2023/01/02 - 2023/01/02
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+mo2さん
この旅行記スケジュールを元に
甲府は私が住んでいる静岡県(東部)の隣県(山梨県)の県庁所在地ですが、昔は静岡県とのアクセスが悪く1日がかりで行く場所でした。同じ隣県(神奈川県)の横浜と違い馴染みのある場所ではありませんでした。(もう一つの隣県の名古屋は静岡県東部からは遠いが、仕事で行く機会多数)
ただここ数年で、新東名御殿場JCTとその周辺道路の開通(令和3年4月)や中部横断自動車道の開通(令和3年8月)で格段に行きやすい場所となりました。昨年は、甲府にある山梨県立美術館へは1月の「シダネルとマルタン展」、5月の「フランソワ・ポンポン展 動物を愛した彫刻家」、11月の「縄文―JOMON―展」とほぼ皆勤で特別展見に行きました。
また、「種まく人」、「落ち穂拾い、夏」をはじめとするミレーコレクションで有名な山梨県立美術館ですが、年に1回正月2日に限り、作品の写真撮影が2020年よりOKとなっています(正式には、2019年11月20日の県民の日が初回)貴重な展示作品を写真に撮れる滅多にない機会であり、2021年、2022年と行ってますが、今年も行ってきました。見たかった「米倉壽仁展 透明ナ歳月 詩情(ポエジイ)のシュルレアリスム画家」も楽しんできました。
2021年の旅行記:山梨県立美術館 ミレー館で写真撮影してきました
https://4travel.jp/travelogue/11670682
2021年の旅行記:山梨県立美術館 今年もミレー館で写真撮影してきました
https://4travel.jp/travelogue/11732013
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車
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まず、毎年恒例の身延山への初詣。身延山へは、50年近く毎年初詣に来ていますが、昔はアクセス悪く、朝、沼津をでて参拝し戻ってくるのが夕方という感じでした。
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早朝(7時前)に着いたのでまだ薄暗かったのですが、参拝や御祈願の手続きをいている間に明るくなってきました。明るくなってくるのと同時に人も増えてきました。
身延山久遠寺 寺・神社・教会
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五重塔も朝日を受けて輝いてきました。
参拝できない父母や今日来ていない妹、甥っ子たちの分まで参拝し身延山を出ます。 -
開館(9時)の少し前には、山梨県立美術館のある芸術の森に到着。
こちらからは富士山がよくみえます。芸術の森公園 公園・植物園
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まずは、ミレー館に入場します。
ミレー館の作品紹介は、過去2年間の旅行記でたっぷりしているので、今回は好きな作品と初めて撮影した作品のみ紹介します。 -
ジャン=フランソワ・ミレー「ポーリーヌ・V・オノの肖像」 1841-42年頃
この絵に会いに来たといってもいいかもしれないくらい好きな作品。モデルは、ミレーの最初の結婚相手であるポーリーヌ=ヴェルジニ・オノ。ダヴィンチの『モナリザ』と似る部分があり、ミレー版のモナリザと評されることもあります。 -
過去2年は、朝一番の時間帯は私以外のお客さんがおらず、ほぼ貸切り状態でしたが、今年はコロナ禍落ち着いてきたからか、かなり多くの人が観覧していました(写真は、開館直後なのでまだ少ないです)。また1月2日は写真撮影OKが定着してきたからか、カメラを持っての入場の方もかなりいらっしゃいました。
山梨県立美術館 美術館・博物館
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一応ミレーの紹介です。写真は48歳頃のもの。
ジャン=フランソワ・ミレーは、19世紀活躍した写実主義の農民画家。故郷であるシェルプールからパリへ出て新古典主義の画家ドラローシェに師事。肖像画や歴史画を学ぶが、サロンでは認められませんでした。1848年に出展した作品『箕をふるう人』でサロン初入選をし、それを転機に農民画家へ転向、翌年の1849年にはパリから南東へ60kmの場所にあるバルビゾン村へ移住しバルビゾン派となります。『種をまく人』『落穂拾い』『晩鐘』など農民を主人公にしたレアリスム絵画を描き、1867年のパリ万国博覧会で名声を得ました -
(右)ミレーの最初の妻であり「ポーリーヌ・V・オノの肖像」のモデルのポーリーヌ。結婚3年後、病気で亡くなっています。
(左)二番目の妻カトリーヌ。カトリーヌとの間には何人もの子供がいますが、カトリーヌの実家はブルターニュ地方ロリアンの貧農であったこともあり、ミレーの祖母や母はカトリーヌとの交際に大反対に合い、2人が結婚式をあげたのはミレー死の間際でした。 -
58歳頃のミレーの写真
ミレーは61歳で亡くなっています。 -
ジャン=フランソワ・ミレー 「種をまく人」 1850年
本作品は、パリを離れてバルビゾン村に移り住んだミレーがはじめて手がけた大作。岩波書店のシンボルマークとしても有名。「種まく人」は、ほぼ同じ構図の2つの作品が存在し、もう1枚はボストン美術館に所蔵されています。 -
