たっくん&ゆうすけさんのクチコミ(2ページ)全88件

店に足を踏み入れたとたん，赤酢と海の香りに包まれます。開業当初は完全紹介制であったそうですが，現在は誰でも電話予約が可能です。W大阪に宿泊する場合は，宿泊予約(ROOM RESERVATION SUPERVISOR)を通して予約を入れてもらうとよいでしょう。

お品書きは，つまみ六品と握り十二貫の「おまかせ(26,000円)」のみ。海中世界を表現した洗練された内装の下，こぼしシャンパンや芋焼酎とともに六品のおつまみをいただきます。その一品目は「熟成鰆，九条葱と酢味噌」。口にしたとたん，あぁここに来て正解だったと確信します。酸味と旨みと仄かな甘みのみごとな調和＋香りと食感の妙。五島のアカハタ，あん肝，新物イクラ，黒鮑，甘鯛＆松茸と続きます。

マグロは，豊洲市場の仲卸「やま幸（やまゆき）」から仕入れた青森県大畑産。200キロを超える超大物でした。そのマグロを，赤身のにぎり，大トロにぎり，高菜で巻いた「めはりずし」のお鮨屋さん風，そして中落ちの手巻寿司と，４通りの楽しみ方でいただきました。

しっかりと伝統的な江戸前の仕事が施された剣先イカ，金目鯛の昆布締め，天草のコハダ，金華サバ，車海老，秋刀魚，バフンウニ，穴子など，見た目にも美しく艶やかな握り。2万6千円は，十二分に納得できるお値段です。Ｗ大阪の（パリピではない？）もうひとつの顔を見た思いのする，看板の出ていない秘密のお鮨屋さんです。完全予約制。

ムニ ラ テラスの地下にある別世界，外は見えないけれど無二の雰囲気。コロナ禍で来日の遅れたデュカス氏自身が気に入って，隣接する福田美術館から借りているというシャガールの『マジシャン』が競演（饗宴？）するパラレルワールド。

料理は全般に，味付けが軽やかで多彩，前菜3皿は酸味がベースにあり，構成に流れもある。盛り付け，飾り付けは華美ではなく上品で雅。ひとつひとつの料理に，手に込んだフィンガーフードや小さなスープが付き，料理に合わせたパンも都度，供される（詳しくは，関連旅行記をご覧ください）。もちろんデザートには，ル・ショコラ・アラン・デュカスのチョコレートも。

洗練されてはいるが，変に気取ったところのない，客目線の丁寧なサービスも心地よい。
『ミシュランガイド京都2023」1つ星。

隣接する MUNI KYOTO に宿泊し，福田美術館の企画展「芭蕉と蕪村と若冲」を見に行く。再発見され，福田美術館が画商から購入したという芭蕉の挿絵付き『野ざらし紀行図巻』が惜し気もなく全展示され，これだけでも見応えがある。『山路来て何やらゆかしすみれ草』という極めて平明な句も，この野ざらし紀行から生まれた。

浅学ながら，おおらかで奔放で屈託のない伊藤若冲の作品群にも心惹かれる。その若冲の最初期の作品と推定されている『蕪と双鶏図』には，むしろ強い執着とこだわりが感じられるのも興味深い。

隣接する MUNI KYOTO のレストラン「ムニ アラン デュカス」には，デュカス氏自身が気に入り，福田美術館から借りているというシャガールの『マジシャン』が展示されている（福田美術館も MUNI KYOTO もオーナーは同じ，建築デザインはともに安田アトリエ）。

特記されているもの以外，フラッシュを用いなければ写真撮影が可能である。

『ミシュランガイド京都2023』1つ星。ただし訪問時(2022年10月)，ランチとティータイムの営業は休止中でした。MUNI KYOTO のホームページでご確認を。

夜は17時から19時まで，宿泊者専用ラウンジになります。ワイン（クレマン・ダルザス・マルク・テンペ，宇治抹茶白ワイン），カクテル（抹茶チョコレート，キール，ミモザなど），ビール（京都クラフト・ビール)，ノンアルコールワイン，ソフトドリンク（丹波葡萄ジュースなど）がいただけます。おつまみにシューとピリ辛のアーモンド，オリーブも付いて，食前酒にぴったり。

