2022/04/09 - 2022/04/19
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j-ryuさん
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☆福島の四季折々の花や自然風景を紹介している
“福島・四季・彩々”は回を重ね丁度Part,105になりました。
単独ネタにするには写真が少なかったり
あまり脈絡がないネタだったり、
それらを強引につなぎ合わせたのが“福島・四季・彩々”で
福島県の自然のネタと言う事以外にはあまり共通点はありません。
共通は無いと言いながら今回も春の山野草を中心にご紹介します。
山野草は1か所でたくさんの種類を見られる場合もありますが
殆どは自生場所も見頃も違うのでその山野草ごとに見頃を予想し
それぞれの自生地に小まめに足を運ぶ必要があります。
一応過去のメモ書きと今年の気候を総合的に判断しますが
外れる事など日常茶飯事、すぐ近くなら出直しもありですが
往復1時間もかかる場所で予想が外れると
それはもう酷く落ち込みます。
でも都会の方からすれば恵まれた環境に感謝しなければと思います。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
PR
-
☆春の野の花巡り
※Google Earthに加筆
https://www.google.co.jp/maps/@37.2572879,140.3694625,12257m/data=!3m1!1e3?hl=ja
貴重な山野草は具体的な自生地を公開すると盗掘されたり
芽出しの頃に知らずに踏み荒らされたりする恐れがあるので
恐れ入りますが詳細は非公開とさせていただきます。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマエンゴサク
隣り村の川沿いの里の林縁でヤマエンゴサクが見頃になりました。
ヤマエンゴサク(山延胡索/ケシ科キケマン属)は本州~九州の
山あいのやや湿った場所に自生し、花色は薄紫や水色、青など様々です。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマエンゴサク
当地の里地&里山ではそう珍しい山野草ではありませんが
ここは青花が群生して美しいのでお気に入りの自生地です。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマエンゴサク
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☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマエンゴサク
花序を含めた草丈は10~15cmほど。
真っすぐピンとは立たたないので実際の草丈よりは低く見えます。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマエンゴサク
青花に混じって紫花も咲いています。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマエンゴサク
北海道では 浦臼町の「浦臼神社」エゾエンゴサクの一面の群生が有名ですが
残念ながら本州に多く自生するヤマエンゴサクはさほど大きな群生は作らず
この群生地は比較的大きい方だと思います。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマエンゴサク
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☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマエンゴサク
山延胡索は中国に同じ仲間の生薬“延胡索”があり
日本の野生の延胡索と言うことで山延胡索と名づけられたそうです。
漢方のエンゴサクは鎮痙、鎮痛作用があり、
大正中薬胃腸薬、太田漢方胃腸薬などにも配合されていますが
残念ながら日本のヤマエンゴサクの薬効は劣るそうです。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマエンゴサク
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☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~エンゴサク色々
当地ではヤマエンゴサクの他にササバエンゴサク(笹葉延胡索)や
オトメエンゴサク(乙女エンゴサク)なども見られます。
花そのものは殆ど同じで見分けは難しいですが
葉の形や花序にある小葉に切れ込みがあるか無いかなどで
見極めます。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマエンゴサク
ただヤマエンゴサクとササバエンゴサクは葉の形は違うものの
同種とする見方もあります。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマエンゴサク
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☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~キクザキイチゲ
ヤマエンゴサク咲く隣り村の川沿いの林縁では
キクザキイチゲ(菊咲一華/キンポウゲ科イチリンソウ属)も
咲いていました。
しかし、見頃には若干早かったようで花は殆どがまだ半開でした。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~キクザキイチゲ
数輪はハナビラ(萼片)がだいぶ開いています。
花の一つだけに陽が射しまるでスポットライトが当たったようです。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~キクザキイチゲ
キクザキイチゲなどキンポウゲ科の花はハナビラに見えるのは
ガク片でハナビラ(花弁)は無い種類が多く
キクザキイチゲも花弁では無くガク片です。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~キクザキイチゲ
上記のキクザキイチゲは4/16に撮影しましたが
半開きが多かったので3日後の4/19に再訪し撮影しました。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~キクザキイチゲ
3日経ちましたが、まだ全開していません。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~キクザキイチゲ
-
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~タチツボスミレ(立坪菫)
タチツボスミレ(立坪菫/スミレ科スミレ属)も満開です。
タチツボスミレはおそらく日本で一番繁栄しているスミレではないかと思います。
低地から低山までどこにでも分布しています。
これだけ繁殖すると雑草レベルですが
やはり花がキレイだったり可愛かったりするのは
最大の武器ですね。
もしこの花が人間から見て不細工だったら
