2021/09/22 - 2021/09/22
19位(同エリア201件中)
万歩計さん
この旅行記スケジュールを元に
帰省を利用して九州北部の重伝建を訪れている。福岡県の5か所を回り終え次は隣の佐賀県へ。佐賀県には4か所の重伝建があり、今回は鹿島市にある2か所の重伝建を訪れた。
鹿島市浜中町八木本宿は江戸時代に長崎街道の別路である多良海道の宿場町として栄え、酒造業者の酒蔵や土蔵が残っていた。
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重伝建登録地区名:鹿島市浜中町八木本宿
分類:醸造町
鹿島市は佐賀県南西部の有明海西側、保存地区は浜川河口の左岸に位置し、長崎街道のひとつ多良海道が町の中央を通る。近世の宿場町から酒造など醸造業を中心に発展し、街道と水路を骨格とする町である。防火構造の居蔵造町家、土蔵造大型酒蔵、桟瓦葺真壁造町家、茅葺町家、武家住宅、洋風建築等、質の高い建築が豊かな町並みを創出し、変化ある独特の風情を醸し出している。
~全国伝統的建造物群保存地区協議会発行「歴史の街並み」より
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- JR特急 JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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9:55 JR博多駅。これから佐賀県鹿島市にある重伝建に向かいます。
博多駅 駅
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先ずは鹿児島本線下り快速電車に乗って、
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30分余りで長崎本線への乗換駅鳥栖で下車。この駅に下りるのは40年ぶりくらいだろうか。すっかり見なくなったホームの立ち食いそばがまだ残っていたのにちょっと感激。
鳥栖駅 駅
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この鈍行列車に乗り換え肥前浜駅まで行きます。
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最初はガラガラだったが途中はお客が乗ったり下りたり。
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レンガ造りの古い駅舎に停まるなどしてして、
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1時間20分で肥前浜駅に到着。
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駅員さんに重伝建のマップを貰います。
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「ぜひ見ていって」と言われたのが駅に併設された日本酒専門のバル。地元観光協会の試みとかで、さすが酒どころ鹿島。
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レトロな駅舎。ここには観光案内所がありレンタサイクルも利用できます。
肥前浜駅 駅
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駅から南西に伸びる通りを歩くと重伝建の案内板。
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肥前浜宿は江戸時代に長崎街道の別路である多良海道の宿場町として栄えました。明治時代以降は酒造業や水産加工業に支えられた豊かな町並みが形成されました。この中で土蔵や洋館が建ち並ぶ八木本宿地区と、茅葺町家が並ぶ浜金屋町地区が重伝建地区に指定されています。
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イチオシ
先ずは八木本宿地区へ。すぐに「玉の香」と書かれたレンガ煙突が立つ酒蔵が見えます。
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「乾盃(かんぱい)」という銘柄の酒を製造していた飯盛酒造。「玉の香」は飯盛酒造の前に酒造りをしていた酒屋の銘柄だそうです。
飯盛酒造 名所・史跡
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主屋、一号蔵、二号蔵、三号蔵、麹室、煙突が国の登録有形文化財に指定されています。
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現在は酒造りは行っておらず、奈良漬、粕漬、地酒などを製造販売しているそうです。
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しかし店内は作業着や酒樽などが置かれ、
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当時の名残が感じられます。
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登録有形文化財の蔵の横には満開の彼岸花。この先に武家屋敷があるので行ってみます。
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木造の蔵の奥にはレンガ造りの建物。
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イチオシ
その先に茅葺屋根が美しい旧乗田家住宅。
旧乗田家住宅 名所・史跡
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鹿島鍋島藩に仕えた下級武士の住居で、19世紀初期の建築と考えられています。
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下級武士と言っても式台のある玄関と、通常使用する家屋への入口があります。
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内部も広くて立派な造り。下級武士らしく室内では養蚕も行っていたそうです。
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武家屋敷を後に来た道を戻り、
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多良海道に出ました。ここは「酒蔵通り」と呼ばれ江戸時代から昭和初期にかけての古い建物が続きます。
肥前浜宿 酒蔵通り 名所・史跡
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継場(つぎば)。継場では宿場から宿場まで旅人の荷物や物資の輸送を行っていました。
継場 名所・史跡
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現在は肥前浜宿の観光案内所になっています。地元のガイドさんが説明してくれるそうですが今日は無人。
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勝手に上がって見学します。
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建物は登録有形文化財
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2階は太い梁の吊り天井。人足の控室だったのか。
