2025/05/20 - 2025/05/20
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kojikojiさん
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「オンフルール/Honfleur」のフリータイムが終わり、再集合した後はバスに乗ってカルヴァドス県のカントリーサイドを走ります。これまでのイギリスやウェールズ、スコットランドの荒々しい風景とはまた違った穏やかな風景です。1時間ほど走った先にある「サン=ピエール=ド=コルメイユ/Saint-Pierre-de-Cormeilles」にある「バスネル蒸留所/La Maison Busnel」に着きます。ここではカルヴァドスの醸造についてを学びます。若い女性のガイドに添って、果物の選別、蒸留、オーク樽での熟成など、リンゴからカルバドスまでの加工のさまざまな段階を初歩的な内容で教わります。ツアーの参加者は年寄りばかりなので、ちょっと意地悪く昔のことなどを尋ねます。それは彼女には分からないことなのでちょっと困ったような顔をしています。銅製蒸留器のある蒸留室、瓶詰め室、2つの熟成庫を訪れた後はショップに戻って試飲が始まります。あまりカルヴァドスを飲む機会はありませんが、地元のチーズを盛り合わせたプレートを摘まみながら飲むカルヴァドスは最高に美味しかったです。これも機会なので2種類のカルヴァドスと瓶入りのリンゴジュースまで買ってしまいました。翌日は下船なのでギャングウェイのセキュリティでお酒を預けるのが面倒だなとも思いましたが…。いい感じにほろ酔い気分でバスに乗って「ル・アーブル」に戻りました。これが午前中だったら午後は街に出なかっただろうなと思います。セキュリティではお酒もあずかられずにそのまま船内に持ち込めたので荷造りには助かりました。部屋ではまず荷造りをして午後8時までに廊下に出さなければなりません。タグが余分に配られたのでトランク2個とバック2つを廊下に出してから最後のディナーに出掛けます。やっぱりクルーズは良いなと余韻に浸りながらも、翌日から始まる1週間のイギリス南部のためにも気を引き締めます。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 50万円 - 100万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 観光バス 船 タクシー ヒッチハイク 徒歩
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
「オンフルール/Honfleur」のフリータイムが終わり、カルヴァドス県のカントリーサイドに向かいます。
旧ドック 建造物
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この2週間イングランドやスコットランド、アイルランドのカントリーサイドもバスで走ってきましたが、その荒涼とした風景よりは穏やかなものを感じます。
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今回はブッシュミルズまで行きながら蒸留所には立ち寄れず、リーガル・プリンセスのバルコニーからアイラ島やスカイ島を眺めてもウイスキーも飲めませんでした。そんな思いもあって「オンフルール」からカルヴァドスの蒸留所へ行くのは楽しみにしていました。
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昨年の11月にはポルトガルのポルトからワイナリー巡りをしたり、過去にはスペインのへレスでシェリー酒の醸造所を訪ねたりしています。好きなお酒の聖像場所へ行くと、日本で同じお酒を飲んでも気分は上がります。
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しばらくすると周囲は果樹園になり、そのほとんどがリンゴに木だということが分かります。カルヴァドス (calvados) はフランスのノルマンディー地方で造られるリンゴを原料とする蒸留酒で、この地域以外で作られる蒸留酒がカルヴァドスを名乗ることはできず、アップル・ブランデーと呼ばれて区別されます。
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北海道の余市を旅した時も「オチガビ」のワイナリーを訪ねた際に「ニッカウヰスキー 余市蒸溜所」を見学した時のことを思い出します。
ニッカウヰスキー 余市蒸溜所:https://4travel.jp/travelogue/11764972 -
今回立ち寄ったのは「メゾン・ブスネル/Maison Busnel」というペイドージュの中心部のコルメイユにある蒸留所です。
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1820年にアーネスト・ブスネル(Ernest Busnel)によって設立されたメゾン・ブスネル蒸留所は、カルヴァドスの主要生産者の中で最も古い蒸留所です。
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1820年にアーネスト・ブスネルは家族とともにポン・レヴェックに定住します。彼はペイ・ドージュ地方の農場を訪れ、果物から作られた無色のオー・ド・ヴィー・スピリッツをセラーで熟成させ、ブレンドするケテル夫人と業務提携します。
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アーネストの息子のジョルジュ・ブスネルはケテル夫人の姪であるルーシーと結婚し、彼の名前は後に蒸留所とブランドに付けられることになります。完璧主義者であるジョージは、リンゴの選択に苦労しています。
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新しいオードヴィーを求めてノルマンディーの田園地帯を旅しています。これらのブレンドを完成させるために、ジョルジュは年齢の異なるオードヴィーを最大12種類組み合わせたと言われています。
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オードヴィー、オー・ド・ヴィー(eau-de-vie)はフランスにおける酒のカテゴリーの1種のリキュールの一種であり、蒸留酒に香りづけしたものですが香草や薬草ではなく、果実を使うフルーツブランデーを指します。サクランボで作るキルシュや梅酒もこのカテゴリーに含まれます。