ぜったい駆除されていると思います。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマエンゴサク
3日前より紫花が多く開花していました。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマエンゴサク
私的は青花が好きですが、多様な色彩があってこその青花であり
もし青花だけだったら青花が引き立たないないかも。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマエンゴサク
-
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマエンゴサク
青と言うより水色と表現した方が相応しいかも。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマエンゴサク
-
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~キクザキイチゲ
キキザキイチゲにも多様な青花がありますが
当地の平地で見られる花色は100%白花です。
青花は奥羽山系の山すそまで行かないと自生していません。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~キクザキイチゲ
キクザキイチゲの青花は豪雪地帯に多いとされますが
豪雪地帯とて青花は30%程度なので
けして豪雪だけが青花が生まれる理由ではないと思います。
ではなぜ??? -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~キクザキイチゲ
-
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマエンゴサク
紫花と言っても紫色も様々、この花は藤色に近いかも。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~タチツボスミレ(立坪菫)
名の由来は「坪」とは道端や庭の意味で
「立」は、花の盛りを過ぎると茎がしだいに立ち上がってくるところから。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~タチツボスミレ(立坪菫)
また、漢字で立坪菫と表記しましたが(立壺菫)と表記する場合もあります。
この壺はスミレの由来となった大工道具の墨入れを壺に見立てた説もありますが、
疑問を投げかける人もたくさいます。
「スミレ」の花の基部に、蜜をためておく、ふくらみ(距)がある。
その姿が「墨入れ」を横からみた形状に似ているところから、
語源となったとするのは、牧野富太郎博士の説。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~タチツボスミレ(立坪菫)
でもスミレと言う言葉は平安時代以前から使われていました。
牧野富太郎博士の説の墨入れ説の元となった墨入れ(墨壺)は
江戸時代以降の形だそうで、それ以前はスミレの花(距)のような形では
無かったそうで、牧野富太郎博士の説は疑問視されています。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ミズタネツケバナ(水種漬花)
雑木林から流れてくる小さな沢筋に
ミズタネツケバナ(水種漬花アブラナ科/タネツケバナ属)が群生していました。
地味な花ななのであまり注目されることはありませんが
素朴で楚々とした姿は健気さを感じます。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ミズタネツケバナ(水種漬花)
-
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ミズタネツケバナ(水種漬花)
群生しているとそれなりに見栄えすると思いますが
山野草愛好家でもおそらくミズタネツケバナをわざわざ栽培している人は
いないような気がします(^-^;。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマエンゴサク
エンゴサクの仲間は
地下に球根のような塊茎(かいけい)があり、
春先にそこから地上部に茎を伸ばして花を咲かせます。
雑木林が若葉になる頃には、地上部は枯れて消えてしまい
翌年の春まで、地下の塊茎で休眠しています。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマエンゴサク (花の構造)
エンゴサクの仲間は一般的な花とは構造が違うので
どれがハナビラ(花弁)でどれがオシベ&メシベなのか分かりづらいです。
外側の花弁2つの中に内側の花弁2つがあり、
内側の花弁は合弁しているのでハナビラに見えません。
オシベ&メシベのその中に隠れているので外側からは見えません。
花弁の後ろの筒状のものは距(キョ)といい、蜜が貯められていて
虫をおびき寄せます。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ムラサキケマン(紫華鬘)
ヤマエンゴサクのそばではムラサキケマン(紫華鬘/ケシ科キケマン属)も
花盛りでした。
ムラサキケマンはキケマン属の中で一番ポピュラーで
全国のやや湿った林縁や草原の自生しますが
我が家の庭にも勝ってに生えてくるので
あまり地質や立地には神経質ではないようです。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ムラサキケマン(紫華鬘)
ムラサキケマン(紫華鬘)の花色は基本的に紫色ですが
個体のより濃淡の差があります。 -
☆陽春の野の花めぐり(棚倉町)~シロヤブケマン(白藪華鬘)
ムラサキケマンの中でも先端に紫色がわずかにある白花を
シロヤブケマン(白藪華鬘/ケシ科キケマン属)といい、
完全な白花をユキヤブケマンと言います。
咲き始めは花の先端以外は白いシロヤブケマンですが
花の終盤にはだんだん紫を帯びてきます。 -
☆ミヤマキケマン(深山黄華鬘/ケシ科キケマン属)
花色の豊富なキケマン属には黄色いキケマンもあります。
ミヤマキケマンは近畿以北の
日当たりの良い山地の崩壊地,谷川の礫地,林の縁などに生え越年草で
関東以南でよく見られるキケマン(黄華鬘)に似ていますが
全体に小ぶりで寒冷地適応型です。 -
☆ケマンソウ(華鬘草/ケシ科ケマンソウ亜科)
上記のキケマン属の属名の由来になったのがこのケマンソウです。
花は上記のケマン属にけして似ているとは思いませんが
このケマンソウは仏具の華鬘(鳳凰や花などの透かし彫りを施した装飾用仏具)が由来です。
ケマンソウは中国や朝鮮が原産で日本には室町時代に観賞用に持ち込まれました。
花色は桃色の他に白があり別名タイツリソウとも言います。 -
☆陽春の野の花めぐり(タマカワムラ)~ヤマナシ(山梨)
ヤマエンゴサク咲く近くでヤマナシ(山梨/バラ科ナシ属)が8分咲きでした。
ヤマナシは、本州、四国、九州、朝鮮半島南部、中国に分布し
日本のものは、古い時代に中国から渡来したものが野生化したという説もありますが、今の時代DNAを解析すれば分かるような気もするが、人為的なものなのか、野鳥などが種として運んだのかと、渡来した時期までは無理なのかも。 -
