景を見ようと多くの観光客が集まってくる場所だ。
タホ峡谷の景観で有名なのは、パラドール・デ・ロンダの脇のヌエボ橋から眺める峡谷の風景だが、私の一押しは違う。

タホ峡谷が一番美しく見えるのは、旧市街地のマリア広場（Plaza de Maria Auxiliadora）から下るアラブ道沿いにあるアラブ橋（Arco Arabe：イスラム支配時代に作られた橋）から。
アラブ橋から峡谷を眺めると、タホ峡谷の切り立った岩山、新旧のロンダの白い町並み、そして煉瓦と石を組んで作られたヌエボ橋の全てを一望することが出来る。
更にアラブ道の途中からタホ渓谷の奇岩の風景まで見ることが出来るオプショナルも付いている。

ロンダでの滞在時間が半日以上ある旅人にはお勧めしたいタホ峡谷のアラブ道。
2時間あれば、ヌエボ橋の真下、アラブ橋、キリスト橋、そしてタホ峡谷の奇岩の全てを楽しむことが出来ると思う。

ロンダは列車でのアクセスよりもバスでのアクセスの方が便利な町。
だから、ロンダへの往復をバス旅で…と考える旅人も多いと思う。
そんな方のためにバスターミナル・利用上の注意を残しておく。

【バスの切符の買い方】
切符は各バス会社の専用窓口で購入する。
切符販売の窓口はいつでも開いているとは限らない。
その日のバス便が終了したら夕方前でも、営業所のシャッターは降ろされ切符販売は終了となる。
翌日の切符を事前購入する場合には各バス会社の営業時間に注意しなくてはならない。
【荷物預かり】
ロンダのバスターミナルには有料の荷物預かりがあるので、大きい荷物はターミナルに預けて身軽に行動することも可能だ。

【食事】
バスターミナルの中には小さなバルがあり、ボカディージョと飲み物（アルコールとソフトドリンク）は販売しているが、本格的な食事はない。
バスターミナルの道路向かい側にもカフェやバルがあるので、時間があるならばターミナルの外で食事をするのがお勧め。

【バス時刻表】
ロンダのバスターミナルを発着するバス会社の時刻表は↓のホームページ。
西語、英語が併記されているのでよく読めば分かる。
また、土日運休のバスラインも多いので利用の場合には時刻表をよく読みこんで！
バス時刻表：http://www.turismoderonda.es/informacion/pdf/horarioautobuses.pdf

メルセー修道院はロンダの新市街地にある教会（修道院）で、此処でしか食べることのできないクッキーが美味しい♪ことで有名な場所だ。
メルセー修道院の修道女たちが作るクッキーはスペインでも人気の品だが、ロンダのこの修道院でしか販売をしていない。

私も時間が合えば買ってみたかったのだが、残念ながらその味を実際に味わう事は出来なかった。
修道院の開いている時間帯にロンダに行くならば、是非とも立ち寄ってみたい場所のひとつだ。

新宿駅から徒歩5分のところにある新宿住友ビル(通称：三角ビル)があり、その前の広場にはひっそりと建つ黒猫の像がある。

この黒猫の像の名前は玉ちゃん。
歴史に名を遺した黒猫だ。
黒猫…と云うだけで化け猫系（猫又や妖怪もの）を想像しがちだが、玉ちゃんは600年前に実際に存在した猫で、生きていた時代は室町時代のこと。

この黒猫の玉ちゃんがいなかったら、現在の東京、そして江戸はまた違った都市となっていたかもしれない。
玉ちゃんを有名としたのは、室町時代にまだ原っぱであった江戸の土地に初代の江戸城を築城した太田道灌との出会いで、太田道灌が戦で劣勢に陥った時に彼を助けたのが黒猫の玉ちゃんだったという事だ。

玉ちゃんの像を作ったのは、三角ビルのデザイナーで国際的彫刻家の流 政之氏で、三角ビルが出来た時に一緒にこの地に玉ちゃんの像は誕生した。

三角ビルがあるのは都庁の真ん前なので、都庁の展望室へ足を運ぶ際などに、ちょっと立ち寄ってみて欲しい。

【参考情報】
実際に玉ちゃんが葬られ、秘仏の猫地蔵があるのは三角ビルからは少し離れた場所にある自性院だ。
口コミは↓
都内3カ所目の招き猫発祥の地：http://4travel.jp/domestic/area/kanto/tokyo/shinjuku/shinjuku/tips/12095122/

