2022/12/17 - 2022/12/17
717位(同エリア4228件中)
+mo2さん
国立科学博物館で開催されている特別展「毒」へ行ってきました。この展覧会は、その名の通り毒を扱う展覧会。展示される「毒」の数はなんと250点以上!また、会場は写真撮影OKとなっていました。
オフィシャルHPより~
「毒」は基本的にヒトを含む生物に害を与える物質として理解されています。しかし、毒のなかには単に毒にとどまらず、薬効をもつものもあります。「生物に何らかの作用を与える物質」のうち、人間にプラスに働くものを薬、マイナスに働くものを毒と呼んで、多様で複雑な自然界を理解し、利用するために人間が作り出した概念と考えることができます。人体に有用なものでも、取りすぎると毒になることがあります。また、アレルギー反応にみられるように、感受性の高低によっても毒性は異なります。
本展では動物、植物、菌類、そして鉱物や人工毒など、自然界のあらゆるところに存在する毒について、動物学、植物学、地学、人類学、理工学の各研究分野のスペシャリストが徹底的に掘り下げ、国立科学博物館ならではの視点で解説していきます。毒をテーマにした特別展は、国立科学博物館では初めての開催となります。
自然界、そして人間の社会にはさまざまな毒が存在します。毒とそれに関わる生物との関係を知ることは、自然界の神秘と驚きに満ちた一面を知ると共に、現代社会を生きるうえで大きな助けとなると考えています。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 新幹線
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第1章「毒の世界へようこそ」では、毒とはいったいどのようなものかをパネルや巨大模型を使って説明されています。開場(9:00)と同時の入場ですが、結構、混雑しています。
国立科学博物館 美術館・博物館
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第2章「毒の博物館」では、私たちのまわりにある様々な毒を紹介します。生物が毒を持っている目的は、主に「攻めるため」と「身を守るため」です。狩り(捕食)のために使用する「毒」、自分を守るために存在する「毒」、様々な有毒生物の「毒」の働きなどを、拡大模型、剥製などの標本を使って説明します。
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実物の約40倍のオオスズメバチ
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ハブ毒はプロアテーゼを主成分としますが、200以上のさまざまな毒性タンパク質を含んでいます
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ハブ毒牙の30倍の拡大模型
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ハブはS字形にした体を瞬間的に伸ばすことによって、相手に咬みつき、全長の3分の2の距離までが攻撃範囲となるそうです
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実物の約30倍のハブ、大迫力です!!
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約100倍の大きさのイラガの幼虫模型
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アニメ「秘密結社鷹の爪」シリーズでおなじみの「鷹の爪団」が世界征服に使えそうな毒を探索するついでに、会場内のあちこちに登場して毒の世界に対して面白いコメントを残してくれています。
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植物の毒いろいろでは、日本の三大有毒植物や世界の有毒植物などが紹介されています
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ドクウツギ。トリカブト、ドクゼリと並んで日本三大有毒植物の一つとされます。神経毒であるコリアミルチン、ツチン、コリアリンを含んでいます。誤食すると目まいや頭痛、重症になると全身麻痺、昏睡し死に至ります。特に果実は毒性が強く、美しく、甘みもあるので食用と間違える事故が多発しています。
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トリカブトは高さが1メートル内外の多年草で、茎は3から5裂します。8月から11月にかけて青紫色のかぶと形の花を咲かせます。根は、三角錐の形をした塊根で、古くは狩猟の毒矢に利用されました。日本には数多くのトリカブト類が自生します。
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ドクゼリは草丈1mに達する大形の多年草で、水辺や沼地などに自生します。地下茎は緑色で、短い節があり、節間が中空なのが特徴です。
全草にシクトキシンを含有し、誤食すると、嘔吐、下痢、けいれん、呼吸困難などの中毒症状を起こします。 -
世界最強の毒草「ゲルセミウム・エレガンス」です
原生地はインドから中国の南部。人間の致死量がトリカブト類のアコニチンが2-4mgに対しこちらは0.05mgという強力な毒性をもちます。 -
マチンの種子には猛毒のアルカロイドであるストリキニーネが含まれることから毒性や薬効を期待して利用されてきました
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身近な植物でもジャガイモの新芽やアジサイ、レンゲツツジの花蜜、ウメ・アンズなどの未熟果、ソテツの種なども有毒です
