2022/07/02 - 2022/07/02
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+mo2さん
ドイツ・ドレスデン出身の現代アートの巨匠、ゲルハルト・リヒター。その個展が、日本では16年ぶり、東京では初めて、東京国立近代美術館で開催されています。ゲルハルト・リヒターは、現在、世界で最も注目を浴びる重要な芸術家のひとりであり、「ドイツ最高峰の画家」と呼ばれています。
今年は、4月9日(土)~9月6日(火)に開催されている「ポーラ美術館開館20周年記念展 モネからリヒターへ ― 新収蔵作品を中心に」や6月4日(土)~9月11日(日)開催の「国立西洋美術館リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで」などでリヒターの作品を見る機会ありましたが、待望の個展を楽しんできました。なお、今回、展覧会は一部を除き写真撮影OKでした。
【展覧会HPより】
リヒターは油彩画、写真、デジタルプリント、ガラス、鏡など多岐にわたる素材を用い、具象表現や抽象表現を行き来しながら、人がものを見て認識する原理自体を表すことに、一貫して取り組み続けてきました。ものを見るとは単に視覚の問題ではなく、芸術の歴史、ホロコーストなどを経験した 20世紀ドイツの歴史、画家自身やその家族の記憶、そして私たちの固定概念や見ることへの欲望などが複雑に絡み合った営みであることを、彼が生み出した作品群を通じて、私たちは感じ取ることでしょう。
※いつものように、展覧会の写真の枚数多くなってしまいましたので旅行記分割いたします。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 新幹線
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開館の10時前に東京国立近代美術館に到着、今日も暑い1日です。
東京国立近代美術館 美術館・博物館
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楽しみにしていたゲルハルト・リヒター展、実は6月4日に東京国立近代美術館に行っています・・・案内を見ると「予告」の文字が!!何と開幕日を間違えてました(笑)ということで再訪になります。
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会場構成は、章構成や順路はなく、新旧や具象・抽象の絵画が入り乱れるように6つの空間に展開されており、鑑賞者は自由にリヒターの作品と対峙していく事になります。また、今回の展覧会、一部を除き写真撮影OKとなっていました。
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まず、近年の最重要作「ビルケナウ」から
ゲルハルト・リヒター「ビルケナウ」左から(CR: 937-1)(CR: 937-2)(CR: 937-3)(CR: 937-4)2014年 ゲルハルト・リヒター財団蔵 -
幅2メートル、高さ2.6メートルの作品4点で構成される巨大な抽象画「ビルケナウ」は、ホロコーストを主題としており、近年の重要作品とみなされています。出品作品のなかでも最大級の絵画作品である本作は、日本初公開となります。
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「ビルケナウ」は、もともとは写真をベースにした4枚組の抽象絵画。第二次世界大戦中にアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所で撮影された写真をプロジェクターで投影して、その影をなぞって描いた上黒と白、少しの赤と緑の絵具を使い幾重にも塗っています。
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「ビルケナウ」(CR:937-2)
画面の下層に潜む図像はまったく見えませんが、題名や並置された写真の複製、傷痕のように削り取られた絵肌がホロコーストの蛮行へ想像を向けさせます。 -
大きな横長の鏡の作品「グレイの鏡」を伴って展示されています。
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「ビルケナウ」(CR:937-4)
リヒターは、1960年代以降、ホロコーストという主題に何度か取り組もうと試みたものの、この深刻な問題に対して適切な表現方法を見つけられず、断念してきました。2014年にこの作品を完成させ、自らの芸術的課題から「自分が自由になった」と感じたと作家本人が語っているように、リヒターにとっての達成点であり、また転換点にもなった作品です。 -
絵画と全く同寸の4点の複製写真が向かい合うように展示されています。
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「ビルケナウ」(写真ヴァージョン)
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「鏡、血のような赤」1991年
「把握することなく、見ること」。リヒターは1967年以降繰り返し用いてきたガラスや鏡について、こう語ったことがあります。それは、彼が写真を「構図も判断のない、純粋なイメージ」だと考えていることと重なっています。 -
「黒、赤、金」(CR856-7)1999年
黒、赤、金の三色は、ドイツ国旗の色 -
「8枚のガラス」2012年 ワコウ・ワークス・オブ・アート蔵
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8枚のガラス板の角度を変えて重なるように設置した本作は、周囲の作品や人々を写し込み、透かし見せ、光を乱反射します。
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「アブストラクト・ペインティング」1992年
「アブストラクト・ペインティング」は、1976年以降、40年以上描き続けられているシリーズです。80年代中頃にリヒターは大ぶりなスキージ(へら)で絵具を塗り、そして削るという技法を確立しました。近年では小さなキッチンナイフも用いることで、これまで以上に細やかな調子の変化を画面に見てとることができます。 -
「アブストラクト・ペインティング」1992年(部分拡大)