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背を屈めないと頭をぶつけます。
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隣の部屋は朱塗りの船底型の天井。こちらは客の待合室か。
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継場の隣に鮮やかな緑の洋館。昭和12年築の浜郵便局跡で、現在は地区の公民館。
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その隣は山口醤油醸造場。山口家は江戸時代は鹿島藩の武士で、なまこ壁が特徴的な建物は19世紀中頃の建築です。
山口醤油醸造場 名所・史跡
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中を見せていただくと、
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醤油樽が並んでいます。万歩計の生家にも土間にこんな醤油樽があったのを微かに覚えています。
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イチオシ
ここから酒蔵が続きます。
鹿島市浜中町八本木宿伝統的建造物群保存地区 名所・史跡
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イチオシ
中島酒造場。浜宿の中で最も古い酒蔵で、映画「次郎物語」のロケにも使われたとか。
中島酒造場 専門店
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創業は江戸時代にさかのぼります。代表銘柄は純米酒「君恩」で、酒類鑑評会で金賞を受賞したこがあるそうです。
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2階は白壁に複雑な形の格子窓
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現在この場所での酒造りは行われていませんが、試飲は可能だそうです。
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中島酒造場。主屋は明治18年、奥座敷は天保年間の建築。
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古いたたずまいが良く残っています。
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中島酒造場
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続いて光武酒造場。この辺りが酒蔵通りのちょうど中間。
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イチオシ
天保9年の記録では浜宿に9軒の造り酒屋があったそうですが、現在も醸造を続けているのは光武酒造場を含め3軒のみ。
光武酒造場 専門店
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日本酒の主要銘柄は「光武」と「金波」。他に本格芋焼酎「魔界への誘い」も。
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茅葺の建物は御宿富久千代。
御宿富久千代 宿・ホテル
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富久千代酒造場は少し離れた場所にありますが、この建物を宿泊施設に使われています。
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食事処「草庵鍋島」を併設。
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来た道を振り返る。
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登録有形文化財の呉竹酒造主屋。酒蔵通りで最も大きな建物です。
呉竹酒造 名所・史跡
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建築は昭和8年。。入母屋造、桟瓦葺、妻入の2階建で間口7間半奥行8間半の堂々たる規模。欅など各地名材が使われています。
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現在はコンサート等のイベントスペースに使われています。
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2階建て住宅の間に「魚市場」と書かれた建物
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この建物は戦前は魚問屋でした。戦後は魚市組合となり毎朝多くの仲買人で賑わっていました。手狭になったため昭和39年に別の場所に移転し、この通りから威勢のいいセリの声は聞こえなくなったそうです。
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鮒市とフナンコグイ
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峰松酒造場。現在も酒造りを続けている3軒の一つで大正5年の創業。観光酒蔵「肥前屋」として観光客に蔵の中を開放しています。
ここが重伝建「浜中町八木本宿地区」の東端。続けて川を渡り、もう一つの重伝建「浜金屋町地区」に向かいます。峰松酒造場 (肥前屋) 名所・史跡
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この旅行記へのコメント (2)
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- ポテのお散歩さん 2022/07/14 17:58:02
- 昔のままの街並み
- 万歩計さん こんにちは。
肥前浜宿、私も歩きました。
立派な建物が昔のまま残っている、風情ある街並みが続いていますね。
歩いていると、道を掃除していたご婦人が「武家屋敷へはもう行きましたか?」と教えて下さいました。 あの黒塀と畑の間の細い道に入らないと、武家屋敷に行けないのですよね。 教えて頂かないと気付かなかったです。
肥前屋というお店で、「魔界への誘い」が入ったケーキを買いました。
ものすごくお酒が入っているので、2個は食べられませんが美味しかったです。
今日は雨が降り、気温も上がらなかったですが、これから夏本番ですね。
コロナと熱中症に気を付けて下さいね。
ポテ
- 万歩計さん からの返信 2022/07/14 21:30:16
- Re: 昔のままの街並み
- ポテのお散歩さん 、こんばんわ。何時もコメントをありがとうございます。
肥前浜宿を訪れられたとは渋いですね。私は「重伝建巡り」というテーマがなければ、多分一生知らずに終えた町でした。肥前鹿島は生まれ故郷の筑後地方とは有明海を挟んで向かい側、平地に広がる田んぼと用水掘、海辺の漁村など何かと共通点がありました。下村湖人の「次郎物語」や北原白秋の「思ひ出」に綴られている懐かしい世界でした。
肥前屋は写真を撮っただけで素通りしましたが、観光酒蔵になって観光客が何人かいました。「魔界への誘い」は光武酒造場で造られる芋焼酎。焼酎の入ったケーキはどんな味でしょうか。伏見名物「酒蒸し饅頭」より回りそうですね。
万歩計
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