ジャン=フランソワ・ミレー 「落ち穂拾い、夏」
「落穂拾い」は1857年にサロン・ド・パリに出展され、現在はパリのオルセー美術館が所蔵しています。
この作品とほぼ同じ構図で1853年に描かれた「落ち穂拾い、夏」は、伝統的な季節ごとの農作業を描いた連作『四季』の1枚となっています。 -
過去2年ミレー館では展示されていなかった作品2点。銀座の飯田画廊の社長、飯田祐三氏からの寄贈です。この飯田画廊の仲介で山梨県立美術館は、ニューヨークのオークションにおいて「種をまく人」などを入手しています。
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「耕す人」 1855-56年 エッチング
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「種をまく人」 1851年 リトグラフ
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第2会場は《自然を描く画家たち バルビゾン派を中心に》ミレー以外のバルビゾン派を中心とした作品が並びます。
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シャルル=エミール・ジャック 「森の中の羊の群れ」 1860年頃(部分拡大)
私も妹も甥っ子のともちゃんも亡くなった祖母も未年 -
ジュール・ブルトン 「朝」 1888年
ブルトンは、ジャガイモの収穫作業を終えて畑を後にする人々を描いた「労働の終わり」(ブルックリン美術館所蔵)を1887年のサロンに出品し、批評家たちから賞賛を得ました。ニューヨークの画廊から依頼を受けて制作された本作は、「労働の終わり」の中央の人物のみを描いたもの。 -
特別展示室へ移動します
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途中の窓から富士山が見えます
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山梨県立美術館では、日本の優れた近現代美術もコレクションの柱の一つです。中丸精十郎や土屋義郎など山梨県にゆかりのある近現代の作家の作品を収集していますが、山梨県甲府市出身の画家、米倉壽仁の個展がおよそ40年ぶりに開かれています「米倉壽仁展 透明ナ歳月 詩情(ポエジイ)のシュルレアリスム画家」
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激動の時代であった20世紀をとおして、「芸術とは何か?」を思考し続けた米倉壽仁(よねくら・ひさひと 1905~1994年)。明治末期の山梨に生まれた米倉は、第一次世界大戦後のフランスから世界中に広がったシュルレアリスム(超現実主義)に独学で取り組んだ画家、詩人です。シュルレアリスムとは、理性による制約や先入観を離れた人間の無意識下にあるものを表そうとする芸術運動をさします。米倉は、戦前から前衛画家が集った「美術文化協会」や、戦後に自身が結成した「サロン・ド・ジュワン」などで詩情あふれる幻想的な絵画作品を発表すると同時に、詩集『透明ナ歳月』(1937年)をはじめとする文芸作品にも取り組みました。
美術館HPより~ -
第1章では、若き米倉が手がけた絵画や詩、雑誌の装幀などと米倉が影響を受けたサルバドール・ダリやマックス・エルンストといった海外のシュルレアリスム画家などの作品が展示されていました。
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「ジャン・コクトオの「夜曲」による」 1979年(原画1931年)山梨県立美術館
米倉は青春時代に文学を志し、シュルレアリスム的な傾向のある詩作もおこなっていましたが、1931年に《ジャン・コクトオの「夜曲」による》で二科展にデビューしたことをきっかけに画家を志すようになりました。 -
「鏡」 1932年 東京国立近代美術館
本展では撮影OKのカメラマークのついた作品は、写真撮影OKとなっていました。
ただ、本館所有のものでも撮影不可のものや本作のように、他館貸出のものでも写真撮影OKのものなどありました。 -
第2章 「透明ナ歳月」シュルレアリスム絵画の模索
画家を志すようになった米倉は、上京して前衛画家たちが集まるグループに入ります。シュルレアリスム絵画を日本に紹介した福沢一郎らが活躍する「独立美術協会」などへの参加を経て、福沢らと新たに「創紀美術協会」「美術文化協会」を創設し、前衛画家の一員として精力的な創作活動をおこないます。1930年代後半、戦争の足音とともに自由な芸術に対する締めつけが厳しくなる中、画家仲間とともに前衛芸術の可能性を信じて数多くの作品を描きました。この頃の作品には特にサルバドール・ダリの影響が色濃く見られます。 -
「ヨーロッパの危機」 1936年 山梨県立美術館
本作品は銀座紀伊国屋画廊での個展の出品作。個展に先立ち、米倉は雑誌に「世界の危機」という詩を寄せていましたが、同年の7月に始まったスペイン内戦を思わせるものでした。本作品ではヨーロッパの古地図とひび割れた頭骸骨のイメージが重複され、その割れ目からは壊れた機械の部品のようなものが飛び出しています。馬は、ラッパを持つ手とともに戦場の象徴とされているのかもしれない。画面左奥には動きを封じられた人の姿が見えます。西洋の物質文明の崩壊と第二次世界大戦を予兆しているように感じさせる本作は、米倉の戦前を代表する作品であり、日本シュルレアリスム絵画の代表作の一つとも見なされています。 -
