旧太子駅跡の見学と雨天の草津温泉旅＜森から生まれる虹を初めて見ました＞

2025/11/09 - 2025/11/10

お陰様をもちまして、10月8日に60万回目の訪問を受けました。FUKUJIROの旅行記をお読みいただきました皆様に厚くお礼申し上げます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
さて今回の草津行きの一週間ほど前にJR吾妻線の終着駅である大前駅を訪れましたが、昭和20年（1945年）1月2日に旧国鉄の長野原線が開通した際には、長野原駅（現在の長野原草津口駅）から群馬鉄山の鉄鉱石運搬の専用線が延びていました。
大東亜戦争末期の資源不足の情勢から、群馬鉄山は昭和19年（1944年）12月25日に開山し、昭和41年（1966年）まで露天掘りによる採掘を行っていました。
そのときの終点が旧太子駅でした。昭和27年（1952年）に旧国鉄に移管、昭和29年より旅客運行が開始されました。
群馬鉄山の閉山に伴い、住民による存続運動が続けられたものの昭和45年（1970年）11月1日に太子駅～長野原駅間は休止となりました。
その翌年、昭和46年3月7日に長野原駅～大前駅間が延伸開業し、路線名を吾妻線に改称。昭和47年3月には太子駅～長野原駅間は正式に廃線となりました。
地元の中之条町では平成25年より旧太子駅の復元事業を実施しました。

エリア 中之条(群馬)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.5
• ホテル: 3.0
• 交通: 3.5

• 同行者: 家族旅行
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 自家用車 徒歩

渋川伊香保ICを降りると、曇り空の中に榛名山が見えました。

JR吾妻線の線路を潜ります。

八ッ場ダムが見えました。

八ッ場ダム。

長野原めがね橋。
2連のアーチ橋で、橋長388m、幅員16mの車道に3.00mの歩道があります。

長野原草津口駅の近く、高架は、群馬県道476号線。

白砂川に沿って国道292号線を北上します。

中之条町にある旧太子駅跡に着きました。

平成30年（2018年）に復元した木造平屋建て約96m2の駅舎です。

旧太子駅の標高は730ｍ位。
長野原草津口駅の標高が596mなので、約130mの標高差があります。
長野原駅と旧太子駅を結んでいた太子支線は全長5.8kmだったので、平均22パーミルの路線でした。

真っ赤なサルビアが咲いていました。

駅舎は資料館となっています。
駅の窓口で入場料（大人200円）を払います。

昭和45年の運賃表。
東京電環は山手線のこと。

薪ストーブ。

蒸気機関車D51528の模型。

太子地区保安図。
たくさんの施設がありました。
鉄鉱石を山から運ぶための索道もありました。

硬券のコレクションがありました。

渋川から長野原までが電化された後は、長野原～太子間をディーゼル列車が1日5往復していました。

長野原変電所のプレート。
復元工事の際に、地中に埋もれていたものを発見しました。

太子駅周辺の手書き地図。
駅の周りには商店や飲食店が並んでいました。
ちなみにYAHOOの地図を見ると、中屋食堂さんは現存しているようです（たぶん国鉄官舎のあった辺り）。

チャツボミゴケの化石。

太子駅に向かう貨物列車（昭和35年頃）。

山中の採掘場まで約8kmの索道も伸びていました。

駅舎の西側には貯炭場があったようです。

中之条町ではかつての六合村にあった旧太子駅を戦中戦後における遺産群として、平成25年より「中之条町六合地区産業遺産群」の復元保存を進めました。
その大部分が埋没していた「旧太子駅ホッパー棟」は、令和3年（2021年）2月4日に登録有形文化財に登録されました。

ホッパーは鉱石などを出荷・積込まで蓄えておくための設備です。
倉庫と積出の設備を兼ねているので、線路や道路の上に作られています。

真下に貨車を停めて、上部の穴から効率よく積み込みを行いました。

駅構内には1面2線のホームが復元され、保存車両があります。
レール長約215m、ホーム長約70m。

車掌車のヨ6720。京都市の大宮交通公園に保存されていたものを移設しました。

車内に立ち入ることもできますが、内部はがらんどうでした。

ワフ2・ワフ3は大井川鐡道の井川線で走っていた車両を移設しました。

鉄鉱石は、東京を通り過ぎて京浜工業地区へ運ばれていました。

当時の駅名標も再現されています。

静岡電気鉄道から移設されたト111。昭和12年に製造された国鉄初の鋼製無蓋車です。

JR四国の研修所でで使われていた旧国鉄の無蓋車両トラ51862。かなり朽ちています。

南端には黄色いモーターカー。

三井三池炭鉱の専用線で使われていた保線車両です。

車両を移動する際に使うアント、ANT15W型。昭和58年（1983年）製造。

ホッパー棟と無蓋貨車・

ホッパー棟を背後に、ホームと駅名標。

車止めと駅舎。

鉄鉱石。

太子駅跡から先へ進んでも草津町へ行けるのですが、かなりの山道＆雨天＆妻の運転なので山を下ります。
白砂川の左岸に重要伝統的建造物群保存地区（重伝建）として選定されている赤岩集落（中之条町六合赤岩伝統的建造物群保存地区）が見えました。
旧・六合村を構成していた「赤岩」・「日影」・「小雨」・「生須」・「太子」・「入山」の6大字の一つでした。

