2023/03/29 - 2023/04/04
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j-ryuさん
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☆福島の四季折々の花や自然風景を紹介している
“福島・四季・彩々”は回を重ね丁度Part,116になりました。
単独ネタにするには写真が少なかったり
あまり脈絡がないネタだったりですが、
それらを強引につなぎ合わせたのが“福島・四季・彩々”で
福島県の自然のネタと言う事以外にはあまり共通点はありませんが
今回も春の野の花をご紹介します。
私は素朴な野の花が大好きですが私の住む町は宅地や農地はあっても
山野草の宝庫である里山や雑木林はあまりありません。
でもそこは田舎なので車で10分~30分も走らせれば
豊かな自然があり様々な山野草を見ることができます。
若者にとって田舎は自然豊でも刺激が少なく少々退屈かも知れませんが
人生も後半戦になってくると、この退屈さが実はとても贅沢なんだと
今更ながら気付かされます。
ITの時代になり都市部と田舎の情報格差は縮小され
田舎暮らしでも都会と遜色ない文化的生活は可能になりましたが
豊かな自然を享受できるのは田舎暮らしの特権です。
今更もう都会暮らしはできません(^-^;。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
PR
-
◆福島・四季・彩々・仲春の候~山野草Map
https://www.google.co.jp/maps/@37.2182139,140.3504491,44613m/data=!3m1!1e3?hl=ja
貴重な山野草は具体的な自生地を公開すると盗掘などの恐れがあるので
恐縮ながら具体的な自生地は非公開とさせていただきます。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ(菊咲一華)
隣り村(玉川村)の竹藪の土手でキクザキイチゲが見頃になりました。(4/4)
◎キクザキイチゲ(菊咲一華/キンポウゲ科イチリンソウ属)
キクザキイチゲは近畿以北~北海道の落葉樹林下や林縁に自生し、
花や葉が菊に似ていて花を一つだけ咲かすのでキクザキイチゲと呼ばれます。
花色は基本的には白ですが豪雪地帯では青花も多く見られます。
埼玉県では絶滅種になっていて野生のキクザキイチゲは自生していないようです。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ(菊咲一華)
この春のキクザキイチゲは既に当町の僅かに残る里山に自生している花を
紹介しましたが、こちらは当町のキクザキイチゲより群生する株数が
断然多く見栄えがします。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ(菊咲一華)
-
◆当町郊外里山のキクザキイチゲ (※2023/3/28 撮影)
こちらは当町里山のキクザキイチゲです。
ぱっと見は隣り村(玉川村)のキクザキイチゲと同じですが
ようく見るとハナビラ(正しくは萼片)の枚数が
当町里山のキクザキイチゲの方が平均8枚で、
玉川村のキクザキイチゲは平均12枚です。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ(菊咲一華)
キクザキイチゲはハナビラ(正しくは萼片)の枚数で分類はしていないのいで
どちらも同じキクザキイチゲってことになります。 -
◆郡山市湖南町の青花キクザキイチゲ (※ 2023/4/10 撮影)
キクザキイチゲは白花の他に数は多くないものの青花もあります。
青花は日本海側の豪雪地帯に多く自生し、
福島県でも会津地方の山間部に自生します。
中通りでも奥羽山系の山間部でも僅かに自生しています。
豪雪地帯に多いのは事実ですが、雪のあまり積もらない筑波山にも
自生するようなので豪雪だけが理由でもないようです。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ(菊咲一華)
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◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ(菊咲一華)
この竹藪土手のキクザキイチゲは4,5年前までは
薮に覆われ細々と咲いていたのですが、
土手全体が下刈りされそれまで半ば休眠状態だった株が
明るくなったことで蘇り見事な花を咲かせるようになりました。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ(菊咲一華)
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◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ(菊咲一華)
ただこう言い明るい土手はライバルも多いし、
下刈りしないと強健な植物が劇的に蔓延り直ぐにガサ薮になってしまいます。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ(菊咲一華)
里地型のキクザキイチゲは人間と上手く共生して
命をつないできましたが、
