1993/10/09 - 1993/10/11
5位(同エリア245件中)
旅猫さん
【思い出の旅】第23弾は、紅葉に包まれた八甲田と八幡平を巡る旅。
(2021.10.23投稿)
1993年の10月上旬、東北の紅葉を観たくなり、夜行列車で青森駅へと向かった。訪れたのは、青森の八甲田と岩手から秋田にかけての八幡平周辺だ。ちょうど見頃を迎えた紅葉はとても美しかった。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 3.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 高速・路線バス JR特急 JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
上野駅から、常磐線経由の青森行寝台特急『ゆうづる』に乗り、みちのくの秋を目指す。夜遅くの上野駅には、次々と出発する夜行列車を利用する人たちで賑わってる。
※『ゆうづる』は、現在廃止されています。 -
この日乗った車両は、世界初の電車寝台車として名を馳せたものだったが、さすがに古さは隠せない。今では珍しくなった3段寝台であり、しかも、よりによって、一番狭い中段しか空いてなく、背中を丸めても頭がぶつかるのは辛かった。
-
早朝の青森駅に到着。隣には、弘前行の快速『岩木』や、東北本線経由で上野駅やって来た寝台特急『はくつる』などが並び、旅情が溢れていた。
※『はくつる』、『岩木』は、現在、廃止されています。 -
青森駅から、十和田湖行のJRバスに乗り、八甲田ロープウェイ駅前バス停で下車。八甲田山麓駅から山頂公園駅までは、およそ9分の空中散歩。降り立った山頂付近は、濃い霧に包まれていて、ほとんど視界が効かなかった。それでも、しばらくすると色付いた山肌が見えて来た。
-
霧に包まれた山頂駅を後にして、八甲田ゴードラインと呼ばれる散策路へと入った。そこは、8の字型の遊歩道が整備されていて、ベンチなどもあるので軽いハイキングが 楽しめる。晴れていれば、八甲田の雄大な景色が堪能できる場所だ。霧の中に現れる高層湿原は幻想的で、アオモリトドマツやナナカマドなどが絶妙な演出をしていた。
-
山頂から、田茂萢岳の山腹を巻ながら降りていくことにしたが、前日の雨でかなりぬかるんでいる。それなりの装備で来たものの、あまりに足場が悪く、滑り落ちそうなのを堪えながら高度を下げていくのはつらかった。そして、なんとか視界の効くところに出て地図を確認したところ、そこが 上毛無岱だった。
-
毛無岱は、八甲田山の西側中腹に広がる上下二段の湿原で、その美しさには定評がある。上毛無岱は、規模はやや小さいものの、草紅葉の中に続く木道歩きは とても気持ちが良く、何度も立ち止まっては景色を堪能した。振り返れば、八甲田の山頂群がたおやかに横たわっていた。
-
上毛無岱の端まで来ると、そこからは八甲田でも有数の絶景が望める。眼下に、青い絵の具をこぼしたような池塘が点在する広大な湿原が望めるのだ。この湿原が下毛無岱である。その美しさは、それまでの疲れを吹き飛ばしてくれるほどの素晴らしさであった。湿原の中に続く細い1本の木道。その素晴らしい自然を体験するための、人が通る最低限の道である。しばらく、その絶景を眺めながら休憩し、下毛無岱へと下ることにした。
-
下毛無岱は、ハイマツとアオモリトドマツの緑が草紅葉に映える箱庭のような別天地で、散らばる池塘の青さが、その美しさを際立たせていた。その美しい景色の中を、 木道が続き、ゆっくりと湿原の秋を堪能できる。高山植物が咲き誇る夏に、もう一度訪れてみたいものだ。
