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2006.5.:“ドイツ ライン・モーゼル周遊の旅”<br /><br />キリスト教会では1月1日が聖クリストファー(Christopherキリストフォロ)の日になっているという。<br /><br />3世紀半ばごろの半伝説的な殉教者の名前らしいが、ラインとの関係はよく分からない。<br />旅行や交通の守護聖人として、今も尊ばれていると云う。 私共・旅行好きの者にとっては大事な守護聖人である。<br />ライン川の地方を旅すると美術館や大聖堂などによく子供を背負った筋骨たくましい老人の絵や彫刻などをよく見る。<br />それらの由来を知らないままに過ぎてきたが、2006年5月の”ドイツ懐かしの地再訪”と称した旅で、図らずも知ることとなった。ケルンの大聖堂にもこの像がある。<br />その由来とはこうだ。(2006.05.09.) <br /><br />【昔、ラインの岸辺に大変力もちの子供がいた。<br />勇者にあこがれた子供は、或る時、願い適って、偉い領主の家来になる事が出来た。<br />ところが領主はサタンを恐がり、そのサタンに仕えてみると、なんと『十字』の人を恐れているのが分かった。それで、さらに『十字』の人を世界中に求めて彷徨ようが、遂に会う事ができなかった。 <br /><br />やむなく、故郷の村に戻り、旅人を背負ってラインの激流を渡る、渡し守になった。<br />ある嵐の晩、小さな男の子がやって来て、対岸までお願いすると・・・。願いがあまりに切なので、ついに嵐の川を渡ることにして、男の子を背負って、川を渡り始めた。<br /><br />川の中程に達すると、急に男の子がものすごく重くなった。必死に激流を超えて、対岸に辿り着くと、男の子は夜明けの光の中で、『世界の重みを負ってくれたね』と嬉しげに、十字を切って、渡し守を祝福したと云う。<br />男の子は幼児キリストであった。渡し守はキリストを負う者、クリストファーの名を与えられ、遂に『十字』の人に会えた喜びに身を打ち震わせて、立ったまま息絶えてしまったと伝えられている。】<br /><br />XXX<br /><br />このクリストファー伝説はラインの源流から、オランダの河口に至る様々な地方で語り継がれて来たのだと云う。“ラインの守護聖人”として、教会は彼を聖人に列したのだそうだ。<br />クリストファー伝説は「レゲンダ・アウレア」(&quot;LEGENDA AUREA&quot;によると云われているが定かではない。<br />これはジェノヴァ大司教ウォラギネ (Jacobus de Voragine, c. 1230 〜 1298) の手による“聖人伝”集成で、1260〜70年頃に編纂されたと考えられています。中世・西ヨーロッパにおいて、最も広く流布した聖人伝であり、1000部を超える写本が残されていると云う。<br />

≪ラインの守護聖人・聖クリストファー:ケルン大聖堂≫

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2006/05/05 - 2006/05/19

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jijidaruma

jijidarumaさん

2006.5.:“ドイツ ライン・モーゼル周遊の旅”

キリスト教会では1月1日が聖クリストファー(Christopherキリストフォロ)の日になっているという。

3世紀半ばごろの半伝説的な殉教者の名前らしいが、ラインとの関係はよく分からない。
旅行や交通の守護聖人として、今も尊ばれていると云う。 私共・旅行好きの者にとっては大事な守護聖人である。
ライン川の地方を旅すると美術館や大聖堂などによく子供を背負った筋骨たくましい老人の絵や彫刻などをよく見る。
それらの由来を知らないままに過ぎてきたが、2006年5月の”ドイツ懐かしの地再訪”と称した旅で、図らずも知ることとなった。ケルンの大聖堂にもこの像がある。
その由来とはこうだ。(2006.05.09.)

【昔、ラインの岸辺に大変力もちの子供がいた。
勇者にあこがれた子供は、或る時、願い適って、偉い領主の家来になる事が出来た。
ところが領主はサタンを恐がり、そのサタンに仕えてみると、なんと『十字』の人を恐れているのが分かった。それで、さらに『十字』の人を世界中に求めて彷徨ようが、遂に会う事ができなかった。 

やむなく、故郷の村に戻り、旅人を背負ってラインの激流を渡る、渡し守になった。
ある嵐の晩、小さな男の子がやって来て、対岸までお願いすると・・・。願いがあまりに切なので、ついに嵐の川を渡ることにして、男の子を背負って、川を渡り始めた。

