2021/07/11 - 2021/07/11
10位(同エリア130件中)
万歩計さん
この旅行記スケジュールを元に
八女市は生まれ故郷の隣町。提灯や蝋燭といった特産品があっても当時は興味がなく、交通手段が自転車のみとあってはわざわざ行く気にもなれなかった。今回八女とその東の黒木が重伝建であることを知り、セットで訪れた。町のあちこちで懐かしい「八女弁」の表示を見ることが出来た。この後にNHKの「鶴瓶の家族に乾杯」で、この2つの重伝建の町が登場した。
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重伝建登録地区名:八女市八女福島
分類:商家町
八女市は福岡県南部、久留米市の東南に位置する。保存地区は江戸時代の初めに形成された城下町の町人地部分にあたり、後に久留米藩内で最大級の在郷の商家町として発展した。町割り等に城下町としての計画された町の歴史をよく伝え、街路に沿って塗谷造の町家を中心に江戸時代から近世にかけての伝統的建造物が連坦して残っている
~全国伝統的建造物群保存地区協議会発行「歴史の街並み」より
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- その他
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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福岡市から九州自動車道を南へ。八女は生まれ故郷の近くですが、ゆっくり歩くのは初めて。
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八女インターを出て八女市内方面へ。近くにソフトバンクホークスの2軍本拠地「HAWKSベースボールパーク筑後」がありました。
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八女観光物産館の駐車場に駐車。入口に巨大な石灯籠が。
八女観光物産館 ときめき グルメ・レストラン
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石灯籠は八女の特産品。阿蘇火山帯の凝灰岩を素材に江戸時代初期から造られています。
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重伝建巡りの前に八女伝統工芸館を見学。
八女伝統工芸館 美術館・博物館
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中に入ると仏壇や提灯がズラリ。八女地方は古くから信仰心の強い土地柄で、仏壇造りは江戸時代末期から始まり、明治に入って産業として確立したそうです。
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特に目立ったのが日本一の大型金仏壇。
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ついでに併設された八女民俗資料館も。
八女民俗資料館 美術館・博物館
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八女市の中心である福島は天正15年に筑紫広門が福島城を築いたのが始まり。その後関が原の戦いの戦功により筑後32万石の領主になった田中吉政が、支城(本城は柳川城)として大修築し城下町を形成しました。
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田中吉政のコーナー
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八女福島の燈籠人形屋台。「八女福島の燈籠人形」は、毎年秋に福島八幡宮の境内で上演されている人形芝居です。
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この屋台を原寸大で複製展示してあります。上から見ると2階建、3層構造になっているのが分かります。
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燈籠人形は江戸時代の大阪人形浄瑠璃に起源を持ち、1977年には国の重要無形民俗文化財に指定されました。
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使用されていた人形の頭。
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灯籠人形の関係で人形作りも特産の一つ。
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まだあります。ここは和紙資料館。
八女手すき和紙資料館 美術館・博物館
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ここでは手漉き和紙の体験が出来るそうです。
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一通り八女の知識を入れてこれから重伝建の街歩き。重伝建はかっての外堀に沿った通りにあります。
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イチオシ
重伝建入口の京町交差点。
ハイカラな洋風建物の壁に「ダッテン・コンネ」の文字。外国語のような響きは「誰でん(→ダッテン)来んね(→コンネ)」という意味。筑後生まれの万歩計は直ぐにわかりました。 -
交差点の向こうの大きな木造建築は盆提灯の店
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イチオシ
旧道は久留米から黒木を経て豊後に抜ける豊後別路(往還道)に沿って重伝建の建物が並びます。
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堺屋か、入ってみよう。
旧木下家住宅「堺屋」 名所・史跡
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江戸時代から「堺屋」の屋号で代々酒造業を営んできた木下家の旧住宅です。
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白壁造りの建物と、その奥に木造の離れ屋敷。
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離れ屋敷は明治41年に建てられたたもの。
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内部の造りは豪商の屋敷らしく、贅を尽くしています。
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庭園も見事。座敷の床の間の掛け軸にある「櫨」の文字は、大きな蘇鉄の事のようです。
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堺屋を出ると又仏壇屋。
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平井家住宅。提灯、仏壇向けの塗料雑貨商を営み、建物は明治5年築。
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明治中期と昭和初期の2度の道路拡幅にもかかわらず、この建物だけは一階の軒切を免れています。
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白壁が続く中で、この建物の壁は黄色でした。
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徳川幕府の一国一城令により福島城は直ぐに廃城になりました。しかし町人地はそのまま残り、城下町久留米から豊後に抜ける街道の在郷町として繁栄しました。
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レトロなホーロー看板がびっしりの建物。
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酒造業者の大きな建物は、
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現在「NIPPONIA HOTEL 八女福島 商家町」という名のホテル/レストラン。外国人に受けそうなこの系列ホテルは重伝建で時々見ます。
NIPPONIA HOTEL 八女福島 商家町 宿・ホテル
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昔の田舎には、こんな雑貨屋さんが必ず1軒はありました。
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錆びた鉄の看板がいい味
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やはり仏壇屋さんが目立ちます。
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イチオシ
白壁が並ぶ通り
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ひときわ大きな建物は今里家重住宅。
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複雑な屋根瓦の重なり。
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「房屋」の屋号で提灯の房づくりを営んでいました。天保9年に現在の居蔵造りに改築されたそうで、建築年代はさらに古い。八女福島の中でも重要な町家建築だそうです。
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しかし現在は空き家。この後どう活用されるのだろう。
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2階の3連の窓が美しい酒屋の建物。ここでUターンして通りを東へ。
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町家を利用したベーカリー「町家ブロート」。
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桝形跡。枡形とは城下町時代の城郭 への出入口のことです。
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道路のマンホール。
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京町交差点を過ぎて東に歩くと、
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風情ある町家を使った新聞屋さん
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いいね!