赤岩集落の標高は約690～710m、近代養蚕技術の導入によって発展した集落ですが、その頃の特徴的な建造物が数多く残っています。
重伝建地区の選定範囲は東西約1,070m、南北約930m、面積は63haもあります。また、「かかあ天下－ぐんまの絹物語－」の構成文化資産として日本遺産にも認定されています。

いったん群馬大津駅の近くまで戻りました。

大津交差点。

浅間・白根道路（国道292号線）を北上して草津町へ向かいます。

草津温泉の中心部にある湯畑観光駐車場まで来ました。

雨が降り続いていましたが、とりあえず湯畑を見ました。

湯畑。

湯畑の周辺。
雨天にもかかわらず人出が多くありました。

手湯。飲用不可。

草津温泉ホテルニュー紅葉の外観（翌朝撮影）。
建物はかなり古く館内は老朽化していますが、この冬にリニューアル工事をするようです。

温泉に浸かり、一休みしてから夕食バイキング。
ファミリー向けの無難な取り合わせですが、小鰭が美味しいのでおすすめです。
アルコール類ワンドリンクがサービスでした。追加のアルコール類も一杯330円と安かったので驚きました。

朝風呂を浴びてから部屋に戻ると明るくなっています。
北北西へ約500mの所に草津温泉スキー場が見えています。
写真を撮ったときには気づかなかったのですが、うっすらと虹が写っていました。

数分後、きれいな虹が出現しました。

ものの本によると虹は円形をしていると書かれているのですが、この虹は森の中から出ています。

虹って、地面から生えているものでしょうか。

森の中から生まれた虹を初めて見ました。
こんな珍しい経験は2度とないと思います。
このときは霧雨、気温は5℃。
昔話では、地面と接する場所には金銀財宝が眠っているらしいのですが。。。

朝食バイキング。
ビジネスホテルと同じような感じのメニューでした。夜に提供されていたカレーが朝はなかったので、これは残念でした。
2食ついて、温泉入って、都内のビジネスホテルよりも安いのですから、大変ありがたいです。

チェックアウトのときには雨が強くなってきたので草津の散策を諦めて麓へ降りることにしました。

草津運動茶屋公園道の駅に立ち寄ってお土産を購入しました。道路を渡る橋を兼ねている展望台です。

草津温泉の顔はめパネルで一人ずつ記念撮影しました。

きれいに紅葉しています。

きれいに黄葉しています。

長野原まで戻ると、やっと雨が上がりました。
丸岩大橋から吾妻川の上流方向。

東吾妻町にある道の駅あがつま峡。
吾妻峡温泉天狗の湯。平成22年４月28日に開業しました。
【営業時間】10:00～21:00（最終受付は20:30まで）
【定休日】毎月第2火曜・1/1～1/3
【風呂】男湯・女湯（内湯・露天風呂・寝湯）、貸切風呂。
カルシウム・ナトリウム・硫酸塩・塩化物温泉（低張性弱アルカリ性温泉）。

芦鞍山（天狗山）は快晴です。
道の駅あがつまの南側にそびえる山で、標高は895m。
山頂にはお宮と三角点があり、榛名・赤城・高間・吾嬬・薬師岳の各峰が望めるそうです。

天狗の湯の後ろには吾妻峡温泉・天狗の足湯があります。
10時から日没までの間、毎日利用できます。無料です。
ただし、夏場は足水です。

FUKUJIROの足湯姿。
とっても気持ちのよい足湯でした。

忍者の訓練ごっこをする場所（休日のみ営業）。

お食事処「あがつま亭」。
【営業時間】11:00～16:00（最終受付は15:30まで）
【定休日】1/1～1/3

あさの味（お土産屋さん）。

「あさの味」さんの名物、爆弾おにぎりです。
のり弁当味、しゃけ弁当味、からあげ弁当味、焼肉弁当味の４種類があります。
いずれも500円台。我が家では、のり弁当味とからあげ弁当味を2ヶずつ購入し、夕食にいただきました。
弁当1個分がまるごとおにぎりの中に詰まっていてびっくりでした。

地酒も売っています。

郷原駅へ続く赤い橋は、万年橋。

郷原駅～群馬原町駅間で吾妻線の電車と遭遇しました。

万座・鹿沢口行の電車でした。

東吾妻町原町の新井交差点に立つハート形土偶の像。
昭和16年（1941年）に東吾妻町の郷原遺跡で発掘された土偶は、ハート形であることや大胆なプロポーションが美術界で注目を集めました。
岡本太郎氏は土偶などの縄文文化や造形物にインスパイアされたと言われ、確かにそん感じがします。
昭和40年（1965年）に国重要文化財に指定されました。

東吾妻町役場。
温泉センターや健康増進棟、コンベンションホールなどがあった「岩櫃ふれあいの郷」を増改築して町役場も移転、平成31年1月から新庁舎を共用しました。
戦国武将真田氏ゆかりの地である岩櫃城下町のシンボルとして城の外観を模した特徴ある造りです。

中之条町市城。またも中之条町を走行中です。
この辺りは町の南部で、中之条町は東西約35km、南北約23kmと広く、北端は新潟県と接し、北西では渋峠付近で日本国道最高地点の標高2,172ｍを通って長野県へ抜けています。

渋川伊香保インターから上越自動車道に入り、上里SAまで走って、少し遅い昼食にしました。FUKUJIROは豚角煮丼をいただきました。トロトロの角煮がとても美味しかったです。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。