川の中程に達すると、急に男の子がものすごく重くなった。必死に激流を超えて、対岸に辿り着くと、男の子は夜明けの光の中で、『世界の重みを負ってくれたね』と嬉しげに、十字を切って、渡し守を祝福したと云う。
男の子は幼児キリストであった。渡し守はキリストを負う者、クリストファーの名を与えられ、遂に『十字』の人に会えた喜びに身を打ち震わせて、立ったまま息絶えてしまったと伝えられている。】

XXX

このクリストファー伝説はラインの源流から、オランダの河口に至る様々な地方で語り継がれて来たのだと云う。“ラインの守護聖人”として、教会は彼を聖人に列したのだそうだ。
クリストファー伝説は「レゲンダ・アウレア」("LEGENDA AUREA"によると云われているが定かではない。
これはジェノヴァ大司教ウォラギネ (Jacobus de Voragine, c. 1230 〜 1298) の手による“聖人伝”集成で、1260〜70年頃に編纂されたと考えられています。中世・西ヨーロッパにおいて、最も広く流布した聖人伝であり、1000部を超える写本が残されていると云う。

旅行の満足度
5.0
同行者
カップル・夫婦(シニア)
交通手段
レンタカー
航空会社
ルフトハンザドイツ航空
旅行の手配内容
個別手配

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  • Herrgottskircheヘルゴット教会の巡礼者の守護聖人のクリストファー:<br />リーメンシュナイダーがMarienaltar聖母マリア昇天の祭壇を作った。高さ11m、幅3.7mと大きなもので、それは見事なもので、リーメンシュナイダーの最高傑作と云われるだけのものがある。<br />ヘルゴット教会の壁面に描かれたHl. Christopherus巡礼者の守護聖人のクリストファーの絵もあった。<br />

    Herrgottskircheヘルゴット教会の巡礼者の守護聖人のクリストファー:
    リーメンシュナイダーがMarienaltar聖母マリア昇天の祭壇を作った。高さ11m、幅3.7mと大きなもので、それは見事なもので、リーメンシュナイダーの最高傑作と云われるだけのものがある。
    ヘルゴット教会の壁面に描かれたHl. Christopherus巡礼者の守護聖人のクリストファーの絵もあった。

  • St. Christopher Carrying the Christ Child, by Hieronymus Bosch (c. 1485)<br /><br />

    St. Christopher Carrying the Christ Child, by Hieronymus Bosch (c. 1485)

  • St. Christopher with Christ Child, Simon Pereyns, 1588, Catedral Metropolitano, Mexico City

    St. Christopher with Christ Child, Simon Pereyns, 1588, Catedral Metropolitano, Mexico City

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この旅行記へのコメント (6)

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  • kamaさん 2023/03/17 11:44:38
    初めまして
    jijidaruma さん、こんばんは。
    ツアー大好き kama と申します。

    この度は私の拙い埼玉道の駅の口コミに
    投票下さりありがとうございます。

    ドイツにお詳しいんですねー。羨ましい。
    ヨーロッパに行った事が無いので
    いつか行ってみたくなりました。

    ジャンアルプの美術館にいらしたことおありでしょうか?
    訪問することが、私の生涯の夢なんです。

    次回もステキな旅を。
    お体お大切に。

    jijidaruma

    jijidarumaさん からの返信 2023/03/17 17:06:30
    Re: 初めまして=>お立寄りとコメントありがとうございました。
    kamaさん、
    今日は。初めまして=>お立寄りとコメントありがとうございました。

    kamaさんの旅行記を拝見して、道の駅巡りのツアーがある事に
    吃驚しました。
    私も千葉や茨城、埼玉地区の道の駅に時々立ち寄ります。
    車で半日ベースのもので、主に地域の気に入ったお煎餅、団子、季節
    の花などを購入しています。気に入ると月一で通うになります。
    加須の【道の駅 童謡のふる里おおとね】にはたまたま故郷の青梅に
    墓参りに出かけた帰途に寄りました。東京でも八王子の滝川でしたか、
    いつもここの横の道を走り青梅に行くのです。

    ドイツ大好き人間ですが、コロナ禍やウクライナ侵略でドイツの旅は
    ここずっとストップしています。
    ジャンアルプの美術館のあるボンは、勤務地だったデュッセルドルフ
    からも近かったのですが、ボンに3度ほど訪れた記憶があるものの、
    この美術館は知りませんでした。多分、私の駐在中は美術館が無かった
    のでしょう。ドイツ感傷旅行と称した定年後の旅も、今まで訪れて
    いなかった地域を主に周遊したので、知らぬまま過ぎました。
    改めて検索してみましたが、駐在後の2007年に完成した美術館でした。

