2004/01/08 - 2004/01/12
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旅猫さん
【思い出の旅】第18弾は、新春の鹿児島と熊本を巡る旅。
(2021.01.14投稿)
2004年の1月早々、空っ風の吹く関東を離れ、温暖な南九州を訪れることにした。
往きは新大阪駅から夜行列車に乗り西鹿児島駅まで行き、初日は日本最南端の駅を訪ねた。
二日目は、肥薩線を利用し、人吉と車窓の旅を楽しむ。
三日目は、芋焼酎の買い出しと、熊本在住の知人に紹介された店に立ち寄る。
そして、最終日には、熊本城跡を見学してから帰る旅程である。
- 旅行の満足度
- 3.0
- 観光
- 3.0
- ホテル
- 3.5
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 3.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 新幹線 JR特急 JRローカル 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
1月8日の夕方、東京駅17時26分発の『のぞみ137号』に乗り、新大阪駅へと向かい、そこで、20時22発の西鹿児島行の寝台特急『なは』に乗車。
『なは』は、二人用と一人用のB寝台個室車、夜行バスのような3列のリクライニングシートが並ぶ指定席車を1両ずつ備えた7両編成で、定刻に新大阪駅を出発した。
新春初旅と言うことで奮発し、今回は一人用個室を利用した。
そして、終着の西鹿児島駅には、翌日10時23分に到着。
15年ぶりの西鹿児島駅は、新幹線開業間近で綺麗になり、駅前も整備が進んでいて、以前の面影はほとんど無くなっていた。
※『なは』は、現在、廃止されています。
※西鹿児島駅は、現在、鹿児島中央駅となっています。 -
駅周辺を散策した後、指宿枕崎線の列車で指宿駅まで行き、駅近くで弁当を買い込み、再び列車に乗り西大山駅へと向かった。
降り立った西大山駅は、日本最南端の駅として有名であり、ホームからは、薩摩富士と呼ばれる開聞岳を間近に見ることが出来る。
次の列車まで1時間ほどあるので、長椅子に腰掛け、指宿で買ってきた弁当を食べる。
人影の無い駅で、薩摩富士を眺めながらのんびりと過ごす時間に、旅の良さを感じていた。西大山駅 駅
-
やってきた次の列車に乗り、終点の枕崎駅で降りた。
そこは、長閑な時間が流れる小さな駅だった。
今回はこのまま折り返すが、いつかまた訪れ、街を歩いてみたい。
この後、西鹿児島駅に戻り、この日は駅近くの宿に泊った。
※枕崎駅は、現在、移転し、新しい駅舎となっています。枕崎駅 駅
-
翌日、西鹿児島を8時25分に出る特急『つばめ6号』で八代駅へ向かった。
途中、水俣駅から八代駅にかけては、車窓に八代海と蜜柑畑が広がる。
八代駅で下車して、10時51分発の肥薩線の急行『くまがわ3号』に乗り換え、この日の目的地人吉へと向かう。
八代駅を出た列車は、すぐに球磨川に寄り添い、上流の人吉駅を目指す。
そして、1時間ほどで終点の人吉駅に到着した。人吉駅 (JR九州) /人吉温泉駅 (くま川鉄道) 駅
-
人吉は、鎌倉時代より、相良氏が700年もの間治めた土地で、その居城人吉城の城下町だ。
駅近くで自転車を借り、その街を巡ることにする。
まず立ち寄ったのは、青井阿蘇神社。
茅葺きの質素な造りながら、とても趣のある楼門と社殿があった。青井阿蘇神社 寺・神社・教会
-
球磨川を人吉橋で渡り、旧武家地へと入り、人吉城跡へと向かう。
途中、立派な門構えの武家屋敷が残されていた。
旧新宮家の屋敷で、西南戦争の際には、西郷軍の幹部であった村田新八らの宿舎となっていたそうだ。
その門は、人吉城の堀合門を移設したもので、人吉城で唯一現存する建物だそうだ。武家蔵 名所・史跡