新宿御苑の周りには多くの飲食店があるが、冷たい風が吹く寒い冬にお勧めなのは、鍋などの温かいお料理。
辛いものが好きな方ならチゲ鍋などもいいだろう。

チゲ鍋専門店の東京純豆腐（新宿店）があるのは、新宿御苑から歩いて5分位の場所。
地下１階にある。
店内はそんなに広くはなく、基本的には二人がけのテーブル席とカウンターのみで、大勢での利用には向かない。

私達は季節のチゲ鍋という事で牡蠣豆腐鍋(1,300円)をいただいたが、大ぶりの牡蠣が5粒入っていて、牡蠣の出汁の味も効いていて美味しかった。
チゲのスープは3種類、辛さは段階別に6種類の中から選ぶことができる。
私は4辛を選んだが、4番目の辛さでも滅茶苦茶ホットという訳ではなかったので、辛いもの好きな方ならば5辛(数字が上がる程辛さは強くなる)でも良いかもしれない。

新宿御苑からもすぐなので、御苑を散歩した後のランチタイムでどうしようかな？と思う時にはお勧めできる。

東京の赤坂見附にはちょっと変わった神社がある。
神社の名前は、美喜井稲荷神社。
美喜井稲荷神社の境内には小さな掲示板があり、そこには↓の文言が書かれている。
【この神社にお願いする方は蛸（タコ）を召し上がらぬこと。この神社を信仰される方は何事も心配ありません】
全ての悩みについて何も心配しなくて良いなら嬉しいことこの上ないのだが、何故タコを食べてはいけないのか。その説明は全くない。

そして、この神社にはさらに不思議な物(変わったモノ)がいくつかある。

不思議なモノ。
ひとつめ、神社の門の前にいるのは狛犬ではなく狛ネコ。
ふたつめ、神社の拝殿の上に彫り込んである動物。そこには竜や獅子が彫り込んであるのが一般的だが、美喜井稲荷神社ではネコが彫り込んである。
みっつめ、彫り込んであるネコの様子。二匹の猫が彫られているのだが、その内の一匹がかなり奇態。人間の様な赤い物体を前足の下で抑え込み、口には魂の様なモノを咥えている。

このネコ尽くしの神社があるのは赤坂見附のトラヤ(2016.1月現在、改装中)の隣。
ビルの二階にある小さな神社で、かなり不思議感満載の神の居場所だ。
神社の由来としては、火事の時に飼い主に急を知らせ、家人が火事に巻き込まれるのを防いだネコを祀ってある…との説がネット上にはあるが、その真偽のほどは分からない。

神社がある場所は、地下鉄赤坂見附の駅から徒歩7分、皇居(国立劇場側)からも歩いて30分程度なので、ネコ好きならば近くまで行く時は参拝してみるのも面白いと思う。

豊川稲荷井と言えば愛知県だが、東京にも豊川稲荷がある。
東京都の稲荷は別院となっているので、豊川稲荷の子供みたいな感じだ。

今回、初めて豊川稲荷へと行き、そんなに広くはない敷地内に所狭しと狐たちが鎮座している姿に圧倒された。
そして、境内の案内板で、豊川稲荷が狐を神として祀っている神社ではないことを知り、驚いた。
豊川稲荷に祀られているのは吒枳尼天（だきにてん）で、吒枳尼がタクシー代わりに愛用していたのが白狐。だから狐が多く祀られているそうだ。
また、豊川稲荷は稲荷と名前がつくが神社ではなく、曹洞宗のお寺だそうだ。
いままで稲荷=神社と思い込んでいたのでに2個目のビックリだった。

更に驚いたこともあった。
東京別院には愛のパワースポットなる場所もあり、そこには参拝者が奉納したハートの絵馬がびっしりと掛けられていた。
古くから寺社も最近のパワースポット好き女子の購買力(絵馬やお守り)は無視できないらしい…。

東京都内で高層展望室がある建物は数多くあるが、どこもかしこも有料の施設ばかりで高いところに登るだけなのに大人一人2000円近い費用が発生することが多く、一般庶民は早々気安く展望室に足を運ぶこともままならない。

