2006/08/26 - 2006/08/27
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旅猫さん
【思い出の旅】第11弾は、青春18きっぷで訪れた白河の古城と猪苗代の旅。
(2020.08.31投稿)
2006年の夏の終わり、残りの青春18きっぷを消化するために、ふらりと福島へと向かった。
とりあえず、郡山市内に宿を取り、初日は白河で小峰城跡を訪ねた。
翌日は、飯坂温泉か土湯温泉辺りへ行こうかと考えていたが、当日の朝、ふと気が変わり、磐越西線で猪苗代へと向かうことにした。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
大宮駅を10時56分発の東北本線の快速列車に乗車し、終点の宇都宮駅で黒磯行に乗り換えた。
黒磯駅からは、13時33分発の普通列車で白河駅へと向かった。黒磯駅 駅
-
そして、白河駅には14時ちょうどに到着。
白河駅の駅舎は、大正10年(1921)に建設されたもので、小豆色の屋根が特徴的な瀟洒な洋風建築だった。白河駅 駅
-
目指す小峰城跡は、駅前を走る通りを渡った向かい側にあった。
小峰城は、石垣が美しい城として名が知れているが、東日本の城らしく、土塁の部分もあり、僅かに濠も残っていた。小峰城 名所・史跡
-
その土塁の東側には、立派な石垣が続いていた。
小峰城は二之丸と本丸の間に帯曲輪や竹之丸などがあるため、石垣が複雑な形をしている。
※写真右端の月見櫓跡の石垣は、2011年の東日本大震災により崩落し、その後修復されています。 -
二之丸跡には、白河集古苑と言う小峰城の歴史に関する資料館が建っていた。
その入口には、大手門の礎石が保存されていた。
※白河集古苑は改装され、平成31年(2019)4月に小峰城歴史館として開館しています。小峰城歴史館 名所・史跡
-
本丸へは、清水門跡から入る。
その奥には、本丸の高石垣が見えていた。
※本丸高石垣は、2011年の東日本大震災により崩落し、その後修復されています。 -
清水門跡から入ると、左手に桜門の枡形跡がある。
本丸へは、この門から入るのが近いのだが、こちらは搦手なので、竹之丸を通り、大手である前御門へと向かうことにした。 -
帯曲輪を通り、竹之丸へと向かう。
途中からは、二之丸跡と白河の街が望めた。 -
竹之丸跡まで来ると、本丸の正門である前御門と三重御櫓が見えてきた。
三重御櫓は、実質的に天守の役割を持った建物だったが、戊辰戦争で焼失し、平成3年(1991)に木造で復元されたもの。
前御門も、同様に木造で平成6年(1994)に復元されている。
小峰城跡で、最も絵になる場所だった。 -
本丸跡に入り、三重御櫓を見学。
復元の際、戊辰戦争の激戦地であった松並稲荷山の杉を使ったため、一部の部材に弾痕を観ることが出来た。 -
その三重御櫓の脇には、『おとめ桜』と呼ばれる桜の樹があった。
説明板によると、江戸時代、本丸石垣が何度も崩れたことから、人柱を立てることになり、その日最初に訪れた者とすることにしたが、藩士の娘がたまたま通りかかり、人柱とされたとのこと。
後に、その娘を哀れんで桜を植え、いつしか『おとめ桜』と呼ばれるそうになったそうだ。
その桜は戊辰戦争で焼けてしまったため、現在のものは二代目である。 -
小峰城跡から白河駅へと戻り、16時ちょうど発の仙台行普通列車に乗り、今宵の宿がある郡山駅へと向かう。
そして、郡山駅には16時37分に到着。
駅構内にあった蕎麦屋でいか天蕎麦を食べてから、宿へと向かった。
宿の近くには、代官小路と言う道があり、その辺りに二本松藩の代官所があったそうだ。 -
翌朝、郡山駅から、8時38分発の福島行普通列車に乗り込んだ。
予定では、福島駅から飯坂温泉か、土湯温泉へ行こうと考えていたのだが、座席に座って外を眺めていると、隣に、喜多方行の快速列車が入ってきた。
眺めているうちに、ふと磐越西線に乗るのも良いと考え、急遽、乗り換えることにした。郡山駅 駅
-
列車は、8時31分に発車し、郡山の市街地を北西へと走って行く。
そして、15分ほどで磐梯熱海駅に到着した。
磐梯熱海は来たことが無かったので、とりあえず、ここで降りてみることにする。磐梯熱海駅 駅
-
駅のすぐ近くに、熱海ゆけむり緑地と言う小さな公園があったので、その中を通り抜けていく。
そこは、小さな池と緑のある、和風の公園だった。
磐梯熱海は、名前の通り、温泉がある。
その温泉街は、駅近くと少し離れた場所に分かれていた。 -
15分ほど歩くと、温泉街に入った。
街は五百川沿いに続いているが、五百川と言う変わった川の名は、京の都から数えて五百本目の川だからだそうだ。
その川を渡ると、対岸に源泉神社があったので参拝することにした。
思いの外、近代的な温泉街だったので、今回は立ち寄らずに駅へと戻った。 -
磐梯熱海駅に戻り、10時発の会津若松行快速列車に乗車。
次はどこに寄ろうかと考えた結果、次の停車駅である猪苗代駅で降りてみることにした。
地図を観ると、野口英世記念館の近くに地ビール館があるようなので、行ってみることにする。
