2023/06/10 - 2023/06/10
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+mo2さん
SOMPO美術館で開催されている「ブルターニュの光と風」の会期終了(6月11日)が近づいているので、行ってきました。地元、静岡市美術館にも9月5日から巡回して来るのですが、ファン・ゴッホの「ひまわり」やゴーギャンの「アリスカンの並木路、アルル」が見れるのはSOMPO美術館だけなので。
今年は、国立西洋美術館で「憧憬の地 ブルターニュ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷」が3/18~6/11開催と同時期に2つのブルターニュ―関連の展覧会が開催されました。同展は、国立西洋美術館の「松方コレクション」を含む、30か所を超える国内所蔵先と海外の2館からブルターニュをモティーフにした作品約160点が展示されていましたが、本展は、カンペール美術館の作品を中心に、45作家による約70点の油彩・版画・素描の展示でした。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 新幹線 JRローカル
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新宿駅から損保ジャパンビルへ歩いていきます
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1Fが受付となっており、展示室は6階からです。
1872年に開館した歴史あるカンペール美術館は、ポン=タヴァン派のみならず、ブルターニュに関連する絵画を多数所蔵していることで知られ、その充実度はフランス随一を誇ります。SOMPO美術館 美術館・博物館
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豊かな自然と独自の文化を持つことで知られるフランス北西部の地、ブルターニュ。本展は、ブルターニュに魅了された画家たちが描いた作品を通じ、同地の歴史や風景、風俗を幅広く紹介する展覧会となっています。深緑の海や険しい断崖が連なる海岸線、平原と深い森とが織りなす固有の景観、また、そこに暮らす人々の慎ましい生活と敬虔な信仰心は、19世紀初め以来、数多くの画家たちの関心を掻き立ててきました。本展では、ブルターニュに関する作品を多数所蔵するカンペール美術館の作品を中心に、45作家による約70点の油彩・版画・素描を通じて、フランス〈辺境の地〉ブルターニュの魅力をご覧いただきます。
~同展 HPより~ -
第1章では、サロンで活躍した画家たちの眼差しを通じて、ブルターニュの3つの風景ー海、大地、風俗を見てゆくという構成になっていました。会期終了近いからか人多めでした。また一部作品を除き、写真撮影Okとなっていました。
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テオドール・ギュダン「ベル=イル沿岸の暴風雨」1851年 カンペール美術館
テオドール・ギュダンは、フランスの海洋画家で、1830年に、フランス海軍の公式画家となり、海軍の海戦や軍艦を描きました。この「ベル=イル沿岸の暴風雨」は、海軍の偉業を讃える絵画制作を委嘱され、そのための取材を目的としてブルターニュ半島沿岸のベル=イル島を訪れた時に描いたものです。しかし、この絵には軍艦は描かれておらず、ブルターニュの厳しい自然を描いたロマン主義風の海景画となっています。カンペール美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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「ベル=イル沿岸の暴風雨」(部分拡大)
青白い光に積まれた岩場に波が打ち付けた際の激しい轟音が伝わります -
エヴァリスト=ヴィタル・リュミネ 「グラドロン王の逃亡」 1884年頃 カンペール美術館
本作の主題はイスの国の沈没ですが、裏切りが招いた父と娘との間の悲劇的な関係性も重ね合わされています。聖ゲレノの激しい身振りは、グラドロン王の娘ダユに死を宣告しています。 -
テオフィル・デイロール「鯖漁」 1881年 カンペール美術館
厳しい自然の中で、櫓や櫂を操ってサバを獲る漁師たちを捉えています。
テオフィル・デイロールはパリ出身で、アルフレッド・ギユに
出会ったのをきっかけにアレクサンドル・カバネルに学び、ギユの妹と結婚して
コンカルノーに移っています。 -
アルフレッド・ギユ「さらば!」1892年 カンペール美術館