☆陽春の野の花めぐり(タマカワムラ)~ヤマナシ(山梨)
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☆陽春の野の花めぐり(タマカワムラ)~ヤマナシ(山梨)
樹高は15mにもなり、
果樹用に品種改良された現代の梨の木からは想像もつかない樹形です。
もっとも栽培梨は管理しやすいよに棚状に剪定していますが、
育ててれば野生種と同じような樹形になるのかも。
ヤマナシの果実は園芸種の赤梨(長十郎など)をとても小さくしたような形ですが、堅くてジャリジャリしとても食べられるような実ではありません。 -
☆陽春の野の花めぐり(タマカワムラ)~ヤマナシ(山梨)
ヤマナシと言えばやはり気になるのが山梨県の県名の由来です。
山梨県の「山梨」の語源には二つの説があるそうです。
一つは,昔の甲斐 (山梨県の古称)に山ナシの木が多かったからという。
もう一つは,国司の役所が平地つまり山の無い平ら な土地にあったから
という説です。
前者については,甲斐よりアオナシが朝廷に献じられたと,
『延喜式(えんぎしき)』に記さ れているそうです。
県全体が山に囲まれているのに『山無し』説はお笑い?かと思いますが
案外、山が多いからこそ平地がとても貴重で国司のあった場所を
山無しと強調したかったのかも?(^-^;。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマナシ(山梨)
また,江戸時代に山梨県は甲州あるいは甲斐国と呼ばれ,
山梨郡・巨摩郡・八 代郡・都留郡の四郡で構成されていました。
版籍奉還(はんせきほうかん)の際に一度は甲府県と 命名されましたが,
明治4年11月20日の廃藩置県で旧郡名の「山梨」が採用され
現在にいたっていま す。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマブキ(山吹)
山梨咲く林縁の近くではヤマブキ(山吹/バラ科ヤマブキ属)も
花盛りでした。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマブキ(山吹)
ヤマブキは北海道~九州の里山林縁などに自生します。
ヤマブキが咲き始めるとあちこちで田植えが始まり
いつもは静かな里山のまわりの田んぼが活気付いてきます(^^♪ -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマブキ(山吹)
山吹と言えば太田道灌にまつわる『山吹伝説』が有名ですよね。
山吹伝説道灌が父を尋ねて越生の地に来た。
突然のにわか雨に遭い農家で蓑を借りようと立ち寄った。
その時、娘が出てきて一輪の山吹の花を差し出した。
道灌は、蓑を借りようとしたのに花を出され内心腹立たしかった。
後でこの話を家臣にしたところ、それは後拾遺和歌集の
「七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき」の
兼明親王の歌に掛けて、山間の茅葺きの家であり貧しく
蓑(実の)ひとつ持ち合わせがないことを奥ゆかしく答えたのだと教わった。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマブキ(山吹)
古歌を知らなかった事を恥じて、それ以後道灌は歌道に励み、
歌人としても名高くなったという。豊島区高田の神田川に架かる面影橋の近くにも山吹の里の碑があり、1kmほど東へ行った新宿区内には山吹町の地名があり、伝説の地に比定されている。また、埼玉県越生町にも「山吹の里」と称する場所が存在し、この地が伝説の地であるという説もある。ただしいずれも真偽は不明。また、落語にこの故事をもとにした『道灌』という演目がある。
※Wikiより -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマブキ(山吹)
たいした学もないであろう農家の娘が
後拾遺和歌集の兼明親王の歌を知っていて
遠まわしに山吹を差し出したとは俄に信じがたいが
あまり無粋な天邪鬼の突っ込みは止めておきましょう(^_^;)。
実を付けないと思われがちなヤマブキですが
実を付けないのは八重のヤマブキでメシベが退化し
ハナビラ化したので実はなりません。
なので野生種はほとんど5弁花の一重でちゃんと結実します。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマブキ(山吹)
通常野生種は5弁花の一重咲きですが、この野生のヤマブキは
珍しく8弁花の八重咲きです。
園芸種の八重咲きは花弁がもっと多くもっこりした八重咲きです。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ヤマブキ(山吹)
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☆我が家のシロヤマブキ(白山吹/バラ科シロヤマブキ属)
ヤマブキつながりで我が家に咲いているシロヤマブキもご覧ください。
白いヤマブキといった印象ですがヤマブキとは別種です。
野性種は中国地方にわずかに自生しますが
園芸用として広く普及しています。
野生種はレアですが園芸用普及種はとても丈夫で手間いらずです。
野生種は自生数が少なく絶滅危惧種ですが
普及種は丈夫だし種がこぼれ芽が出て勝手に増えていきます。
なのにどうして野生種は数が少ないのだろう? -
☆白河天狗山のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
ヤマブキソウ(山吹草)は名前こそヤマブキと付きますが
落葉低木バラ科のヤマブキ(山吹)とは全く別物です。
花はそっくりですがヤマブキは5弁花ですが
ヤマブキソウはケシ科クサノオウ属の宿根草で4弁花。
草丈20~30cm、花径は4cmほどとヤマブキの2倍もあります。
遠目で花は似ていても近づいてみれば低木と草なので間違うとはないと思います。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ショウジョウバカマ(猩々袴)
上記ヤマブキ咲く雑木林の林床では彩り豊かな
ショウジョウバカマ(猩々袴/メランチウム科ショウジョウバカマ属)が花盛りでした。
ショウジョウバカマは日本全国の低地~高山まで広範囲に分布し、
やや湿った林縁、林床、土手などに自生します。
花色は薄いピンクや濃いピンク、薄紫など自生地でビミョウな違いがあります。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ショウジョウバカマ(猩々袴)
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☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ショウジョウバカマ(猩々袴)
ショウジョウバカマは広範囲に分布し、当地でもけして珍しい山野草ではありませんが、さすがにこれだけ群生しているのは、私史上最大の群生です。
雑木林の斜面、約100mほどにびっしり群生しています。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ショウジョウバカマ(猩々袴)
どうしてこれほどの群生になったのでしょう?
