2020/02/08 - 2020/02/08
94位(同エリア4430件中)
+mo2さん
アーティゾン美術館の開館記念展「見えてくる光景 コレクションの現在地」の続きです。6Fの第1部「 アートをひろげる-Unfurling Art」ですが、前半は印象派や日本の西洋画が中心でしたが、後半は抽象画が続きます。忘備録として展示作品の写真をアップしておきます。なお、作品数(写真)が多いので旅行記は分割します。
※作品内容等は、HPを参照しています。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
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ヴァシリー・カンディンスキー「自らが輝く」1924年
新収蔵品。カンディンスキーらしいリズミカルな抽象絵画です。この作品は、画家がワイマールの美術学校バウハウスに教師として在籍していた時に制作されたものです。 -
ジーノ・セヴェリーニ「金管奏者(路上演奏者)」 1916年頃
ジーノ・セヴェリーニは、イタリアの画家。未来派運動の中心的メンバーの一人で、主にパリとローマで活動しました。本作は、路上で楽器を演奏する辻楽士が主題となっています。 -
フランシス・ピカビア「アニメーション」 1914年
ピカビアはダダとシュルレアリスムにかかわり、フランスとアメリカで活躍した画家です。ピカソと同じく、時期により、その作品のスタイルがめまぐるしく変わったことでも有名ですが、本作はフォーヴ・キュビスム・オルフィスムの時代の作品。 -
フェルナン・レジェ「抽象的コンポジション」 1919年
フェルナン・レジェは、20世紀前半に活動したフランスの画家。ピカソ、ブラックらとともにキュビスムの画家と見なされますが、後にキュビスムの作風から離れ、太い輪郭線と単純なフォルム、明快な色彩を特色とする独自の様式を築いています。 -
オーギュスト・エルバン「コンポジション、抽象」 1925年
オーギュスト・エルバンは、フランスの画家。初期には、印象派やフォーヴィスムに影響を受ける。その後、キュビスムに向かい、さらに、その大きな影響のもと、幾何学的な純粋抽象絵画へと到達しています。この作品は、まさにキュビスムと幾何学的な純粋抽象絵画の橋渡し的な作品。 -
田淵安一「孤独の山」 1956年
田淵安一は、福岡県小倉市(現・北九州市)出身の抽象画家。 1949年東大美術史科卒後、猪熊弦一郎に油彩を学びますが、1951年渡仏以降パリを中心に活動しました。 -
堂本尚郎「集中する力」 1958年
1952年に伯父である堂本印象に随行した欧州滞在を機にパリへと渡った堂本は、油彩画へ転向。日本人画家の今井俊満や菅井汲とも親交を結んだ。1956年、ミシェル・タピエが主導する“アンフォルメル”運動に身を投じる。厚塗りの油絵とうねり渦巻く躍動的な形態という新たな画面を生み出し、非定型の抽象表現を目指すアンフォルメル運動の中心人物として脚光を浴びました。 -
「集中する力」(部分拡大)
絵の具が盛り上がっていて、近づくと波濤のような勢いが感じられます。 -
堂本尚郎「連続の溶解9」1964年
1962年、3度目の個展をパリのスタドラー画廊で開いたのち、堂本は同画廊との契約を解消し、アンフォルメルのグループから離脱します。激しく荒れ狂うような筆触のアンフォルメル時代の作風から転ずるのは、翌年から描き始められた「連続の溶解」シリーズでした。65年にはこのシリーズの作品13点をヴェネツィア・ビエンナーレに出品します。この作品もその中の1点。ペインティングナイフで厚く帯状に塗られた黒い油絵具が、下から上まで平行に重なり、画面の外まで続いていくかのようです。黒の塗り残し部分には下地の朱色が顔を覗かせています。平滑な朱色の面は、黒い絵具の厚みと重々しい物質感を際立たせています。 -
オシップ・ザツキン「ポモナ(トルソ)」 1951年
オシップ・ザツキンは、ロシア出身でフランスで活躍した彫刻家。アーティゾン美術館 美術館・博物館
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ジャン・フォートリエ「人質の頭部 」1945年
深緑色の画面に、目が何層にも連なったゆがんだ顔が厚塗りの絵具で描かれています。第二次大戦中、フォートリエはレジスタンス活動に参加し拘禁されました。「人質」の連作は、この不幸な出来事をきっかけに、占領下に虐殺された人々を悼んで制作されたものです -
ジャン・デュビュッフェ「スカーフを巻くエディット・ボワソナス」 1947年