高齢化や人口減少で里山が定期的に手入れされなくなると
真っ先に消えてしまう宿命にあります。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ(菊咲一華)
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◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ(菊咲一華)
この土手も夏場には他の植物で藪状態になりますが
元々キクザキイチゲはスプリングエフェメラル春の儚い命)なので
夏には地上葉は枯れ休眠に入るので
少しは藪になっても大丈夫です。
秋にその薮が枯れ、冬に陽射しが燦燦と当たれば
他の植物が芽吹く前にいち早く花を咲かせることができます。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ(菊咲一華)
-
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ(菊咲一華)
◎スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)は
落葉広葉樹林などで春先に花を咲かせ、
夏まで葉をつけたあとは地上部は枯れ地下で過ごす草花の総称です。
「春の儚いもの」「春の短い命」というような意味で、
「春の妖精」とも呼ばれています。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ(菊咲一華)
-
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ(菊咲一華)
日本産で代表的なエフェメラル
◎キンポウゲ科
キクザキイチゲ、ユキワリイチゲ、アズマイチゲ、イチリンソウ、
ニリンソウなどのイチリンソウ属、フクジュソウ、セツブンソウ
◎ケシ科
エゾエンゴサク、ヤマエンゴサク、ムラサキケマン
◎ユリ科
カタクリ、アマナ、キバナノアマナ、ヒロハノアマナ、バイモ属(コバイモ類)
ショウジョウバカマをスプリングエフェメラルの一つに入れる資料が多いですが
ショウジョウバカマの葉は常緑なので
定義からすればスプリングエフェメラルで無いと思います。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ&ヤマエンゴサク
上記、キクザキイチゲ咲く玉川村の竹藪の土手に1週間後(4/11)に
再び訪れました。
実はこのキクザキイチゲの群生地はヤマエンゴサクも群生していて
キクザキイチゲとヤマエンゴサクのコラボも見所なのですが
1週間前ヤマエンゴサクはまだ蕾だったので再訪した次第です。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ&ヤマエンゴサク
再訪となると遠くの自生地だと躊躇しがちですが
ここは我が家から車で10分ほどと近いので
ベストの状態の時に訪れることができます。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~ヤマエンゴサク
ヤマエンゴサク(山延胡索/ケシ科キケマン属)は本州~九州の
山あいのやや湿った場所に自生し、花色は薄紫や水色、青など様々です。
当地では山あいに行けばそう珍しいわけではありませんが、
里地の土手に群生しているのは貴重です。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ&ヤマエンゴサク
前回から1週間後だったので、さすがにキクザキイチゲは枯れ始めているかなと
思っていましたが、予想外にまだ頑張っていました。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ&ヤマエンゴサク
北海道では 浦臼町の「浦臼神社」エゾエンゴサクの一面の群生が有名ですが
残念ながら本州に多く自生するヤマエンゴサクはさほど大きな群生は作らず
この群生地は比較的大きい方だと思います。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ
竹藪内のキクザキイチゲも1週間前とあまり変わらない感じです。
でも拡大してみるとさすがにハナビラ(萼片)の縁は少し
茶色くなり始めていました。
でも拡大しない限り分かりません(^-^;。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ&ヤマエンゴサク
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◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ&ヤマエンゴサク
山延胡索は中国に同じ仲間の生薬“延胡索”があり
日本の野生の延胡索と言うことで山延胡索と名づけられたそうです。
漢方のエンゴサクは鎮痙、鎮痛作用があり、
大正中薬胃腸薬、太田漢方胃腸薬などにも配合されていますが
残念ながら日本のヤマエンゴサクの薬効は劣るそうです。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ&ヤマエンゴサク
花序を含めた草丈は10~15cmほど。
真っすぐピンとは立たたないので実際の草丈よりは低く見えます。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ&ヤマエンゴサク