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「アブストラクト・ペインティング」2016年(CR946-1)
「アブストラクト・ペインティング」2017年(CR952-3) -
「アブストラクト・ペインティング」2016年(CR946-1)
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「アブストラクト・ペインティング」2016年(CR946-1)部分拡大
スキージ(大きなヘラ)を用いて絵具を伸ばし削るということですが、近くで見ると細かいことがわかります。 -
「アブストラクト・ペインティング」2017年(CR952-3)
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入場してすぐの部屋の左壁には、40×30cmの小サイズの「アブストラクト・ペインティング」が7点展示されてました。
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「アブストラクト・ペインティング」2016年(CR944-1)
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「アブストラクト・ペインティング」2016年(CR944-2)
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「アブストラクト・ペインティング」2016年(CR944-3)
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「アブストラクト・ペインティング」2016年(CR944-4)
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「アブストラクト・ペインティング」2016年(CR944-5)
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「アブストラクト・ペインティング」2016年(CR944-6)
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「アブストラクト・ペインティング」2016年(CR944-7)
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大きなサイズ(200×200cm)の「アブストラクト・ペインティング」が並びます。
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「アブストラクト・ペインティング」2017年(CR952-2)
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「アブストラクト・ペインティング」2016年(CR946-2)
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「アブストラクト・ペインティング」2016年(CR946-2)(部分拡大)
熱帯の昆虫や蘭のような毒々しい色彩です。 -
「アブストラクト・ペインティング」2017年(CR952-4)
200×250cmの大きなサイズの「アブストラクト・ペインティング」 -
「アブストラクト・ペインティング」2000年(CR865-2)
地味な色彩の「アブストラクト・ペインティング」 -
こちらは、別室に展示されていた「アブストラクト・ペインティング」120×85cmのサイズです。
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「アブストラクト・ペインティング」2017年(CR949-1)
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「アブストラクト・ペインティング」2017年(CR949-2)
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「アブストラクト・ペインティング」2017年(CR949-3)
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「アブストラクト・ペインティング」2017年(CR951-4)
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「グレイ」1976年(CR401)
1960年代後半、キャンパスを灰色の絵の具で塗り込めるグレイ・ペインティングと呼ばれるシリーズが登場します。 -
グレイ(樹皮)1973年(CR348-7)
グレイの中でも樹皮とタイトルされた作品 -
「4900の色彩」と「グレイ・ペインティング」が展示されている部屋です。
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「4900の色彩」2007年(CR901)
1966年に初めて制作された「カラー・チャート」シリーズに連なる作品です。当初は、絵具の見本帖をもとに描かれましたが、この作品は25色で構成された約50cm四方の正方形のカラーチップ、全196枚からなり、空間に合わせて異なる展示方法がとられます。その並びによってなんらかの像や意味が生じることはありませんが、鮮烈な色彩の印象を見る者に与える作品です。 -
「4900の色彩」2007年(CR901)
2000年代にケルン大聖堂のステンドグラスのデザインを依頼されたリヒターは、かつて集中的に手がけたカラーチャートのシリーズを取り上げました。 -
「4900の色彩」2007年(CR901)(部分拡大)
既製品の色見本の色彩を、偶然にしたがってレイアウトした作品です。 -
こちらも「ビルケナウ」と同じく鏡を伴って展示されています。
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「鏡」1986年
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(左)「アブストラクト・ペインティング」2000年(CR868-2)
(右)「グレイ」1973年(CR348-3) -
「アブストラクト・ペインティング」2000年(CR868-2)
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