2023/07/22 - 2023/07/22
40位(同エリア1154件中)
+mo2さん
7月12日から始まったテート美術館展へ行ってきました。今回の展覧会、ほとんどの作品が写真撮影OKでした。
同展HP~
本展は、英国・テート美術館のコレクションより「光」をテーマに作品を厳選し、18世紀末から現代までの約200年間におよぶアーティストたちの独創的な創作の軌跡に注目する企画です。
「光の画家」と呼ばれるジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーや風景画の名手ジョン・コンスタブルといった英国近代美術史を彩る重要な画家たちの創作、クロード・モネをはじめとする印象派の画家たちによる光の描写の追求、モホイ=ナジ・ラースローの映像作品やバウハウスの写真家たちによる光を使った実験の成果、さらにブリジット・ライリー、ジェームズ・タレル、オラファー・エリアソン等の現代アーティストによってもたらされる視覚体験にまで目を向けます。
本展では、異なる時代、異なる地域で制作された約120点の作品を一堂に集め、各テーマの中で展示作品が相互に呼応するようなこれまでにない会場構成を行います。絵画、写真、素描、キネティック・アート、インスタレーション、さらに映像等の多様な作品を通じ、様々なアーティストたちがどのように光の特性とその輝きに魅了されたのかを検証します。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 新幹線 JRローカル
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本日も晴天、雨が降らない日が続きます。乃木坂駅直結の国立新美術館
乃木坂駅 駅
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国立新美術館は、のべ14,000㎡の国内最大級の展示スペースを有する美術館です。「森の中の美術館」をコンセプトに設計された建物の南側は、波のようにうねるガラスカーテンウォールが美しい曲線を描き、円錐形の正面入口とともに個性的な外観を創り出しています。吹き抜けの1階ロビーからは、このガラス越しに、青山公園など地域の緑にとけこむように植栽された草木の四季折々の眺めを楽しむことができます。まさに光をテーマにしたテート美術館を開催するのにぴったりな場所です。
国立新美術館 美術館・博物館
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開幕前のプレス内覧会で、国立新美術館主任研究員の山田由佳子氏は「歴史的作品と現代作品の対話をインスタレーションのように見せているのも本展の面白さ」と説明。テートで本展を担当したアシスタント・キュレーターのマシュー・ワッツは「幅広いテートの収蔵作品から『光』というレンズを通して作品を厳選したと話しています。美術家がどのように光をとらえ、表現してきたかを見てほしい」とのこと、さっそく会場を巡ってみます。
国立新美術館 美術館・博物館
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ジョージ・リッチモンド「光の創造」1826年
17世紀から18世紀にかけて欧州は理性と秩序を重んじる啓蒙の時代を迎えました。芸術表現にも共通する潮流となりましたが、個人の主観や感性を重視するロマン主義の画家たちはこうした価値観に疑問を抱き、精神世界への関心を次第に強めていきます。光と陰のドラマチックな効果を生かすことで人の内面や精神性に迫り、さらには予測できない出来事への畏敬の念を絵画で表現しようとしました。 -
ジェイコブ・モーア「大洪水」1787年
展覧会は「精神的で崇高な光」をテーマにした展示室からスタート。神が人間にもたらした災いを描いたジェイコブ・モーア「大洪水」1787年です。 -
ウィリアム・ブレイク「善の天使と悪の天使」1795-1805年頃
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ウィリアム・ブレイク「アダムを裁く神」1795年
ロマン主義の先駆者、英国の画家ウィリアム・ブレイクは「アダムを裁く神」で自らの想像上の神に後光が差すような表現を取り入れ、その姿に威厳や権威を持たせました。 -
ターナーによる人物の輪郭が風景に溶け込む「陽光の中に立つ天使」1846年出品
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ジョゼフ・ライト・オブ・ダービー「噴火するヴェスヴィオ山とナポリ湾の島々を臨む眺め」1776-80年頃
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空の変化をとらえたジョン・コンスタブルの「ハリッジ灯台」1789年出品
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みなさん熱心に鑑賞されています
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ジョン・マーティン「ポンペイとヘルクラネウムの崩壊」1822年
紀元79年に起きたイタリア・ヴェスヴィオ山の噴火と逃げ惑う群衆が精緻に描かれます。暗い空に走る白い稲妻、吹き上がるマグマの赤い光が禍々しい。宗教的主題において暗闇にゆらめく光は希望を表わしますが、歴史上の大災害から着想した本作では人間を圧倒する自然の力が強調されています。 -
かつてジョン・マーティンに帰属「パンデモニウムに入る堕天使『失楽園』第1巻」より 1841年出品
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「陰と陽-第降水の夕べ」1843年出品
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「光と色彩〈ゲーテの理論〉-大洪水の翌朝、創世記を書くモーセ 」1843年出品
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ドイツ文学者ゲーテの『色彩論』から影響を受け科学的アプローチに取り組んだ作品。ジョゼフジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー「湖に沈む夕日」1840年頃
現代抽象画のようです!! -
大気と光を新たな手法で表現し、風景画に革新をもたらしたのがジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーとジョン・コンスタブル
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ジョン・コンスタブルが原画を手掛け、デイヴィッド・ルーカスが彫版、1830~32年に刊行された版画作品「イングランドの風景」シリーズ
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(左)「春」
(右)「ヘルミンガム・パークの谷間、サフォーク」 -
(左)「製粉所」
(右)「ウェイマス湾、ドーセットシャー」 -