私は青系の花が大好きなので、この自生地は秘密の花園のようです(^^♪。 -
◆ヤマエンゴサク (花の構造)
エンゴサクの仲間は一般的な花とは構造が違うので
どれがハナビラ(花弁)でどれがオシベ&メシベなのか分かりづらいです。
外側の花弁2つの中に内側の花弁2つがあり、
内側の花弁は合弁しているのでハナビラに見えません。
オシベ&メシベのその中に隠れているので外側からは見えません。
花弁の後ろの筒状のものは距(キョ)といい、蜜が貯められていて
虫をおびき寄せます。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ&ヤマエンゴサク
-
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ
この土手の下には細い道はありますが
一般人はほとんど通らない道です。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ&ヤマエンゴサク
青花の群生の隣りでは紫花も咲いています。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~ヤマエンゴサク
花色は違っていても同じヤマエンゴサクです。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~ヤマエンゴサク
-
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ&ヤマエンゴサク
手前が紫花の群生で向こうが青花の群生。
この自生地ではなぜかバラバラに混生することはあまりないようです。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キクザキイチゲ&ヤマエンゴサク
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☆エンゴサク色々
福島県ではヤマエンゴサクの他にササバエンゴサク(笹葉延胡索)や
オトメエンゴサク(乙女エンゴサク)なども見られます。
花そのものは殆ど同じで見分けは難しいですが
葉の形や花序にある小葉に切れ込みがあるか無いかなどで
見極めます。
会津地方には華奢なミチノクエンゴサクも自生しますが
残念ながら私はまだ出会ったことがありません。 -
◆大滝川渓谷のササバエンゴサク(笹葉延胡索) (※2023/4/10 撮影)
ササバエンゴサクは葉の形が細長い笹の葉状と言うだけで
ヤマエンゴサクと殆ど同じです。 -
◆立矢川のオトメエンゴサク(乙女延胡索) (※2023/4/21 撮影)
オトメエンゴサク(乙女延胡索/ケシ科キケマン属)は
以前は本州に自生するエゾエンゴサクに
分類されていたこともあるそうですが、
現在は本州日本海側の多雪地帯に分布する日本固有種とされます。
花茎の托葉に切れ込みが無いのが特徴です。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~シュンラン(春蘭)
隣り町郊外の里山でシュンランが見頃になりました。
◎春蘭(シュンラン/ラン科シュンラン属)は日本を代表する野生蘭で
北海道~屋久島まで里山や雑木林に広く自生しますが
自生地の開発や、心無い盗掘などで数を減らしています。
撮影のため、落ち葉を少し取り除いて撮影していますが
実際は落ち葉から少し顔をのぞかせるように咲き始め、
しだいに花茎が伸びてきます。
春蘭は玄人好みの渋い色合いですが、花びら(唇弁)の模様や色に個体差があり
珍しい花は愛好家の間で高値で取引されています。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~シュンラン(春蘭)
シュンランの中には稀に紅色タイプがあり
栽培種がけっこうなお値段で出回っています。
超レアものになると一株(花芽付き)だと
数万円もするものもあります。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~シュンラン(春蘭)
現在の元号は令和ですが、その典拠は万葉集
巻五、梅花(うめのはな)の歌三十二首の序文だそうです。
《原文》 于時、初春令月、氣淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香。
『ときに、初春しよしゆんの令月れいげつにして、気き淑よく風かぜ和やはらぎ、
梅うめは鏡前きやうぜんの粉こを披ひらき、蘭らんは珮後はいごの香かうを薫かをらす。』 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~シュンラン(春蘭)
序文の前段は梅の花を主役にしていましたが後段では
『蘭薫珮後之香』とあります。
おそらくこの時代の香る早春の蘭と言えば『春蘭』でしょうね。
現代出回っている園芸種のランの多くは香りは殆どしませんが
日本在来種の春蘭は甘い香りがします。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~シュンラン(春蘭)
かつては春蘭の花を干したり塩蔵して保存し
それを熱湯で戻し『蘭茶』としておめでたい席で提供されてきました。
今ではだいぶ廃れてしまった風習ですが
皆さんは味わったことがありますか?
