2005/06/25 - 2005/06/25
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旅猫さん
【思い出の旅】第6弾は、潮来のあやめ祭りと鹿島神宮を訪れる旅。
(2020.06.26投稿)
2005年の6月下旬、潮来へ花菖蒲を観に行くことにした。
往きは、東京駅から臨時の特急列車に乗り、潮来駅へと向かう。
駅近くで花菖蒲を観た後、常陸国一之宮である鹿島神宮を参拝。
午後、佐原の街を散策してから帰宅する旅程とした。
しかし、この日は気温が非常に高く、旅は予定通りとはいかなかった。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- 交通
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- JR特急 JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
東京駅8時17分発の臨時特急『あやめ祭り1号』は6両編成。
指定席を取っていたのだが、空いていたので先頭の自由席車に陣取った。
定刻に発車した列車は、錦糸町駅で地上へ出て、佐倉までは総武本線を走る。
成田線へと入り、佐原駅には9時53分に到着。
佐原は帰りに寄る予定なので、そのまま乗車して、次の停車駅潮来駅へと向かう。
次の香取駅の先で成田線と別れ、鹿島線へと入り、途中、長い鉄橋で利根川を渡り、さらに潮来駅の手前で、霞ヶ浦から続く常陸利根川を渡ると茨城県潮来市である。
列車は、10時10分に潮来駅に到着した。潮来駅 駅
-
真夏のような暑さのホームに降り立ったのは、私を含めて数人。
1年で一番賑やかな時期でも、列車で来る人はほとんどいない。
駅前には、賑やかだった頃を感じさせる派手な看板が立っていた。
この街は、江戸初期、それまで板久村と呼ばれていたのを、水戸光圀によって潮来と改名されたそうだ。 -
駅前の大きな道路を渡り少し歩くと、前川あやめ園に着いた。
そこは、潮来市にある3つのあやめ園の中で一番大きいらしいが、思ったよりもこじんまりとしていて少しがっかり。
それでも、花はそこそこ咲いていた。
※前川あやめ園は、現在 水郷潮来あやめ園に改称されています。水郷潮来あやめ園 公園・植物園
-
潮来と言えば、今ではアヤメだが、それも水戸光圀のおかげだそうだ。
領内巡視の折に、潮来出島で美しいアヤメの花を見て詠んだといわれる歌が、潮来をアヤメの街にしたらしい。 -
ちなみに、アヤメと呼ばれているが、植えられているのは花菖蒲だ。
狭義のアヤメは、山野の草地に生えているもので、湿地で生育しているのは、ノハナショウブの園芸種である花菖蒲やカキツバタだ。
ここに植えられているのは、昔、利根川の河原に自生していた原種を改良したものだそうだ。 -
あやめ園の先には、常陸利根川が広がっていた。
利根川に比べれば川幅は狭いが、それでもかなり広い。
対岸は千葉県で、遠くには潮来大橋も見えていた。
この日は、梅雨の晴れ間とはいえあまりにも暑く、花菖蒲を愛でるのもそこそこにして駅へと逃げ戻った。 -
潮来駅に戻ると、まだ時間が早い。
そこで、10時57分発の普通列車に乗り、鹿島神宮へ行ってみることにした。
そして、終点の鹿島神宮駅には11時6分に到着。
鹿島神宮への玄関口であるその駅には、水戸駅へと至る鹿島臨海鉄道が乗り入れている。
昨年の秋に訪れた大洗は、その線の途中にある。 -
寂れた新興住宅地のような駅前から、鹿島神宮までは歩いておよそ10分ほど。
立派な大鳥居を潜ると、参道の両脇には石灯篭が立ち並んでいた。
江戸期に奉納されたものもあり、『江戸 茶問屋 十組』と彫られていた。鹿島神宮 寺・神社・教会
-