しかし、そんな中で展望室が無料の施設がある。
それは、都庁の展望室。

東京都庁には南北の2棟の展望室があり、登るエレベーターはそれぞれが異なるので登る前にはどちらの塔に行きたいのか考えてエレベーターに乗らなければならない。
どちらの塔の展望室から見ても景色はそんなには変わらないが、夜景を楽しみたい場合は北展望室がお勧め。
北展望室は23時までの営業で、夜はレストランがカフェバーの様な雰囲気になる。

そして、もう一つ。
見学料が無料の都庁ならでの楽しみ方がある。
それは、日本にいながら大陸の雰囲気を味わえるという点。
都庁の展望室は無料なので、朝早くから中国からの団体の旅行者が大勢詰めかけ、展望室内は中国語が飛び交い、まるで大陸へと遊びに行ったかのような雰囲気。
都庁は、新宿に居ながらにして中国気分を味わえる場所でもある。

東京ドームシティのウィンターイルミネーションはとても煌びやかなイルミ。
様々な光輝くイルミがあり、ついつい彩り豊かなイルミに目が行きがちだが、比較的おとなしめなオブジェ(イルミ)の中にお勧めがある。
お勧めのオブジェがあるのは、東京ドーム前の広場。

そのオブジェとは、昼間は太陽光を浴びキラキラと輝いているドーム前の大きなクリスタルのピラミッド。
そのピラミッドは夜になるとライトアップされ、闇の中に浮かび上がる三角標のようになる。

その様子は、そう…、宮沢賢治さんの著書：銀河鉄道の夜の世界を視覚化したかの様。
ジョバンニの声、カムパネルラの声が聞こえてきそうな雰囲気だった。

夜、東京ドームに立ち寄る機会があったら、是非、三角標の所へ行って、遠い空から聞こえてくる星の囁きに耳を傾けて欲しい。

世の中には○○ホイホイと名のつくものがある。
一般的に○○に入るのは黒く背中が光りカサカサと乾いた音を立て暗闇を動き回るアイツラ。
アイツラが好きな人はそんなに多くはないと思う。

しかし、世の中には別のホイホイもある。
東京の神田にあるホイホイはとても可愛いホイホイで、その名も【ネコ好きホイホイ】。
【ネコ好きホイホイ】とは神田にある姉川書店の愛称で、店主の方が店の一角にネコ本コーナーを設けたところ、お客さんがまるで猫本に呼び寄せられるかのように入っていく様子からつけられた名前だそうだ。

最初は本屋さんの小さなコーナーであった猫本コーナーが、今では書店の2/3を占める程に拡大され、店主の選び抜いたこだわりの猫本(海外・日本問わず)や猫グッズが置かれている。
猫本の中にはレアな本も数多くあり、お客さんはリピーターが多いとのこと。

本の種類には絵本、写真集、エッセイ、詩集、塗り絵…様々あり、本棚を端からゆっくり見て行ったら1時間の時間があっても足りないほど。
初めて訪れた友人と私も、まんまと【ネコ好きホイホイ】にトラップされてしまった。

また、にゃんこ堂では本を買うと、オリジナルデザインのブックカバーをつけてくれる。このカバーは、NY在住のくまくら珠美さん（猫を描く漫画家）に依頼して描いてもらった特注品で、このカバーだけでも猫好きの心のツボをがっちりとキャッチしている。

東京都には招き猫発祥の地と言われる場所が三か所ある。
ひとつめ、縁結びスポットとしても有名な浅草の今戸神社。若干、神社の商売っ気が強い場所。
ふたつめ、納められた大小の招き猫がフォトジェニックな世田谷の豪徳寺。三重塔の隠れ猫も見どころ。
みっつめ、秘仏の猫地蔵がある新宿の自性院。普段は特に何も販売していないが、節分会ではお札やお守りの販売も有る。

今回の口コミは3つ目の自性院について。
自性院が招き猫発祥の地と云われ始めたのは今から600年も昔のこと。
まだ、東京が江戸と云われるようになったばかりの頃。
関東の武士、太田道灌(江戸城を築城した武将)の窮地を救った猫が招き猫のオリジナルデザインになったと云われている。
その猫の名前は玉（たま）ちゃん。
招き猫が片手を上げるポーズは、玉ちゃんが太田道灌を助けた時の手招きの姿勢からデザインされた…との説もある。

自性院の門の前には大きな招き猫がいて、その猫は、左手を上げ手招きをしている。
この招き猫の像が600年前に奉納された時と同じデザインかどうかは分からないが、その猫の顔は、可愛いというよりはちょっと強面。
でも、そんなところがレトロ感があって良い雰囲気だ。