朝7時半からの朝食が素晴らしい。
●パンとヴィエノワズリー盛り合わせ
●桜のハチミツ，黒米のコンフィチュール，オレンジ・マーマレード，ル·ショコラ·アラン·デュカス パリ工房のパータ・タルティネ（チョコレート・スプレッド）
●フレッシュジュース　→ミックスフルーツジュースを選択
●温かい飲み物　→ダージリンティーを選択
○ポーチドエッグ 鳥取県産クラウンサーモン　ソース·オランデーズ
　or
○コンテチーズとベーコンの目玉焼き
　or
○ブリオッシュのパン·ペルデュ（フレンチトースト）
●野菜サラダ
●弓削牧場のヨーグルト
●フルーツサラダ
という構成。

朝食から手の込んだ繊細な料理やパン，珍しいコンフィチュールなどに驚かされます。楚々とした甘さと香りの桜のハチミツも，ダージリンティーとの相性がことのほか良く，全部いただきました。フレッシュジュースのお代わりができるともっといいかなぁ！

渡月橋を眺めながらの唯一無二の朝食となりました。

普通の「う巻き」とはかなり見た目の違う「細う巻き(1,600円)」がおすすめ。クレープ状でしかも半熟の薄焼き卵に，ふんわりと巻かれた鰻がたまらない。

さらに「うな重定食 梅(5,300円)」の吸い物に肝入り(+100円)を食す。鰻本来の甘みを存分に感じ取ることのできる関東風の蒲焼き。西洋ワサビと赤味噌の酢みそで食べる「鯉のあらい」もよく考えられており，「うざく」の食感もすばらしい。画竜点睛を欠くのは吸い物。旨みも香りも足リない。

渡月橋で日の出を迎え，徒歩約6分の「竹林の小径」へと回るのも一興。断然，観光客の姿は少なく，写真も撮りやすい。
実際に渡月橋の向こうに太陽が顔を出すのは，京都市の日の出の時刻から10分ほど過ぎてからである。日の出の時刻は「国立天文台　暦計算室」のサイトで調べることができる。

2022年10月上旬の平日滞在。全般的に利用客が少なく，DJブースのあるリビングルームも拍子抜けするほど落ち着いた雰囲気。照明を落とした夜はむしろシックな感じさえする。キャビアをアテに，シャンパンを開けた。

一休のダイヤモンド会員特典でWET(プール)は無料。WETもFIT(ジム)も貸切状態。

鉄板焼MYDOのFUNメニューは，口に合わなかったが，黒田征太郎氏の作品ともども存分に楽しめた。客室内のミニバーでは，自分でカクテルを作ったよ。Oh.lala…の朝食は，セットメニューでもがっかりしない。MIXupではハロウイーン・スイーツ・コースにうぇーい。

インテリア・デザインは突き抜けているけれども，悪趣味ではない。研ぎ澄まされている。そこここで出会うKAREのオブジェとも，違和感がない。タレントの接客も，ホスピタリティに溢れていて，前向きでハッピーな気分になれる。

また泊まりに行きたい。できれば閑散期に。いや，混雑している時期でも，また新たな感動があるかも。

2022年7月9日（土），大阪新阪急ホテル地下1階，40年以上の歴史を持つステーキハウス「ロイン」で友人とディナー。伊勢海老・鮑と黒毛和牛の「ロイン -Loin-」というコース。黒毛和牛のグレード（シェフ厳選，極上，特選）により値段は異なりますが，
シェフ厳選・フィレ 100g 33,000円と，
特選・ロース 150g 23,100円のコースをオーダーして，肉は二人でシェア。
1人1,000円の追加で，ご飯はガーリックライスに。

飲み物は，グラスシャンパン×1, 生ビール×3, 黒ウーロン茶×1, サンペレグリノ（ブラッドオレンジ）×1 で6,500円。
計64,600円でしたが，メンバーズクラブ会員割引（10%）で58,140円になりました。

オーソドックスな鉄板焼きというのか，伊勢海老も鮑も基本的に味付けはシンプルです。ポン酢やにんにく醤油も供されますが，お肉はほとんど3種類の塩（サーロインに合う塩，キノコなど焼き野菜に合う塩，テンダーロイン（フィレ）に合う塩）と山葵だけで絶妙の味わい。

食後は，同じく新阪急ホテル地下1階のバー「リード」で食後酒（ピーチサンライズ，サイドカー 各1,600円－10%，ジャックローズ 1,650円－10%）をいただきました。

新阪急ホテルの開業は1964年（昭和39年）8月8日。東海道新幹線開業の約2か月前です。
阪急阪神ホールディングス株式会社によれば，新阪急ホテルは，老朽化が著しく進展していることに加え，隣接街区に同規模の「ホテル阪急レスパイア大阪」が開業したこと等から，2024年度末頃に営業を終了するということです。

