2009/04/17 - 2009/05/01
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jijidarumaさん
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2009年春・バイエルン:フランケン地方とオーバープファルツ地方周遊
2009年4月17日(金)~5月01日(金)15日間
4月27日(月)
城塞都市Wolframs-Eschenbachヴォルフラムス・エッシェンバッハから、最初の予定ではLichtenauリヒテナウの城と考えていたが、古城ホテルの方が面白いかと?!急に方向を転じ、南西L?21kmにあるSommerdorfゾンマードルフの村に入った。ここに典型的な水城がある。
訪ねてみると、嬉しい事に城主殿が出てきて、親切に城内を案内してくれた。
Dr. Manfred Frhr. von Crailsheim(男爵マンフレッド・クライルスハイム博士)の名刺も頂いたのをきっかけで、気になった城主の出自を調べたくなった次第。
この城主の出自であるCrailsheimクライルスハイムはバーデン・ヴュルテンベルク州のシュヴェービッシュ・ハル行政区に入り、 Schwaebisch Hallシュヴェービッシュ・ハルから東に約32km、北バイエルンのAnsbachアンスバッハの南西約40kmに位置する。
人口3万人の小都市で、調べてみるとこんな伝説がある。
写真はホラッフェンと呼ばれるパン
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- ルフトハンザドイツ航空 ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
≪Horaffensageホラッフェン伝説 ≫
1379年~80年、帝国自由都市シュヴェービッシュ・ハル、ローテンブルク・オプ・デア・タウバー、ディンケルスビュールの連合軍に、ホーエンローエ家が支配したクライルスハイムの町は包囲され、5ヶ月が過ぎた。市壁内に食料の残りも尽きかけた頃、伝説のアイデァは生まれたと云う。
最後に残った小麦粉で女達がホラッフェンと呼ばれるパンを焼き、市壁から包囲軍に向かって投げた。その後、街で一番太っていた市長の妻が市壁に立ち、包囲軍に向かって尻を剥き出しにしながら、石段を降りた。
市長の妻の栄養十分と思われる、ふっくらとした顔とビール樽の様な太った姿を見せつけられ、この5ヶ月間、攻め倦んでいた包囲軍は、これ以上の攻撃に見込みがないと思い、包囲を解いたと云われている。
写真は北バイエルンのSchloss Sommerdorfゾンマードルフ城・・・男爵マンフレッド・クライルスハイム博士の居城 -
いまだに、この時の事を町の人は誇りに思い、『ホラッフェン』にまつわる伝説を大事にしているとか・・・。連合軍の退却は1380年の五旬節の主日(復活祭前7番目の日曜日)前の水曜日に行われたので、現在も町の祝日は毎年五旬節の主日の前の水曜日に行われ、この日は町中が旗で飾られ、式典が行われると云う。
また、この日、ホラッフェンが全就学児童に配られる。Horaffenホラッフェンの形はこの時の市長夫人の尻を模倣したとされている。
(実際には、ケルト時代に家の玄関前に飾られた厄除けの印にその起源があると云われているのだが。) -
ホラッフェンの写真を見ると、市長夫人のお尻や太ももを想像できます。
旅はこうした事がままあるので、楽しみが倍加します。
各地に女性が主人公の話が残る。Kronachクロナハではスウェーデンに抗した町の女性陣の活躍が今も“スウェ―デン行進”に残り、Crailsheimクライルスハイムでは女性陣の知恵で町を救ったと云う、この“ホラッフェン話”があり、どちらも当時の女性の地位の高さをある意味で教えてくれます。 -
村人に教えてもらった北バイエルンのSchloss Sommerdorfゾンマードルフ城は水城で、800年の歴史を経過した、古色然とした古城ホテルであった。
Altmuehlアルトミュール川の支流沿いにあって、周辺は川から取り残された沼が多く見られる。城門をくぐると、一の丸とも言うべき城内は広い。教会の事務所前に駐車し、先に見える城の本丸に向かう。
道の両脇は芝生、所々にタンポポが咲き、右手に納屋のような長い大きな建物が見られる。左手にボヘミア風建物、小さな塔、大きな柳の木や菩提樹やらが立つ。木々の先に石橋があり、本丸に至る。
城門と左手の高い天守閣、石造りの本丸の建物など、城郭は小さいが、見栄えのする水城だ。城門近くで、城壁の修理が行われていた。その一人に“見学はできるか?”と聞くと、“城主に聞け”と答える。インターフォンで城主に聞いてみると、突然の遠来の訪問者にも拘わらず、ご親切に城主(男爵)Dr.Manfred Baron von Crailsheim自らが案内してくれた。 -
