ノムチョアさんのクチコミ(7ページ)全1,537件

１８世紀中期の建築と推定される上嵯峨屋は妻籠宿で最も古い建物の一つで、庶民が格安で宿泊できる木賃宿です。
当時は相部屋であることが多く、宿代は薪代のみの、江戸時代バックパッカー御用達の宿。
この時代にゲストハウスがあったとは、驚きです。

寺下の町並みに入る石段を下がったところにある、石置き屋根が目印の下嵯峨屋。
もとは長屋でしたが、うち１戸を解体して復元したものです。
妻籠宿にある民家の中では比較的古い形式を留めていて、内部の柱にはヒノキを使い、当時の民家を代表する片土間に並列２間取りという形です。
江戸時代の庶民の暮らしを垣間見ることができました。

妻籠宿のみならず、幕府の命令で各宿場に設けられた枡形跡です。
敵の侵入を阻むために道を二度直角に折り曲げた「桝形」が当時のまま残っています。
妻籠宿の枡形跡の石段を少し下がったところには、下嵯峨屋があります。

脇本陣奥谷を見た後は、隣接する歴史資料館へ。
南木曽町や木曽路の歴史、宿場や町並み保存など、資料や模型・映像などで紹介しています。
特に木曽五木（ヒノキ、サワラ、アスナロ、ネズコ、コウヤマキ）の木の断面、葉の比較展示は興味深く、馬籠脇本陣記念館前にも植えられていました。
また妻籠宿本陣を務めた島崎広助をはじめ島崎家の家系図の中に、小説家・島崎藤村の名前もあり、彼の作品がこの地で深く関わってきたことがよくわかりました。

島崎藤村の母親の生家であり、また最後の当主は島崎広助（藤村の実兄）という。
かつて参勤交代などで大名が宿泊した本陣です。
今の本陣は江戸時代後期の絵図をもとに復元されたもので、台所や囲炉裏、上段の間など、いくつもの部屋が存在し、当時の生活事情をうかがい知ることができます。

代々、脇本陣・問屋を務めた林家の屋敷で、島崎藤村の初恋の相手の嫁ぎ先としても知られています。
また冬の晴れた日、その限られた時間帯に格子窓から差し込む太陽の光が囲炉裏の煙に透けて見える幻想的な光景も必見。
さらに、明治天皇がここで御休憩された時の記録が書かれた机の天板は、管理人の方が案内してくれた時のみに拝見することができます。
主屋の裏には土蔵があり、そこには脇本陣を務めた林家の資料（島崎藤村の作品もあり）が公開され、見どころ多しの館でした。

妻籠宿の出発点、水車小屋の向かい側に高札場跡があります。
幕府が庶民に対し、禁じた内容や守るべき内容が書かれた、いわゆる掲示板のような役目をしています。
旅人も住民もこの掲示を見て、情報を入手していた場です。

妻籠宿は全国で初めて古い街並みを保存した宿場町として、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
出梁造りに堅繁格子、うだつのある軒が続く街道を歩いていると、江戸時代にタイムスリップしたような感覚に。
これほど古い町並みを永く保存し続けているところは、木曽路観光には外せない存在です。

中津川ＩＣの近くなので交通量が多く、またホテルの周囲は大型チェーン店のレストランがあります。
大浴場はラジウム人工温泉ということで ありがたいですが、３ヶ所しか洗い場がなく家族風呂のような広さです。
部屋はビジネスホテルなので、それなりに設備が整っていますが、夜中に上階のドスンという大きな振動がとても気になったのが 残念でした。

国内最大級の木製の吊り橋で、近代化遺産として国の重要文化財に指定されています。
福沢諭吉の娘婿である実業家・福沢桃介が水力発電開発のために木曽川に架けた橋で、全長２４７ｍもあり、足元を見ると線路の跡も残されています。
ちなみに橋は人のみが通行可能で、バイク・自転車では渡ることができません。