お盆も終盤，2018年8月15日に，www.ritzcarlton.comから予約して「リワード会員限定キャンペーン，2000ボーナスポイント」というレートでクラブデラックスツインに宿泊。総額 58,725円（宿泊税600円込）。2年ぶりの滞在。リニューアルされてからは初めて。

今まで通り気持ちのよい逗留ができたが，クラブラウンジのフードプレゼンテーションは，以前の方がよかった。

例えば「アフタヌーンティー」。ritzcarlton.comのクラブレベルの紹介ページには，「セイボリー5種、デザート5種、スコーン2種…」と書いてあるが，実際に提供されたセイボリーは2種×2個，デザートは3種×2個。1種類1個ずつだと，人数分用意しろなどと言う下種な客がいるからなのかもしれないが，羊頭狗肉はいけない。

「夕食前のオードブル」も魅力がない。サラダもバラエティに乏しい。ハムは朝も昼も夜も同じ2種類のみで，生ハムもなく，野菜スティックさえない。コンラッド大阪と違って「カジュアルブッフェ」などと銘打っているわけではないのだから，焼き飯など供する必要はないと思う。はっきり言って，チーズぐらいしか，ワインに合うまともな前菜がない。見た目にも楽しませてくれるようなオードブルのプレゼンテーションがない点は，とても残念に感じる。

「ナイトキャップ＆デザート」は，ほぼチョコレートづくし。子どもの来れない時間帯に安っぽいチョコレート・ファウンテンなど要るんだろうか？　チョコレートをコーティングする素材として，フルーツさえ見当たらない。

「朝食」で残念だったのはフルーツ。細かく刻んだフルーツを，オードブル用の小さな容器に1種類ずつ取り分けたものが冷蔵庫に用意されているだけ。フルーツをたっぷり摂りたければ，この容器を5つも6つも7つも取って来る必要がある。スモークサーモンが，小さい容器に1枚ずつ入れられているのにも驚いた。

唯一よかったのは「昼の軽食」。三種類の押し寿司，冷やしうどん，野菜サンド，海老フライのクロワッサンサンド，小さなタルトなど，軽めのランチとしては十分。冷やしうどんには，山芋とろろを添えてもらえるのも気に入った。さぼどカネをかけなくても，そういうひと工夫が一番大切なところだと思う。それが空港ラウンジでもファミレスでもない，高級ホテルのラウンジたる所以である。

2000ボーナスポイントが積算されなかった点についても一言。リワードサービスデスクの有料電話にかけるも，25分間「そのままお待ちください」という対応で繋がらず。仕方がないのでリッツカールトン大阪に電話を入れると，「リワードポイントのことは，私どもではわからない」の一点張り。では，リワードデスクから電話をもらえるように，と依頼すると，結局後日，リワードデスクではなく，リッツカールトン大阪から「私どものミスでした」との連絡が入る。こんなつまらないことで，すったもんだしなくてはならないようでは，それだけでもう「紳士・淑女のサービス」とは言えない。

2021年9月に，ROKU KYOTO のガーデンデラックス(温泉付き)に宿泊し，サーマルプールを利用しましたが，同じように温泉の楽しめるホテルはないかと探していたところ，「ホテルザ三井京都」の温泉スイートを知りました。たまたま安いプランが出ていたので，コストパォーマンス的にも大変満足できる滞在となりました。

Onsenスイートのバスルームは，屋内の浴槽・シャワーと温泉露天風呂が隣接し，とても使いやすい構造。併せて，Onsenスイートのすぐ隣に位置する貸切の「プライベート温泉」を60分利用し，温泉三昧の滞在を楽しみました。プライベート温泉のほうは露天ではありませんが，2m×3mはある広い浴槽が魅力で，シャワーブースを兼ねたスチームルーム(ミストサウナ)も備えています。

スタッフの方々の接客も素晴らしく，その場では十分にわからなかった館内の美術品に関する質問などにも，後から丁寧に文書でお答えくださるなど，頭の下がる思いがします。

レストランは，バー(食前酒)とイタリア料理「FORNI」でのディナー，アフタヌーンティーを利用しました。サービスは良好でしたが，ディナーに関しては，ピッツァ以外には特筆すべきものはないようにも感じました。ガストロノミー鉄板「都季」は利用していません。

項目別の評価もご覧下さい。

開業3週間のコンラッド大阪に泊まったことがありますが，その時は総合評価を3.5としました。今回の ROKU KYOTO は開業してまだ1週間です。評価に迷いましたが，総合で3.0とさせていただきます。