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続いて動物の毒のコーナーへ
まずは「毒虫」です -
日本最大級のムカデのトビズムカデです
積極的に人間に向かってくることはありませんが、毒を持っており、刺されると強い痛みが生じて患部が腫れあがります。複数回刺されるとアナフィラキシーショックが起こるリスクもあります。 -
自然分布としては、キョクトウサソリ科のマダラサソリは石垣島、西表島、宮古島、与那国島、及び小笠原諸島に分布します。ただし、本土でも港湾施設で輸入資材等の積荷に紛れ込んだ個体がしばしば確認されています
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一般にはタランチュラの名称でよく知られているオオツチグモ
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写真の「ハリアリ」のほか、「シュルツェマダニ」「マメハンミョウ」「ウシアブ」など様々な毒虫が展示されています
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多様なスズメバチ類
面白かったのは、「毒のカクテル」と表現される多様な化学物質がブレンドされた毒をもつハチにまつわる展示の一画にあった、「シュミット指数」についてのコラム。シュミット指数とは、アメリカのジャスティン・シュミット博士(1947-)が「どのハチに刺されるのが一番痛いのか」という疑問に対し、実際にハチに刺されてみることで痛みを相対的に数値化したもの!! -
ふぐの毒は、テトロドトキシンという物質です。
文献により差はありますが、テトロドトキシンは青酸カリの500から1000倍の毒性を示す猛毒であり、耐熱性があるため、通常の加熱調理では壊れません。
フグ自身はテトロドトキシンを作れず、海洋細菌のいくつかの種類に、テトロドトキシン産生が認められ、これらの細菌が、小型巻貝などに取り込まれ、フグがこれらを食べることにより毒を蓄積すると考えられています。 -
世界最大の毒ヘビ「キングコブラ」(全身骨格)は神経毒や細胞毒が含まれ、一咬みの毒の量が非常に多い
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コモドオオトカゲ
唾液に血液凝固阻害(血液毒)や血圧低下を引き起こす成分を含み、水牛のような自分よりも大きな獲物も咬み傷からの失血によって徐々に弱らせて捕食します -
マムシは、上顎に毒腺があり、先端に鋭い2本の毒牙を持っています。毒性は出血性で、咬まれると内出血を起こして、血管や筋肉が壊死します
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ガボンアダーは太い胴体と三角形の大きな頭部が特徴的な毒蛇で、アフリカ大陸に生息するクサリヘビ科の蛇の中では最も体が重く、動きが遅い事で知られています。
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ヤマカガシがアズマヒキガエルを食べることでアズマヒキガエルの毒を自分の体に取り込みます
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ビビットな色でいかにも毒があることがわかるヤドクガエル。最大でも4センチほどの大きさ
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ズグロモリモズ
世にも珍しい「毒をもつ鳥」。パプアニューギニアに生息し、羽や皮膚に「バトラコトキシン類」の毒があることが判明。なんで鳥なのに毒をもってるのかというと、常食するジョウカイモドキ科の昆虫がもつ神経毒に由来してるとのこと -
哺乳類で毒を有するものは少なく、カモノハシやスローロリスの仲間、ソレノドンの仲間が知られている。カモノハシは卵を産む哺乳類としても珍しい。オスは後肢に有毒な蹴爪を持つ
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イモガイ類の「アンボイナ」は強力な毒を持ち、獲物を速やかに殺して食べる。なおイモガイ類のつくる神経毒のひとつはモルヒネの1,000倍強力な鎮痛剤として実用化されています
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ハブクラゲ
クラゲやサンゴ、イソギンチャクなどの刺胞動物は、すべての種が刺胞と呼ばれる毒の注入装置をもっています -
海にも多くの有毒動物がいる。日本近海にも生息している「アカエイ」は尾びれに毒棘があります
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ゴンズイは、愛らしい外見とは裏腹に強い毒を持ち、胸ビレや尾ビレの棘が刺さると激しい痛みが襲い、最悪の場合には命を落とすこともあります
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オニダルマオコゼは体長が約40センチになるオニオコゼ科の魚です。全身がボコボコとしたコブ状の体表をしており、岩礁や砂などに擬態して生活しています。底生魚のため浮袋がなく、岩の隙間や砂の中でエサとなる小魚や甲殻類を待ち受けて捕食します。オニダルマオコゼは背びれに毒腺をもっています。オニオコゼ科の魚はどの種も毒を持っていますが、オニダルマオコゼの毒はその中でも最強。ストナストキシンと呼ばれる成分がオニダルマオコゼの毒の成分で、ハブ毒の30倍とも言われる非常に高い毒性を持っています。
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ハコフグ
フグの仲間ではあるが、皮膚以外には毒がない。
全身が骨盤でできた箱に覆われいて、断面は四角くくなっている。黄褐色の体に網目模様が入っており、成魚のオスは背側が鮮やかな青色。