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向かいはお蕎麦屋さん
そば季里 史蔵 グルメ・レストラン
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イチオシ
茶壷の看板を掲げた大きな木造建築は、
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創業慶応元年の製茶問屋「許斐家」。建物は江戸時代末期のもの。
矢部屋許斐本家 専門店
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左側の木造建物はお茶の審査場。さすが八女茶の里。
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窓枠の緑が鮮やかな大正レトロの部分は家人の住居部分?
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閉店した雑貨屋さん。
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通りの突き当りに見える鳥居は福島八幡宮。後で行くことにして、
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イチオシ
かぎ型の道を北に曲がると、ここにも風情ある建物が並んでいます。
八女福島の町並み 名所・史跡
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二階建ての建物に「月星地下タビ」のホーロー看板。万歩計が子供の頃、農作業をする人は地下タビを履いてました。
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高橋家住宅。麹屋と号して金融業、酒造業を営み、山林地主でもありました。
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建物は江戸時代末期のもので、現在は一部レストラン。
黒豚屋 グルメ・レストラン
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歩いてきた方向を振り返る。
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高橋家住宅の向かいは横町町家交流館。
八女市横町町家交流館 美術館・博物館
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江戸末期に建てられた元造り酒屋の建物を整備したものです。
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左側には八女茶カフェがありました。
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裏に回ると造り酒屋を偲ばせる建物跡
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若菜屋。綿屋と号して大型問屋を営み、最近まで金物商でした。建物は江戸後期のもの。
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ベンガラ塗りの建物は創業明治25年の醤油屋さん
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見えてきたのは松延家住宅。
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カネキと号し山産物商を営む。平入りで真壁造りの大型町家建築で、建築は昭和13年と新しい。
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田中家住宅。屋号は五野江屋で江戸時代には和紙を取り扱っていました。
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江戸後期の建築で、大型の妻飾りや軒裏塗込に匠の技が生かされています。
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ここで重伝建地区は終わり。
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最後に福島八幡宮へ
八女福島八幡宮 寺・神社・教会
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花手水
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茅の輪くぐりをして拝殿へお参り。
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境内の一角に燈籠人形保存会の事務所。
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八女民俗資料館に展示されていた人形芝居は、毎年秋の放生会にここで上演されます。
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福島は伝統産業と伝統芸能が息づくいい街でした。次に向かうのは東に12km行ったもう一つの重伝建地区である筑後黒木。
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この旅行記へのコメント (4)
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- おくさん 2022/06/18 09:59:25
- 方言
- こんにちは万歩計さん。
地方に行って生の芸能を見たり方言を聞くのが大好きです。
テレビの影響か、皆さん標準語を喋るのでなかなかチャンスに恵まれませんが。
スペイン巡礼のハイライト部分を歩きたいそうですね。
パンプローナ > ペルドン峠のオブジェ > 王妃の橋 > ワインの泉と、最初に有名どころが集中してますね。
私がもっともお勧めするのはHornillos del Caminoからオンタナスを経てカストロへリスへの区間です。
日本にはないメセタの風景は痺れますよ。
知り合いのご婦人が二人してサリアから歩きたいと相談をされたときに、このルートを勧めて、二人は実際にここを歩いてきました。
巡礼証明書を貰うより価値があると思います。
そろそろスペインに行けそうな気配を感じてきましたね。
来年なら行けるかな?
- 万歩計さん からの返信 2022/06/18 19:41:37
- Re: 方言
- おくさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
テレビの普及と共に地方の方言が聞かれなくなって久しいですね。作家の浅田次郎さんは対談の中で、「方言が保全されていると、その土地の気性がそのまま大事にされる。」と言ってます。
オンタナス~カストロへリス~サーグーン間は私も第一候補で考えていました。アンダルシアの祭り見物をしなかったら、このコースとパンプローナ~ログリョーニョ間を歩いていたでしょう。
おくさんのカミーノHow Toシリーズ、これからカミーノを歩こうと思っている人に貴重なデータになると思います。
万歩計
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- あやのんさん 2022/06/14 18:11:32
- ダッテンコンネ
- 万歩計さん、はじめまして
ダッテンコンネ→誰でん来んね→みんな来てねってことでしょうか
四月に訪れたとき、パン屋であることだけはわかったのですが、店名の意味はなんだろうと疑問に思っていたのです
ありがとうございました
あやのんより
- 万歩計さん からの返信 2022/06/14 23:27:46
- Re: ダッテンコンネ
- あやのんさん 、はじめまして。書き込みありがとうございます。
ダッテンコンネ→誰でん来んね→みんな来てね、大正解です。筑後(八女)弁では水を向けるとき、最後に「ね」や「の」を付けます。
食べてね→食べんね、食べんの、といった具合。
あやのんさんは東京の方とお見受けします。「犬のはなちゃん」が喋る純粋な筑後弁(但し万歩計の親世代)を紹介します。地元では人気抜群のキャラクターだそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=9xi6iKOAKHY
万歩計
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