ホテル(Ferienwohnung休暇用の部屋)
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ホテル(Ferienwohnung休暇用の部屋)・天蓋付きもあって
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ゴシック風の丸天井のホールは結婚式などのお祝いに利用するのだと言う、広い部屋がある。城内にある、ホテル(Ferienwohnung休暇用の部屋)の様々な名前が付いた部屋も拝見した。良くできた部屋は天蓋付きもあって、魅力的だ。70歳ぐらいの城主から、プライベートの空間までお見せ頂いたが、益々、泊まってみたくなった。
-
2008年に築城800年を祝ったという。毎年6月には中世のお祭りを城内・外で催しているようだ。今年はどうなのだろうか?次の機会は是非、こちらに宿泊したいと申し上げて、握手をして別れた。そう言えば、ギリシャの休暇から帰ったばかりだと言っていた。
水城の周辺を巡ってから、アンスバッハに向かう事とした。 -
ロマンチック街道にも近い
【Schloss Sommerdorf古城ホテル・ゾンマードルフ城】
古城ホテルには城内に5部屋(DZ二人部屋が2つ、三人用アパートメント形式の部屋が3つ。)がある。更にボヘミア風建物(1750年、Das Boehmische Haus)には3部屋あり、いずれも改装済みで、設備はモダンな部屋になっている。
1208年5月に起源がある。14世紀後半、Ludwig von Eyb (III)により、水城が築かれた。1550年Wolf von Crailsheimが城を購入した。30年戦争では大きな損害を免れている。
19世紀の終わりになって、大きな改築(現在の石橋を設置、南側の翼の上階を取り外す、など)を行った。20世紀の初めになって、Familie von Crailsheimクライルスハイム家が再び、城を所有し、1990年から、中世の城の魅力を留めながら、広範囲にわたる改装を行ってきたそうである。
Dr. Manfred Frhr. von Crailsheim
D-91595 Sommersdorf 、
TEL: (+49)09805.91920
Fax: (+49)09805.919293
http://www.schloss-sommersdorf.de/ -
16世紀のゾンマードルフ城
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この旅行記へのコメント (5)
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- frau.himmelさん 2014/01/12 11:41:48
- ホラッフェン伝説とクライルスハイム
- jijidarumaさん こんにちは。
ホラッフェン伝説、とても面白く拝見させていただきました。
あのパンの形は市長夫人のお尻の形ですか?(ケルト説もあるようですが)。
またクライルスハイムは、先のドイツ旅行の際、シュヴェービッシュハルからの乗り換え時に降り立ちましたが、とてもステキな思い出ができた地でした。
ニュルンベルク行きの列車が遅れて、駅で列車待ちの知的な中年女性とお話が弾みました。
その女性は私たちが少しドイツ語がわかると知って、ご自分で読もうと思っていた「シュピーゲル」(ドイツの週刊誌、ご存知ですよね?)と新聞数紙を私たちに下さったのです。
週刊誌の内容の説明や時事問題などが話題に上がり、おまけに列車の中で食べなさいとクッキーまで頂いてしまいました。
そんな思い出が出来たクライルスハイムはステキな街なのですね。一度訪れてみたいものです。
himmel
- jijidarumaさん からの返信 2014/01/12 15:19:59
- ホラッフェン伝説とクライルスハイム
- himmelさん
お元気ですか!コメント、投票ありがとうございました。
この項はhimmelさんの年頭の旅行記・シュヴェービッシュハルに刺激されて、この伝説を思いだしたのです。アンスバッハにもお出かけの様子だし、このあたりはロマンチック街道沿いでもあり、じっくり巡ると魅力的な町に当たりますね。
クライルスハイムではつかぬ間の列車待ちで、素敵な思い出が出来た由、素晴しいですね。「シュピーゲル」とは・・・知的な女性であったのでしょう。これだからドイツの旅は楽しく、嬉しいのです。
2012年にも近くを走ったのですが、実はクライルスハイムに一度も訪れていないのです。さて、次回の機会がまだあるのか?