独特な体型や、ヒレだけで泳ぐ可愛らしさから、観賞魚として飼われることもあります -
オニヒトデは、大型のヒトデで表面に多数のトゲがあり、ほとんどの個体はトゲの先端が赤色になっています。全体は青色~灰色で、オレンジ色の強い個体もいます。
好き好んで触る人はいないと思いますが、トゲには強力な毒があり大変危険です。 -
海岸で見られる有毒動物。「ガンガゼ」「トックリガンガゼモドキ」「スベスベマンジュウガニ」「ウモレオウギガニ」「クサフグ」「ハオコゼ」「ヒョウモンダコ」「ゴンズイ」
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ヒガゲシビレダケ
地球上に推定10万種以上とされる菌類(きのこ)の大半は、食べて毒かどうか不明とのこと。毒の場合は、痙攣、腹痛・下痢、幻覚症状、細胞破壊など様々な中毒症状を引き起こします -
オオワライタケは夏から秋、コナラ・シイなどの枯れ木に束になって発生するきのこ。
傘は発生した当時半球形をしていますが、成長とともに徐々に平らへと開いていき、直径15cmほどになる比較的大きな種類です。 -
コガネタケ(左)とヒメカタショウロ(右)
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ベニテングダケは、食後30分ほどで下痢,嘔吐,腹痛の胃消化器系の症状が現れ,めまい,錯乱,運動失調,幻覚,興奮,抑うつ,痙攣など神経系の症状も現れる。まれに,死に至ることもあります
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カヤタケ
北半球一帯に広く分布し食用にされる。日本の代表的な毒きのこのひとつ -
カエンタケ(ボタンタケ科トリコデルマ属)の毒性は非常に強く、誤って食べてしまうと死に至る可能性があります
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ドクツルタケは、林内の地上から発生する全体が白色のキノコで、ツバとツボがあるのが特徴です。誤って食べると、死亡することもある恐ろしいキノコです。
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ドクササコは,ナラタケとよく似ていますが,その名の通り食べると中毒を起こすキノコです
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間違われやすい毒きのこ
クサウラベニタケとウラベニホテイシメジ -
カキシメジとマツタケ
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ニガリクリタケとクリタケ
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無生物の世界にも毒は存在する。鉱物の中に存在する毒はその代表的なものだ。鉱石の中から目的の鉱物を取り出そうとした結果、副産物が水を汚染する例もあるし、毒性のある物質を利用する目的で抽出する場合もある。利用を意図した段階ではわからなくても、後で毒性が判明する場合もあります
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人間が作り出した毒もある。シラミやマラリアの駆除のために使用されたDDT や、工業的に利用されたPCB、プラスチック製品の焼却などによって生じるダイオキシンなどの物質は、POPs(Persistent Organic Pollutants)と総称される難分解性の物質だ。これらの多くは発がん性を始めとする毒性をもち、自然界では分解されない数mm程度のプラスチックの小さな粒(マイクロプラスチック)に吸着されて生物濃縮(食物連鎖を経て、連鎖の順番では後に位置する高次消費者の生物ほど毒が濃くなり、私たちの口に入る時にはかなりの濃度になること)され、他ならぬ私たちを苦しめる結果となっています
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第3章 毒と進化
コアラVSユーカリ ユーカリには毒性をもつ化学物質が多く含まれています。コアラはこのユーカリを食物とするため、毒に対抗する様々な特徴を発達させた動物です。 -
コブラの毒にも耐えるラーテル
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第4章「毒と人間」
本章では「毒と人間」をテーマに、太古から近現代にわたる「毒」と人間の関わりを考えます。
狩猟や戦、処刑や暗殺、また「毒」を研究することにより薬を生み出すなど、私たち人間は毒と向き合い、その正体や本質に迫りながら、毒を利用する方法を次々と編み出してきました。人間の歴史において、そして人間にとって、毒とはどんな存在だったのでしょうか?さらに、科学の進歩による「毒」の解明、その利用などの「毒」の研究も紹介します。写真は毒殺されたソクラテス -
毒展の図録
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ともちゃん、ベニテングダケのぬいぐるみ買ってもらって大喜び!!
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この旅行記へのコメント (1)
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- norisaさん 2023/12/10 17:07:57
- 特別展「毒」!
- +mo2さん
こんばんは。
特別展「毒」なんていう展示があるのですね。
特に殺人に興味あるわけではありませんが(苦笑)面白いですね。
写真撮影可能というのもありがたいですね!
参考になりました!
norisa
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