2022/07/02 - 2022/07/02
343位(同エリア4427件中)
+mo2さん
ドイツ・ドレスデン出身の現代アートの巨匠、ゲルハルト・リヒター。その個展が、日本では16年ぶり、東京では初めて、東京国立近代美術館で開催されています。今年は、4月9日(土)~9月6日(火)に開催されている「ポーラ美術館開館20周年記念展 モネからリヒターへ ― 新収蔵作品を中心に」や6月4日(土)~9月11日(日)開催の「国立西洋美術館リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで」などでリヒターの作品を見る機会ありましたが、待望の個展を楽しんできました。なお、今回、展覧会は一部を除き写真撮影OKでした。
東京国立近代美術館 ゲルハルト・リヒター展へ行ってきました(1)
https://4travel.jp/travelogue/11764477
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
PR
-
「ヴァルトハウス」2004年(CR890-1)
風景はゲルハルト・リヒターが絵画、写真、素描、フォト・コラージュ、オイル・オン・フォトなどのさまざまなメディアによって、1963年以降、絶え間なく描き続けているモティーフです。 -
「ユースト(スケッチ)」2005年(CR893-2)
-
「1945年2月14日」2002年(CR881-1)
-
「不法に占拠された家」1989年(CR 695-3)
-
「アブストラクト・ペインティング」1999年(CR857-3)
-
フォト・ペインティングの作品が続きます。
-
「頭蓋骨」1983年(CR548-1)
「フォト・ペインティング」とは、リヒターが展開した美術手法で、雑誌や新聞などに掲載された白黒写真のイメージを、精密にコピーしたうえで微妙にぼかし、絵画に落とし込むというものです。 -
「花」1992年(CR764-2)
-
写真を忠実に描くことで、絵画を制作する上での約束事や主観性を回避し、代わりに写真の客観性やありふれたモチーフを獲得する「フォト・ペインティング」と呼ばれる絵画のシリーズのひとつです。刷毛で表面を擦ることで生じた「ぼけ」は、絵画と写真とのあいだで、イメージのもっともらしさや客観性とは何かと考えさせます。
-
「モーリッツ」2000/2001/2019年(CR863-3)
-
「エラ」2007年(CR903-1)
フォト・ペインティングが、単なる写真の写し画と違うのは、その不鮮明でボケたような仕上がりです。リヒターは、写真を忠実に写しとった後に、布や絵筆等を使って表面をこすり、わざと輪郭をぼかす作業を行いました。そうすることで、ピントの合っていない写真のような仕上がりになります。 -
「トルソ」1997年(CR844-1)
-
「水浴者(小)」1994年(CR815-1)
-
ゆっくりと鑑賞することができました。
国立新美術館 美術館・博物館
-
「ヨシュア」2016年(CR946-3)
-
「ヨシュア」(部分拡大)
-
「ストリップ」2013-16年(CR930-3)
ストリップはデジタルプリントのシリーズです。1990年に制作された絵画をスキャンし、デジタル画像を細い帯にし、横方向に展開。単なる色の線の集積のような作品にしています。 -
「ストリップ」(部分拡大)
-
「ストリップ」(部分拡大)
-
(左)「アンテリオ・ガラス」2002年
(右)「グレイの縞模様」1968年 -
グレイペインティング
1960年代後半に始まった、グレイの色彩で画面を覆うシリーズについて、リヒターはグレイの色彩を「なんの感情も、連想も生み出さない」「「無」を明示するに最適な」色と表現しています。しかしグレイといっても作品によって色の調子や筆致が微妙に異なり、豊かなヴァリエーションを生み出しています。 -
「3月」1994年(CR807)
-
「モーターボート (第1ヴァージョン)」1965年(CR: 79a)
-
「モーターボート (第1ヴァージョン)」(部分拡大)
-
「鏡、グレイ」1991年
-
「ルディ叔父さん」2000年(ED CR111)
この写真作品で、リヒターは油彩画の筆跡を見せないようにあえてソフトフォーカスにしています。つまり絵画を忠実に複製するための写真ではなく、あえてピントをずらすことで、もともとのオリジナル写真に近づいているともいえます。 -
「8人の女性見習看護師(写真ヴァージョン)」1966/1971年(CR: 130a)
この作品はフォトペインティングとして、ある事件で亡くなった8人の看護学生の事件を扱った新聞記事の写真をもとに1966年に描かれたポートレイトですが、今回展示されるのは1971年に作られたフォトエディション。 -