-
その斜向かいには、かなり渋い共同湯があった。
入って行きたかったが、時間があまりなかったので、次回とする。
隣には、球磨焼酎の蔵元である繊月酒造もあり、次は泊りがけで、ゆっくり巡ってみたい街である。堤温泉 温泉
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辿り着いた城跡には、球磨川に面して多聞櫓、角櫓、長塀が忠実に復元されていて、往時を感じさせてくれる。
美しい石垣が残る城跡は、思っていたよりもかなり広く、列車の時間が近づいていたため、残念ながら本丸までは行くことができなかった。人吉城跡 名所・史跡
-
人吉駅に戻り、13時30分に出る観光列車『いさぶろう』に乗り、霧島連山の麓の街吉松へと向かう。
この列車は、人吉駅と吉松駅の間にある2つのスイッチバックとループ線を楽しむための観光用の列車で、途中にある3つの駅と絶景ポイントで10分前後停車してくれるのだ。 -
人吉駅を発車するとすぐに球磨川を渡り、徐々に高度を上げて行く。
最初に現れるのがスイッチバックのある大畑駅。
数分停車の後、いよいよスイッチバックへと進んでいく。
進行方向が2度変わるため、その都度運転士さんが車内を歩いていった。大畑駅 駅
-
列車はさらに勾配を登りながらループ線を走り、途中で先ほど停車した大畑駅が見えるところで停車し、運転士さんが車内を巡って説明してくれた。
さらに登り切ると矢岳駅に到着した。 -
矢岳駅は、山間の小さな木造の駅だった。
改札も木で出来ていて、懐かしい感じだ。
駅近くに小さな集落があるだけだが、昔は林業関係者などで賑わったらしい。矢岳駅 駅
-
駅舎の近くには、蒸気機関車が展示されていた。
以前、肥薩線で活躍した車両らしい。
屋根付きの建物で保管されているので、かなり綺麗だった。人吉市SL展示館 名所・史跡
-
矢岳駅を発車してしばらく走ると、肥薩線最大の見所で、日本三大車窓のひとつである矢岳越えが広がる。
眼下には、京町温泉の街並みが見え、その背後には、優美な霧島連山の山並みが望めた。 -
この後、山津波に襲われた時の大きな岩が残る真幸駅で再度スイッチバックを行い、終点の吉松駅へとどんどん下って行く。
そして降り立った吉松駅は、旅情を感じる風情のある駅だった。吉松駅 駅
-
この日は再び西鹿児島駅近くに泊まり、夜は鹿児島一の繁華街・天文館にある焼酎バー『蔵人』で芋焼酎と料理を楽しむ。
千代香で二合ほど呑んだのだが、東京で呑むより度数も量もあるように感じた。
常連客は専用の千代香を持ち、若い女性が割らずに呑んでいる。
酔ったので帰ることにしたら、店の女性の定員さんに、『東京の方は弱いですね。』と言われてしまった。 -
旅の三日目は、前日と同じ列車で西鹿児島駅を後にして、鶴で有名な出水駅まで行き、普通列車に乗り換えて米ノ津駅へと向かう。
-
わざわざ米ノ津駅まで来たのは、芋焼酎を購入するため。
駅近くの店で焼酎を物色していると、女将さんが『試飲もできますよ。』と声をかけてくれたので、ありがたく頂戴することにする。
飲ませていただいたのは、その店独自の焼酎と入手が難しいと言われている芋焼酎だった。
どちらもとても美味しく、それらを含めて数本購入した。 -
10時55分の普通列車に乗り、水俣駅へと向かう。
水俣駅では、乗り換え時間を利用して、構内を散策。
大きな駅で、駅前もなかなか賑やかだった。
この後、列車を乗り継ぎ、八代駅を経て熊本駅へと向かった。 -
到着した熊本駅は、県都の駅だけあり、構内も広い。
多くの留置線があり、煉瓦造りの機関庫もある。
鉄道で旅する者にとっては、このような景色にも旅情を感じるのだ。
※現在、九州新幹線の駅となり、機関庫などは取り壊されています。 -
この日は熊本泊まりなので、とりあえず、駅前から路面電車に乗り、熊本城跡近くの通町筋電停まで行く。
