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かつての東ドイツ:ルター諸都市・Berlin・Dresdenなどを巡る旅<br /><br />期間:2011年05月13日(金)〜05月27日(金)15日間の旅・5月19日(木)<br /><br />≪短気は一生の悔いに;メルゼブルクのカラス伝説≫<br />(Die Merseburger Rabensage)<br /><br />Merseburgメルゼブルクはハレから14km南に位置する。ザーレ川沿いに多くの塔を持つDomメルゼブルク大聖堂(宝物館)、Schloss Merseburgメルゼブルク城(博物館)・Schlosspark公園が一ヶ所にあるので、大変観光しやすい町だ。大学もあり、人口は35千人。<br />1656〜1738年にかけて、かつて神聖ローマ帝国領であり、Sachsen-Merseburgザクセン・メルゼブルク公爵家のレジデンスと政府が置かれた。<br />メルゼブルク大聖堂はOtto I. (der Grosse)オットー大帝が968年に建設し、ここに司教座を置いた。ここの司教が主人公の伝説がある。<br /><br />写真は大聖堂正面

≪短気は一生の悔いに;メルゼブルクのカラス伝説≫ (Die Merseburger Rabensage)

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2011/05/13 - 2011/05/27

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旅行記グループ ドイツの伝説・民話

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jijidaruma

jijidarumaさん

かつての東ドイツ:ルター諸都市・Berlin・Dresdenなどを巡る旅

期間:2011年05月13日(金)〜05月27日(金)15日間の旅・5月19日(木)

≪短気は一生の悔いに;メルゼブルクのカラス伝説≫
(Die Merseburger Rabensage)

Merseburgメルゼブルクはハレから14km南に位置する。ザーレ川沿いに多くの塔を持つDomメルゼブルク大聖堂(宝物館)、Schloss Merseburgメルゼブルク城(博物館)・Schlosspark公園が一ヶ所にあるので、大変観光しやすい町だ。大学もあり、人口は35千人。
1656〜1738年にかけて、かつて神聖ローマ帝国領であり、Sachsen-Merseburgザクセン・メルゼブルク公爵家のレジデンスと政府が置かれた。
メルゼブルク大聖堂はOtto I. (der Grosse)オットー大帝が968年に建設し、ここに司教座を置いた。ここの司教が主人公の伝説がある。

写真は大聖堂正面

旅行の満足度
4.5
同行者
カップル・夫婦(シニア)
一人あたり費用
30万円 - 50万円
交通手段
レンタカー
航空会社
ルフトハンザドイツ航空 ANA
旅行の手配内容
個別手配
  • 【カラスと鳥小屋Kaefig mit dem Raben】<br /><br />Bischof von Merseburg ・Thilo von Trotha メルゼブルク司教 ティロ・フォン・トロタは友人であるナウムブルク司教に贈られた黄金の指輪を持っていた。<br />ある朝、ティロ司教は開け放っていた窓辺に指輪を置いて、ちょっと席をはずした。部屋に戻ってみると、大事な黄金の指輪が無くなっているのに気づいた。<br /><br />激怒した司教は彼に長年仕えた家僕が盗んだと、断罪した。勿論、家僕は無罪だと申し立てたが、司教は聞き耳も持たず、家僕を処刑してしまったと云う。<br />家僕の首が切り落とされた後も、家僕は腕を伸ばし、自分の無罪を訴えたそうだ。<br /><br />その日から、幾日が経ったか?黄金の指輪がカラスの巣の中にあるのが発見された。<br />この事をティロ司教は短気にまかせて、正しい判断をしなかったことに対する警告(啓示)として理解した。<br />そして、自らの戒めとして、王宮の中庭に鳥小屋を作らせ、その中に一羽のKolkrabeワタリガラスを入れ、盗みの償いをさせた。<br />しかも司教は永く戒めの記念として、家の紋章に一羽のカラスが口ばしに黄金の指輪をくわえた図を入れたと云う。<br /><br />写真は大聖堂前<br />