アルフレッド・ギユは、ブルターニュ半島西部のコンカルノーに生まれ 、パリでアレクサンドル・カバネル1823-1889)のもとで学びました。普仏戦争後の1871年に再び故郷へ戻り、漁師など、海と共に生きる人々が慎ましくも逞しく生きる姿を描き続け、同じく本展第1章でご紹介するテオフィル・デイロール(1844-1920)と共に、同地の芸術家コロニーの中心的存在となりました。「さらば!」と題された本作は、嵐に遭遇した一艘の漁船に乗った父子の別れの場面をドラマティックに描き出しています。転覆した船体にしがみつき、激しい波と格闘しながら海の犠牲となった我が子を抱きかかえる父親は、その額に最後の口づけをしています。本作はまさにブルターニュの厳しい自然と人間との相克を描き出し、1892年のサロンで国家買い上げになるなど、高い評価を得たギユの代表作です -
「さらば!」(部分拡大)
こに描かれるような悲劇は、ブルターニュの海を舞台にこれまでも幾度も起きてきた出来事だという。嵐に遭遇し、沖で転覆した舟にしがみつく漁師の男は、激しく襲いかかる波と格闘しながら若き息子を抱きかかえている。父の逞しく日焼けした腕のなかで、今まさに息途絶えた息子の体は、青白く脱力している。父は息子に最後の別れの口づけをしようとするが、この若き漁師の華奢な体つきはその痛ましさを強調し、これが男女の悲劇の場面かと見紛う想像力を、観るものに喚起します。 -
アルフレッド・ギユ「コンカルノーの鰯加工場で働く娘たち」 1896年頃 カンペール美術館
若い漁師が加工場から帰る娘たちの前にイワシで一杯の籠を差し出して気を惹こうとしています。
若さのはじける情景で、娘たちは木靴を履き、頭に被り物(コアフ)を着けています。 -
エミール・ヴェルニエ 「コンカルノーのブルターニュの引馬」 1883年 カンペール美術館
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エマニュエル・ランシエ「干潮のドゥアルヌネ湾 」1879年 カンペール美術館
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ジャン=マリー・ヴィラール 「ドゥアルヌネ近郊のケルレゲールの岩場」 1878年 カンペール美術館
ブルターニュ半島西部のドゥアルヌネに生まれたジャン=マリー・ヴィラールは、はじめ地元で教職についていましたが、1850年代半ばにパリに上京して画家の道を目指しました。その作品の多くは故郷の風景を描いたもので、本作もドゥアルヌネ近郊にある岩場を描いた1点です。
点在する木々の合間に花崗岩が露出する特異な景観はこの地域特有のものですが、ヴィラールはこの侘しい眺めに牛飼いと牛を小さく挿入し、清らかな陽光に満ち
た大気を巧みに捉えることで、静かな叙情性を表現しています。 -
カミーユ・ベルニエ「サン=タンヌの荒れ地」 1878年頃 カンペール美術館
バルビゾン派に通じる濃密な筆遣いで、空や樹木、点景のような人物を描いています。
カミーユ・ベルニエ(1823-1902)はコルマール出身で、ブルターニュのブレストに移り住み、同地を訪れたカミーユ・コローらと交流しています。 -
「サン=タンヌの荒れ地」(部分拡大)
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アレクサンドル・セジェ 「プルケルムール渓谷、アレー山地」 1883年頃 カンペール美術館
アレクサンドル・セジェは、エコール・デ・ボザール(パリ国立高等美術学校)で学び、イタリアで絵の研鑽を積んだ後に風景画を描くようになりました。この「プルケルムール渓谷、アレー山地」は、ブルターニュ半島西部のアレー山地を描いたものです。中景に描かれた、この地域に特徴的な花崗岩が、雲の広がる大空に呼応し、馬や牛が遊ぶ大地が、ベル=イル沿岸とは対照的に静的な自然を見せています。 -
エヴァリスト=ヴィタル・リュミネ 「狩猟の帰途、またはブルターニュの密猟者」 1861年頃 カンペール美術館
描かれた密猟者は、人目を忍んで夜中に少人数で活動する「ふくろう党員」がイメージされているといいます。
1792年からフランス革命に対抗する動きの最前線にあったブルターニュの人々は、反革命の暴動を起こした王政支持者の集団「ふくろう党」との世評が与えられていたそうです。 -
オーギュスト・ゴワ 「ポン=ラべ近くの室内風景」 1858年 カンペール美術館
一家はおそらくミサか結婚式に行く準備をしていると思われます。当時の民家の様子がよく分かる作品です。 -
ジャン=マリー・ヴィラール 「ブルターニュの室内風景」 1870年 カンペール美術館