でも野生のシュランは乱獲で激減しているので採ったりせず
山でそっとその香りを楽しんでほしいものです。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~シュンラン(春蘭)
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◆福島・四季・彩々・仲春の候~シュンラン(春蘭)
シュンランは地方によってはジトバとかジジババとかジドババと呼ばれています。
女性のアソコの隠語だそうです(^_^;)。
子供のころは不思議な名前だな~くらいにしか思っていませんでしたが
たしかにそんな風に見えなくもないですね。
今思えば大人にしつこく質問しなくて良かったかも(^^ゞ。
たぶん子供なりにしつこく聞いちゃいけないと感じていたのかも(笑) -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~シュンラン(春蘭)
-
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
隣り町の隣りの村にアズマイチゲの群生を見に行ってきました。
良く似たキクザキイチは町郊外でも見られるくらい
比較的ポピュラーですが、福島県の場合はキクザキイチゲに比べ
断然少ないと思います。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
◎アズマイチゲ(東一華/キンポウゲ科イチリンソウ属)
アズマイチゲは北海道~九州の主に落葉樹林の明るい林下や林縁に自生し
土壌は石灰岩質を好みます。
しかし、ここは棚田の土手や里山の林縁で
素人目には石灰岩質土壌には見えませんが
化学的地質調査をしないと実態は不明です。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
-
☆アズマイチゲとキクザキイチゲの違い
キキザキイチゲ(菊咲一華/キンポウゲ科イチリンソウ属)と良く似ているので
比べてみましょう。
キクザキイチゲの葉がギザギザと切れ込んでいるのに対し
アズマイチゲの葉は3小葉に分かれ丸みがあって少し垂れ下がっています。
アズマイチゲの花色(萼片)は白だけですが
キクザキイチゲは白がもっとも多く、豪雪地帯では青紫や薄紫色も見られます。
花の中心部はキクザキイチゲはほぼ白ですが
アズマイチゲはわずかに紫を帯びています。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
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◆玉川村のイチリンソウ(一輪草) (※2018/5/5 撮影)
アズマイチゲやキクザキイチゲはイチリンソウ属ですが
似ていないとは言えないけどそっくりではありません。 -
◆玉川村のイチリンソウ(一輪草) (※2018/5/5 撮影)
イチリンソウもアズマイチゲもキクザキイチゲも1株から基本的には
一つの花を咲かせる点では同じ、
夏~冬は葉は枯れて休眠する
スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)なのも同じです。 -
◆白河・天狗山のニリンソウ(二輪草) (※2021/4/15 撮影)
ニリンソウ(二輪草/キンポウゲ科イチリンソウ属)も
イチリンソウ属ですがニリンソウは名前のように
1株から基本的に2輪咲かせるのでニリンソウと呼ばれます。 -
◆白河・天狗山のニリンソウ(二輪草) (※2021/4/15 撮影)
ニリンソウは1株から2輪咲きますが、同時に開花するのではなく
1輪が咲いてから少し間を置いて2輪目が咲きます。
ニリンソウも夏~冬は葉は枯れて休眠する
スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)です。
また亜高山には1株から3輪の花を咲かせる三輪草もあります。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
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◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
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◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
当地近隣でアズマイチゲは阿武隈山系に自生していますが
これほどの群生は見られず、
せいぜい10株程度がまとまって咲いているくらで
一面のアズマイチゲは唯一この周辺だけです(私が知っている限り) -
◆アズマイチゲ(東一華)の日本レッドデータ
※日本レッドデータ検索システムより
http://jpnrdb.com/search.php?mode=kind&q=06
アズマイチゲは23都府県で絶滅危惧種に指定され
東京では既に絶滅し野生のアズマイチゲは見られません。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
-
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
こちらは上記の自生地から100mほど離れた
別の棚田の土手です。
ここは里山の雑木林近くの棚田の土手で
もしかしたら農家の方が雑木林の林縁に自生していた株を移植し
その後自然増殖した可能性もあります。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