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下毛無岱を抜けると、ブナなどが美しい林間の道となり、秘湯酸ヶ湯温泉へと降りて行く。森の中の樹々も色付き、飽きさせない。
-
酸ヶ湯温泉は、千人風呂と呼ばれる大きな混浴風呂で有名な一軒宿の温泉である。山歩きで疲れた体を癒すにはちょうど良いが、温泉好きの私とは言え、さすがに緊張する。とは言え、慣れてしまえば素晴らしい。バスの時間まで周辺を散策。紅葉が綺麗だった。青森駅までバスで戻り、東北本線に乗り換え、この日の宿がある盛岡駅へ向かった。
-
翌朝、盛岡駅前からバスに乗り、八幡平頂上を目指した。降り立ったバス停から、整備された遊歩道を歩いて行くと、程なく八幡沼が見えて来る。そこは、八幡平で最も訪れる人が多いところである。
八幡沼 自然・景勝地
-
八幡沼を一周する遊歩道があり、途中には池塘の青さが眩しい湿原もある。のんびりと散策するのが楽しそうだが、この日はかなり冷たい風が強く吹いていたので、湖畔の散策は早々に切り上げ、八幡平頂上へと続く森の中の散策路へと逃げ込んだ。
-
オオシラビソなどが生い茂る森の中の散策路には、赤く色付いたナナカマドが美しく、秋晴れの青い空に映えていた。散策路の途中にあった八幡平頂上(1613m)には展望台があったが、まわりの木々で残念ながら展望は効かなかった。沼が点在する散策路を歩き、1時間半ほどでバス停に戻って来た。この後、冷えた体を温めるため、後生掛温泉へバスで移動することにした。
八幡平 (秋田) 自然・景勝地
-
バス停から、後生掛温泉へと歩いて行く。宿へと続く道は、美しい紅葉で彩られていた。
後生掛温泉 宿・ホテル
-
後生掛温泉には、一周約2キロの自然研究路がある。荒涼とした地獄地帯や泥火山、熱湯をたたえた大湯沼などの見所が点在している。自然研究路を楽しんだ後、温泉へと入る。東北を代表する名湯だけに、泉質はもちろんのこと、素朴な湯船などもとても良かった。ゆっくり浸かっていると、体が癒されていく。
-
温泉で体を温めた後、美しく色付いた紅葉を眺めながら、のんびりバス停へと戻る。今年は、紅葉の色付きがよく、本当に綺麗である。
-
後生掛温泉を後にして、バスでJR花輪線の陸中花輪(現鹿角花輪)駅へと向かった。途中、蒸の湯や大沼など、一度は立ち寄りたい場所があるのだが、今回は時間が無く、残念ながら車窓から眺めるだけにした。陸中花輪駅に着くと、空に怪しい雲が広がって来た。
鹿角花輪駅 駅
-
陸中花輪駅から花輪線の普通列車に乗り、奥羽本線の大館駅を目指す。途中の十和田南駅では、進行方向が変わるためにしばらく停車した。そして、終着の大館駅に着いた時には、もう夕暮れ時であった。
大館駅 駅
-
しばらく待ち、大館駅から上野行夜行急行『津軽』に乗車。往きと同じ車両であるが、こちらは寝台ではなく座席扱いである。横になれないのが難点だが、その分安い。途中の秋田駅で、隣に、羽越本線経由の上野行寝台特急『出羽』が出発を待っていた。寝台車が魅力的であるが、今回は我慢。こちらは奥羽本線経由で上野駅を目指して発車した。
※『津軽』、『出羽』は、現在、廃止されています。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- Decoさん 2021/10/23 19:36:58
- 3段寝台
- 旅猫さん、こんばんは。
3段寝台、懐かしいですね。1993年の記録ということですが、この頃までは現役だったのですね。
私も一度だけ乗ったことがあります。子供の頃だったので、寝台の狭さも感じず、むしろ物珍しさで楽しかった記憶が残っています。
寝台車の独特の旅情、ゆったり流れるような時間が大好きでした。
(座席での夜行、こちらも一度だけ経験がありますが、全然眠れず辛かった…)