実家のワイン卸業を経て画家に転身したジャン・デュビュッフェは、精神に直接訴える芸術を目指しました。モデルのエディット・ボワソナスはスイス出身の詩人ですが、顔の特徴をとらえつつ、全体を戯画的に簡略化した表現は、デュビュッフェ独特の人間観を表しています。 -
ヴォルスの作品2点
(左)「葵色と黄土色」 1946年頃
(右)「退屈な氾濫」1946年 -
アルベルト・ジャコメッティ「矢内原」 1958年
実存主義哲学の研究員であった矢内原伊作がアルベルト・ジャコメッティと出会ったのは、フランス国立科学研究センターの研究員としてパリに滞在していた1955年のことですが、矢内原の顔のデッサンを試みたのを皮切りにモデルと画家の対峙がはじまります。その後も彼を描くことに拘り、彼を1957年から1961年にかけて、4回もモデルとして日本からパリに招聘しています。 -
ジャン・デュビュッフェ「暴動」 1961年
ジャン・デュビュッフェは、20世紀のフランスの画家。精神病者や子ども、未開の地の人など美術の世界の枠外にいる人々の芸術「アウトサイダー・アート」を称揚し、従来の西洋美術の伝統的価値観を否定して、アール・ブリュット(生の芸術)を提唱しました。 -
ジャン・フォートリエ「旋回する線」 1963年
ジャン・フォートリエは、フランスの画家、彫刻家。タシスム(抽象表現主義)の作家として最も重要な一人で、ジャン・デュビュッフェ、ヴォルスとともに、第二次世界大戦後の抽象芸術の先駆的な存在であるとされます。 -
ジョルジュ・マチュー「10番街」 1957年
こちらも新収蔵品。赤と黒が印象的なタシスム・アンフォルメル作品。 -
マリア=エレナ・ヴィエラ・ダ・シルヴァ 「入口、1961」 1961年
マリア=エレナ・ヴィエラ・ダ・シルヴァは、フランス出身の画家。 理解しにくい遠近法を用いた組成物(コンポジション)の中に、ネットワーク(網目状組織)とモザイクを組み合わせた空間の広がりを提示。抽象作品に対する審美的潮流の一人です。 -
アンス・アルトゥング「T1963-K7」 1963年
ドイツに生まれ、フランスで活動したアンス・アルトゥング(1904-1989)の名は、第二次世界大戦後まもなくパリに登場した「熱い抽象」を代表する画家のひとりとして、欧米のみならず日本でも広く知られていました。名声の頂点にあった1960年を境に、彼の制作方法は一変します。巨大なカンヴァスに生き生きとした身振りの跡を刻みつけるため、刷毛、ローラー、木の枝、ほうき、スプレーなどの多様な道具が用いられ、いっそう自由でスケールの大きな作品が生み出されました。 -
アンス・アルトゥング「T1989-H35」 1989年
アルトゥング生涯最後の3年間の作品群は、一瞬のひらめきと持続的な思考との対話から生まれる彼の芸術が、85年の生涯を閉じるまぎわに最も豊かな輝きを放ったことを示しています。この作品はまさに最晩年に制作された作品の一つ。 -
マーク・トビー「傷ついた潮流」 1957年
マーク・トビーは戦後アメリカの抽象画家です。旅する画家として知られるトビーは1930年代には中国と日本を訪れ、筆と墨の芸術、書の美に出会いました。これらはその後の彼の絵画制作に大きな影響を与えています。 -
菅井汲「岡 」1961年
菅井 汲は国際的に最も高く評価されている日本人画家の一人です。当初はアンフォルメルの影響を受けた、象形文字のような形態を描いていましたが、1962年頃から作風は一変し、幾何学的な形態を明快な色彩で描いた「オートルート」のシリーズを制作するようになります。 -
山口長男「累形 」1958年
山口長男は日本の抽象絵画の先駆者。本作は、ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館建築寄贈に対する謝意として山口から石橋正二郎へ贈られた作品です。 -
正延正俊「作品」 1964年
正延 正俊は、具体美術協会の結成メンバーの一人であり、絵画に特化して新しい表現を追求し続けた作家です。高知県内、東京、神戸市内で小学校の図工教員として勤務し1968年まで教員生活を送っていますが、1954年の具体美術協会の結成から1972年に具体美術協会が解散するまで、21回すべての具体美術展に出品しています。本作は油絵の具やエナメル塗料で幾層にも塗り重ねられた地肌の上におびただしい数の筆触で埋め尽くされ微細な質感を創り出しています。 -
上前智祐「作品」2点。
上前智祐は、小学校を出てすぐに就職し、それから定年退職をするまでずっと働きながら絵を学び、作品を作り続けたという異色の画家。
1953年(昭和28)、吉原治良のもとを訪ね師事し、翌年に吉原らが結成した具体美術協会の創立メンバーとなり、以後1972年(昭和47)の解散まで参加しています。 -
上前智祐「作品」 1965年
短く細かい線が不規則に繰り返され、絵の具が赤を基調に厚く塗られています。 -
