2006/07/14 - 2006/07/15
7位(同エリア222件中)
旅猫さん
【思い出の旅】第8弾は、仕事仲間との温泉旅。
(2020.07.22投稿)
2006年夏、仕事関係の仲間たちとの恒例の温泉旅へ。
今回は、全員が集まるということで、日程や目的地の調整が二転三転したものの、何とか信州上諏訪温泉に決まった。
当日は、仕事との兼ね合いで3つの班に分かれ、現地で落ち合うことにする。
私は、慶応大学のA教授を主賓とする先発組を率いて、朝の新宿駅から特急あずさで向かうことになった。
初日は、先発組だけでサントリー白州蒸溜所を見学。
2日目は、全員で、諏訪大社の秋宮と春宮を参拝することになった。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- ホテル
- 3.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 社員・団体旅行
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- タクシー JR特急 JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
- 利用旅行会社
- JTB
PR
-
新宿駅から乗った特急あずさを韮崎駅で降り、普通列車に乗り換えて長坂駅へと向かった。
駅からタクシーに乗り、10分ほどでサントリー白州蒸溜所に到着。
入口から森の中の道をしばらく歩くと、ウイスキー博物館が現れた。
受付で工場見学を申し込みと、ちょうど次の回が出発するところで、博物館を見るのは諦め、見学ツアーに参加することにした。サントリー ウイスキー博物館 美術館・博物館
-
先ずは製造工程を見学。
発芽させた大麦麦芽を乾燥後、破砕、糖化して生まれた麦汁に酵母を加え、大きな樽で発酵させるそうだ。
ちなみに、ウィスキーの香りは、麦芽を乾燥させるときに使うビート(草炭)により付くのだ。サントリー 白州蒸溜所 名所・史跡
-
約72時間の醗酵で、7~8%のアルコール分を含んだ麦酒のような液体になり、これを蒸留器に移して蒸留を行う。
蒸留は、水とアルコールの沸点の差を利用して、アルコールと香味成分を取り出すもの。
単式蒸溜器(ポットスチル)を使って2回蒸留を行うことにより、アルコール分約70%の原酒が出来るのだ。 -
途中で、ちょうど樽の内側を焼く作業を見ることができた。
樽の内側を焼くのは、ウィスキーの刺激臭を吸収させるためで、新樽を使うときなどに行うそうだ。 -
かなり離れたところから見ていたのだが、熱が顔に伝わってくるほどだった。
焼いているというより、燃やしているのではないかと思うくらい激しかった。
でも、この作業がウィスキーの味わいに影響するというので、熟練した方が作業を行うそうだ。 -
この後、樽貯蔵庫も見学したが、アルコールが弱い人には気分が悪くなるほどの強烈な香りだった。
個人的には、早く試飲がしたいと思う香りだったのだが。
ちなみに、貯蔵庫の中は爆発の危険があるので、写真撮影は禁止だった。
工場内は約25万坪と広いので、見学コースの途中はバスで移動することもある。
敷地内には木々が多く、『森の中の蒸留所』という言葉がぴったりだった。 -
そして最後に、待ちに待った試飲の時間となった。
ところが、無料で試飲ができたのは1杯のみだった。
しかも、白州8年の水割り。
割り水も、ここで作られている『南アルプスの天然水』なので、自宅でも飲める組み合わせだ。
お土産には、ここでしか買えない『白州蒸留所 樽出原酒10年貯蔵』を購入した。 -
工場見学の後、ちょうど昼時だったので、構内にあるレストラン『ホワイトテラス』で昼食とした。
注文したのは、『清流八ヶ岳の紅マス燻製丼』や『ハーブチキンと白州ソーセージの盛り合わせ』などで、それらをつまみに麦酒で乾杯した。ホワイトテラス グルメ・レストラン