(左)「浜辺」
(右)「オールド・セーラム」 -
(左)「ストゥーア川、サフォーク」
(右)「ストゥーア川の水門、サフォーク」 -
(左)「夏の朝」
(右)「夏の夕暮れ」 -
(左)「荒野」
(右)「製粉所わきの小川」 -
(左)「ストーク=バイ=ネイランド、サフォーク」
(右)「真昼」 -
(左)「サマーランド」
(右)「夏の午後、にわか雨のあと」 -
(左)「秋の日没」
(右)「ヤーマス、ノーフォーク」
同シリーズは22点からなり、5部に分けて出版されました。 -
「教会の農場」
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「ハドリー城、ノア近郊」
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ジョン・リネル「風景(風車)」1844-45年
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空の変化をとらえた、ジョン・コンスタブルの「ハリッジ灯台」1820年出品
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続いて、イギリスのラファエル前派兄弟団やフランスの印象派の絵画が登場。産業革命により工業化が進む社会に反発し結成されたラファエル前派は、精神性に溢れる光の表現を目指しました。
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エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズ「愛と巡礼者」1896~97年
代表的作家エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズによる「愛と巡礼者」に描かれるのは、キューピッドを思わせる人物が巡礼者をイバラの茂みの中から連れ出す場面。「闇から光の中へ」の比喩が巧みに絵画化され、演劇的な効果を挙げています。 -
ジョン=エヴァレット・ミレイ「露に濡れたハリエニシダ」1889-90年
「露にぬれたハリエニシダ」はミレイの後期作品の偉大な業績の1つと広く評価されており、またこの画家の特徴らしくない抽象的な作品です。それは森の中にあるパースシャーの敷地にある、ミレイ家が1881年からレクリエーション目的で借りたビラナム・ホールそばのマースリーの私有地内で描かれました。ミレイの息子と伝記によると、ミレイの目的は、「これまで一度も描かれなかった」主題である、陽の光の中、露のしずくによってきらきら光るハリエニシダを捉えることだった。そして、彼がこの作品を作り始めたとき、彼は「描くのは不可能かもしれない」と恐れを感じていました。 -
ジョン・ヤング・ハンター「私の妻の庭」1899年
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ウィリアム・ホルマン・ハント「無垢なる幼児たちの勝利」1883-84年
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同じ展示室には、草間彌生による「去ってゆく冬」2005年も展示されている。鏡面の立方体に幾つもの穴があけられ、そこからのぞき込むと、内部の無限的な反射光を見ることができるインタラクティブな作品です。
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ジェームズ・アボット・マクニール・ホイッスラー「ペールオレンジと緑の黄昏?バルパライソ」1866年
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ジョン・ブレット「ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡」1871年
イギリスのジョン・ブレットによる「ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡」における光の表現はあくまで精密です。 -
ジョン・ブレット「ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡」(部分拡大)
海面を照らす太陽光線や反射による波の表情が超絶技巧的に描かれ、画中の海に飛び込みたくなるほど(笑)。画家が空と海を丁寧に観察し、その関係を忠実に再現しようとしたことがうかがえます。 -
クロード・モネ「ポール=ヴィレのセーヌ川」1891年
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クロード・モネ「エプト川のポプラ並木」1891年
移ろいゆく自然の様相を画布に留めようとした印象派のクロード・モネ。「エプト川のポプラ並木」は、異なる時間帯で同じ木々を描いた連作のひとつ。水面の反射光や葉のそよぎが勢いがある素早いタッチでとらえられ、さわやかな大気の動きを感じさせます。 -
アルフレッド・シスレー「春の小さな草地」1880年
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アルフレッド・シスレー「ビィの古い船着き場へ至る小道」1880年
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アルマン=ギヨマン「モレ=シュル=ロワン」1902年
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フィリップ・ウィルソン・スティーア「ヨットの行列」1892-93年
印象派及び新印象派から強く影響を受けた作品 -
フィリップ・ウィルソン・スティーア「浜辺の人々、ウォルバーズウィック」1888-89年
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カミーユ・ピサロ「水先案内人がいる桟橋 ル・アーヴル、朝、 霞がかった曇天」1903年
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草間彌生による「去ってゆく冬」2005年、展示室の中央に置かれ、先人の絵画作品が表面に映り込む本作は、現代まで連綿と続く美術家の光の探求を象徴しているようにも感じられます。
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ヴィルヘルム・ハマスホイ「母と子」1903年
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ヴィルヘルム・ハマスホイ「室内」1906年
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ヴィルヘルム・ハマスホイ「室内」1899年
「北欧のフェルメール」とも称されるデンマークを代表する画家、ヴィルヘルム・ハマスホイ。2020年には。東京都美術館で 「ハマスホイとデンマーク絵画」展が開催されています。
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