参道を進むと、鮮やかな朱塗りの楼門が見えてきた。
その門は、水戸徳川家初代頼房公が、寛永11年(1634)に奉納したものだそうだ。 -
その楼門を潜ると、広い境内に出た。
右手に拝殿と本殿、左手に社務所と宝物館、仮殿が並んでいる。
参拝後に立ち寄った宝物殿には、国内最古最長の国宝の直刀や、源頼朝が奉納した神馬に付けられていた鞍などが展示され、小さいながらも興味深いものだった。鹿島神宮宝物館(休館中) 美術館・博物館
-
まずは、拝殿で参拝。
その後、脇から社殿を見学する。
徳川秀忠が奉納した拝殿と本殿も、日光東照宮には及ばないものの、その壮麗さは一見の価値があった。
観光地化されていない分、こちらのほうが厳かだ。 -
参道を挟んで斜向かいに建っていたのは仮殿。
その建物は、本殿の修理などの際、一時的にご神体を移す社だそうだ。 -
仮殿の前から続く奥参道を歩き、奥宮へと向かう。
道の両側には、鬱蒼とした森が広がっている。
その森には、杉の他、シイやタブ、モミなどが生い茂り、その種類は600種以上にもなるらしい。
大樹も多く、茨城県の天然記念物に指定されているそうだ。 -
突き当りの右手に、徳川家康が奉納した奥宮が鎮座していた。
初めは本殿だったそうだが、秀忠による元和の造営時に奥宮とされたそうだ。
安土桃山様式の建物で、優雅な中にも力強さを感じた。 -
奥宮から右手に歩いて行くと、要石があった。
思いのほか小さいものだったが、その要石が、地底にいる大鯰(なまず)の頭を押さえているので、鹿島地方に大地震が無いとの伝説がある。
他にも、香島の大神が座られた石の御座(みまし)であるとか、古代における大神奉祭(おおかみほうさい)の岩座(いわくら)であるなどの言い伝えがあるそうだ。
さらに、水戸光圀がこの石を掘り起こそうとしたところ、七日七晩掘っても掘り出せず、けが人も出たため諦めたという話まである。 -
奥宮まで戻り、今度は左手の坂道を下りていくと、禊の場であったと言う御手洗池があった。
そこに沸く水は、旱魃の時でも枯れたことが無いらしい。
誰が入っても同じ深さになると言う霊泉だそうだが、あまりきれいな水には見えなかった。
近くに、名物みたらし団子を売る茶店が2軒あったが、食指が動かなかった。 -
池の近くでは、紫陽花が咲いていた。
この季節、やはり紫陽花が多い。
そこに咲いていたのは、手毬のような大きさの紫陽花だった。
西洋紫陽花などの大きなものより、繊細な美しさがある。 -
参拝を終え、鹿島神宮の境内を出ると、途端に猛烈な日差しと暑さに晒され、汗が噴き出してきた。
いかに鹿島神宮の森が深く、そして涼しいところだったかが実感できる。
駅へ続く神宮坂を下って行くと、途中に、茨城百景の碑が立つ鹿詰公園という小さな公園があった。
何気なく入ってみると、立派な銅像があった。
その銅像の主は、かの剣聖塚原卜伝であり、ここ鹿島は彼の生まれ故郷だったのである。
後で知ったのだが、市内には卜伝の墓もあるそうだ。塚原卜伝の像 名所・史跡
-
帰りの列車を待つ間、観光案内所の前にあった地図を見たところ、駅からすぐのところにある小高い丘が、鹿島氏の築いた鹿島城の跡だとわかった。
12時58分発の成田行で鹿島を離れたのだが、あまりの暑さにぐったり。
結局、佐原駅で降りるのを諦め、そのまま帰ることにした。鹿島神宮駅 駅
-
終点の成田駅には、13時59分に到着。
成田駅からは、成田線に乗り換え、我孫子駅経由で帰ることにした。
今回、潮来の花菖蒲には満足できなかったが、ふらりと寄った鹿島神宮がとても良かった。
佐原に寄れなかったのは残念だったが、また機会があったら訪ねてみたいと思う。成田駅 駅
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