    【カラスと鳥小屋Kaefig mit dem Raben】

    Bischof von Merseburg ・Thilo von Trotha メルゼブルク司教 ティロ・フォン・トロタは友人であるナウムブルク司教に贈られた黄金の指輪を持っていた。
    ある朝、ティロ司教は開け放っていた窓辺に指輪を置いて、ちょっと席をはずした。部屋に戻ってみると、大事な黄金の指輪が無くなっているのに気づいた。

    激怒した司教は彼に長年仕えた家僕が盗んだと、断罪した。勿論、家僕は無罪だと申し立てたが、司教は聞き耳も持たず、家僕を処刑してしまったと云う。
    家僕の首が切り落とされた後も、家僕は腕を伸ばし、自分の無罪を訴えたそうだ。

    その日から、幾日が経ったか?黄金の指輪がカラスの巣の中にあるのが発見された。
    この事をティロ司教は短気にまかせて、正しい判断をしなかったことに対する警告(啓示)として理解した。
    そして、自らの戒めとして、王宮の中庭に鳥小屋を作らせ、その中に一羽のKolkrabeワタリガラスを入れ、盗みの償いをさせた。
    しかも司教は永く戒めの記念として、家の紋章に一羽のカラスが口ばしに黄金の指輪をくわえた図を入れたと云う。

    写真は大聖堂前

  • 勿論、その後も司教の係累はいまだに家の紋章に指輪とカラスを付けている。<br />そして現在もまだ、カラスは鳥小屋に象徴的に入れられている。ただ、最近の風潮である動物愛護の精神にあわないものとして、糾弾されることもあった。<br />この事もあって、2006年6月、先祖伝来の宮殿の鳥小屋は大きなものに変えられた。<br />カラスは長さ9m、幅4mの鳥小屋の中でパートナーと生き生きと過ごしている。<br /><br />XXX<br />入館料Euro4x2=8を支払って聖堂内に入った。<br />宗教的な場所にしては旧東独の地の入館料は高い。<br /><br /><br />写真は聖堂内の紋章など

    勿論、その後も司教の係累はいまだに家の紋章に指輪とカラスを付けている。
    そして現在もまだ、カラスは鳥小屋に象徴的に入れられている。ただ、最近の風潮である動物愛護の精神にあわないものとして、糾弾されることもあった。
    この事もあって、2006年6月、先祖伝来の宮殿の鳥小屋は大きなものに変えられた。
    カラスは長さ9m、幅4mの鳥小屋の中でパートナーと生き生きと過ごしている。

    XXX
    入館料Euro4x2=8を支払って聖堂内に入った。
    宗教的な場所にしては旧東独の地の入館料は高い。


    写真は聖堂内の紋章など

  • 写真は聖壇

    写真は聖壇

  • 二つの尖塔が目立つ大聖堂は洗礼者ヨハネと聖ラウレンティウスを祭る教会で、ロマン主義時代に製作された立派な、大きなパイプオルガンがあった。

    二つの尖塔が目立つ大聖堂は洗礼者ヨハネと聖ラウレンティウスを祭る教会で、ロマン主義時代に製作された立派な、大きなパイプオルガンがあった。

  • 聖壇、木彫りの席、宗教画が目立った。別にある宝物館も見応えがありそうだが、係員に聞いてみると1時間以上はかかりそうな話だ。<br />聖堂内と中庭だけにした。