「オイル・オン・フォト」とは、1980年代後半から作られ始めた写真に油絵具などを塗りつけたシリーズです。ほとんどの場合、日付が作品名になっています。絵具は写真のイメージを覆い隠し、物質的な存在感を強調します。一方、写真の再現性に比してその上に塗布される絵具はいつも抽象的です。写真と絵具が混じり合うことなく、同一の平面上に並置されるこのシリーズは、小さいながらもリヒターの創作の核心を端的に提示してくれるものでしょう。
-
「1998年2月13日」1998年
-
「1998年2月14日」1998年
-
「1998年2月28日」1998年
-
「1999年11月9日」1999年
-
「1999年11月17日」1999年
-
「2005年6月20日」2005年
-
「2007年5月11日」2007年
-
「2008年2月15日」2008年
-
「2009年6月2日」2009年
-
「2014年11月22日」2014年
-
「2014年11月23日」2014年
-
「2014年12月8日」2014年
-
「2015年1月24日」2015年
-
「2015年2月2日」2015年
-
「2015年3月3日」2015年
-
「2015年4月10日」2015年
-
「2015年4月28日」2015年
-
「2015年7月14日(2)」2015年
-
「2015年7月23日(3)」2015年
-
「2016年6月8日(7)」2016年
-
「2016年6月8日(8)」2016年
-
「2016年6月22日(2)」2016年
-
「2016年6月25日(1)」2016年
-
「2016年7月2日(3)」2016年
-
テート・モダンの来館者を撮影した写真をベースに制作されたシリーズ「Museum Visit」より「MV133」2011年
-
「MV138」2011年
-
「MV140」2011年
-
「MV142」2011年
-
ガラス板に塗料を転写した「アラジン」のシリーズもまとまった点数が紹介され、絵画表現を巡る多様な試みを伝えます。
-
「アラジン」2010年(CR913-13)
-
「アラジン」2010年(CR913-14)
-
「アラジン」2010年(CR913-17)
-
「アラジン」2010年(CR913-18)
-
「アラジン」2010年(CR913-19)
-
「アラジン」2010年(CR913-20)
-
「アラジン」2010年(CR913-24)
-
「アラジン」2010年(CR913-26)
-
「アラジン」2010年(CR913-30)
-
「アラジン」2010年(CR913-37)
-
「アラジン」2010年(CR913-40)
-
ドローイング
一般的にドローイングとは絵画を描くための下絵、あるいは構想といった役割を果たすことが多いですが、今回出品されるリヒターのドローイングは、断片的な線や面を画面全体に配した、抽象的なものです。抽象的なドローイングは《アブストラクト・ペインティング》を開始した1976年以降、断続的に描かれるようになりました。製図のような直線、円、細やかな陰影は、何かを表しているわけではないようですが、じっと眺めていると、風景のようにも見えてきます。 -
2021年3月30日(2)2021年
ゲルハルト・リヒターは、1932年、ドイツ東部、ドレスデンに生まれました。ベルリンの壁が作られる直前、1961年に西ドイツへ移住し、デュッセルドルフ芸術アカデミーで学びます。 -
2021年6月28日 2021年
リヒターは、ポンピドゥー・センター(パリ、1977年)、テート・ギャラリー(ロンドン、1991年)、ニューヨーク近代美術館(2002年)、テート・モダン(ロンドン、2011年)、メトロポリタン美術館(ニューヨーク、2020年)など、世界の名だたる美術館で個展を開催。現代で最も重要な画家としての地位を不動のものとしています。 -
2021年5月29日 2021年
-
2021年6月1日 2021年
-
2021年6月10日 2021年
-
2021年6月11日 (2)2021年
-
2021年6月13日 2021年
-
2021年6月20日 2021年
-
2021年6月24日 2021年
-
2021年6月25日 2021年
-
2021年7月9日 2021年
-
2021年7月14日 2021年
-
2021年7月17日 2021年
-
2021年7月18日 2021年
-
2021年8月12日 2021年
-
2021年8月13日 2021年
-
2021年8月14日 2021年
-
2021年8月15日 2021年
-
2021年8月16日 (2)2021年
-
2021年8月17日 2021年
-
2021年9月17日 2021年
日本の美術館におけるリヒターの個展は、2005~2006年にかけて金沢21世紀美術館・DIC川村記念美術館で開催されて以来、16年ぶりになります。 -
2021年9月18日 2021年
-
2021年10月4日 2021年
-
2021年10月5日 2021年
-