それは当然ですがショウジョウバカマにとって
とても居心地のいい場所だからです。
ショウジョウバカマは晩秋から春にかけては太陽が燦々と当たり、
夏から秋は木漏れ日射す半日陰。
土壌は常に湿り気のある場所を好みます。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ショウジョウバカマ(猩々袴)
名前の由来は、花が赤いのを猩々(中国の伝説上の動物のこと)になぞらえ、
根生葉の重なりが袴に似ていることから名付けられたそうです。
葉がロゼット状なのでせいぜい草丈は5cm程度ですが
花茎は開花とともに伸長し、高いものだと30cmになる株もあります。
以前はユリ科に分類されていました。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ショウジョウバカマ(猩々袴)
-
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ショウジョウバカマ(猩々袴)
ショウジョウバカマをスプリング・エフェメラル(春のはかない命)の仲間だと
する人もいますが
ぱっと見の印象はスプリング・エフェメラルぽいですが、
葉は常緑なので1年中見られ、種が実った長い花序も
翌春まであるので儚い命ではないと思います。
スプリング・エフェメラルは夏頃には葉を含め全て地上から消えてしまうものを
指すと私は思っています。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ショウジョウバカマ(猩々袴)
ショウジョウバカマは以前はユリ科に分類されていましたが
2015年からメランチウム科になりました。
日本にはメランチュウム科としてはツクバネソウ属、エンレイソウ属、
シライトソウ属、シュロソウ属などがあります。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ショウジョウバカマ(猩々袴)
メランチウム??
一般的には聞いたことの無い名前ですよね。
私も調べる前までは全く知りませんでした。
それもそのはずメランチュウムは
北アメリカ産のユリ科の多年草。原始的な花の構造を有しているシュロソウ属やリシリソウ属に近縁であり,これらと同様に有毒のアルカロイド成分を植物体に含んでいる。茎は高さ70~150cm,先端に円錐花序をつける。花被は6枚で緑白色。長さ約1cm。花被のつけ根に距が発達し,この特徴によりシュロソウ属やリシリソウ属から区別される。花被上面の基部にはリシリソウ属と同様に一対の腺体がある。メランチウム属Melanthium(英名bunch flower)は北アメリカ東部特産で,4種が知られている。
※平凡社 世界大百科事典より -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ショウジョウバカマ(猩々袴)
ショウジョウバカマ属??
あれ
ショウジョウバカマ属って他にもあったっけ?