参考までに…
秘仏・猫地蔵が一般公開されるのは年に一度の節分会(2016年は2月3日)の時だけで、通常は見ることが出来ない。
だけれど、猫地蔵堂の中はガラス越しにだが見学可能で、節分会以外の時に訪れても、秘仏以外は見ることができる。

たい焼きといえば庶民のおやつ。
そんなたい焼きだが、神田には有名なたい焼き屋さん【たい焼き神田達磨】があり、店先にはいつも行列が出来ている。
お店の売りは羽根つきたい焼き。
たい焼きの周りにこんがりと焼けた羽がついている四角いたい焼きだ。

たい焼き神田達磨のたい焼きの餡は甘すぎず、そしてその分、生地に若干の甘さがある。
焼き立ては熱々ほかほかで個人的には好みの味で、このたい焼きならばリピートもアリかな…と思う。

お店の前にいつも行列が出来ている理由は、焼き立てを提供するため、注文数がある程度まとまってから焼き始めるため。
大体注文してから3分程度で焼き上がる。
待ち時間が3分程度ならば、並んででも買う価値はあると思う。
ただし、長蛇の列の場合はよく考えてから…。
美味しいけれど、たい焼き。
時間単価を考えて、列に並ぶかどうか決めて欲しい。

たい焼きの価格は羽根つきたい焼きは150円、古書店めぐりのおやつには調度よい。

1月の新宿御苑は風が吹き抜ける極寒の地。
そんな苑内だが、少しだけ春を感じることのできる場所もある。

1月下旬に訪れた時に聞こえてきた春の足音は、蝋梅、寒桜、梅、そして、スイセン。
蝋梅の咲くエリアでは蝋梅の甘い香りが漂い、寒桜が濃いピンク色の花を咲かせていた。
そして、寒桜の切株の形が可愛く、ハート形。
その形を見ているだけでもなんだか嬉しくなってしまう。

都会の一等地に広がる巨大な公園である新宿御苑。
冬枯れの木々が池に映る姿も、そして、摩天楼が池に映りこむ姿もなかなか素敵だった。

イルミネーションってきれいだけれど、人工的だからあまり好きではない…と思う人もいると思う。
私もかつてはそんな風に思っていた。
確かにどんなイルミも人工的なことは否めない。
でも、イルミの美しさには疲れ切っている心を癒す力もある。

今回訪れた東京ドームシティの冬のイルミネーションもそんな癒しのパワーを持っているイルミの一つだった。
イルミネーションのコンセプトは宇宙空間で、明るい色のライトを多用し、その場にいるだけで元気が湧いてくる感じのイルミ。
どのイルミもそれぞれの良さがあったが、女性の方にお勧めなのはギャラクシードーム。
外側から見ていてもその良さは分かり難いのだが、ドームの内側に入り、上を見上げると…そこは万華鏡の世界。
基本図形は同じなのだが、光る場所、色等がランダムに変化し、まるで夜の闇の中に浮かび上がる万華鏡の中に迷い込んだかのような気分になれる。

東京駅のプロジェクションマッピングも手掛けたアーティストのNAKED氏の幻想的なイルミも有り、これからの時期はバレンタイン・デートにもお勧めの場所だ。

東京ドームシティの入場料は無料なので、気軽に訪れ、イルミを楽しむことができる。
都内に職場があるならば、仕事で嫌なことがあった時や人間関係で落ち込んでいる時等、イルミを見ての気分転換も良いかもしれない。

オスマントルコが誇る名工と云えば、モスクのデザイナーでもあり建築家でもあるシナン氏。
イスタンブール市内だけでもシナンが手掛けたモスクは数多くあり、有名なブルーモスクもシナンが試行錯誤して彼方此方のモスクでテストしてきた技術の粋を集めて、その弟子が建築したモスクだ。

シナン氏は美しいモスクをいくつも作っているが、彼が愛する人の為に手掛けたモスクはこのミフリマー・スルタン・ジャミィだけであると云われている。
ミフリマー・スルタン・ジャミィの内部は白を基調にデザインされ、ドーム下の窓からは太陽光が柔らかい光をモスク内にもたらしている。
ステンドグラスの模様もアラベスク模様ではあるが、モチーフに花を多くあしらい、荘厳なモスクというよりも可愛らしいモスクという印象を見る者に与える。