東北の紅葉、やっぱり九州とは一味違うようです。冬が寒いだけに、紅い色も鮮烈なように感じました。
千人風呂、一度は入ってみたいです。広い露天、大好きなので。でも、混浴は女性もハードルが高いけど、男性も気を遣いそうで、なかなか入りずらそうですね。
Deco
- 旅猫さん からの返信 2021/10/23 22:16:54
- RE: 3段寝台
- Decoさん、こんばんは。
書き込みありがとうございます。
この旅の頃は、まだ3段寝台は現役でした。
今となっては貴重な体験でした。
あの狭さは、子供だとかえって楽しいかもしれませんね。
寝台車は、独特な雰囲気がありますよね。
個人的には、夜行列車の出発前のホームの雰囲気も好きです。
座席だと、なかなか寝づらいですよね。
東北の紅葉は、寒暖差が大きいので、年によっては赤が燃えるように輝きます。
ナナカマドは特に綺麗です。
酸ヶ湯の千人風呂は、かなり勇気がいりますが、最近は女性専用の湯船もあり、塀もあるので前に比べると、男女の遭遇確率は下がっています。
寒くなると、さらに湯気も立ち込めますので、入りやすいですよ。
旅猫
-
- ポテのお散歩さん 2021/10/23 16:35:55
- 大自然の紅葉
- 旅猫さん こんにちは。
旅猫さんにとっては 懐かしい寝台列車に揺られての旅でしたね。
もう こんなに廃止されている寝台列車があるのですね。
いまは速さと豪華さを競う列車旅になりつつあって、車窓を
ゆっくり眺めながらの旅情旅が少なくなり、だからこそ余計に
旅猫さんの未投稿の旅が貴重に思えます。
いったい どのくらい未投稿写真が眠っているのでしょうか (?_?)
京都にリニアモーターカーが通らない事で 何だか置いて行かれるのでは。。。と心配でしたが、便利と速さから少し遠ざかる事も 特に今の京都には必要かも。と思えるようになりました。 少し不便になっても来て下さる、そんな方を心から“おもてなし”出来る 大切なきっかけになるかも知れませんね。
八甲田山の紅葉、やはりスケールが違います。
大自然の中に入って 季節毎に見せる景色に感動して
そのあと、ひと時 自然の恵みの温泉に浸かる。
そんな事ができるのは、大自然ならではの旅ですね。
人の手が入らないからこその紅葉の美しさに圧倒される景色でした。
ポテ
- 旅猫さん からの返信 2021/10/23 22:06:27
- RE: 大自然の紅葉
- ポテさん、こんばんは。
書き込みありがとうございます。
今や夜行列車も風前の灯で、とても悲しいです。
この時乗った夜行列車も、すでに過去のもの。
狭い寝台も、今となっては良い思い出です。
ちなみに、多い時には、1日上下200本以上の夜行列車が走っていました。
東京駅や上野駅、大阪駅などは、毎日30本以上の夜行列車が出発していたので、今から考えると信じられないです。
今は、東京発のサンライズ出雲・瀬戸だけです。。。
古い旅行の写真は、まだ100冊分くらいは旅行記が掛けるくらい残っています(笑)
信州の小諸は、新幹線が停まらなかったおかげで、旧北國街道の風情が残り、かえって観光客が増えていたりします。
本当に好きな人は、不便でも訪れますからね。
不便だからこそ、ゆったりとした旅が出来ると思います。
出張も、今は飛行機や新幹線が増えたので、相当へき地じゃない限り、日帰りで、ただ疲れるだけです。
八甲田や八幡平は、自然が豊かなだけではなく、温泉も豊富です。
紅葉の季節は、国内でも有数の美しさなので、毎年行きたいくらいです。
毛無岱は、登山者だけが目にすることが出来る景色です。
目障りな観光施設の無い、まさに大自然です。
旅猫
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