駅前からバスに乗り、記念館前バス停で下車。
記念館の斜向かいにあった地ビール館に入り、レストランで早速麦酒を頂いた。猪苗代地ビール館 グルメ・レストラン
-
窓際の席からは、色づき始めた田んぼと、雲に隠れた磐梯山が望めた。
優し気な風景の中、麦酒で一息つくのは最高だ。 -
食事は、ハーブチキンのグリルを注文。
少し小さかったのが残念だったが、味は麦酒に合っていた。 -
最初に飲んだピルスナーの次に頼んだのは、ヴァイツェン。
軽めの味わいが、暑い夏にちょうど良かった。 -
地ビールを堪能した後、外に出ると魅力的な匂いが漂って来た。
その元へと向かうと、やはりソーセージが焼かれていた。
大好物なので、迷わず1本購入。
熱々で、また麦酒が飲みたくなってしまった。 -
猪苗代地ビール館を後にして、猪苗代駅へバスで戻る。
野口英世記念館は、子供の頃に訪れているので、今回は寄らなかった。 -
駅へ戻ると、何やら騒がしい。
駅員さんに尋ねると、蒸気機関車がやってくるとのこと。
『SLばんえつ物語号』が有名だが、これは別の列車だった。
偶然の出会いで得した気分だ。猪苗代駅 駅
-
まだ帰るには早いので、地図に乗っていた亀ヶ城跡を訪れることにした。
駅の北側にある会津バスのバスターミナルから、バスで向かうことにする。
かなり大きなバスターミナルで、個人的に好きな場所だ。
※現在、会津バス猪苗代営業所は廃止されています。 -
バスは、7分で亀ヶ城入口バス停に着いた。
降り立った街なみは、亀ヶ城の城下町だった場所だ。
※現在、街並みは大きく変わり、バス停のあった美容室も、帰りのバスを待った美容室前の長椅子も今はありません。 -
バス通りから、住宅街の中へと入って行くと、道が途中で筋違いとなっている場所があった。
そこが、亀ヶ城の大手門があった場所で、近くには石碑も建っていた。 -
石碑の先には、入り込んでみたくなるような路地もある。
城下町の名残りのようだった。 -
さらに進むと、亀ヶ城公園に出た。
大手口枡形跡には、多門櫓の野面積みの石垣が残っている。
亀ヶ城は、三浦氏の末裔である猪苗代氏代々の居城であり、江戸時代には会津藩の防衛上の拠点であったが、戊辰戦争の際、新政府軍の攻撃で落城している。亀ヶ城跡 名所・史跡
-
大手道を登って行くと、道は二手に分かれている。
左手の石段が大手道で、奥に本丸の石垣が見えていた。
本丸は後回しとして、右手の道を登って行く。 -
土塁に囲まれた細い道を進むと平坦な場所が現れた。
そこが北郭の跡だった。
今は、小さな公園となっている。 -
その先で、細い道が下っていた。
奥に見えていたのは、猪苗代氏代々の隠居城と云われる鶴峯城跡だ。
近世城郭への改修を受けていないため、戦国末期の城の構造を色濃く残しているそうだ。 -
さらに歩いて行くと、帯郭(西郭)が現れた。
立派な土塁が残り、城跡らしい雰囲気が感じられる。 -
反対側には、本丸の高い土塁が続いている。
この高さと勾配だと、重い甲冑を着て登るのは難しいだろう。 -
その先にも広い場所があり、そこが南郭だった。
思いの外単純な構造で、さほど広くはない。
戦国期ならいざ知らず、戊辰の頃ではひとたまりも無かったことだろう。 -
南郭の手前に、二之郭へと登る搦手口があった。
大手道は整備されて階段になってしまっているが。こちらは当時のまま残っているようだ。 -
本丸の南側にある二之郭には、野口英世博士の像がおかれていた。
博士は、子供の頃、この城跡で遊んでいたらしい。 -
二之郭と本丸を隔てる黒門跡から本丸へと入る。
この辺りは、戊辰戦争後に破壊されたため、石垣はほとんど残っていない。 -
本丸跡は、思ったよりも広々としていた。
この城一番の絶景が眺められる場所なのだが、生憎の空模様で、磐梯山の雄姿は拝むことが出来なかった。 -
本丸からは、二之郭の櫓門跡の石垣が望めた。
石段を下れば大手口に出る。
時間が迫ってきたので、今回はこの辺で切り上げることにする。
桜や紅葉の季節は美しいらしく、磐梯山も眺めてみたいし、鶴峯城跡も観てみたいので、いずれまた訪れたいと思う。 -
バス停へ戻り、猪苗代駅前のバスターミナルへと戻る。
それにしても、往時は立派なバスターミナルだったのだろう。
今は、乗客も疎らで、発着するバスも少ない。 -
14時40分発の郡山行の快速列車で猪苗代を後にした。
郡山駅からは、15時46分発の黒磯行普通列車に乗車し、終点の黒磯駅で、17時24分発の上野行臨時快速『フェアウェイ』に乗り換え大宮駅へと戻る。 -
車内で、郡山駅での乗り換え時間で買い込んできた駅弁『安積のとりめし』を夕飯代わりに食べる。
初めて食べたが、他のとりめしには無い、白くてふわふあしたものが入っている。
白身を利用したものらしいが、これがいまひとつだった。
夏の週末、一泊二日で訪れた福島の旅。
二日目に予定が大きく変わったおかげで、美味しい麦酒と渋い古城に出会うことが出来た。
久しぶりに、古城を堪能した旅となった。
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