上前智祐「作品」 1966年
黄色い作品。 -
村上三郎「作品 」1961年
村上三郎は、関西学院大学文学部哲学科を卒業後、同大学院で美学を専攻しました。1952年には、白髪一雄、田中敦子、金山明らと「0会」結成。その後、吉原治良をリーダーとする具体美術協会に参加しています。この作品では、白地の背景に赤や青、黒などの絵具が自由奔放に画面をおどっています。 -
白髪一雄「観音普陀落浄土」 1972年
尼崎の呉服商の家に生まれた白髪一雄は、京都で日本画を学びました。油彩画に転向した後、次第に前衛的な表現に惹かれるようになり、1955年、吉原治良が率いる具体美術協会に加わります。この画家のスタイルは天井に吊るされたロープにぶら下がって、足で絵の具を伸ばしていきます。この「観音普陀落浄土」は、すべてを焼き尽くす煉獄の炎のような「赤」を背景に、中心には、瀧のようにも見える「青と白」の流れが強烈です。 -
草間彌生「無限の網(無題)」 1962年頃
世界中で絶大な人気を誇る「水玉の女王」草間彌生の作品もありました。 -
猪熊弦一郎「都市計画(黄色 No.1)」 1968年
1955年に活動拠点を東京からニューヨークへ移し、国際的な抽象画家へ転身した猪熊弦一郎は、1964年以降自らの拠点であるニューヨークのマンハッタンをモティーフにした作品をつくるようになります。この作品はそういった都市シリーズの1つで鮮やかな単色の下地に平行線や幾何学的フォルムを用いて、ニューヨークの街が俯瞰的に描かれています。 -
パブロ・ピカソ「画家とモデル」 1963年
ピカソが晩年の20年余の間没頭した「画家とモデル」の膨大な作品群の一つ。 -
ウィレム・デ・クーニング「リーグ」 1964年
ウィリアム・デ・クーニングはオランダ出身のアメリカの画家。抽象表現主義運動で活躍しています。デ・クーニングの代表的な作品である女性シリーズは1950年から始まりますが、彼の描く女性像は、欲望、欲求不満、内面的な葛藤、喜びなどが反映されています。 -
マーク・ロスコ「無題」 1969年
マーク・ロスコは、1950-60年代にかけてアメリカで興隆した抽象表現主義の代表的な作家です。「カラーフィールド・ペインティング」と称された、色面構成に基づくその様式は、高く評価されました。この作品はロスコ最晩年の作で、縦長の画面に矩形の色面が配された構成は画家の代名詞といえるものです。ふたつの矩形を彩るピンクの色調、そして筆致の差異は、絶えざる凝視を促します。また、複雑に塗り込められて生まれた色彩の深遠な奥行きは、大きな画面と相まって見る者を包み込むように働き、瞑想的な気分をもたらします。 -
ジャクソン・ポロック「ナンバー2、1951」 1951年
色彩の純粋なエネルギーとポロック自身の内面的エネルギーが彼のアクションによって同時に解き放たれる「ドリッピング」の手法で、画面全体を絵具の線で均一に覆う「オール・オーヴァー」の絵画。それらの多くは1947-50年の間に制作され、ポロックを戦後アメリカの抽象表現主義の主導的存在にならしめました。この作品は、ポロックが再び具象に立ち戻り、抽象と具象の間を揺れ動いていた時期に制作されたものです。黒や様々な色の絵具の線の中に、天体のモティーフや、当時ニューヨーク近代美術館に展示されていて、ポロックが深く影響を受けた、ピカソの《ゲルニカ》に見られる骸骨や人間の腕のような有機的モティーフがちりばめられています。 -
ザオ・ウーキー「07.06.85」 1985年
作品名は、完成した年月日を示しているだけなので、描かれた内容を推し量る手掛かりを与えてくれません。横に長い画面の下四分の一は灰色と白を基調としていますが、よく見ると様々な色が混じっています。同様にして、上四分の三にも青、濃紺、黒そしてうす緑などを見ることができます。こうした色彩の自在な動きを拾いながら眺め色々想像しながら見ることが、この作品の魅力かもしれません。 -
ピエール・スーラージュ「絵画 2007年3月26日」 2007年
ピエール・スーラージュはフランスの画家、彫刻家、版画家で、「黒の画家」として知られています。100歳を超える今も現役で、現在(2020年2月)ルーブル美術館で特別展が開催されています。ルーブル美術館で画家が存命中に回顧展を行うのは、シャガール、ピカソに次いで3人目というフランスの国民的画家です。 -
Part 1 アートをひろげる-Unfurling Art最後の作品
田中敦子「1985 B」 1985年
色とりどりに点滅する電球を身に纏った作品《電気服》で知られる田中敦子の作品。強烈な色彩で圧倒的なインパクトがありました。
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