2000/05/04 - 2000/05/05
3位(同エリア104件中)
旅猫さん
【思い出の旅】第4弾は、早春の塩の道を歩く旅。
(2020.05.22投稿)
2000年の黄金週間、信州小谷の千国街道、通称『塩の道』を歩きに行った。
混雑する連休初日を避け、4日に出発し、1泊で帰ってくる旅程とした。
初日は、指定席が確保できた臨時列車で出発し、松本市内を散策。
塩の道は、翌日に歩くこととした。
今回歩いたのは、栂池高原の松沢口から入り、南小谷駅に抜ける道である。
そこでは、向井潤吉画伯の描く絵画のような景色に出会えた。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 3.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 高速・路線バス JR特急 JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
新宿駅を10時4分に出る臨時特急『あずさ83号』に乗車。
列車は、新緑の信濃路を走り抜け、松本駅には13時19分に到着した。
まずはとりあえず、国宝の松本城を観に行く。
松本城は、現存する天守の中では最も気に入ってる。
何度も観ても、その姿は美しいと感じる。国宝松本城 名所・史跡
-
松本城を堪能した後、のんびり歩いて旧開智学校へ。
その建物は、白い壁に瓦屋根を乗せ、八角形の塔が印象的だった。
明治9年(1876)に、地元の大工の棟梁によって建てられたもので、擬洋風建築と言うものだそうだ。
この日は、駅前の宿に泊まり、翌日に備えることにした。国宝 旧開智学校 名所・史跡
-
翌朝、7時11分発の南小谷行普通列車で出発。
天気も良く、車窓には北アルプスの素晴らしい景色が広がっていた。
そして、8時50分に白馬駅に到着した。
駅舎を出ると、街並みの向こうに残雪の山並みが壁のように横たわっている。
その中央に聳えているのが白馬鑓ヶ岳で、その右には杓子岳も望めた。 -
駅前から、9時ちょうど発のバスに乗り、栂池高原へと向かう。
バスは25分足らずで、栂池高原バス停に到着。
そこから5分ほど歩くと、塩の道の入口の一つ松沢口に辿り着いた。
そして歩き始めてすぐ、鐘の鳴る丘ゲレンデの奥に、白馬三山が綺麗に見えてきた。栂池高原 自然・景勝地
-
近くには、小さな石仏がずらりと建ち並び場所もあった。
百体観音と呼ばれ、西国、坂東、秩父の霊場・札所になぞらえた観音像が祀られているのだそうだ。
江戸時代に、周辺の集落の人々が願主となって造られたものらしい。前山百体観音 名所・史跡
-
その先で、沓掛と言う集落に出た。
そこかしこに水仙が咲き、春先らしい風情が漂っていた。 -
沓掛の集落の外れでは、素晴らしい景色が待っていた。
茅葺屋根の家と、残雪の山並み。
大好きな向井潤吉画伯の絵画のような景色だ。
まさに、日本の原風景のような眺めだった。 -
近付いてみると、そこは牛方宿と言うものだった。
牛方宿は、物資を運ぶ牛と牛方が寝泊まりした宿で、千国街道沿いには数軒あったそうだが、現在残るのはこの旧千國家住宅だけだそうだ。
かなり荒れていたが、その存在感は貴重なものだった。
※現在、資料館として整備されています。牛方宿 名所・史跡
-
牛方宿を過ぎると、道は県道を外れた。
塩の道は、県道を外れている個所も多く、長閑な景色の中を歩ける。
新緑にはまだ早く、少し寂し気な景色だが、悪くはない。 -
しばらくすると、弘法の清水と言う湧水があった。
苔に覆われてよく見えなかったが、二段の石で造られた水槽があり、人と牛用の水飲み場だったそうだ。 -
石畳の残る親坂と言う急な道を下って行く。
眼下には、森に抱かれた集落が見えてきた。
いかにも山村と言った風情で、とても趣がある。
あの集落が、千国街道の千国宿のようだ。 -
その集落に入ると、風情のある茅葺の建物があった。
山間の宿場らしく、傾斜地に集落が造られている。 -
その茅葺の建物は、旅籠の風情があった。
花に彩られ、とても長閑な時間が流れていた。 -
千国番所跡過ぎ、枡形跡まで来てから振り返る。
古い建物はほとんど残っていないが、街道筋らしい風情は残っていた。
※現在、茅葺屋根の建物は残っていません。 -
枡形跡から少し歩くと、左手に諏訪神社があった。
今更ではあるが、ここで旅の無事を祈願する。
鳥居の脇には、名残りの桜が咲いていた。 -
再び旧道に入る。
その入口には、また石仏が建ち並んでいた。
源長寺と言う寺の三十三観音だそうだ。
塩の道沿いには、庚申塚などの石碑も多く残っている。 -
道は、再び長閑な未舗装の道となった。
黄金週間とは言え、この辺りを歩く人はあまりいないようだ。
すれ違う人もほとんどいなかった。塩の道 千国コース 公園・植物園
-
歩いていると、下の方の田んぼに文字が描かれていた。
『ようこそ 小谷へ』と書いてある。
いつも思うのだが、遠くから見てわかるように文字や絵を描くのはどうやるのだろう。 -
この辺りでは、県道や集落よりも高い場所に道が続いている。
ちょうど、山と田畑の境に付けられているようだ。 -
しばらくすると、また田んぼに字が描かれている。
今度は、『塩の道まつり2000年』とあった。
しかし、祭りをやっているような場所には出会わなかった。 -
気持ちの良い土の道を歩いていると、小屋が見えてきた。
その手前に、小土山石仏群と言うものがあり、そこからまた舗装道路となった。
石仏の中には、無名の旅人の作と言う鍾馗様の像があった。
そこから坂を下って行くと、10分足らずで南小谷駅に出た。 -
13時17分発の普通列車に乗り、白馬駅へと向かう。
帰る時間までしばらくあったので、駅近くにある松川橋からの白馬三山の絶景を眺めようと思ったからである。
歩いて向かった橋の上からは、素晴らしい景色を観ることが出来た。 -
駅へと戻り、14時42発の臨時特急『しなの24号』に乗車。
この列車で、車窓の景色を楽しみながら松本駅まで行く。
降り立った松本駅は、行楽客で賑わっていた。 -
松本駅からは、16時8分発の臨時特急『はまかいじ4号』の指定席が取れた。
この列車で八王子駅まで乗り、後は武蔵野線経由で帰宅することにする。
早春の塩の道を歩く旅もこれで終わり。
長閑な古道と美しい北アルプスの景色を堪能した旅だった。
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