天然温泉の屋外サーマルプールが，リゾートとしてのこのホテルの一番のセールス・ポイントなのだとは思いますが，客室（ガーデンデラックス）の温泉も気に入りました。部屋のレイアウトもよく計算されていますね。

なお、ヒルトンの予約サイトでは，ガーデンデラックスについて，51 sq. m., onsen bath w/ private garden view, day bed,･･･と表示されています。しかし，ガーデンデラックスルームにデイベッドはありませんでした。早急に訂正を望みます。

各項目別評価もご覧ください。

2021年8月12日、10時から23時半までの間、最大12時間のデイユースができるプランで、キングデラックスルームを利用。一休で21,635円でした。1名利用でも2名でも同料金。丸々12時間滞在したければ、11時半までにチェックインする必要があります。

お盆前に仕事を片付けて、コンラッドスパで90分のマッサージ（Blissful Moment in the Sky、31,700円）を受けてリラックス。もちろん施術前後に温浴施設を利用することもできます。食事はフェスティバルプラザ内の店舗（インデアンカレー）を利用しましたが、早めにチェックインすれば，ルームサービスで朝食（〜11:30）を取ることもできますね。

コロナ禍ではありますが、プールやジムの利用を含め，色んな滞在の仕方ができるロングタイムのデイユースプラン。コスパもよく、お薦めです。

何年ぶりだろう。北摂に住んでいることもあって、滅多に行くことのないミナミ。名物カレー（混ぜカレー）の自由軒と双璧をなす老舗「洋食屋」さんです。

あっさりとしたタルタルソースのエビフライと、酸味の効いたデミグラスソースのオムライスのセット（1,020円）をいただきました。卵は薄焼きながらも、程よくフワフワです。懐かしい味ですね。エビフライにタルタルソースをかけてもよいかどうかは、予め訊かれます。

追加料金200円でオムライスを「大」に、180円でオムライスをハヤシライスに、70円でオムライスをカレーライスに変更できます。また、オムライスの「小」なら100円引きになります。

検温、アルコール消毒、カウンター席は一席おきなど、コロナ対策もしっかりされています。

入口ゲートでの案内や，客室内のアメニティの用意，バレーパーキングでの車の出庫などに，不備や不慣れな点は散見されたものの，概ね満足のできる滞在となりました。今後，もっとサービスに磨きがかかっていくことを期して待ちたいと思います。

ホテル棟は，大きくビーチフロントウィングとサンセットウィングに分かれています。ビーチフロントウィングは2階がエントランス，サンセットウィングは5階がエントランスで，それぞれのウィングの5階どうしが連絡通路で結ばれています。

ビーチフロントウィングには，インドアプールを含む4つのプールがあり，2つの比較的カジュアルなレストランと，キッズクラブ，フィットネスジム，それにスパがあります。お子様連れのご家族の滞在に向いていると思います。

他方，サンセットウィングには，16歳以上専用のプールが一つと，2つの高級感のあるレストラン（12才未満の利用に一部制限あり），それにバー（20才未満の利用に一部制限あり）とクラブラウンジ（年齢による制限なし）があります。どちらかと言えば，大人向きのウィングです。クラブラウンジを利用できる客室は，全25室の「プレミアクラブオーシャンフロント（サンセットウイングの最上階）」と全5棟のヴィラです。

滞在したのは，プライベートプールと天然温泉の露天風呂付の「クリフヴィラ（1ベッドルーム）」。プライバシーが保たれるとともに，海側に崖の上からの眺望が開け，その開放感は半端ないです。リゾートとして，もうこれ以上何も望むことはありません。スパハレクラニも施設・サービスともに素晴らしかったです。

開店から47年、千里セルシーの閉館に伴い、2019年8月いっぱいで閉店とのこと。
イートインの大阪のたこ焼きと言えばここ。自分で好きなようにトッピングするスタイルです。最近は、「マヨネーズ＋粉かつお」に醤油をつけていただくのが好み。
新店舗で再開されることを切望します。と思っていたら、なんと、2019年10月8日(火)に、すぐ近くの「せんちゅうパルB1」に移転オープンするという朗報が！ よかったあ！！

いきなり無粋なことを書いて申し訳ありませんが，全8棟のうち，バリアフリーの「天心」を基準にすると，
「宵待」と「有明」が1.1倍，
「弓張」が1.2倍，
「風待」が1.4倍，
「夢見」と「十六夜」が1.5倍，
「佳月」が1.9倍，
という料金設定になっていることがわかります。