ショウジョウバカマの他には
南西諸島などに分布するコショウジョウバカマやオオシロショウジョウバカマがあるだけなので知らないのも当然かも。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ショウジョウバカマ(猩々袴)
-
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ショウジョウバカマ(猩々袴)
猩々(ショウジョウ)とは一般的には中国の伝説上の動物のことを指しますが
能の演目である五番目物の曲名『猩猩』が有名で、
真っ赤な能装束で飾った猩々が、酒に浮かれながら舞い謡い、
能の印象から転じて大酒家や赤色のものを指すことになったそうです。
中国の古典書物にも登場しますが、中国では黄色の毛の生き物や豚と伝わるなど多岐に富み、現代日本で定着している伝説の赤い獣とは少し違うようです。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ショウジョウバカマ(猩々袴)
猩々はオランウータンの中国名としても使われたのに合わせて
チンパンジーの和名は黒猩猩(くろしょうじょう)、
ゴリラの和名は大猩猩(おおしょうじょう)とされ
さらに様々なものに
また、ショウジョウバエは、酒に誘引される性質から猩猩になぞらえて名づけられた。他にも赤みの強い色彩を持つ生物には、しばしばショウジョウ……の名が付されることがある。
ショウジョウエビ(猩猩海老)
ショウジョウカ(猩猩花)
ショウジョウガイ(猩猩貝)
ショウジョウコウカンチョウ(猩猩紅冠鳥)
ショウジョウコオロギ(猩猩蟋蟀)
ショウジョウガニ(猩猩蟹)
ショウジョウサギ(猩猩鷺)
ショウジョウスゲ(猩猩菅)
ショウジョウソウ(猩猩草)
ショウジョウトキ(猩猩朱鷺)
ショウジョウトンボ(猩猩蜻蛉)
ショウジョウバエ(猩猩蝿)
ショウジョウバカマ(猩猩袴)
ショウジョウヒワ(猩猩鶸)
ショウジョウボク(猩猩木) -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ショウジョウバカマ(猩々袴)
唐突ですが・・・
2023年度前期 連続テレビ小説(朝ドラ)は神木隆之介さん主演の
『らんまん』に決まりました。
モデルとされるのは日本植物学の父とも言われる『牧野富太郎博士』 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ショウジョウバカマ(猩々袴)
ショウジョウバカマの名は明治時代以前からあったようですが
牧野富太郎博士は、花の色合いを猩々(しょうじょう=猿に似た架空の動物で酒飲みの象徴)に、地面に張り付くような葉の様子を袴に見立てたものと解説しているそうです。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~ショウジョウバカマ(猩々袴)
牧野富太郎博士は生涯に2500種もの植物を命名し
(新種1500,新変種1000)
自らも600もの新種を発見命名したそうです。
中にはムジナモ、ワルナスビ、ノボロギク、ハキダメギク、
ママコノシリヌグイなど、とてもユニークな命名もしています。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~シュンラン(春蘭)
ショウジョウバカマ咲くの雑木林ではシュンラン(春蘭/ラン科シュンラン属) も
見頃を迎えていました
。
現在の元号は令和ですが、その典拠は万葉集
巻五、梅花(うめのはな)の歌三十二首の序文だそうです。
《原文》 于時、初春令月、氣淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香。
『ときに、初春しよしゆんの令月れいげつにして、気き淑よく風かぜ和やはらぎ、
梅うめは鏡前きやうぜんの粉こを披ひらき、蘭らんは珮後はいごの香かうを薫かをらす。』 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~シュンラン(春蘭)
序文の前段は梅の花を主役にしていましたが後段では
『蘭薫珮後之香』とあります。
おそらくこの時代の香る早春の蘭と言えば『春蘭』でしょうね。
現代出回っている園芸種のランの多くは香りは殆どしませんが
日本在来種の春蘭は甘い香りがします。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~シュンラン(春蘭)
かつては春蘭の花を干したり塩蔵して保存し
それを熱湯で戻し『蘭茶』としておめでたい席で提供されてきました。
今ではだいぶ廃れてしまった風習ですが
皆さんは味わったことがありますか?
でも野生のシュランは乱獲で激減しているので採ったりせず
山でそっとその香りを楽しんでほしいものです。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~シュンラン(春蘭)
春蘭(シュンラン/ラン科シュンラン属)は日本を代表する野生蘭で
北海道~屋久島まで里山や雑木林に広く自生しますが
自生地の開発や、心無い盗掘などで数を減らしています。
撮影のため、落ち葉を少し取り除いて撮影していますが
実際は落ち葉から少し顔をのぞかせるように咲き始め、
しだいに花茎が伸びてきます。
春蘭は玄人好みの渋い色合いですが、花びら(唇弁)の模様や色に個体差があり
珍しい花は愛好家の間で高値で取引されています。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~シュンラン(春蘭)
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☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~シュンラン(春蘭)
シュンランは地方によってはジトバとかジジババとかジドババと呼ばれています。
女性のアソコの隠語だそうです(^_^;)。
子供のころは不思議な名前だな~くらいにしか思っていませんでしたが
たしかにそんな風に見えなくもないですね。
今思えば大人にしつこく質問しなくて良かったかも(^^ゞ。
たぶん子供なりにしつこく聞いちゃいけないと感じていたのかも(笑) -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~シュンラン(春蘭)
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☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~シュンラン(春蘭)
こげ茶色の鞘は昨年実った朔果(さっか)の亡骸です。
朔果とは熟すると下部が裂け、種子が散布される果実のことを指します。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~シュンラン(春蘭)
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☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~シュンラン(春蘭)
シュンランの中には稀に紅色タイプがあり
栽培種がけっこうなお値段で出回っています。
超レアものになると一株(花芽付き)だと
