2022/04/30 - 2022/04/30
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+mo2さん
4月29日に開幕した「写真と絵画-セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策」に行ってきました。石橋財団コレクションと現代美術家が共演する、アーティゾン美術館の展覧会「ジャム・セッション」の第3弾です。
(2)はポール・セザンヌのセクションから始まります。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 新幹線
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セクション III.「ポール・セザンヌ」
柴田敏雄と鈴木理策は、芸術家を志す頃よりセザンヌの絵画に触発されたと言い、その革新的な表現は、今なおふたりの芸術家の制作態度に多大な影響を与え続けています -
ウジェーヌ・ピルー「ポール・セザンヌ(1839-1906)」1900年頃
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撮影者不詳(19世紀に活動)「ポール・セザンヌ(1839-1906)」不明
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ポール・セザンヌ「帽子をかぶった自画像」1890-94年頃
生涯30点を超える自画像を描いたセザンヌ後期の作品です。自画像は、モデルを使うことを不得手としたセザンヌが、唯一他者を意識せず、純粋に対象として人物を見るという造形探求の行為でもありました。不明瞭な空間を背景に肩越しに見る者を見据えるセザンヌの表情は、影に隠れる左側には画家の憂愁が垣間見える一方で、ハイライトの当たる右側の鋭い眼差しに、自己に厳格な画家の自意識がうかがえます。緑を基調とし、動的な、しかし規則正しい筆触と意図的な塗り残しで画面が構成されています。 -
ポール・セザンヌ「鉢と牛乳入れ」1873-77年頃
身の周りの事物を自由に並べ替えて様々な絵画的試みを行うことができるために、セザンヌは、静物画を好んで描きました。それゆえに静物画は、セザンヌが目指すところの絵画の実験の場であり続け、その成果が人物画や風景画といった他のジャンルに応用されていることも少なくありません。セザンヌの静物画としては初期に位置付けられるこの作品は、画面の構成を安定させるために現実の空間と形態を変形させており、セザンヌの静物画の特徴が明確に出ています。 -
柴田敏雄「高知県土佐郡大川村」2007年 東京都写真美術館蔵
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ポール・セザンヌ 「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」1904-06年
セザンヌは、目に映る一瞬のきらめきをカンヴァスに写し取ろうとした印象主義の絵画を超えて、堅牢な量感を持ち、永劫に耐えられる強靭さをとどめる絵画にしようと試みました。それは相反する性格を同一画面の中に収めようとする極めて困難な課題であり、画家にとって試行錯誤の連続となりました。これを実現させるためにセザンヌは、印象派の仲間と距離を置いて孤独に制作する道を選び、いくつかのきまった主題を繰り返し描くことによってこの目的を達成することを目指しました。1880年代の後半には、生まれ故郷である南仏のエクス=アン=プロヴァンスの東側にそびえる石灰質の山、サント=ヴィクトワール山の連作を描くようになりました。やがてそのイメージは、堅牢な画面に躍動感や振動が加味され、鮮やかな色彩に支えられて高度に洗練された作品となっていきました。この作品はその試みの集大成となるひとつです。前景は鬱蒼とした樹木など、いくつかの筆触がひとかたまりの面となり、あたかもリズムを刻むように画面を構成し、奥行き感をつくり出しています。唯一の幾何学的形態である黄土色の建造物シャトー・ノワールが中景に配されて画面を引き締めています。同じ対象を繰り返して描くことによって、情景を目がとらえる実体感を残しつつ構築性のある絵画を実現するセザンヌの革新的絵画は、間もなく、キュビスム、フォーヴィスム、そして抽象絵画へと、20世紀絵画の成立に決定的な影響を与えることになります。 -
鈴木理策「サンサシオン 09, C-58」2009 年 作家蔵
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モーリス・ドニ「セザンヌ」『オクシダン』32号 1907年9月
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鈴木理策「サンサシオン 09, C-85」2009年
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鈴木理策「サンサシオン 09, C-91」2009年
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鈴木理策「サンサシオン 09, C-99T」2009年
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鈴木理策「サンサシオン 09, C-81」2009年
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鈴木理策「サンサシオン 09, C-83」2009年
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鈴木理策「サンサシオン 09, C-84」2009年
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鈴木理策「サンサシオン 09, C-96」2009年
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柴田敏雄「東名高速道路牧之原サービスエリア」「常磐自動車道守谷サービスエリア」「常磐自動車道友部サービスエリア」「東名高速道路鮎沢パーキングエリア」 1986年
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柴田敏雄
「神奈川県愛甲郡清川村宮ヶ瀬」1983年
「宮崎県西都市」1990年 -
柴田敏雄
「山梨県北都留郡丹波山村」2011年
「青森県南津軽郡大鰐町」2006年 -
SECTION IV 柴田敏雄ーディメンション、フォルムとイマジネーション
1949年東京生まれ。東京藝術大学大学院油画専攻修了後、ベルギーのゲント市王立アカデミー写真科に入り、写真を本格的に始める。日本各地のダムやコンクリート擁壁などの構造物のある風景を大型カメラで撮影、精緻なモノクロプリントで発表、2000年代よりカラーの作品にも取り組み始め、その表現の領域を広げる。国内外多数の美術館に作品が収蔵されている。 -
ヴァシリー・カンディンスキー「3本の菩提樹」1908年
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柴田敏雄「栃木県那須塩原市」2020年
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柴田敏雄「新潟県魚沼市」2017年「埼玉県飯能市」2006年
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柴田敏雄「栃木県日光市」2013年
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柴田敏雄「島根県浜田市」2014年
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柴田敏雄「鳥取県日野郡日野町」2009年
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柴田敏雄「山梨県北杜市」2021年
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柴田敏雄「オカノガン郡(ワシントン州)」2010年
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柴田敏雄「山梨県山梨市」2011年
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柴田敏雄「高知県土佐郡大川村」2019年
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柴田敏雄「栃木県塩谷郡藤原町」2004年
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柴田敏雄「香川県観音寺市」2007年
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柴田敏雄「東京都西多摩郡檜原村」1994年
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柴田敏雄「山形県西置賜郡小国町」2016年
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円空「仏像」江戸時代・17世紀
柴田は、円空の仏像をコレクションの中から二体選び出しています。円空が、日本各地の霊山を巡り、その土地の山林の樹木よりあらあらしく彫り出された彫像は、装飾や色彩を施されることもなく、素材そのものの質感を残し、抽象的な仏の造形です。柴田は、このような立体的なフォルムを平面に落とし込むことに関心があったと言います。自然風景の中より画面を整える中心となるフォルムを抽出し、2次元上で再構成する。それは画面上で押したり引いたりし合うような視覚的効果を生み出し、見る者のイマジネーションを刺激します。 -
柴田敏雄「クーリッジダム、サンカルロス(アリゾナ州」1997年
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柴田敏雄「群馬県勢多郡東村」1989年
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柴田敏雄「熊本県球磨郡五木村」2015年
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柴田敏雄「山梨県甲府市」2006年
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柴田敏雄「山形県長井市」2016年
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柴田敏雄「京都府相楽郡南山城村」2010年「山形県米沢市」2019年
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円空「仏像」江戸時代・17世紀
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柴田敏雄の写真(作品)が並びます
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