出口近くに並ぶのは2021年に制作したドローイング25点。2017年以降リヒターはもう絵画を制作しないと宣言しましたが、いまもドローイングは描き続けており、その絶妙な線描と陰影は極めて魅力的です。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
旅行記グループ
2022 美術館・展覧会
-
前の旅行記
東京国立近代美術館 ゲルハルト・リヒター展へ行ってきました(1)
2022/07/02~
丸の内・大手町・八重洲
-
次の旅行記
「化石ハンター展 ~ゴビ砂漠の恐竜とヒマラヤの超大型獣~」へ行ってきました(1)
2022/08/09~
上野・御徒町
-
山梨県立美術館 今年もミレー館で写真撮影してきました
2022/01/02~
甲府
-
2022.1 東京国立博物館 特別展「ポンペイ」【1】ポンペイの街ー公共建築と宗教
2022/01/22~
上野・御徒町
-
2022.1 東京国立博物館 特別展「ポンペイ」【2】ポンペイの社会と人々の活躍、人々の暮らし
2022/01/22~
上野・御徒町
-
2022.1 東京国立博物館 特別展「ポンペイ」【3】ポンペイ繁栄の歴史
2022/01/22~
上野・御徒町
-
メトロポリタン美術館展、フェルメールと17世紀オランダ絵画展などを巡ってきました
2022/02/19~
上野・御徒町
-
2022.3 妹と甥っ子と東京国立博物館へ
2022/03/12~
上野・御徒町
-
シダネルとマルタン展、メトロポリタン美術館展と桜をみてきました。
2022/03/27~
新宿
-
GW美術館巡り~スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たちなど
2022/04/30~
上野・御徒町
-
甲府 フランソワ・ポンポン展と寺社、ワイナリー巡り
2022/05/28~
甲府
-
国立西洋美術館リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで
2022/06/04~
上野・御徒町
-
兵馬俑と古代中国 ~秦漢文明の遺産~(1)統一前夜の秦
2022/06/18~
静岡市(葵区・駿河区)
-
兵馬俑と古代中国 ~秦漢文明の遺産~(2)統一王朝の誕生~始皇帝の時代
2022/06/18~
静岡市(葵区・駿河区)
-
兵馬俑と古代中国 ~秦漢文明の遺産~(3)漢王朝の繁栄
2022/06/18~
静岡市(葵区・駿河区)
-
東京国立近代美術館 ゲルハルト・リヒター展へ行ってきました(1)
2022/07/02~
丸の内・大手町・八重洲
-
東京国立近代美術館 ゲルハルト・リヒター展へ行ってきました(2)
2022/07/02~
丸の内・大手町・八重洲
-
「化石ハンター展 ~ゴビ砂漠の恐竜とヒマラヤの超大型獣~」へ行ってきました(1)
2022/08/09~
上野・御徒町
-
「化石ハンター展 ~ゴビ砂漠の恐竜とヒマラヤの超大型獣~」へ行ってきました(2)
2022/08/09~
上野・御徒町
-
2022.8 甥っ子を連れてMOA美術館へ ~キラキラ☆ゴールデンびじゅチュ館
2022/08/12~
熱海
-
ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展(1)パブロ・ピカソ
2022/10/23~
上野・御徒町
-
展覧会 岡本太郎 に行ってきました(1)
2022/10/23~
上野・御徒町
-
展覧会 岡本太郎 に行ってきました(2)
2022/10/23~
上野・御徒町
-
展覧会 岡本太郎 に行ってきました(3)
2022/10/23~
上野・御徒町
-
ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展(2)パウル・クレー
2022/10/23~
上野・御徒町
-
ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展(3)マティス、ジャコメッティ、ピカソ
2022/10/23~
上野・御徒町
-
縄文―JOMON―展 “縄文王国”山梨の土器・土偶と写真家 小川忠博の縄文像(1)
2022/11/03~
甲府
-
縄文―JOMON―展 “縄文王国”山梨の土器・土偶と写真家 小川忠博の縄文像(2)
2022/11/03~
甲府
-
パリ・オペラ座~響き合う芸術の殿堂と京橋千疋屋でパフェ
2022/11/19~
丸の内・大手町・八重洲
-
ヴァロットン ― 黒と白とTHE CAVE DE OYSTER
2022/11/19~
丸の内・大手町・八重洲
-
2022.11 特別展「毒」へ行ってきました
2022/12/17~
上野・御徒町
旅行記グループをもっと見る
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
この旅行で行ったスポット
丸の内・大手町・八重洲(東京) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ 2022 美術館・展覧会
0
94