ミフリマー・スルタン・ジャミィがあるのはT4エディルネカプ駅の近くで、テオドシウスの砦やカーリエ博物館も徒歩圏内だ。
単独のモスクのためにここまで足を運ぶのはもったいないが、カーリエとテオドシウス砦を合わせても、半日で行くことが出来る。

コンスタンチノープルの古都を1000年もの長き間守り続けてきた砦。
そんな砦（城壁）が今なお、イスタンブールの街の中には残されている。
砦の名前はテオドシウスの城壁。

テオドシウスの城壁は、5世紀にビザンツ帝国（東ローマ帝国）テオドシウス2世により作られた難航不落の城壁だ。
テオドシウス2世はユニークな方で、歴史書に名を残している割には政治的には何もしていない（政治は側近や重鎮が滞りなくこなしていた）人だ。
そんな彼の命で作られた城壁は、長さが7km、その高さ10ｍ、城壁幅も厚いところでは10mもあったという強固なモノ。

この難攻不落の城壁を落としたのはオスマントルコの英雄メフメット2世。
攻略のキーポイントはなんと、ビザンツ帝国側の兵士による城壁の通用門の鍵のかけ忘れ。
強運の持ち主であるメフメット2世の兵士が鍵のかかっていない城壁のゲートを見つけ、そこから一気に砦を攻め、コンスタンチノープルの町を攻略した…と云われている。

もしメフメット2世に運命の女神が微笑んでいなければ、その後のトルコの歴史すら変えていたであろう城壁だ。
仮にメフメット君（オスマントルコ）側が鍵の開いている入口を見つけていなかったとしたら、ローマ帝国の栄光は15世紀以降も続き、今のイスタンブールの姿はキリスト教国の神聖な都として君臨し、現在とは全く異なるイメージの都市となっていたであろう。

そんな運命の城壁の上に登ることが出来る。
とはいうものの、テオドシウスの城壁脇に正式な階段や登り口がある訳ではなく、非公式の登り口を使うという方法だ。

城壁の脇には何カ所か階段が作られており（昔の名残だろう）、現在はその階段はフェンスで閉ざされ施錠されている。
ところが、その施錠の何カ所かは外されていることが多い…。
そんな情報を私は旅の前に入手していた。

そして現地でテオドシウスの城壁沿いを歩き、そんなラッキーなゲートを探した私達。
まず、見つからないだろうな～。そんな風に思っていたのだが、ソレが結構簡単に見つかった。

そして、鍵のかかっていないゲートをくぐり、城壁の上へと登る。
気分はまるでメフメット二世だ。
砦の上からは金角湾までの古い街並みの様子、そしてイスタンブールの郊外の様子が一望出来た。

ただの砦…。
何も知らなければ、そんな風に思うかもしれない。

でも、トルコの歴史を大きく変えてしまった砦、運命の女神の微笑により左右されたトルコの歴史を思うと、感無量となる場所だ。

イスタンブールでアヤソフィアやブルーモスクの姿とマルマラ海の絶景を眺めようと思うのなら、行くべき場所は二つあり、アルカディア・ブルー・ホテルのテラス・レストランはその1つだ。

レストランのテラス席（屋外）からはマルマラ海を背景にしたブルーモスクの姿とアヤソフィアが一望できる。
ここは基本コンセプトがレストランだが、カフェとしての利用も可能だ。
ただ、メニューは無く、席代としておひとり様20TL（約1000円）を着席時に現金払いで渡す。
飲み物は、着席時に口頭で聞かれる。（コーヒー、紅茶、フレッシュ・ジュース…があり、飲んでも飲まなくても席料は20TL）。
景色が最高なので1000円の席料は、その価値がある。
ただ、残念だったのは従業員の態度。
カフェの客を軽んじているのがその態度からありありと見て取れた。
（まぁ、レストランの収入から比べたらカフェ収入は微々たるものだから仕方がないのだろう…）
景色の良さ重視なので、従業員の態度、ここは目を瞑るしかない。

イスタンブールの同地区には、もう一軒、アヤソフィアとブルーモスクを目の前に眺めることのできる絶景カフェがある。
こちらはカフェの下階が室内、上階がオープンテラスでオープンテラスがお勧め。
ホテルの屋上を利用したカフェだが、フランクな感じだ。
場所はセブン・ヒルズ・ホテルのカフェ・バー EN LA LUNA TERRACE。
（口コミ：穴場的・絶景テラス・カフェ～ブルーモスク、アヤソフィア、そしてマルマラ海が目の前に～秘密にしておきたいカフェ・バー EN LA LUNA TERRACE
http://4travel.jp/os_hotel_tips_each-11799492.html#contents_inner）