-
昼食後、宿へと向かうことにした。
タクシーを待つ間、夏の青い空が気持ちよかった。
列車の時間の関係で、長坂駅ではなく、ひとつ先の小淵沢駅へ。
駅舎の中にあった売店で、ふと目に止まったワインを購入。
小淵沢駅からは普通列車で上諏訪駅へ行き、歩いて宿へと向かう。
今回泊まったのは、諏訪湖畔に建つ『諏訪湖ホテル』だ。 -
この後、21時を過ぎてから到着した人も交えて、呑むことになった。
女性陣も含めて、いつもかなり大量に飲む仲間なので、次々と瓶が転がって行く。
小淵沢駅で買ってきたミサワワイナリーの『茅ヶ岳2005』は、山梨県梨北、穂坂地区産のカベルネ・ソーヴィニヨンを使用した赤ワインだが、軽い味わいの赤ワインだった。 -
宿に着くと、すでに後発組が寛いでいた。
すぐに夕食となり、その後で温泉に入った。
『月しろ』と言う内風呂は、大きな柱が特徴的だったが、ある意味邪魔だった。
2年前に訪れたときにも入ったはずだが、なぜか記憶が無い。かたくらシルクホテル 宿・ホテル
-
内風呂から続く露天風呂『湖天』でしばらくまったり。
その露天風呂の他にも、最近出来たと言う露天風呂があるらしい。
新しい露天風呂へは、硝子で作られた灯りが照らす幻想的な小路を辿って行く。 -
『びいどろ』という名のその露天風呂は、諏訪湖を連想させるようにガラスを配した造りになっていた。
湯舟自体は、木の温もりがあって良かったが、眺望が無いのは残念だった。
少し部屋で休んだ後、隣接する片倉館の千人風呂にも入りに行った。
3回目だったが、諏訪湖ホテルに泊まると無料で入れるので、有志だけで入りに行ったのだ。 -
翌日、二日酔いにもならず、何とか起きられた。
窓から外を眺めると、青空の下に諏訪湖が見えた。
今日も、暑い一日になりそうだ。 -
この日は、先ずは諏訪大社下社秋宮を参拝。
下社秋宮は、旧中仙道と甲州道中の分岐点に鎮座している。
鳥居を潜り、緩やかな勾配のある参道を辿って行くと、大きな注連縄のある神楽殿が見えて来る。
建てられたのは天保6年(1835)で、その前にある狛犬は、青銅製では日本一だそうだ。諏訪大社下社秋宮 寺・神社・教会
-
神楽殿の後ろに、二重楼門造りの拝殿がある。
その両脇には、片拝殿が続いている。
現在の建物は、安永10年(1781)に建立されたものだそうだ。
近付いてみると、彫刻がなかなか見事だった。 -
拝殿の脇には、御柱が立っていた。
有名な『式年造営御柱大祭』での、急坂を曳き落とす勇壮な行事で使われる樅の大木だ。
下社で使われる木は、八島湿原のあたりから切り出されて来るそうだ。 -
参拝後、秋宮のすぐ脇を通る旧甲州道中を歩く。
すぐ出たところには、番屋の跡があった。
そこが、下諏訪宿の入口だったところらしい。
宿場のあった方へ歩くと大通りに出るが、その手前に、塩羊羹で有名な新鶴があった。 -
大通りに出てすぐ、『甲州道中終点 中山道下諏訪宿問屋場跡』の碑がある。
その大通りに直角に当たる道が旧中山道(写真中央)で、その丁字路が甲州道中の終点となり、中山道は直角に曲がって続いて行く。
丁字路の両角にある建物は、脇本陣だった『桔梗屋』(左)と『まるや』で、今でも旅館として営業している。 -
旧中山道を辿ると、本陣跡の門が見えて来る。
現存する貴重な本陣遺構で、当時の子孫の方が、今でも住んで管理してるそうだ。
時間もあるので、立ち寄ってみることにした。下諏訪宿本陣 岩波家 名所・史跡
-
中へ入ると、本陣の建物の一部が現存していた。
そこには、参勤交代などで大名が宿泊する際に掲げた関札も展示されていた。
庭園もあり、それは中山道中随一のものと言われ、一見の価値がある。
夏しか訪れたことが無いのだが、春と秋はとても美しいそうだ。 -
本陣跡の先で、旧中山道は国道と分かれる。
車を気にせず、のんびりと歩けるのが良い。
その先には、下諏訪温泉の旅館が数軒連なる街並みが続く。