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◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
直ぐそばの雑木林の林縁にも自生していますが
これほど密度は高くありません。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
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◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
ここは一般道からは全く見えず
おそらくこの棚田の農家さんだけが見守っているのだと思います。
この棚田の土手は下刈りが行き届いているのは
農家の方がこのアズマイチゲを美しく咲かせるために
夏以降小まめに下刈りしているのでは無いかと思います。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
-
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
棚田の土手は陽当たりが良く適度な水分があり
植物にとっては一等地なので
必然的にライバルも多いはず。
それが春一番とは言えアズマイチゲがこれほど群生できたのは
やはり農家と共生できているからだと思います。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
-
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
アズマイチゲもスプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)なので
初夏までには地上葉は枯れて翌年早春の芽出しまで休眠します。
夏場に休眠しているときはこの土手がどのようになっているのか
気になりますがまだ見たことはありません。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
-
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
それにしても見事な群生ですが
Netで同様の画像は見たことが無いので
農家の方以外は恐らく知らないのだと思います。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
こちらは上記の棚田から150mほど離れた
里山林縁に群生するアズマイチゲです。
私の想像ではこの辺りのアズマイチゲが元祖本家ではないかと思います。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
私が見つけた阿武隈山地のアズマイチゲの自生地は
殆どが川沿いや渓谷沿いで棚田の土手で咲いているのは
見たことがありません。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
-
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
ここは里山の林縁ですが数年前までガサ薮状態で
アズマイチゲは細々と咲いていました。
しかし一昨年、下刈りされたので今年は近年では一番多く
花を咲かせました。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
アズマイチゲの自生を知って下刈りしたのか
たまたま下刈りしたのは分かりませんが
明るい里山の林縁はライバルが多いので
アズマイチゲのような草丈の低い山野草は
定期的に下刈りされないとやがて藪に埋もれて消えてしまいます。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
ここは上記里山の林縁から200mほど離れた道端の土手で見られる群生です。
ここの群生の葉は紫がかっています。
光合成が進むと緑色になるのかも。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
-
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アズマイチゲ(東一華)
ここも花付きの密度が高いのでとても見栄えがします。
山間部ではここまでの好条件の場所がないので
あまり大きな群生はないのだと思われます。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アマナ(甘菜)
上記のアヅマイチゲの群生地から500mほど離れた
里山林縁の土手でアマナが見頃を迎えようとしていました。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アマナ(甘菜)
アナマ(甘菜/ユリ科アマナ属)は主に関東以西~九州に分布し、
川沿いや田の畦などの草地や明るい落葉広葉樹林の林縁部などに自生します。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アマナ(甘菜)
多くの資料ではアマナの自生地は関東以西とありますが
福島県でもわずかですが隔離分布しています。
緯度的には福島市辺りの自生地の方が北なんですが、
中通り地方は北部の福島市より南部の白河市の方が標高が高いので
緯度に標高を加味すると、この周辺がほぼ北限だろうと思われます。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アマナ(甘菜)