数万円もするものもあります。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~シュンラン(春蘭)
でも野生では紅花はまず見られないし、私も出会ったことがありません。
それで今年は紅花の未開花1株と未開花韓国春蘭1株のセットを
¥4950で購入しました。
正直、高いな~と思いましたが、一旦欲しくなるとその欲求が
中々止まりません(--〆)。
ま、ふだん贅沢はしないタイプなにので奮発してしまいました。 -
☆陽春の野の花めぐり(玉川村)~シュンラン(春蘭)
でもこの紅花タイプは普通に育てていてもキレイな紅花にならないんです。
蕾が立ち上がった頃に蕾をキャプで覆い遮光する必要があるんです。
そうすることによって緑色の光合成が抑制され
紅色の濃い花が咲きます。
この遮光キャップは取り付け期間が大事だそうで
遮光し過ぎると花芽が成長しなくなり蕾は萎れてしまいます。
それより先に今年購入した株が
来春に蕾ができるかどうかの方が気になりところです。 -
☆陽春の野の花めぐり~笠ヶ森のイワウチワ(岩団扇)(※4/18 撮影)
こんどば場所を変えイワウチワ(岩団扇/イワウメ科イワウチワ属)を
見に行きました。
上記のショウジョウバカマやヤマエンゴサク、キクザキイチゲが咲いていたのは
阿武隈山系の里山雑木林でしたが
今度は中通りの市街地を横断し奥羽山系の笠ヶ森山(1013m)に向かいました。
笠ヶ森山といっても登山道を山頂まで登っても
残念ながらイワウチワは自生していません。
正しくは笠ヶ森山塊のとある場所で一般人はまず訪れない場所です。 -
☆陽春の野の花めぐり~笠ヶ森のイワウチワ(岩団扇)
イワウチワ(岩団扇/イワウメ科イワウチワ属)は近畿地方以東、中部地方、
関東地方北部、東北地方の各山地に分布し、
低山帯上部から亜高山の湿りのある樹林内に自生します。
福島県では広域に点々と自生地があり、
今のところ我が家から一番近い自生地がこの笠ヶ森山塊の山腹です。 -
☆陽春の野の花めぐり~笠ヶ森のイワウチワ(岩団扇)
今年はソメイヨシノの開花が遅かったので
イワウチワも遅いだろうと予想したのですが
ソメイヨシノの開花のメカニズムとイワウチワのメカニズムは違うようで
イワウチワは昨年の開花とほぼ同じだったようで
既に終盤を迎えていました。 -
☆陽春の野の花めぐり~笠ヶ森のイワウチワ(岩団扇)
このイワウチワは撮影に苦労します。
なんせ草丈がせいぜい5cmで
その多くが断崖や急斜面にへばりつくように咲き
さらに花は下向き。
山野草の中でも撮影難易度はAクラスです。
それでも比較的なだらかなポイントに咲いている株もあるので
斜面に這いつくばり下から仰ぐ様に撮影しています。 -
☆陽春の野の花めぐり~笠ヶ森のイワウチワ(岩団扇)
名前の由来は岩場に自生し団扇(うちわ)のような葉を持つからです。
日本海側には葉が2倍くらい大きいオオイワウチワが分布します。 -
☆陽春の野の花めぐり~笠ヶ森のイワウチワ(岩団扇)
-
☆福島市吾妻山のイワカガミ (2014年6月撮影)
イワウチワに似た葉に同じイワウメ科のイワカガミがあります。
イワカガミ(岩鏡/イワウメ科イワカガミ属)は北海道~九州の亜高山や高山の岩場やガレ場、草地などに自生する常緑の多年草です。
葉に光沢があり岩場で多く見られるのでイワカガミと呼ばれます。
1本の花径に5~10輪ほどの花を咲かせ、
花の一つ一つは漏斗状の5弁花で花ビラの先端は細かく裂けています。 -
☆陽春の野の花めぐり~笠ヶ森のイワウチワ(岩団扇)
イワウチワは桜色した可愛い山野草なので
盗掘されることも多く
保護地区以外で見かけるのは大分少なくなってきました。
ここは遊歩道どころか獣道もなく殆ど人は来ません。
地形的にはかなり険しい場所ですが
イワウチワにとっては数少ない安住の地なのでしょう。 -
☆陽春の野の花めぐり~笠ヶ森のイワウチワ(岩団扇)
上記のイワウチワは比較的緩やかな斜面に咲いていましたが
多くはこの断崖に右側に自生しています。
左側は全く自生していません。
おそらく左側は南に当たり陽射しがきつく
水分を得にくいのだと思います。
断崖の落差は80mはあろうかと思われ
足場が悪いので尾根の天辺から見下ろすようにしか撮れません。
それだって目茶怖いです。
自分では特段高所恐怖症だとは思いませんが
この程度の蟻の戸渡(痩せ尾根)でビビッているようでは
北アルプス登山なんて絶対無理です(--〆)。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのコブシ(辛夷/モクレン科コブシ属)
イワウチワ咲く笠ヶ森山から車で10分弱の大滝川渓流沿いでは
コブシ(辛夷/モクレン科コブシ属)も見頃でした。
コブシは北海道~九州に分布、里山から低山に自生し、
樹高が10m以上になる落葉高木。
花弁枚数は6枚と3枚の萼片でなり全体で9枚に見えます。
日本海側に多く自生するタムシバと似ますが、
コブシは花と同時に1枚の葉が展開しますが
タムシバは葉が出ません。 -
☆陽春の野の花めぐり~飯豊町のタムシバ (※2022/5/10 撮影)
こちらが日本海側で多く自生するタムシバ(田虫葉/モキレン科コブシ属)
ヘンテコな名ですが、葉を噛むと独特の甘味があるため「カムシバ(噛む柴)」の名がつき、これが転じて「タムシバ」となった説があります。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのコミヤマカタバミ(小深山片喰)
旧岩瀬村(現・須賀川市)の大滝川渓谷で春に咲く山野草は
ニリンソウ、コミヤマカタバミ、ミヤマキケマン、ササバエンゴサク、
カタクリ、スミレサイシン、エンレイソウ、ウスバサイシン、
ラショウモンカズラ、キクザキイチゲ、青花キクザキイチゲ、エイザンスミレ、
ニッコウネコノメソウ、ウラシマソウ、フデリンドウ、ミズバショウ、
ショウジョウバカマ、チャルメラソウなどなど
超レアな山野草はありませんが我が家から車で20分ほどと近いので
私にとってはお手軽な自然です。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのコミヤマカタバミ(小深山片喰)
大滝川渓流沿いの草地でコミヤマカタバミ(小深山片喰/カタバミ科カタバミ属)が
咲き始めていました。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのコミヤマカタバミ(小深山片喰)
コミヤマカタバミ(小深山傍食/カタバミ科カタバミ属)は北海道~九州の山林や渓流沿いのやや湿り気のある半日陰に自生します。
紫色の花はスミレサイシン(菫細辛) -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのニリンソウ(二輪草)
ニリンソウ(二輪草/キンポウゲ科イチリンソウ属)は日本各地の主に山地の
湿潤な林床や川沿いに自生します。
そう珍しい花ではありませんが
その清楚で気品のある姿はいつ見ても心洗われる花です。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのニリンソウ(二輪草)
-
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのコミヤマカタバミ(小深山片喰)
コミヤマカタバミも平地の道端などで良く見かける黄色いカタバミの仲間ですが
黄色いカタバミは抜いても抜いても生えてくるやっかいな雑草で