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1938年になると大西洋横断定期船である「RMSクイーン・メアリー号」の独占サプライヤーに選ばれ、「グラン・クリュ・プレ・ヌフ」カルヴァドスのおかげで新たなレベルの評価を達成しました。こうしてBUSNEL Calvadosのボトルはアメリカ市場で消費するために大西洋を渡り始めていきます。
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かわいらしい女性のガイドさんの案内で蒸留所の中を見学していきます。この行程も夜市のニッカの蒸留所を思い出させます。
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リンゴの実を絞って得られる果汁を発酵させてシードル(Cidre)を作り、これを蒸留したのち樽に詰めて熟成させることでカルヴァドスが作られます。用いられるリンゴは多くの品種があり、スイート、サワー、ビターの性質を持つ品種をブレンドするようです。
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AOC(原産地呼称規制)の規定では、果汁の抽出から蒸留までの期間はカルヴァドスAOCとカルヴァドス・ペイ・ドージュAOCでは21日以上、カルヴァドス・ドンフロンテAOCでは30日以上とすることが定められています。
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AOCカルバドスは総生産量の70%以上を占め、オーク樽での最低2年間の熟成が必要とされます。テロワールと呼ばれる地理的領域が定義され、リンゴとナシがシードルの材料と決められています。圧搾、発酵、蒸留、熟成などの生産手順が規制され、通常は単一カラム蒸留が使用されます。
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まだ20代の女性の説明はしっかりしていますが、70代のツアー参加者の老練な質問には答えられないこともありましたがご愛敬です。
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瓶詰やラベルの貼り込みなどは近代的な機械が導入されていました。
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VSOPはホワイトオークの樽に4年半以上貯蔵し、熟成されたものでペイドージュの称号を許された最高級カルヴァドスはそこはかとなくリンゴの凝縮された香りが漂い、気品のある逸品です。
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樽の構造は過去にへレス・デラ・フロンテーラで行ったティオペペやポルトのサンデマンなどシェリー酒やポルトワインと同じようです。
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そして積み上げられた数多くの樽。この倉庫に1000近くの樽が貯蔵されているということでした。
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こんな光景を見たかったです。収穫されて工場に持ち込まれたリンゴの山です。
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実際に工場の脇には収穫されたリンゴの洗浄に使う場所がありました。
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工場見学が終わったら皆さんお待ちかねの試飲タイムです。
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最初に入った建物の中にはショップがあり、ここで試飲することが出来ます。
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その横にはリンゴを砕いて果汁を圧搾する昔の機械も置かれてあります。
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一度搾った果肉は8センチから10センチの暑さに広げられ、小麦の藁か布で覆われます。それは16層に重ねられ高さは140センチにもなります。圧搾するのには5時間ほどかかったそうです。
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こちらではリンゴを砕く道具が展示されています。こういった古い機械には魅力を感じます。長年の果汁が浸み込んでいるのでしょう。
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「コーメイル カルヴァドス カスク フィニッシュ シングル モルト ウイスキー」の試飲をします。コルメイユの町は優れた穀物生産と温暖な気候で知られ、高品質の麦芽大麦の生産で有名だそうです。またイギリス海峡に近いため、低温帯の環境でシングルモルトを熟成させるのに最適な場所でもあるそうです。
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妻も気に入ったのはポモー・ド・ノルマンディーAOCで、純粋なリンゴジュースと厳選されたカルヴァドスAOCの調和のとれた融合を感じます。この食前酒はオーク樽で最低14ヶ月以上熟成され、数年間の製造期間にわたってカルヴァドスをブレンドされます。
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数種類のウイスキーやカルヴァドスを試飲しながらノルマンディー産のチーズをいただきます。何とも優雅なひと時でした。
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もちろんお土産にも何本か買い求めました。瓶詰で重たいですが、リンゴジュースもおすすめです。
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いい感じに酔っぱらってバスに乗り、ノルマンディーのカントリーサイドを走り抜けます。
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美しい小さな集落をバスで通り過ぎてしまうには惜しい気がします。