    聖壇、木彫りの席、宗教画が目立った。別にある宝物館も見応えがありそうだが、係員に聞いてみると1時間以上はかかりそうな話だ。
    聖堂内と中庭だけにした。

  • 係の人のお薦めの場所は中庭から見るザーレ川の流れと橋、教会の景観だと言う。

    係の人のお薦めの場所は中庭から見るザーレ川の流れと橋、教会の景観だと言う。

  • 入口のない55mの高い塔もお薦めのもの、かつて敵の襲来時に逃げ込んだ最後の砦だと云う。高い所に窓が一つあり、縄梯子をかけてここから内部に入り、縄梯子を取り込めば、外からの侵入は防げたのだ。<br />当時の司教は宗教と共に、政治権力を体現したものだけに、聖堂は城を同じような機能を持っていた。<br />最後の砦となる、この種の塔は各地の古城でもよく見たものだ。<br />

    入口のない55mの高い塔もお薦めのもの、かつて敵の襲来時に逃げ込んだ最後の砦だと云う。高い所に窓が一つあり、縄梯子をかけてここから内部に入り、縄梯子を取り込めば、外からの侵入は防げたのだ。
    当時の司教は宗教と共に、政治権力を体現したものだけに、聖堂は城を同じような機能を持っていた。
    最後の砦となる、この種の塔は各地の古城でもよく見たものだ。

  • Thilo von Trotha メルゼブルク司教 ティロ・フォン・トロタの寝棺<br />下の右に烏が指輪を持つ紋章が見える。<br /><br /><br />ティロ・フォン・トロタ (1443 〜1514年メルゼブルク) は中世後半時期のメルゼブルク司教である。<br />ライプツィヒ大学の学長、トロタ家はザクセン・アンハルト州のザーレ地方の出身。又、彼の名は多くの歴史的建築物*の建設者としても知られている。<br />*メルゼブルク城(1470年)、ライプツィヒのトーマス教会(1496年)、メルゼブルク大聖堂の改築(1510年)。<br /><br />一番若い弟にプファルツ選帝侯に仕えた騎士Hans von Trothaハンス・フォン・トロタ(1450〜1503年;Burg Berwartsteinベルバルツシュタイン城) がいる。<br />ハンスはドイツワイン街道沿いにあるBurg BerwartsteinとBurg Grafendahnグラーフェンダーンの二つの城主であった。<br />民間伝説“Hans Trappハンス・トラップあるいはHans Trottハンス・トロット”に登場する人物だと云う。どのような伝説なのかは不詳だが、彼の紋章はカラスに指輪である。<br />

    Thilo von Trotha メルゼブルク司教 ティロ・フォン・トロタの寝棺
    下の右に烏が指輪を持つ紋章が見える。


    ティロ・フォン・トロタ (1443 〜1514年メルゼブルク) は中世後半時期のメルゼブルク司教である。
    ライプツィヒ大学の学長、トロタ家はザクセン・アンハルト州のザーレ地方の出身。又、彼の名は多くの歴史的建築物*の建設者としても知られている。
    *メルゼブルク城(1470年)、ライプツィヒのトーマス教会(1496年)、メルゼブルク大聖堂の改築(1510年)。

    一番若い弟にプファルツ選帝侯に仕えた騎士Hans von Trothaハンス・フォン・トロタ(1450〜1503年;Burg Berwartsteinベルバルツシュタイン城) がいる。
    ハンスはドイツワイン街道沿いにあるBurg BerwartsteinとBurg Grafendahnグラーフェンダーンの二つの城主であった。
    民間伝説“Hans Trappハンス・トラップあるいはHans Trottハンス・トロット”に登場する人物だと云う。どのような伝説なのかは不詳だが、彼の紋章はカラスに指輪である。

  • ザーレ川の川向こうからの大聖堂の眺望が更に良いらしいが・・。

    ザーレ川の川向こうからの大聖堂の眺望が更に良いらしいが・・。

  • 多くの塔を持つDomメルゼブルク大聖堂(宝物館)、Schloss Merseburgメルゼブルク城(博物館)・Schlosspark公園

    多くの塔を持つDomメルゼブルク大聖堂(宝物館)、Schloss Merseburgメルゼブルク城(博物館)・Schlosspark公園

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