三留野宿は 木曽地方を治めていた木曽氏の屋敷があり、交通の要所として栄えてきた宿場町です。
かつては妻籠と並んで栄えたそうですが、大火で当時の建物はほとんど残っていないとのこと。
それでも本陣跡には、庭木の枝垂梅（町の天然記念物）と明治天皇御膳水が当時の面影を残しています。

伊勢神宮をモチーフに 木曽ひのき・天然木で造られた道の駅です。
その木曽の特産である木工品や大桑村で育てられた地元農家の新鮮な野菜をはじめ、地酒・漬物など 県の土産品全般を購入することができ、お土産選びにはこと欠きません。
もちろん レストランもあるので、移動中の休憩所として心強い味方です。

木曽１１宿の中で 奈良井宿に次ぐ長さを誇る野尻宿。
江戸時代、西の木曽川、東の深い谷に はざまれた難所であったため、野尻宿で宿泊する旅人が多く栄えた宿場であったそうです。
外敵を防ぐために、ところどころ狭く曲がりくねった「七曲り」と呼ばれる町並みが 今でも残っているのが特徴です。
また本陣跡・脇本陣跡、そして 映画「男はつらいよ」の舞台になった旅館もあるのも見どころです。

国指定重要文化財（本堂・庫裏・山門）の定勝寺は、木曽三大寺中の最古刹です。
木曽家第１１代の源親豊公が祖先菩提のため木曽川畔に創建した寺で、木曽川の洪水により
現在の場所に移建された歴史があります。
戦国時代木曽谷を支配した戦国大名「木曽義昌」の位牌、東洋一の木曽檜製「定勝だるま」大坐像の他に、珍しい目覚し付袴腰型櫓時計も必見です。

須原宿を歩いていると、家の前に置かれている水舟をよく見かけます。
丸太をくり抜いて造られた水舟に、野菜や果物を冷やしているところもあります。
須原宿は古くから水がきれいな場所であり、今でも残る貴重な生活文化です。

須原宿といえば、水舟や敵の進入を防ぐ枡形、そして幸田露伴の「風流仏」の舞台になったところでもあります。
またあと一つ「須原ばねそ」という民謡発祥の地で、大桑村指定無形文化財になっています。
清水医院跡の看板の隣に、その民謡を聞くことができる装置があるので、聴いてみては？
（ボタン２を押すと、６番まである民謡が聴けます）

大桑村から上松町へ向かう国道沿いに 木曽八景の一つ 小野の滝があります。
国道沿いなので、気を付けないと思わず通り過ぎてしまいそうな感じです。
江戸時代に活躍した浮世絵師（歌川広重や渓斎英泉、葛飾北斎など）が絵の題材にしたといわれ、特に歌川広重の「木曽街道六十九次」にも描かれた名瀑です。

レストラン「ねざめ亭」の隣に美術公園入口の表示があります。
その案内に従って中に入ると、いきなりの急な階段にビックリ。
下りていくと 途中からスロープにかわり、やがて眼下に美術公園のモニュメントが見えてきます。
浦島太郎伝説にちなみ「時」をテーマとした高さ３ｍの日時計を中心に彫刻が展示され、周囲の景色にベストマッチ。
寝覚の床と合わせて散策するのが お勧めです。

木曽川の激流で削られた花崗岩が作り出す奇勝地。
木曽八景の一つとして数えられ、中山道の旅人が足を休めたとされる場所です。
ここには浦島太郎伝説が残されていて、床岩と名付けられた岩の上で、帰ってきた浦島太郎が寝覚めたと伝えられた小さな祠・浦島堂があります。

上松宿は「ひのきの里」と呼ばれるほど、木材業が盛んな町として発展してきたところ。
特に街道沿いには 尾張藩の材木所跡（上松材木役所御陣屋跡）があり、その名残があります。
また１０月には「木馬引き大会」が開催され、かつて木材を搬出するために使われていたソリ状のものに約３００ｋｇもある丸太を乗せて競うレースで、伝統を楽しく引き継ぐ イベントもあります。