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アドルフ・ルルー 「ブルターニュの婚礼」 1863年 カンペール美術館
生涯にわたってブルターニュをテーマに制作を続けたアドルフ・ルルーは、市場、結婚式、巷の喧嘩など、人々の日常生活の描写を得意とし、「ブルターニュのルルー」とあだ名されました。ルルーがサロンにブルターニュの作品を出品したことは、1840年代以降のサロンにおけるブルターニュ主題の流行のきっかけとなります。農民の婚礼を描いた本作は、フランス国家の注文により描かれたものです。藁葺き屋根が連なる農村の一角を舞台に、手を取り合い伝統的な踊りを披露する男女、伝統楽器を演奏する音楽隊、子供を連れ立ち話をする女性などが、鮮やかな色彩と丹念な細部描写によって捉えられ、祝いの場の享楽的で躍動的な雰囲気をよく伝えています -
「ブルターニュの婚礼」 (部分拡大)
婚礼のお祝いに、村の男女が手をつなぎ、足を上げて踊っているところです。
ブリューゲルの「農民の踊り」を思い出します。
アドルフ・ルルーはパリ生まれで、ブルターニュ地方に注目し、
各地域ごとに異なる民族衣装も忠実に描き分け、「ブルターニュのルルー」とも
呼ばれています。 -
ジョルジュ=アレクサンドル・フィシエ 「ブルターニュの理髪師」 1868年 カンペール美術館
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ポール=モーリス・デュトワ 「ブルターニュ女性の肖像」 1896年 カンペール美術館
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リュシアン・レヴィ=デュルメール「パンマールの聖母」 1896年 カンペール美術館
ブルターニュ半島の西南端、パンパールのサン=ゲノレの岩場を背景にブグダン地方の伝統衣装を着た聖母子像です。
背景に人物像を貼付けたような特異な描き方で、幼子イエスは祝福のサインをしています。
リュシアン・レヴィ=デュルメール(1865‐1953)はアルジェ生まれで、ラファエル・コランに師事し、後に象徴主義の画家となっています。 -
クロード・モネ 「ルエルの眺め」 1858年 丸沼芸術の森(埼?県?近代美術館に委託)
モネが10代の時に描いた作品。若き頃より非常に繊細で巧みな画力を持ち、風景画家のウジェーヌ・ブーダンに見出されて画家の道が始まりました。作中の眺めは、当時モネが暮らしていたル・アーブル郊外の小さな村の風景です。とても10代と思えない画力は今後の活躍を想像できます。 -
ポール・ゴーギャン 「ブルターニュの子供」 1889年 福島県立美術館
ゴーギャンはブルターニュの子どもたちの素朴さと純真さに強く惹きつけられました。 -
ポール・セリュジエ 「水瓶を持つブルターニュの若い女性」 1892年 カンペール美術館
くにゃりとしなる身体の表現やエプロンの小花柄は、はっきりと日本の浮世絵からの影響を示しています。抑制の効いた色彩と引き伸ばされた優美なフォルムが魅力的な作品です。 -
ポール・セリュジエ 「青い背景のりんご」 1917年 カンペール美術館
本作はセリュジエが描いた静物画で、テーブルの上のりんごやポットが描かれた作品です。 -
アンリ・モレ 「ポン=タヴァンの風景」1888-89年 カンペール美術館
ノルマンディーに生まれたアンリ・モレは、兵役時代をブルターニュで過ごしたのち、パリの国立美術学校でジャン=レオン・ジェローム(1824-1904)に学びました。ブルターニュの南海岸の風景に魅せられたモレは、1886年にル・プール
デュに、ついで1888年にはポン?タヴァンに移り住み、ポール・ゴーギャンやエミール・ベルナールらと交流し、彼らの総合主義に影響を受けます。家々の屋根がのぞく起伏のある草地で牛がゆったりと草を食む牧歌的な光景を描いた本作は、簡素な構図と色面構成による平面的な画面づくりが意識され、ゴーギャンの様式に接近していたことを示しています。 -
アンリ・モレ 「ブルターニュの風景」1889-90年 カンペール美術館
黄土に覆われたブルターニュの広大な大地を描いた作品です。
手前の「絵の大半を占める地面」と「道端の草」のコントラストが印象的です。 -
モーリス・ドニ 「小舟の中のブルターニュ女性」 1891-92年 カンペール美術館
小品で、帆を掛けた小舟の中の母子を描いていて、白い波が装飾的です。
モーリス・ドニ(1870‐1943)はポール・セリュジエが伝えた、対象の固有色にこだわらずに自由に彩色するというゴーギャンの教えに驚きます。