ざっくりと分けると、高級感がある方がアルカディア・ブルー・ホテル、カジュアルなのがセブン・ヒルズ・ホテルのテラス・カフェだろう。

私は両方とも訪れたが、双方とも景色の良さは保障する。
イスタンブールに3日間程度滞在するならば、是非、両方の絶景を味わってほしい。

イスタンブールのトプカプ宮殿。
この傍らには様々な歴史的建築物が残されている。
ガイドブックに紹介があるだけでも、徒歩10分圏内に、アヤソフィア、考古学博物館、トプカプ宮殿、タイル博物館、古代東方博物館…等々。

また、ガイドブックには紹介はないが、チャンスがあるならば見ておきたい建物も有り、その一つがアヤ・イリニ教会だ。
アヤ・イリニ教会はトプカプ宮殿の皇帝の門を潜った庭園内にあり、入場は無料。
ただし、いつでも見学できるわけではないらしく、口コミによれば閉まっている時の方が多いらしい。

アヤ・イリニ教会は4世紀に建てられた教会で1600年後の現在もその当時の建築様式を保っている。
オスマントルコ時代、多くのキリスト教の教会はモスクへと姿を変えた。
しかし、アヤ・イリニ教会はその大きさが中途半端であったために、モスクには造り替えられることなく倉庫として利用され、それが幸いし、建築当時の味わい深いその姿を残している。

内部に特に豪華なフレスコ画やモザイクがある…訳ではなく、ガランドウの構造体であるアヤ・イリニ教会は、現在はコンサートホールなどイベント時に利用されることが多いそうだ。
見所がある訳ではないが、古いレンガの坂道を下って辿り着くホール、岩を削ったような粗造りな構造は、1600年の歴史を感じさせられるものであることには変わりない。

イスタンブールでのマストな訪問先ではないが、トプカプ宮殿に行く時に足を向けてみてもいいかもしれない。
ただし、いつも見学可能ではない事には注意してほしい。

イスタンブールの考古学博物館は、かなり長い期間をかけて改修工事をしている。
博物館の収蔵品リストを見る限り、展示さえしっかりとしてれば見応えがありそうな場所なのだが、私が訪れた時は改修終了の場所はまだ全体の半分もなく、全体にとりあえず置いてみました感が満載で、ちょっと残念な状況だった。

ミュージアムパスを購入しており、入場料を別に支払う必要が無かったので、そんな状況でも、まぁそれでもいいか…とは思ったが、正規の入場料を払って現在の博物館に入場する価値があるのかは微妙だと思う。

時間に余裕がある旅人がフラっと行くのなら良いが、収蔵品を楽しみにしていくとガッカリ…と肩を落とす場合もあるだろう。
改修工事が終了するでは、イスタンブールで訪れるべき観光地としてはマストな場所ではない。

イスタンブールの市内の外れにある小さな博物館。
そこは、市内中心部からは若干行きにくい場所だが、イスタンブールで訪れたい場所の5本の指に入る博物館だ。

博物館の名前は、カーリエ博物館。
その昔の名前はコーラ修道院と云い、ビザンチン芸術を駆使したモザイク画が有名だ。
キリストが優しく微笑む【全能のキリスト】など名の知られたモチーフも多いが、ここで見逃してはならないのは、内拝廊の天井付近のモザイク画である【マリアの生涯】だろう。
一般的な新約聖書では、マリアが物語に登場するのは大天使ガブリエルによる【受胎告知】からなのだが、コーラ修道院のモザイク画にはマリアの両親の様子、マリアの母が妊娠した時の状況、マリアの成長の過程などが描かれ、なかなか興味深い。
なかでも、マリアの子供のころの様子については詳細に描かれており、マリアが普通の子供ではなくキリストを産むべき巫女として産まれ、成長してきた様子などが絵から見てとれる。
マリアの不思議な能力（今でいう超能力）についてもモザイク画には描かれている。

カーリエ博物館を見学する場合、聖書について詳しい知識があるならばオーディオガイドは不要だが、新約聖書しか読んだことが無いのであれば、ここではオーディオガイド（15TL：日本語あり）を借りる方がお勧めだ。