歴史に If は存在しないが、もし 鍵が開いていなかったら、トルコの歴史は変わっていたかも…
- 5.0
- 旅行時期:2015/05(約11年前)
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by ウェンディさん(女性)
イスタンブール クチコミ:47件
コンスタンチノープルの古都を1000年もの長き間守り続けてきた砦。
そんな砦(城壁)が今なお、イスタンブールの街の中には残されている。
砦の名前はテオドシウスの城壁。
テオドシウスの城壁は、5世紀にビザンツ帝国(東ローマ帝国)テオドシウス2世により作られた難航不落の城壁だ。
テオドシウス2世はユニークな方で、歴史書に名を残している割には政治的には何もしていない(政治は側近や重鎮が滞りなくこなしていた)人だ。
そんな彼の命で作られた城壁は、長さが7km、その高さ10m、城壁幅も厚いところでは10mもあったという強固なモノ。
この難攻不落の城壁を落としたのはオスマントルコの英雄メフメット2世。
攻略のキーポイントはなんと、ビザンツ帝国側の兵士による城壁の通用門の鍵のかけ忘れ。
強運の持ち主であるメフメット2世の兵士が鍵のかかっていない城壁のゲートを見つけ、そこから一気に砦を攻め、コンスタンチノープルの町を攻略した…と云われている。
もしメフメット2世に運命の女神が微笑んでいなければ、その後のトルコの歴史すら変えていたであろう城壁だ。
仮にメフメット君(オスマントルコ)側が鍵の開いている入口を見つけていなかったとしたら、ローマ帝国の栄光は15世紀以降も続き、今のイスタンブールの姿はキリスト教国の神聖な都として君臨し、現在とは全く異なるイメージの都市となっていたであろう。
そんな運命の城壁の上に登ることが出来る。
とはいうものの、テオドシウスの城壁脇に正式な階段や登り口がある訳ではなく、非公式の登り口を使うという方法だ。
城壁の脇には何カ所か階段が作られており(昔の名残だろう)、現在はその階段はフェンスで閉ざされ施錠されている。
ところが、その施錠の何カ所かは外されていることが多い…。
そんな情報を私は旅の前に入手していた。
そして現地でテオドシウスの城壁沿いを歩き、そんなラッキーなゲートを探した私達。
まず、見つからないだろうな~。そんな風に思っていたのだが、ソレが結構簡単に見つかった。
そして、鍵のかかっていないゲートをくぐり、城壁の上へと登る。
気分はまるでメフメット二世だ。
砦の上からは金角湾までの古い街並みの様子、そしてイスタンブールの郊外の様子が一望出来た。
ただの砦…。
何も知らなければ、そんな風に思うかもしれない。
でも、トルコの歴史を大きく変えてしまった砦、運命の女神の微笑により左右されたトルコの歴史を思うと、感無量となる場所だ。
- 施設の満足度
-
5.0
- 利用した際の同行者:
- 友人
- 観光の所要時間:
- 1-2時間
- アクセス:
- 4.0
- 長さ7kmもあるのでどこからでもアクセス可能だが、鍵のかかっていないゲートがあったのはT4エディルネカプ駅付近
- 人混みの少なさ:
- 3.0
- 人が少ないので、夕方や夜間は安全面には要注意!
- 展示内容:
- 4.0
- 此処ばかりは、旅人により価値観は異なる…と思う
クチコミ投稿日:2016/01/17
いいね!:6票
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