そして、セリュジエ、ボナールらと共にナビ派を結成します。
ナビ派の考えは、ドニの語った、「絵画とは、ある一定の秩序のもとに集められた
色彩によって覆われた平坦な表面」に代表されます。
これは抽象画につながる考えでもあります。 -
モーリス・ドニ「フォルグェットのパルドン祭」1930年 カンペール美術館
ナビ派を代表するモーリス・ドニが最初にブルターニュの地を踏んだのは早くも1883年です。自身も敬?なカトリック教徒であったドニは、ブルターニュの人々の信仰の篤さに強く惹かれ、とくに1921年から34年には半島最西端に近いフォルグェットに毎年のように通い、ブルターニュ特有の宗教行事「パルドン祭」を描きました。祭りの最中に催されるミサでは、本作に描かれるように、民俗衣装姿の人々が、祭壇の前に置かれた聖母子像に触れたり、口づけしたりしました。 -
アルマン・セガン「横たわるブルターニュの女性あるいはプリマヴェラ」 1895年 カンペール美術館
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ジョルジュ・ラコンブ 「カマレの荒れ地」 20世紀初頭 カンペール美術館
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ジョルジュ・ラコンブ 「森の中の3?のビグダン地方の女性」 1894年 カンペール美術館
この絵画から放たれる不思議な雰囲気、未知の森の中のこの作品に意味を見出すことの不可能性、またこの3人のビグダン女性の象徴的な存在は、民間伝承の喚起とビグダン地方の精彩からは遠く離れているが、ブルターニュの絵画的な表象を一新するのに寄与しています。 -
クロード=エミール・シュフネッケル 「ブルターニュの岩石海岸 」1886年 カンペール美術館
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マクシミリアン・リュス「岩の多い海岸」 1893年 カンペール美術館
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マキシム・モーフラ 「海岸の泥炭地における?昏、ロクテュディ」 1898年 カンペール美術館
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アンリ・ジャン・ギヨーム・マルタン「ブルターニュの海」 1900年 カンペール美術館
フランス北西部、大西洋と英仏海峡の間にせり出すブルターニュ半島は、岩々が露出した岬やエメラルドグリーンの海、起伏に富んだ大地が作り出す壮大な自然景観を有することで知られます。中世にはこの地域一帯で一つの国がつくられ、ケルト民族に由来する独自の文化が育まれました。フランスの地域圏になってからも、その郷土色あふれる風俗や風景は保たれ、鉄道網が発達した 19 世紀以降、多くの画家たちがこの地を訪れました。 -
フェルディナン・ロワイアン・デュ・ピュイゴドー 「藁ぶき屋根の家のある風景」 1921年 カンペール美術館
「この世界とはいったい、何なのか?」これは、研究者、事業家、哲学者・・様々な知識人たちが挑んてきた探究テーマです。彼らが真相を解消しようとすればするほど明らかになっていったのは、この世界は、私たちが想像可能な領域を遥かに超えて複雑、かつ不確かに、そして、”かなり興味深く”成立しているという事実です。 -
エミール・ジュールダン「嵐の後」 1900-14年 カンペール美術館
互いを際立たせる大胆な色遣いが目を引きます。風景は簡略にとらえられ、遠くの家や雲、帆船が愛らしい雰囲気を添えています -
ウラディスラウ・スレヴィンスキー 「水の入ったグラスとりんごのある静物」 1904年頃 カンペール美術館
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ウラディスラウ・スレヴィンスキー 「バナナのある静物」 1901年 カンペール美術館
タヒチ期のポール・ゴーギャンの作品群にはトロピカルフルーツを巧みに描いたものが、複数存在しますが、おそらくウラディスラウ・スレヴィンスキー は「バナナのある静物」を制作することで、それらの作品に対して一種のオマージュを捧げたのでしょう。 -
シャルル・コッテ「嵐から逃げる漁師たち」 1903年頃 カンペール美術館
パリの国立美術学校やアカデミー・ジュリアンに学んだシャルル・コッテは、1880年代に開始した制作旅行のなかでブルターニュを発見し、その風俗描写によって評価を高めた画家です。怪しい雲行きから嵐の到来を察知した漁師たちが、舟を引き上げ帰路につく様子を描いた本作は、「バンド・ノワール」の画家コッテの特徴である暗く抑制の効いた色調で表現されています。 -
