2021/02/13 - 2021/02/13
29位(同エリア589件中)
万歩計さん
昨年10月に宮城県の村田町を訪れ、重要伝統的建物群保存地区(重伝建)の存在を知った。帰って調べてみると令和3年8月現在、104市町村で126地区、約3万件の伝統的建造があるという。この中には有名観光地になってる場所もあり、これらの多くは既に訪れていた。しかし大部分は名前も知らない地方の町や山村で、いずれもノスタルジーを感じる懐かしい風景のようだ。
コロナ禍で海外に行けない間、これら重伝建を訪ね歩こうと決めた。幸い関西を始め身近な場所も多い。
その手始めとして地元奈良県の商家町「宇陀市松山」を歩いた。昔から京大阪から伊勢、吉野に行く重要な街道沿いに発達した街で、伝統の薬種問屋の建物が多く残っていた。
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重伝建登録地区名:宇陀市松山
分類:商家町
奈良県東部の宇陀山地に位置する宇陀市松山は、近世当初に城下町が建設されて以降、宇陀地方の政治・経済の中心地として栄えた。城山と宇陀川の間を南北に長く展開する平入の町家群は江戸後期から明治初期にかけて建てられたもので、地区内に流れるせせらぎや、遠近に見える山々と調和して独特の景観を形成している。
~全国伝統的建造物群保存地区協議会発行「歴史の街並み」より
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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国道166号線を宇陀松山へ。
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宇陀松山会館(旧松山町役場)の駐車場に車を停めて、
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これから歩く重伝建の地図をチェック。奈良と伊勢を結ぶ旧街道に沿った一画が重伝建に指定されています。
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最初にまちづくりセンター「千軒舎」へ。
街歩きはここから by 万歩計さん松山地区まちづくりセンター 千軒舎 名所・史跡
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明治前期に建てられた旧内藤家住宅で、かっては薬屋・歯科医院でした。
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内藤家住宅は平成12年に大宇陀町に寄贈され、平成15年に「まちづくりセンター 千軒舎」としてオープンしました。
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内藤家住宅の間取り図。外観は昔のままに、内部は昔の雰囲気を残しながら、用途に応じて大胆に改造されています。
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高い天井には竹が使われ、明り取りの窓も。
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かって屋根を飾っていた大黒様と恵比寿様の鬼瓦
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古いホーロー看板類
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薬屋を営んでいた時の道具類。大宇陀は古くから薬種の町で、この後幾つか薬屋を見学しました。
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座敷
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欄間の透かし彫りから朝日が射しこみます。
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洋の東西を問わず、建物に凝った彫刻を施すのは豊かさの象徴。
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裏に出ると井戸の跡
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係の人が宇陀松山の説明をしてくれました。街歩きの前にぜひ宇陀松山城跡に行くよう勧められました。
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ということで、裏口から出て城跡へ。
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城跡までは1km足らず。小山の上に石垣が残っていました。
大峰山脈の展望が素晴らしい by 万歩計さん宇陀松山城跡 名所・史跡
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戦国時代に「宇陀三将」と称された秋山氏がここに城を築き、その麓に栄えた城下町が宇陀松山地区の始まりです。
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天守閣の跡
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イチオシ
ここから杉林越しに大峰山脈が見えます。
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この眺望は「奈良県景観資産」に登録されています。
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麓に戻って街歩きスタート。先ずは伊勢と吉野に向かう道の分岐点を南の吉野方向へ。
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ここがかっての松山の南の入口。松の大木があったことから「一本松跡地」と呼ばれています。
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一本松跡地から松山通りを北へ歩きます。
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宇陀松山が重伝建に指定されたのは平成18年。今でも200を超える古い建物が残っています。
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生活のにおいがする路地。
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黒漆喰にくす玉が下がった建物
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芳村家「稲戸屋」。かって菜種油絞りをやっていたが、明治5年から清酒製造業を始めたそうです。
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更に歩くと、
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青木月斗の句碑? 知らないが行ってみよう。
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案内に従ってこんな路地を行くと、
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神社の入口に句碑がありました。
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「山より野より水より起る秋の聲」
後で調べたら、青木月斗は正岡子規の門人でした。 -
通りに戻ると、懐かしい昭和の雑貨屋さん。
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もちろん現役です。
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観光客どころか地元の人も歩いていません。
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蔵造りが美しい2軒目の造り酒屋は久保本家酒造。
蔵造りの建物が美しい by 万歩計さん酒蔵カフェ 久保本家酒造 グルメ・レストラン
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内部を見せて頂きました。母屋と商店が一体になった昔ながらの酒屋造りの建物です。
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銘柄は「初霞」
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酒蔵が見たければ裏の川を渡って、と教えられ
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川越しに見たらいい感じ。米を蒸したと思われる大釜が置かれています。
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国道沿いに「道の駅 大宇陀」。
道の駅 宇陀路大宇陀 道の駅
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松山通りに戻ります。
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イチオシ
古い建物が修復されています。
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街並み保存にはお金がかかります。重伝建の多くは田舎の過疎地帯、観光資源としてやっていくには困難も多いことでしょう。
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ドイツの旧市街で見る鍛鉄の芸術的な看板もいいけど、
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日本古来のこの種の看板もなかなか味があります。
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車を停めた旧町役場に戻ってきました。明治36年建築で奈良の近代建築の典型だそうです。
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内部は宇陀松山城関係の展示がありました。
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松山通りをさらに北へ。
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この医院は何代続いているのだろう。
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国史跡の森野薬草園。
葛製造工場や薬草資料館を見学できる by 万歩計さん森野旧薬園 公園・植物園
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イチオシ
森野薬草園は享保14年に森野賽郭翁によって開かれ、民間の薬草園としては日本最古だそうです。
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現在は吉野葛を製造販売しています。
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裏には吉野葛を製造する作業場が公開されていました。