-
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アマナ(甘菜)
アマナは、チューリップの原種によく似ており、
以前はチューリップ属に分類されていましたが
今はアマナ属になりました。
確かに花はチューリップに似ていますが
アマナは花の下にチューリップは無い小さい緑色一対の苞があるのが
大きな違いです。 -
◆アマナ(甘菜)の日本レッドデータ
※日本レッドデータ検索システムより
http://jpnrdb.com/search.php?mode=kind&q=06
アマナは22都県で絶滅危惧種に指定されています。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アマナ(甘菜)
名前の由来は球根が甘く食用できるところから。
別名ムギクワイ(麦慈姑)といい、
これは球根の形をクワイになぞらえたものだそうです。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アマナ(甘菜)
アマナも早春に葉を伸ばし、花を咲かせ葉は夏までに枯れる
いわゆるスプリング・エフェメラルの一つです。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アマナ(甘菜)
-
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アマナ(甘菜)
アマナは早春にいち早く花を咲かせるので草丈が低くても
春のうちに光合成を済ませ球根に栄養を蓄えれば
夏に他に植物に覆われても来春また花を咲かせますが
夏に生い茂った植物(とくに笹などの常緑植物)が下刈りされないと
翌春はそれらの植物に覆われたままで次第に数を減らしてしまいます。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アマナ(甘菜)
スプリング・エフェメラルは草丈の低い植物が多く
下刈りをしてくれる人間と共生することで命をつないできたので
里地里山が手入れされなくなると真っ先に滅びてしまう確率が高くなります。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アマナ(甘菜)
薮に覆われても数年なら花は咲かなくても球根や宿根は
薮の下で生きることもできますが
5年や6年も藪に覆われたままだと球根や宿根もさすがに
滅びてしまいます。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アマナ(甘菜)
高山植物などは国立公園や特別保護地で守られますが
里地里山型の植物は人知れず滅びる可能性が高いので
要注意です。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キバナノアマナ(黄花の甘菜)
隣り村の里山雑木林ではキバナノアマナも
花盛りになりました。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キバナノアマナ(黄花の甘菜)
キバナノアマナはアマナの名が付いていますがユリ科キバナノアマナ属で
親戚ではありますが兄弟ではありません。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キバナノアマナ(黄花の甘菜)
日本国内では、主に北海道、本州中部以北に、
国外では、千島、樺太、朝鮮、中国、シベリア東部、ヨーロッパに広く分布する。
日のあたる草むらや田畑の土手、林の縁などに自生します。 -
◆キバナノアマナ(黄花の甘菜)日本レッドデータ
※日本レッドデータ検索システムより
http://jpnrdb.com/search.php?mode=kind&q=06
キバナノアマナは24都府県で絶滅危惧種に指定されています。
神奈川県では野生種は絶滅したとされています。
西日本の空白県は元々自生が確認されていない県かも知れません。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キバナノアマナ(黄花の甘菜)
福島県では広範囲に分布していますが
自生数はあまり多くないと思います。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キバナノアマナ(黄花の甘菜)
上記で紹介したアマナと葉や花の形は似ていますが
アマナは一つの花茎に一つの花ですが
キバナノアマナは一つ花茎が分岐して複数の花をつける違いがあります。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キバナノアマナ(黄花の甘菜)
-
◆福島・四季・彩々・仲春の候~キバナノアマナ(黄花の甘菜)
花の大きさもアマナとはかなり違います。
アマナは全開したときの花径は3cm~3.5cmほどありますが
キバナノアマナは1.5cmくらいしかありません。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~ハルトラノオ(春虎の尾)
福島県南部の茨城県との県境近くの渓谷で
ハルトラノオを撮影してきました。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~ハルトラノオ(春虎の尾)
ハルトラノオ(春虎の尾/タデ科イブキトラノオ属)
本州~九州に分布し,山地の湿りけある林下に生育する多年草。
草丈は3~15cmで,短い穂の先に総状に花をつけます。