鎌倉時代より前からある源泉を利用する共同浴場旦過の湯もあった。下諏訪温泉 温泉
-
下諏訪温泉を抜けると、街道筋らしい町並みが現れた。
そこには、江戸から55番目の一里塚の跡もあり、小さな石碑も建っていた。
五十五里と言うことは、約216kmほどになる。
昔の人は、この距離を歩いていたのだ。 -
その道沿いには、古い水場があった。
脇の石段を登ったところにある慈雲寺へ参詣する人のために造られたものとのことで、その竜頭水口は江戸時代中期のものだそうだ。
中山道を行き交う人も、ここで喉を潤したことだろう。 -
急に左手の視界が開けた。
街並みの向こうに、諏訪湖が少しだけ見えていた。
家々が下の方に見えるということは、昔は諏訪湖の湖岸がこの辺りだったということかもしれない。 -
そして、下社春宮に到着。
入口の鳥居は、万治2年(1656)の建立と言われ、近くにある『万治の石仏』と同じ作者の手によるものだそうだ。諏訪大社下社春宮 寺・神社・教会
-
境内に入り、安永9年(1780)に建立された拝殿で参拝。
社殿の配置は、秋宮とまったく同じようだが、秋宮とは社殿を飾る彫刻に差があるそうだ。
向かって左側には、やはり御柱が立っている。 -
春宮の境内西側を流れる砥川には、下社七不思議の一つである浮島という中の島があり、浮島社という社が祀られている。
浮島に架かる橋を渡り、対岸にある細い道を奥へと進むと、少し開けた場所に出た。
そこに、頭が小さく、胴体が山のような姿をした石仏が佇んでいる。
それが、『万治の石仏』である。
春宮の鳥居を造る際の奇怪な伝説が伝わる石仏だ。万治の石仏 名所・史跡
-
万治の石仏を後にして、下諏訪駅へと向かう。
暑い中、かなり歩いたというのに、みんな元気だ。
歩くのが好きな人ばかりというのが強みである。
その途中で、4層の庇を持つ、変わった姿をした建物を見つけた。
現役の倉庫らしいが、かなり年代物のようだった。 -
下諏訪駅からは、特急あずさで新宿まで帰ることにする。
よく歩いたので、いつしか眠ってしまい、ほとんど車窓を見ないまま、終着の新宿駅に着いてしまった。
職場の仲間たちとの温泉旅。
よく呑み、よく歩いた、歴史と温泉に触れる旅だった。下諏訪駅 駅
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この旅行記へのコメント (2)
-
- hot chocolateさん 2020/09/24 02:32:46
- 仕事仲間と温泉旅
- 旅猫さま
こんばんは。
ご無沙汰しています。
5,6年前に甲府に行った時、サントリー白州蒸溜所に寄りたかったのですが、休業日だったのかな、シャトー酒折でワインの製造工程を見学しました。
丁度昼休みだったので、勝手にガラス越しに工場見学をしました。
帰りにお土産にワインを1本購入。
樽の内側を焼く作業、激しい炎で樽が燃えてしまいそうですね。
私はお酒がダメなので、サントリーの樽貯蔵庫に入ったら、強烈な香りで気絶するかも・・・(笑)
仕事仲間と温泉旅っていいですね。
hot choco
- 旅猫さん からの返信 2020/09/24 07:19:56
- Re: 仕事仲間と温泉旅
- hot chocoさん、こんにちは。
書き込みありがとうございます。
サントリー白州蒸溜所は、とても広くて自然豊かです。
あの樽を焼く作業は、遠くに居ても熱が伝わってきました。
燃えないのが不思議なくらいです。
樽貯蔵庫は、強烈なアルコール臭がしますので、弱い人は入らないように注意がありました。
お酒が駄目な人は、たぶん入っただけで酔います(笑)
シャトー酒折は私も行ったことがあります。
山の中腹にあったことくらいしか覚えていませんが(^^;
当時の仕事仲間とは、数回温泉旅に行きました。
楽しい思い出です。
旅猫
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