部屋の広さは大きく違うわけではないので，これは主として部屋の標高の違いを反映しているのでしょう。行ってみて初めてわかったことですが，「月洸樹」の敷地は相当な急勾配。そして，「佳月」の客室と貸切露天風呂「天空」が敷地の最高所に位置し，ここからは素晴らしい眺望が期待できます。逆に，部屋からの見晴らしにはそれほど拘らない，貸切露天風呂「天空」さえ利用できればいい，ということであるなら，低い位置にある「天心」「宵待」「有明」「弓張」の客室でも十分満足できる，ということになろうかと思います。いずれも特色ある内風呂＋露天風呂を備えた「離れ」です。

食事も申し分ありませんでした。いわゆる「地産地消」ではなく，九州各地の山海の恵みが一堂に会します。県境を越えると馬刺しを食べることさえ難しくなる九州の地では，これはむしろ新しいコンセプトであると言えるのではないでしょうか。

それに比べてカウンターだけのバーは，少し貧弱な感じが否めません。昼間，外来客を受け入れないという前提であれば，例えば湯布院の「山荘無量塔」の「Tan's Bar」などと比較しても意味がないのかもしれませんが…。それでも，食後酒をゆったりと楽しめる，レストランとは少し独立した空間があればなぁと，稀有な旅館だけに，無いものねだりもしたくなります。

宿泊した「佳月」の様子は，『2018年 黒川温泉 月洸樹「佳月」 宿泊記』でご覧下さい。

2017年8月1日，全館リノベーションを終えた老舗旅館。蔵座敷をリノベーションした客室は，専用庭園を望み，庭には蔵王石をくり抜いた露天風呂がある。市街地にある温泉旅館であることを忘れるほどだ。椅子やテーブル，灯りなどの家具も凝っていて良い。

サービスは洗練されているとは言い難いかもしれないが，温泉地の老舗旅館らしい温もりが感じられる。ラウンジで飲み物のサービスがあるため，最初に部屋に案内される時以外に，客室係が何度も部屋に入ってくるということもない。

食事が秀逸だった。米沢牛の焼き加減も完璧。4千円で楽しめる日本酒のペアリング（100mlずつ６種類のセット）も素晴らしい。海・山の幸だけではなく，実に多種類の野菜をいただけるのも特徴。おかげで胃腸の調子がよくなった。まさに空港の愛称にもなっている「おいしい山形」を実感した。

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の12の構成資産のうち，「天草の崎津集落」「外海(そとめ)の出津集落」「外海の大野集落」の3つを回りました。なかでも重要文化財にも指定されている「大野教会堂」の美しさには目を奪われます。玄武岩の割石を漆喰で固めた「ド・ロ壁」に囲まれている小さな教会堂です。

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンター」
https://kyoukaigun.jp/
崎津教会，出津教会，大野教会を含む9つの教会堂の見学には「事前連絡」を「お願いしている」旨，上記のサイトにおいて喧伝されております。しかし，各教会堂において，事前連絡をしているかどうか確認されるわけでもなく，事前連絡をしていれば何か案内があるわけでもありません。そもそも「お願い」とは何なのか，おそらく「寄付をお願いします」というような意味でのお願いに過ぎないのでしょう。何のための事前連絡なのか，まったくその趣旨が不明瞭なままに，訪れる側に30分単位で訪問時刻を指定させるその姿勢には，大いに疑問を感じざるを得ませんでした。私は，旅程を組み直す度に，訪問時刻の変更をWeb上で連絡しました。観光客が押し寄せるのが嫌ならば，世界遺産への登録などしなければよいのです（崎津教会は，「文化財」指定がなく，「重要文化的景観」の構成要素にも含まれていません）。

10貫で5,000円（税別）のおまかせにぎりをいただきました。大人数でなければ，予約の時にカウンター席を希望しておく方がよいと思います。ただし，海鮮ちらしを注文できるのはテーブル席のみです。

10貫は，生ダコ，石鯛，はらみ，しまあじ，かんぱちはらみ，ぶりとろ，海鮮巻き，真鯛の白子，赤うに，ぶりのニンニク醤油漬け，という内容。見事な仕事をしてある趣向を凝らした本格にぎり。先付と味噌汁が付きました。

店内は高級感はないけれど，漁村の風景が文化的景観にも指定されている，崎津ならではのお寿司屋さんです。

黒崎集落内のいけす割烹。世界遺産に登録された外海の大野集落，出津集落からも，車ですぐです。
雲丹丼が食べたかったんだけど，残念ながらウニはなく，代わりに鮑づくしのコースがありました。海鮮丼もなかなかいけます。地元の人たちの法事などの際にもよく利用されているようです。玄関で靴を脱いで上がる割烹料理屋さんです。