2022/04/14 - 2022/04/14
211位(同エリア3722件中)
万歩計さん
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帰省を利用しての九州の重伝建巡りは、福岡、佐賀を巡り終え長崎へ。長崎は仕事で数回行ったが、観光は小学校の修学旅行と高校のバスハイク以来50余年ぶり。福岡からバスが頻繁に出ておりアクセスはいい。
重伝建歩きの前に出島で長崎の歴史についてお勉強。長崎が出島での貿易や文化交流を通して、世界と日本各地が繋がっていたことがよくわかった。出島の後は東山手地区の重伝建を散策。歌謡曲に歌われたオランダ坂に点在する洋館群が石畳の道や石塀と共に静かに佇んでいた。同じ居留地の横浜や神戸に比べてコンパクトで回りやすい。
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重伝建登録地区名:長崎市東山手
分類:港町
東山手地区は開港場の旧居留地のうち、大浦川右岸丘陵にある。地区内に7棟の洋風住宅、活水女学院本館、旧英国領事館(重要文化財)等がある。木造の洋風住宅は桟瓦葺、下見坂張りペイント塗りで、海に向かって開放的なベランダを付ける。地区内には石畳の道と石垣、石溝、石標類など、居留地時代からの工作物も残り、当時を偲ばせている。
~全国伝統的建造物群保存地区協議会発行「歴史の街並み」より
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
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福岡から長崎へ日帰りで重伝建巡り。今回は高速バスを利用。1時間に1~2本とJR利用に比べてはるかに便利で、料金も往復で4800円とこれまたお得。
博多バスターミナル 乗り物
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7:49 九州号は博多バスターミナルを出発。天神バスセンターを経由すると長崎までノンストップ。
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バスは九州道から長崎道を快走。Wi-Fi付のバスは快適で乗客は10人程度。
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10:12 大波止で下車。
大波止電停 駅
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近くにカステラの老舗「文明堂」。
文明堂総本店 専門店
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「カステラ一番、電話は二番、三時のおやつは文明堂~♪」
フレンチカンカンのメロディーで一世を風靡したCMソングを覚えてますか? -
大波止から出島は目の前。重伝建歩きの前にここで長崎の歴史を学習。
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出島は街に暮らすポルトガル人を収容することで、貿易の掌握とキリスト教の広まりを防ぐ目的で、寛永13年(1636年)に造られた人工島です。
天草の乱でポルトガル船の来航が禁止された後はオランダ商館が移され、日本唯一のヨーロッパ貿易地として幕末まで続きました。 -
橋を渡った先が出島。当初は15000m2の扇形をした人工島でした。
出島 名所・史跡
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パンフレット。出島には鎖国期の復元建物ゾーンと明治期の洋風建築ゾーンがあります。
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先ずは鎖国期の復元建物を見学。
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菅笠に達付袴姿のガイドさんがタブレット片手に説明。当時の役人乙名の衣装です。
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イチオシ
若い子は着物姿で見学。華やかでいいなあ。
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筆者蘭人部屋(オランダ人の書記の住居)。グリーンの窓枠にオランダ人の生活が窺えます。
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ここでは、出島が貿易や文化交流を通して世界と日本各地が繋がっていた様子を説明しています。
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当時のアムステルダム港の様子
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出島の様子。オランダ人と日本の商人、役人の乙名も描かれています。
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天明年間(18世紀末)の蘭学入門書。
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拝礼筆者蘭人部屋(蘭学館)
帳簿などの筆記を行うオランダ人の書記の長が住んでいた建物。出島から入ってきた蘭学を紹介しています。 -
展示の様子。教科書に出てくる資料が目白押しで興味津々。
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出島と言えばシーボルト。江戸末期にオランダ商館の医師として来日。日本の医学は飛躍的に発展させたのは勿論、生物学、民俗学、植物学、地理学等の多彩な才能を活かして日本を研究した人物です。
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帰国後に出版した大著「日本」。当時のヨーロッパにおいて日本学の祖として、海外に日本のことを広めた書籍です。
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ズーフハルマ
商館長ヘンドリック・ズーフが通訳と共に編纂した蘭日辞書。5万語を収めた本格的なもので、多くの写本が作られました。 -
蘭学事始
杉田玄白が文化12年(1815年)にまとめた蘭学に関する回顧録。 -
解体新書
杉田玄白らがオランダの解剖学書を日本語に翻訳したもの。 -
エレキテル
平賀源内が考案した摩擦による静電気を利用した実験装置。 -
他にも時計や顕微鏡等、ヨーロッパの科学技術が展示されていました。
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商館長(カピタン)の部屋
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1階は体験展示室
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灯りの傘に描かれたカピタン。
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オランダ船に、
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大砲
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2階に上がると玄関脇に「17.5畳の部屋」。商館の事務所です。
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畳の上に置かれた西洋家具や事務机。
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イチオシ
「阿蘭陀冬至(おらんだとうじ)」というクリスマスの宴席を再現した大広間。
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壁紙には江戸時代に盛んに造られた唐紙が使われています。
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板張りの広間。グリーンのベランダや窓にオランダ人の生活が現れています。
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日本人の役人もしばしば出入りし、時には遊女も呼んだそうです。
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壁紙が個性豊かで美しい。
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乙名部屋
出島のオランダ商館員の生活を支えていたのは、乙名と呼ばれる日本人の役人たちでした。 -
出島の復元計画が動き出したのは昭和26年。現在16の建物が復元され19世紀初めの街並みが蘇っています。
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砂糖を貯蔵していた一番蔵。
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砂糖は出島の主要輸入品の一つで、砂糖はオランダ領だったジャワ島から運ばれてきました。
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商館員の生活に関する展示パネル
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遊女を侍らせた絵が多い。
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遊女だけは出島にフリーパスで出入り出来たそうです。
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次は明治期の洋風建築ゾーンへ。これは旧長崎内外クラブ。
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長崎の外国人と日本人の交流の場として明治36年に建てられました。
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旧出島神学校