花期は4~5月で,花色は白色。
ハナビラはなく,ハナビラ状に見えるのはがく片。
花の大きさは2~3mmでがく片は深く5裂する。
雄しべがガクより長く外に突き出ます。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~ハルトラノオ(春虎の尾)
ハルトラノオは渓谷斜面のガレ場など水分がありながら
水はけのよい場所にかたまって自生します。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~ハルトラノオ(春虎の尾)
-
◆福島・四季・彩々・仲春の候~ハルトラノオ(春虎の尾)
阿武隈山地では良く似たアブクマトラノオもあります。
ハルトラノオ(春虎の尾/タデ科イブキトラノオ属)の花柄は
1~2mmと短いですが
アブクマトラノオ(阿武隈虎の尾/タデ科イブキトラノオ属)の花柄は
3~5mmと長く葉っぱはハルトラノオは楔(クサビ)型ですが
アブクマトラノオは多くの葉に葉と柄との付け根部分がハート型の
くぼみがあります。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アブクマトラノオ(阿武隈虎の尾)
こちらは良く似たアブクマトラノオ(阿武隈虎の尾/タデ科イブキトラノオ属)
ぱっと見は同じように見えますが
ようく見比べると花柄の長さや葉っぱの形が少し違います。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アブクマトラノオ(阿武隈虎の尾)
-
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アブクマトラノオ(阿武隈虎の尾)
アブクマトラノオは茨城県北部から宮城県南部までの
阿武隈山地だけに自生する固有種です。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アブクマトラノオ(阿武隈虎の尾)
アブクマトラノオの葉の基部は全部が全部ハート型ではなく
中には楔形もありますが、ハルトラノオはほぼ楔形です。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アブクマトラノオ(阿武隈虎の尾)
アブクマトラノオもハルトラノオも渓谷の似たような場所に分布自生しますが
私が見た限り混在することはなくすみ分けている感じです。
花はアブクマトラノオの方が花柄が少し長い分大きく
ずんぐりしたハルトラノオより見栄えします。 -
◆福島・四季・彩々・仲春の候~アブクマトラノオ(阿武隈虎の尾)
これで◆福島・四季・彩々・Part116、仲春の候はお仕舞です。
いつも最後までご覧下さりありがとうございます。
そして、いいねもありがとうございます。
長かったGWも今日で終わりですね。
私は隣り村で山野草の花を撮ったりワラビを採ったりしただけで
ほとんどは我が家で庭仕事やPCをするくらいで、のんびりしていました。
溜まりに溜まった写真を編集して新規投稿を頑張ろうと思ったのですが
時間はあっても、どうも歳を取ると集中力がなくなり
1時間も編集や草稿をしていると飽きてきてしまいます(^-^;。
結局GW頭に1つとGW末にようやく2つめの投稿がやっとでした。
一時的な集中力の低下ではなく、「ずっと集中力が続かなかった」と言う場合は、注意欠陥障害/多動性障害の可能性があるそうです(--〆)。
ま、いくらなんでも障害ってほどではないと思いますが
集中力の低下は老化現象の初期症状なのか??(^-^;。
ではまた。 j-ryu
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この旅行記へのコメント (3)
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- ひでちゃんさん 2023/05/22 09:31:43
- 春蘭20数年前に千葉県佐倉市の里山で採ってきたのが毎年咲きます。
- 強いんですね。鉢植えで肥しもやらずです。その里山には大きな穴が沢山あって。多分自然薯の盗掘と思います。どちらもダメですよねー
- j-ryuさん からの返信 2023/05/22 21:14:37
- Re: 春蘭20数年前に千葉県佐倉市の里山で採ってきたのが毎年咲きます。
- ひでちゃんさん,こんばんは。
ご来訪&いいね&コメント、ありがとうございます。
>春蘭20数年前に千葉県佐倉市の里山で採ってきたのが毎年咲きます。
≫首都圏でもシュンランが採れたなんて、良い時代でしたね~。
シュンランは確かに丈夫なランですが、ひでちゃんさん宅の
居心地がいいのは間違いないですよ。
いくら丈夫でも環境が合わないと1年と持たず枯れてしまいます。
>その里山には大きな穴が沢山あって。多分自然薯の盗掘と思います。どちらもダメですよねー
≫その里山が個人所有の山なら絶対ダメだし、
国有地や地方時自体の土地だとしても山野草の採取はダメだと思います。
自然薯なら、ま~ある程度なら許されるのかな~。
それとも都会では採取じたいが一切ダメなのかな?
私の田舎なら自然薯くらいなら誰も文句いいませんが(^-^;。
j-ryu
- ひでちゃんさん からの返信 2023/05/23 09:01:47
- Re: 春蘭20数年前に千葉県佐倉市の里山で採ってきたのが毎年咲きます。
- いつも、ご来訪&いいね&コメント、ありがとうございます。春蘭を山に戻そうと思っていたら住宅街になってました。これからもほったらかしで楽しみます。有難うございます。
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