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ノルマンディーの牧草地では赤牛が多く見られました。
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契約してきたグローバルWi-Fiがイギリス限定だったのでフランスでは使えなかったのでグーグルマップで村の名前を確認できなかったのが残念です。全く頭になかったのでオフラインで登録しておけばよかったです。
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再びセーヌ川を渡ります。この先に「ルーアン/Rouen」や「ジヴェルニー/Giverny」があり、そのさらに先には「パリ/Paris」があります。まだ「ルーアン」にも「ジベルニー」にも行っていないので、フランスにも何度か来なければならない気がします。
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「ル・アーブル」市内に戻ってきました。19世紀のドックは「ヴォーバン・ドック/Docks Vauban」という巨大なショッピングセンターに生まれ変わっています。
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ル・アーヴル駅( Gare du Havre)の脇も通過します。現在のファサードは1931年から1932年にかけてアンリ・パコン (Henri Pacon) の手によって建設され、1944年の爆撃の難を逃れて1960年に修復されました。
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最後に午前中だけでは歩くことが出来なかったエリアをバスで通り抜けられて良かったです。
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「コンドール・フェリー/Condor Ferries」はブルターニュフェリーと提携してイギリス海峡の各都市で運行しているようです。
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「カテーヌ・ド・コンテナ/Catène de containers」が見えてくるとクルーズ・ターミナルもすぐそこです。味気ないターミナルを通って船内に戻りました。
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楽しかったクルーズも最後のバンになってしまいました。早めに荷造りを終えてしまいます。
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日が暮れた午後7時にリーガル・プリンセスは「ル・アーブル」を出港しました。
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最後まで「聖ヨセフ教会/Église Saint-Joseph」が見送ってくれているようでした。
マルロー美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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船内も最後の晩は少し華やかな感じがします。昨年のニュージーランドクルーズでダイヤモンド・プリンセスの船内のフューチャークルーズカウンターで見つけた格安の13日間のクルーズでしたがとても良いコースでした。
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次のクルーズはリバプールの沖合いで貰った1本のLineメッセージでアラスカに決まりました。三峡クルーズでご一緒したご夫婦の奥さんからのものでしたが、HISの祖のクルーズツアーはこの船のフューチャークルーズカウンターで申し込むよりも安いものでした。
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最後の晩のフェアウェル・ディナーのメニューです。
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と言ってもいつもの夜と特に変わることもありませんが。
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クリスピー・サーモンケーキはサクッと揚がったサーモンフライにポーチドエッグが乗り、マヨネーズソースがかかり、混ぜていただくと何とも言えない美味しさです。
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そしてスカンジナビアン・フィッシュスープです。少しスパイシーで疲れた体に沁みます。
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クリスピー・スウィート&サワー・シュリンプ。プリンセスクルーズの料理は船が違っても大きく変わることは無いので、何度か乗っていると同じ料理に再会することがあります。
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食後のドリンクは今回のクルーズでカルーアの入ったメキシカーノとベイリーズの入ったナッティ・アイリッシュマンがお気に入りになりました。これはドリンク・パッケージに入っていないと12ドルくらいになってしまいます。
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妻はアップルパイを注文しましたが、アイスクリームも付いていて美味しそうです。
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チョコレート・タピオカ・プディングは初めて食べる味でした。
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そしてナッティー・アイリッシュマン!「ナッティアイリッシュマン」の「ナッティ」はフランジェリコ、「アイリッシュマン」はアイルランドのリキュール「ベイリーズ」からきています。飛行機の機内でもコーヒーを貰うときに米リーズがあると幸せな気持ちになれます。
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