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明治11年に建てられた現存する日本最古のプロテスタント神学校。
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庭園内に出島のミニチュア
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アーチのオランダ石門は当時のもの
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1時間の事前学習を終え、出島から重伝建の東山手地区に向かいます。
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長崎市内は路面電車が発達していますが、
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万歩計は風景を楽しみながら歩いていきます。
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大浦海岸通を歩いていると「鉄道発祥の地」の碑を発見。
慶応元年にトーマス・グラバーがここでデモンストレーションの汽車を走らせた時、馬車しか知らない日本人は驚愕したそうです。新橋横浜間で初の営業鉄道が走ったのは、それから7年後の明治5年。 -
ロシア仮館跡。19世紀になって幕府の鎖国政策が揺らいでいく様子がわかります。
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大浦海岸通から東山手に向かう緩やかな石畳の坂へ。石造りの重厚な建物の歴史は分からないが現在は活水学院の国際交流センター。
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建物の前に湊会所跡の碑。安政の開国により開港された長崎で、貿易・外交事務をつかさどる会所がここに設置されました。
湊会所跡 名所・史跡
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湊会所跡に建つ重厚な建物。歴史は不明ですが現在は活水学院の国際交流センターになっています。
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ここから先が東山手の重伝建地区。
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重伝建地区の案内板
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イチオシ
歌にもあるオランダ坂が続きます。
オランダ坂 名所・史跡
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坂の入口に東山手のシンボル活水女子大学キャンパス。立入禁止なので写真を一枚だけ。
活水女子大学 名所・史跡
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その上は閑静な住宅地。
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オランダ坂の洋館巡りの最初は東山手甲十三番館。
東山手甲十三番館 名所・史跡
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登録有形文化財に指定されているフランス代理領事の旧邸宅で、120年前の建築です。
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入場無料で自由に見学できます。1階は喫茶店、2階は当時の生活を再現した部屋。
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広めのバルコニー。淡いグリーンは東山手の洋館の特徴。
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ここから眺めるオランダ坂はなかなかの絶景です。
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その奥は東山手十二番館。やはり重要文化財です。
東山手十二番館 名所・史跡
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1868年(明治元年)に建設されたもので、竣工後ほどなくロシア領事館が置かれました。
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その後アメリカ領事館やアメリカのメソジスト派(婦人外国伝道協会)の宣教師などの住宅として使われました。
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その後活水学院に譲渡され、現在は長崎市の旧居留地私学歴史資料館になっています。
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明治20年代の活水女学校の生徒。現在全国にあるミッションスクールの草分けです。
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東山手十二番館のすぐ脇にある旧藤馬氏宅。明治初期に建てられた洋館で、十二番館の附属的建物であったと推測されています。
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イチオシ
更に奥の木造2階建の建物は、明治後期に建てられた活水同窓会館事務所。立ち入り禁止なので写真のみ。
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十二番館、十三番館のある区画から、
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オランダ坂の入口に戻り、
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坂を上っていくと、
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イチオシ
オランダ坂の下に趣ある洋風が並んでいます。どれも淡いグリーンの木造でグレーの屋根瓦には煙突。
東山手洋風住宅群 名所・史跡
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隙間に見える中国風の建物は長崎孔子廟中国歴代博物館。
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見ていこう。
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ここは市指定有形文化財「東山手洋風住宅群」。
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現在は古写真資料館・埋蔵資料館になっています。
古写真資料館 埋蔵資料館 美術館・博物館
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うち1棟は東山手街並み保存センター。
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イチオシ
次は下の4棟へ。
東山手洋風住宅群 名所・史跡
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よく似たデザインの木造建築が上に3棟、下に4棟とひな壇に並んでいます。
古写真資料館 埋蔵資料館 美術館・博物館
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建物の意匠や仕上げは意外に質素ですが、
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木材の風合いに歴史を感じます。
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これらの建物は、居留地時代に社宅又は賃貸住宅として建造されたと考えられています。
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当時の生活を今に伝える家具類。
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窓から隣の家の煙突が見えます。
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内部には幕末から明治期の長崎の外国人居留地と市街地の古写真やパネルが展示されていました。
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居留地時代の長崎の地図
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12:40 これからもう一つの重伝建南山手に向かいます。
重伝建南山手の旅行記はここ→ https://4travel.jp/travelogue/11754129
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この旅行記へのコメント (2)
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- おくさん 2023/02/25 22:37:40
- 出島
- 九州には一度も足を踏み入れたことがないので、いつか行ってみたいです。
出島は見応えありそうですね。
建物が古いので、あれ?もしかして当時のが、、、と思いましたが、復元でしたか。
それでも既に70年前じゃ貫禄ありますね。
また大幅な旅割りでもあったら九州をフラフラしたいものです。
- 万歩計さん からの返信 2023/02/26 09:15:08
- Re: 出島
- おくさん、おはようございます。
長崎は出島を始め、異人館巡り、グルメとなかなか楽しい町です。横浜や神戸と比べてもコンパクトにまとまっているので、1泊したら十分回れます。今回は時間がなくて行きませんでしたが軍艦島の観光も面白そうです。
ところで司馬遼太郎の「街道を行く」シリーズをご存知ですか?読んでいるといろんなところを歩きたくなります。
万歩計
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