コミヤマカタバミは山あいの限れれた場所にしか自生しない貴重な山野草です。
白と黄色で正反対の生き方なのが不思議です。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのコミヤマカタバミ(小深山片喰)
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☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのコミヤマカタバミ(小深山片喰)
コミヤマカタバミやミヤマカタバミの花色は基本的には真っ白ですが
自生地によってはピンクタイプもあります。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのニリンソウ(二輪草)
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☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのニリンソウ(二輪草)
ニリンソウは今年も天狗山の群生を紹介したばかりなので
少々マンネリ気味ですが、ささっとお付き合い下さい。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのニリンソウ(二輪草)
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☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのニリンソウ(二輪草)
ニリンソウは名前から想像できるように
1株から基本的に2輪の花を咲かせます。
稀に3輪咲くこともありますが、
大きな群生で一株一株確認するわけにもいかないので
どのくらいの割合であるのかは不明です。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのニリンソウ(二輪草)
-
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのニリンソウ(二輪草)
ニリンソウは1輪目が開花し、数日後に2輪目が開花します。
2輪咲いたタイミングが一番見栄がします。
1輪では寂しいし、2輪目が開花すると1輪目は萎み始めるので
2輪咲きを待っていると見た目の印象が間延びした感じになるので
2輪目が咲き出した頃に撮影するのが理想的です。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのニリンソウ(二輪草)
-
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのニリンソウ(二輪草)
このくらいの開花状況がベストタイミングだと思います。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのコミヤマカタバミ(小深山片喰)
このコミヤマカタバミの群生地は5,6年前はもっと一面に花を咲かせていましたが、2019年の台風19号の豪雨で土砂が流入し、
この草地の1/3くらいが土砂に埋もれてしまいました。
ニリンソウは一早く回復を見せたのですが
コミヤマカタバミはまだ2019年以前の状態には回復していません。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのニリンソウ(二輪草)
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☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのニリンソウ(二輪草)
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☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのニリンソウ(二輪草)
ニリンソウの中で少しだけ突出している植物はトリカブトです。
この位の大きさになればニリンソウとトリカブトを間違うことは
無いと思いますが、草丈が同じ頃だと間違い恐れがあるので
ニリンソウを山菜として食べる際はくれぐれも間違わないよう
採取しなくてはなりません。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのニリンソウ(二輪草)
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☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのコミヤマカタバミ(小深山片喰)
コミヤマカタバミは北海道~九州の
山林や渓流沿いのやや湿り気のある半日陰に自生します。
ここはニリンソウの群生と競い合うかのようにコミヤマカタバミも負けずに群生し
まるで白い絨毯を敷き詰めた白無垢の森です。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのコミヤマカタバミ(小深山片喰)
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☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのスミレサイシン(菫細辛)
スミレサイシン(菫細辛/スミレ科スミレ属)はスミレの仲間では花が大きく
ウスバサイシン(ウマノスズクサ科)によく似た葉っぱが
花後に大きく展開します。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのコミヤマカタバミ(小深山片喰)
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☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのコミヤマカタバミ(小深山片喰)
コミヤマカタバミは分布域は広いですがニリンソウに比べ
自生場所は各段に少ないと思います。
白河・天狗山もあれだけ見事なニリンソウの群落はあっても
コミヤマカタバミは見たことがありません。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのヤマバエンゴサク(山延胡索)
ヤマエンゴサク(山延胡索/ケシ科キケマン属)は本州~九州の
山あいのやや湿った場所に自生し、花色は薄紫や水色、青など様々です。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのヤマエンゴサク(山延胡索)
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☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのヤマブキ(山吹)
ヤマブキは日本や朝鮮、東アジアが原産地ですが
海外ではKerria japonicaと呼ばれています。「William Kerr」というスコットランドの植物学者の名前にちなんで付けられそうで、
寒さにも病気にも強い木として欧米でも人気のある庭木です。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのヤマブキ(山吹)