「嵐から逃げる漁師たち」 (部分拡大)
画家はここで、嵐そのものでも、嵐が招くであろう悲 劇 のあとの出来事でもなく、嵐の前の張りつめた瞬間を描いています -
シャルル・コッテ「海」1903-05年頃 カンペール美術館
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リュシアン・シモン「じゃがいもの収穫」 1907年 カンペール美術館
パリに生まれ、アカデミー・ジュリアンに学んだリュシアン・シモンは、本展第3章でご紹介するアンドレ・ドーシェ(1870-1948)の姉と結婚したことを機に、ブルターニュにしばしば滞在しその土地の風景を描くようになります。本作では、半島最西部のビグダン地方パンマールの人々がじゃがいもを掘り、袋に詰め、運搬するという収穫の諸段階が描かれています。シモンの眼差しは、地平線の向こうから潮風が吹き寄せる痩せた大地で働く人々の日常を決して理想化することなく、克明に捉えています。 -
アンドレ・ドーシェ「ラニュロンの松の木」 1917年 カンペール美術館
この景色はカンペールを経由して大西洋に注ぐオデ川の眺めです。
松の木立には日本の浮世絵の影響が見られます。日本画のような透明感があります。
ドーシェはオデ川の風景を好んで描きました。 -
フェルナン・ル・グー=ジェラール 「カンペールのテール=オ=デュック広場」 1910年 カンペール美術館
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エドゥアール=エドモン・ドワニョー 「ポン=ラべの子どもたち」 1905年 カンペール美術館
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ピエール・ド・ブレ 「コンカルノーの港」 1927年 カンペール美術館
ブレの作品は、パリの街並みやブルターニュの港を描いたものが多いそうで、本展にも港の絵が2点ありました。 -
ピエール・ド・ブレ 「コンカルノーの港」 1927年 カンペール美術館
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ピエール・ド・ブレ 「ブルターニュの少女」 1940年 カンペール美術館
ブレは、1940年から1943年にかけて、トレイスム(格子状技法)と名づけた描法を使っていたそうです。細かい線が規則的に引かれ、陰影やグラデーションが表現されています。
作品のモチーフはシンプルなのですが、線による色面のためか、フシギな雰囲気が出ています。ブルターニュの民族衣装と、線の描法が合わさって、何とも言えないエキゾチックな味わいを出しているのかもしれません。 -
ピエール・ド・ブレ 「ブルターニュの女性」 1940年 カンペール美術館
背景の港の風景と民族衣装に身を包む女性の組み合わせは、ブルターニュの伝統と理想像を表しているようにも思われます。 -
マックス・ジャコブ「ふたりのブルターニュの女性」 1930年頃 カンペール美術館
ジャコブはブルターニュのカンペール生まれで、ここに家があり、パリと往復しながら制作しました。
パリのモンマルトルでは、ピカソ他と交流しています。
本作では、コワフ(頭巾)を被る二人の女性が、港町を背景にポーズをとる姿を描いています。
二人の女性は、その地域に伝わるコワフを被っており、まるで自らのアイデンティティを誇示しているようにも見えます。 -
ポール・ゴーギャン「アリスカンの並木道、アルル」 1888年 SOMPO美術館
「アリスカンの並木路、アルル」は、ゴーギャンがアルル到着後、すぐに着手した作品。古代ローマ遺跡「アリスカン」の石棺が並んでいます。 -
今回の展覧会では、SOMPO美術館が誇るコレクション、ゴッホの「ひまわり」が写真撮影Okでした。「ひまわり」は87年、安田火災海上保険(現損保ジャパン日本興亜)が、約53億円(当時の為替換算)で落札しました。当時、一枚の絵の取引としては最高額でした。
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フィンセント・ファン・ゴッホ 「ひまわり」 1888年 SOMPO美術館
ゴッホが描いたひまわりの絵は全部で7作品ありますが、その中の1つが、SOMPO美術館収蔵の作品です。 -
美術館外(入口)には、リュシアン・レヴィ=デュルメール「パンマールの聖母」との記念撮影コーナーもありました
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