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作業場
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吉野葛の製造工程を説明したパネル
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ずらりと並んだ沈殿槽。この中で葛の根に含まれる澱粉を、極寒期に地下水のみで繰り返し精製、乾燥させて製造するそうです。
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その奥に薬草園の資料館。
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裏山一帯が薬草園だったようです。大宇陀は古代は「阿騎野(あきの)」と呼ばれ、宮廷の薬猟の地でした。
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ここで栽培された薬草は250種類もあったそうです。
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名だたる大名家の御用達でした。
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江戸時代末期に建てられた林家。屋号は「拾生屋」で、タバコの葉や木材を扱う商家でした。
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イチオシ
重厚な黒川家住宅は吉野葛を商う商家。
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中を見せて頂きました。
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商品を入れた棚
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明治12年の国内勧業博覧会では、特産の吉野葛を出品したそうです。
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同じく1910年にシェフィールドで開かれた日英博覧会にも。
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この辺りが重伝建地区の中心で、古い建物がずらりと並んでいます。
見どころは松山通りと下町通り by 万歩計さん宇陀松山 重要伝統的建造物群保存地区 名所・史跡
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しばらく街歩きに付き合ってください。
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都司(つじ)家住宅。屋号は「更紗屋」で、紺屋のほかに油問屋などを営んでいました。
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宇陀松山の街並み
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宇陀松山の街並み
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宇陀松山の街並み
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宇陀松山の街並み
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宇陀松山の街並み
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イチオシ
味噌樽を看板にしたのは「いせ弥」
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自家製の味噌を使った奈良漬。
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宇陀松山の街並み
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宇陀松山の街並み
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山邉家住宅。江戸中期の建物で、年代が分かるものでは宇陀松山で最古の町家。
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これ、犬矢来と言ったっけ。確か犬のおしっこ除け。
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山邉家住宅の向かいは川尾家住宅。江戸時代末期の建築で、元は豆腐屋を営んでいました。
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菱形の格子が施された虫籠窓。
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大宇陀歴史文化館「薬の館」。江戸時代末期に建てられた薬問屋の旧細川家の住宅です。
古い薬の看板が面白い by 万歩計さん宇陀市大宇陀歴史文化館 「薬の館」 美術館・博物館
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玄関を入ると帳場、後ろの壁に薬種箱と鍾馗さんの彫り物。
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天保7年に人参五臓圓、天寿丸という腹薬を発売しました。
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帳場の横にデンと置かれた銭函
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安政元年年当時、宇陀松山の薬種業者は50を超えていました。
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薬関係の看板
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重厚な漆塗りに金文字の看板
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今も残る会社や商品名も。
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薬関係の資料も展示されています。
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座敷
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家人の生活空間
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広い土間に竈
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高い天井には煙抜きの窓
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広い屋敷には不釣り合いな小さな風呂
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奥の蔵は藤沢薬品コーナー。細川家は藤沢薬品工業(現アステラス製薬)創業者の母親の実家です。
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藤沢薬品と細川家の関わりの資料が展示されていました。帳場にあった鍾馗さんは藤沢薬品が藤沢樟脳と言ってた頃の商標だったようです。
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蔵には薬関係の看板が多数展示されています。
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看板展示コーナー
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看板展示コーナー
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松山通をさらに北へ、
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イチオシ
やはり薬局が目立ちます。この辺りが重伝建地区の北の端。
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春日神社。春日門跡はかって松山城の櫓門でした。
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ここで左折して、
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下町通りへ。
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恵比須神社の境内を抜けるとその先に、
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国史跡、松山西口関門
松山西口関門 (黒門) 名所・史跡
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城下町の入口として400年前に建築された門で、街の人は「黒門」と呼び親しんでいます。
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下町通りにも古い建物が残っています。
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下町通りの街並み
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この古い建物は
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ゲストハウス「奈の音」
奈の音 宿・ホテル
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この長い建物は材木屋?
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県指定文化財 万法寺。本堂は江戸時代初期の建築。
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宇陀松山の街並みを2時間半かけてじっくり回りました。この頃には観光客もちらほら。
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町から少し離れた「大宇陀温泉 あきののゆ」へ。無類の温泉好きの万歩計は、旅先に温泉施設があれば必ず立ち寄ります。
大宇陀らしく薬湯や薬草サウナもある by 万歩計さん大宇陀温泉あきののゆ 温泉
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風呂の前に併設のレストランで昼食。
お食事処 あきの グルメ・レストラン
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14:30 1時間温泉を楽しみ、これから次の重伝建「橿原市今井町」に向かいます。
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