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☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのヤマブキ(山吹)
黄色を山吹色と称するほど万葉の昔から日本人に愛されてきた木で
一部の園芸種を除けば野生種は当時のままの花が見られるのですから
感慨深いものがありますね。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのヤマブキ(山吹)
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☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いの青花キクザキイチゲ(青花菊咲一華)
青花のキクザキイチゲも咲いていました。
この辺りは奥羽山系の東側で豪雪地帯ってほどではありませんが
冬場は30~40cmほどの根雪に閉ざされる地域です。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いの青花キクザキイチゲ(青花菊咲一華)
-
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いの青花キクザキイチゲ(青花菊咲一華)
青花といっても青の色合いは様々です。
この地域は濃い青花は少なく薄青色タイプが主流です。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いの青花キクザキイチゲ(青花菊咲一華)
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☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いの青花キクザキイチゲ(青花菊咲一華)
ハナビラ(萼片)の形も様々で、この青花はプリーツのような皺があります。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのササバエンゴサク(笹葉延胡索)
葉が細長く、托葉がギザギザしたタイプをササバエンゴサクとする場合もありますが、植物学者でもないかぎりヤマエンゴサクでいいような気がしますが、
山野草好きは細かく分類するのがお好きなようです。
ただDNA的に同種か別種かは分かりません。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのササバエンゴサク(笹葉延胡索)
-
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのササバエンゴサク(笹葉延胡索)
逆光気味に撮ると透過光効果で透明感ある花色を表現することができます。
その場合はカメラは花と同じような高さが理想なので
腹ばいになりながら撮影しています。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのササバエンゴサク(笹葉延胡索)
私のカメラにはバリアングルモニターも付いているのですが
どうもファインダーから覗いてみないと
全体のイメージが掴みにくいので
よほどでなければばりバリアングルモニターを使うことはありません。
バリアングルモニターは左側に開くタイプなので
Sonyなど真下に開くタイプ(チルト方式)より使いづらいです。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのササバエンゴサク(笹葉延胡索)
バリアングル式のメリット
・アングルの自由度が高く、自撮りも可能
・縦位置でもモニターの角度を調整できる
バリアングル式のデメリット
・2段階の操作が必要
・光軸からモニターが外れるため視線のズレが生じる -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのササバエンゴサク(笹葉延胡索)
チルト式のメリット
・モニターの角度を素早く調整できる
・光軸上にあるため視線のズレがない(少ない)
チルト式のデメリット
・バリアングル式に比べると可動範囲が狭い
・縦位置での角度調整に非対応(※3軸チルトなどを除く) -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのニリンソウ(二輪草)
自撮りする人は可動域の広いバリアングル式が重宝するかも知れませんが
私は自撮りはしないので
レンズの光軸上でモニターを動かせるのもチルト式が使いやすいです。
撮影者の視線と光軸にズレがない(少ない)のでフレーミングがしやすく、
特に被写体に正対して撮る場合に構図をとりやすいです。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのニリンソウ(二輪草)
-
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのキクザキイチゲ(菊咲一華)
一般的な白いキクザキイチゲも咲いていましたが
白花の方が青花より若干開花が早いようで
ほぼ終盤でした。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いの青花キクザキイチゲ(青花菊咲一華)
上記の青花とは100mほど離れた場所では
少し違うタイプの青花が咲いていました。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いの青花キクザキイチゲ(青花菊咲一華)
太陽が当たり少しハレーション気味なのでやや白っぽく写っていますが
白花と比べれば明らかに青みががっています。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのニリンソウ(二輪草)
-
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのニリンソウ(二輪草)
ニリンソウもキクザキイチゲもササバエンゴサクもみな
スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)の一つで
落葉広葉樹林などで春先に花を咲かせ、
夏まで葉をつけたあとは地上部は枯れ地下で過ごす草花の総称で
「春の儚いもの」「春の短い命」というような意味で、
「春の妖精」とも呼ばれています。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのニリンソウ(二輪草)
-
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのニリンソウ(二輪草)
春先こ草原一面を独占しているニリンソウですが
今頃はおそらく跡形も無く消え去っていると思います。
この控えめで慎ましやかなな生きざまを
どこぞの国の独裁者に見せてあげたいです。 -
☆陽春の野の花めぐり~大滝川渓流沿いのニリンソウ(二輪草)
これで◆福島・四季・彩々・Part105~陽春の候はお仕舞です。
いつも最後までご覧下さりありがとうございます。
そして、いいねもありがとうございます。
ではまた。 j-ryu
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