今宵お世話になるホテル日航熊本は、電停からすぐのところにあった。
ツインの部屋だったが、なかなか広く、悪くは無かった。ホテル日航熊本 宿・ホテル
-
まだお昼を食べていなかったので、熊本在住の知人に教えてもらった熊本ラーメンの店へと向かうことにする。
また路面電車に乗り、田崎橋電停で下車。
そこから歩いて探すと、2,3人が並んでいる店が見えてきた。
15分ほど待ち店内へ入ると、かなり混んでいる。
カウンター席に腰を下ろし、醤油ラーメンを注文。
出てきたラーメンは、一見濃厚な豚骨スープのようだが、食べてみると思ったよりも癖がなく、豚骨ラーメンへの偏見が無くなるほどだった。熊本ラーメン 黒亭 本店 グルメ・レストラン
-
陽が傾き始めた街を、今度は呉服町電停近くのとある店へと向かう。
そこで知人と会う約束をしていたのだが、時間より2時間以上も早く着いてしまい、恐縮しながら店内へと入る。
時代を感じる建物を巧みに使った店内は、とても素敵な雰囲気で、ゆっくりとした時間が流れているようなだった。 -
美味しい料理や店の御主人との楽しい話に時を忘れ、気が付いた時には6時間も経っていた。
まだ寄る場所があるため失礼させていただこうと思ったら、なんと車で次の場所まで送ってくれると言う。
さらに、せっかくだからとライトアップされた熊本城を回ってくれた。
結局、次の店でも長居をし、宿に帰った時には午前2時前になっていた。 -
旅の最終日、再び路面電車に乗り、花畑町電停に向かう。
宿最寄りの通町筋電停からも熊本城の天守が見えているのだが、城内への入口は花畑町電停が近いのだ。
今日は、楽しみにしていた熊本城跡を、半日かけて存分に堪能するのが目的だ。通町筋停留場 駅
-
電停から城跡の方へ向かうと、先ず最初に現れたのが、熊本城を築いた加藤清正公の像。
その像のあった小さな公園からは、重要文化財の長塀が眺められた。
公園の先にある行幸橋を渡り、櫨方門から城内へと入る。 -
そこから、重要文化財である東竹の丸の櫓群を見ながら本丸へと向かう。
多くの櫓が聳えていた熊本城は、西南戦争により大半が焼失し、現在は13の櫓が残っていて、すべて重要文化財となっている。 -
さらに歩いて行くと、優美な櫓が見えてきた。
宇土櫓だ。
加藤清正により築城された当時の建物で、西南戦争でも焼失を免れた。
天守よりもはるかに小さな建物だが、とても美しい姿をしている。 -
そして、天守に至る。
間近で観るとかなり巨大なものだが、現存天守でないのが残念だ。
高度経済背長期に観光用として再建されたため、鉄筋コンクリート造りである。
展望台からは、遠く阿蘇中岳の噴煙が望めた。熊本城 名所・史跡
-
熊本城は、石垣の美しさでも名が知れている。
その石垣は『武者返し』と呼ばれている。
緩やかなようだが、上部がかなり垂直に近く、登りづらくなっているのだ。
西南戦争で西郷軍の猛攻を退けたことからも、その堅牢さを知ることが出来る。 -
石垣が良好に残っていることもあり、櫓の再建が続いている。
平成9年に策定された『熊本城復元整備計画』により、最大50年を掛けて、加藤清正が築城した当時の姿に戻すという壮大な計画だそうだ。
北西の隅には、半年前に再建されたばかりの戌亥櫓があり、奥に宇土櫓や天守、西大手門などが見え、城郭らしい見事な眺めだった。 -
二の丸、西出丸と散策し、三の丸にある旧細川刑部邸へと向かう。
その建物は、細川家三代忠利の弟、刑部少輔興孝の別邸で、寝間や客間は当時のままだそうだ。
広い邸内には、茶室や日本庭園などがあり、落ち着いた風情を感じだ。
その後、杉塘電停より熊本駅へ向かい、13時20分発の有明30号で離熊。
博多駅から『のぞみ』に乗り換え、4度目の九州への旅に終わりを告げた。旧細川刑部邸 名所・史跡
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