    最近はセピア色の思い出や伝説・民話、日本の小旅行といったものを
    投稿しております。本編も訪れた土地で知った伝説です。
    ボンに近いケルンの伝説がお目にとまったのでしょうね。

    それではまた。ご興味あれば、又お立ち寄りください。
    jijidaruma
  • 旅するうさぎさん 2014/01/29 23:01:27
    旅の守護聖人・聖クリストファー
    jijidarumaさん、こんにちは。はじめまして。
    聖クリストファーの旅行記を拝見しています。

    この聖人は私もチロルで何度か見ました。
    私の場合は、壁絵(家々を飾るフレスコ画)という形で見ました。
    たぶん、これから先の旅でも見るのだと思います。
    幼児キリストを背負った姿なので、とても分かりやすい聖人ですね。
    旅人の守護聖人でもあるので、なんとなく親しみもあります。
    (ちなみに、私が見たのはこんなクリストフォロスさんです。
     http://4travel.jp/photo?trvlgphoto=32089613 )

    ところで、jijidarumaさんのプロフィールの写真は、ラムザウですね!
    私もいつかラムザウに行ってみたいです。


    旅するうさぎ

    jijidaruma

    jijidarumaさん からの返信 2014/01/30 00:25:57
    旅の守護聖人・聖クリストファー
    旅するうさぎさん

    はじめまして、お立ち寄りとコメントありがとうございました。

    国が変れば、守護聖人の姿も色々ですね。旅行記・写真集を拝見しました。膨大なので、漸く最後の方で聖クリストファーの壁絵を見つけましたよ。
    村中の写真も美しく撮られて素晴しかったです。
    是非今度はドイツの旅の体験されて、壁絵の写真、木組み建築の家並みなどをたくさん撮ってください。

    プロフィールの写真はラムザウです。南ドイツはスイスやオーストリアのように山々や湖水が多く、魅力的です。
    ラムザウには春の旅でベルヒテスガーデンに泊って、こちらにも参りました。この写真はドイツのカレンダーなどに必ず載っていますからよく知っていましたが、この時が初めてです。

    旅行記は趣味人で掲載していますので、こちらではドイツの伝説・民話を載せています。

    どうぞ宜しくお願い致します。


    jijidaruma
  • frau.himmelさん 2013/12/15 11:53:11
    私も聖クリストファーには興味があります
    jijidarumaさん こんにちは。

    聖クリストファーの伝説、拝見させていただきました。
    実は私もこの聖人には前から興味を持っていました。
    2009年に、コッヘムのライヒスブルク城の天守閣に、子供を背負った大きな像が描かれているのを見て、由来を調べたのでした。
    それ以来、ホントにいろんなところで見ます。
    オーストリアのグムンデンの市教区教会の壁絵もすばらしかったです。

    旅の守護聖人、そうですね。私たちにも関係がありますね。
    でも、ライヒスブルクはモーゼル川、グムンデンはドナウ川(?)。
    ライン川には接していないのに、こんなに大きく祀ってあるのだろうか?と不思議に思いました。

    ヘルゴット教会の絵も大きいですね。
    ボスのクリストファーの絵も興味ありました。

    今回も勉強させていただきました。ありがとうございました。

    himmel

    jijidaruma

    jijidarumaさん からの返信 2013/12/15 19:59:32
    私も聖クリストファーには興味があります
    himmelさん こんにちは。

    いつも伝説・民話をお読み頂きありがとうございます。
    聖クリストファーの絵はほんとに何処にも見られますね。
    ライン、ドナウ、モーゼルなど、”旅の守護聖人”と思うと、難得します。
    偶々、ケルンでありましたが、なんでも疑問に思ったら、調べてみると出てくるものですね。
    気になっても、若い時は流してしまい、それ以上に突っ込んでみる事もしませんでした。今頃、歳と共に暇になった所為か、気になると何とか解消しようと思うようになりました(苦笑)。


    コッヘムのライヒスブルク城の天守閣、オーストリアのグムンデンの市教区教会の壁絵も、以前に見たはずですが、情けない事に忘れています。
    今度また見る機会があれば、じっくり記憶に残したいと思います。

    jijidaruma

    追伸:時々、伝説を掲載していますが、目下は今年中にドイツ・ベネルックスの旅のアルバム貼りを終わらせようと、専念しています。持ち帰った旅の資料をアルバムに写真と共に切り貼りして楽しんでいます。
    そんなわけで、そちらの掲載分に目を通すことができません。
    ご容赦ください。

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