「モニュメント」 1937年 山梨県立美術館
あるモチーフに別のイメージを重ねる表現は、シュルレアリスムの画家サルバドール・ダリによる手法ですが、米倉は戦前に、本作や上の「ヨーロッパの危機」といったダリの影響を受けた作品を描いています -
「光」 1938年 山梨県立美術館
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「翳」 1938年 山梨県立美術館
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「破局(寂滅の日)」 1939年 東京国立近代美術館
海と大きな卵の殻や巨大な鳥・・・ -
「早春」 1940年 山梨県立美術館
こちらも穏やかな海上に大きな卵の殻のような物が浮かび、その中に包帯を巻いた人やイノシシのような動物が乗っている不思議な作品 -
第4章「美術は人間性である」戦後の変化
戦中は戦争に関連する作品も描き、疎開して戦禍をくぐり抜けた米倉は、戦後すぐ東京に戻り創作活動を再開します。「美術文化協会」を脱会した米倉は、画家グループ「サロン・ド・ジュワン」を結成し、1952年から晩年近くまでこの団体を基盤として制作活動をおこないました。戦後の作品からはダリの影響が次第に影をひそめ、より複雑な画面構成をもつ作品や、仏教的要素をモチーフとした作品など戦前とは異なる傾向の作品も描かれました。 -
「愛と仏頭」 1954年 山梨県立美術館
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「黒い太陽」 1954年 山梨県立美術館
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「核-天空の祝祭-」 1958年 山梨県立美術館
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「静」 1958年 山梨県立美術館
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「痕跡」 1959年 山梨県立美術館
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第6章「人生より芸術は永い」終わらない探究
60年代以降は抽象化の傾向も見られるようになりますが、最後まで完全な抽象絵画に移行することはありませんでした。具体的な事物ではなく、文字や幾何学的な図形や線を多用したり、白い絵具に厚みをもたせてニュアンスを出してみたりと、絵画表現の探究は終わりませんでした。「サロン・ド・ジュワン」への出品を継続したほか、「山梨美術協会」や「ボロー」といった郷里の絵画団体の発展にも寄与しました。1979年、74歳の年に山梨県立美術館で個展が開催され、画業の振り返りがなされましたが、その後も晩年に至るまで制作を続けました。
「吉」 1960年 山梨県立美術館 -
「断層」 1966年 山梨県立美術館
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「イロハ唄」 1966年 山梨県立美術館
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「白雲抄」 1966年 山梨県立美術館
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「水の情理」 1967年 山梨県立美術館
米倉壽仁は初めて聞いた画家でしたが、生涯にわたってシュルレアリスムの流れをくむ様々な表現に取り組んでおり、とても楽しめました -
山梨のお土産といえば、桔梗信玄餅。信玄餅詰め放題で有名な桔梗信玄餅工場テーマパークへは、何度も行っていますが、山梨県立美術館の近くにも直営店の「桔梗屋東治郎」が寄りました。
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先月、部下のKさんから「夜の桔梗信玄餅って知ってます?桔梗信玄餅の味のリキュールが発売(12/6より)されたんですよ」という情報。大人気らしくHPでも「注文殺到につき次回出荷が1月下旬頃となります」とのお知らせが・・・
店舗に行けばあるかもと思い寄ったのですが、お店に入るとKさんと同じ20代中頃くらいの2人連れの娘さんたちが「信玄餅のリキュールはありませんか?」と聞いています。店員さん「大人気で売り切れています。次いつ入荷になるのかも未定なので、予約も受付できないんですよ」とのこと。大人気なんですね。東治郎 美術館通り店 グルメ・レストラン
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帰りにトイレ休憩で寄った「道の駅富士川」地場の農産物や特産物の直売所、お土産も売っていますが、何と桔梗信玄餅のコーナーに大量のリキュール(桔梗信玄黒蜜きな粉)が・・・こういう所には残っているんですね。Kさんにお土産に購入しました。
道の駅 富士川 道の駅
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