jijidaruma
-
- nakaohidekiさん 2014/01/11 15:54:00
- ドイツお詳しい!!
- ドイツがお詳しいようなので投票させていただきました。
また、ドイツ語にも堪能のようなので羨ましいかぎりです。
旅行記を拝見すると、文章で旅行記を書かれているようで(他の人は写真がほとんど)旅行記らしいなと思いました。
僕は国内旅行がほとんどですが、宜しかったら僕の旅行記も見ていただけると嬉しく思います。
プロフィールを拝見すると駐在されていたとか!。
よろしければその辺も教えていただけると嬉しく思います。
宜しくお願いいたします。
- jijidarumaさん からの返信 2014/01/12 15:08:34
- ドイツお詳しい!!
- nakaohidekiさん
お立ち寄りと投票頂きありがとうございました。
ドイツの古城・古城ホテル・伝説好きです。どうぞ宜しく。
ここのSNSは旅行写真が中心ですが、伝説を掲載されている方が殆どいませんので、以前他のSNSで掲載したものをここに書き出しています。
さて、ご興味があるのかどうか?よく分かりませんが、旅をする楽しみの一つが伝説話を知る事なので、他のSNSでは旅行記に加えて、番外編として伝説・民話を訳して楽しんでいます。
ドイツにはかつて30代、40代の前半に2度駐在していました。定年後の今はその感傷旅行として、毎年ドイツを古城巡りをして、古城ホテルに泊り、田舎道をレンタカーで走っています。
日本よりも車の運転がしやすく、日本の一年の走行距離を14日間のドイツで走ってしまう様な旅になっています。
古稀70歳ですので、何時まで走れるか?と思いつつ、春になるとドイツの免許証(30歳でドイツで取得した古いままの免許証です。)を貸し金庫からとりだして、空港に向かうのです。
jijidaruma
- nakaohidekiさん からの返信 2014/01/12 18:43:51
- RE: ドイツお詳しい!!
- jijidarumaさんへ
返信有難うございます。
古希70歳だとか。驚きました!。
僕は62歳なのですが、まだまだヒヨコですね!。
他のSNSは知らないので、このフォートトラベルとトリップアドバイザーに旅行記を書いています。
僕の好きな旅行記は沢木耕太郎の「深夜特急1巻〜8巻」、小田実「なんでも見てやろう」、五木寛之「五木寛之全紀行?巻〜?巻」、村上春樹「やがて悲しき外国語」「遠い太鼓」、司馬遼太郎「アメリカ紀行」等です。なかでも司馬遼太郎の「アメリカ紀行」は日米文化論となっており、旅行記の中でも最高傑作ではないかと思っています。ですから、旅行記というものは文章で表すものではないかと考えているのです。僕の旅行記ははなはだ拙い文章なのですが、写真を貼っただけで旅行記としているのには疑問を感じているのです。こんな私ですが、もし宜しければこれからも宜しくお願いいたします。
またお暇なときには、僕の旅行記なども、ご覧になっていただければ嬉しく思います。宜しくお願いいたします。
中尾秀樹より
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