2019/03/08 - 2019/03/15
163位(同エリア946件中)
ポポポさん
カルナック神殿の観光が終わると次はルクソール神殿の観光かと思いきや神殿の横を通り過ぎてまずはルクソール市内のレストランで昼食。その後はナイル川を渡りルクソール西岸へ。王家の谷の観光が先のようです。
古代エジプトでは太陽が昇るルクソール東岸は生者の町、太陽が沈む西岸は死者の町(ネクロポリス)と呼ばれていました。そのためナイル川の西岸には王や王妃の墓、政府高官や富裕層の人々私人墓が残されています。
今回のツアーではそのうちの王と王妃の墓を見学しました。
まずは王家の谷の入り口にあるメムノンの巨像から観光しました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 観光バス 船 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- 阪急交通社
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-
カルナック神殿の観光が終わって向かった先はルクソール市内のとある先。
ツアーバスの車窓からはルクソール神殿が見えてきましたが神殿には入らずにナイル川沿いを真っ直ぐに進んで行きました。
まず見えてきたのはオベリスクとルクソール神殿の第一塔門。塔門の前にはラメセス2世の巨像が並んでいます。ルクソール神殿 城・宮殿
-
ツアーバスはルクソール神殿の側を通り過ぎて行きました。
旅程表では最初の観光地は王家の谷でしたが、アランさんが案内してくれたのはカルナック神殿でした。
ではルクソール東岸から観光するのかと思ったらそうでもなさそうです。なぜならルクソール神殿は素通りですから。
どうもアランさんは旅程表は無視してともかく時間内に予定の観光先を効率よく回るつもりの様でした。
この後どこに行くのか説明がないため少々不安ですがアランさんに任せる外はありません。
バスの左車窓にはルクソール神殿の第一塔門に続くラメセス2世の中庭、大列柱廊が見えてきました。ルクソール神殿 城・宮殿
-
ルクソール神殿の真横です。左からオベリスク、ラメセス2世の巨像、第一塔門、ラメセス2世の中庭、大列柱廊の順に横一列に見えています。
ルクソール神殿 城・宮殿
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中央の大列柱廊の次にはアメンヘテプ3世の中庭が続きます。
ルクソール神殿 城・宮殿
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神殿を振り返ると第一塔門とラメセス2世の中庭の列柱が見えていました。
ルクソール神殿 城・宮殿
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アメンヘテプ3世の中庭に建っている列柱です。
ルクソール神殿 城・宮殿
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ツアーバスはルクソール市内のとあるビル前で停車しました。これから昼食だそうです。
レストランはビルの2階、「サン・ライズ」というレストランでした。 -
店内のラウンジの様子。バー・レストランなので店内はバーのラウンジとレストランの部分に分かれていました。
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食事はビュッフェスタイル。このレストランは料理の種類も量も豊富で果物も沢山ありました。
でも種類が多すぎてとても食べきれません。エジプトのホテルやレストランの中ではこのレストランが一番美味しかったと思います。
ところで本日のビールもステラです。ステラは口当たりが良く飲みやすいので女性の方にも人気のビールでした。私もステラのファンになりました。
値段はいくらだったかな。金額を控えていないのでいくらだったか思い出せませんが安かったと記憶しています。 -
レストランの壁際には料理がズラリと並べられていましたよ。
あ、そうそうスープで思い出した。この店のスープは抜群に美味しかったですね。
ツアーで利用するレストランの中では良いレストランでした。 -
食事が終わるとナイル川まで徒歩で移動。
渡船場というような場所は無く、川岸に停泊中の渡船から架け渡された板の上を歩いて船に乗り込みました。
ところがこの板の幅が狭いのです。船員が落ちないように補助してくれましたが、女性の方の中には落ちそうになった人もいました。 -
こうしてナイル川東岸を離れ死者の町である西岸へ向かいました。
太陽が上がるナイス川東岸は生者の町、太陽が沈む西岸は死者の町として区別されていました。
太陽神を信奉する古代エジプト人の死生観によるものですが、東洋の仏教思想にも通ずるものがあると感じました。
我々の感覚でいえばナイル川は三途の川、ナイル川東岸は此岸(この世)で西岸が彼岸(あの世)です。
洋の東西は違えど死生観というか根本的な部分は同じようですね。 -
ナイル川西岸の景色が見えますが、遠くから見ると殺伐とした感じでした。
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多分この方向が王家の谷でしょう。
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船はやや進路を変えて右の方に進んで行きます。たぶんこの方向に船着き場があるようです。
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こちらは東岸の景色。パッと見では東岸の方が繫華に感じられます。
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東岸の様子。沢山のファルーカ船が停泊していました。
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途中別の船着き場から出港した渡し船に遭遇。
日本人のツアー客でしょうか。それとも韓国人か台湾人のツアー客でしょうか。
大人しめの服装なので中国人ではなさそうです。 -
向こうの船の方が速度が早くて追い抜かれてしまいました。近くでその船を見てみると乗客は日本人ツアー客だということが分かりました。
どうして日本人だと分かったかって。そりゃ鞄を斜め掛けしているからですよ。
鞄を斜め掛けしているのは日本人だけだそうですよ。 -
ナイル川西岸の景色。
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ナイル川西岸の景色。もう少しで西岸へ接岸します。
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ナイル川東岸の景色。写真右端はルクソール神殿です。
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ルクソール神殿です。
ルクソール神殿 城・宮殿
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ナイル川西岸から見たルクソール神殿の景色。西岸からは神殿の全景が望めます。
船着き場で待機していたツアーバスに乗り込み王家の谷観光に出発。ルクソール神殿 城・宮殿
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ルクソール西岸の観光はメムノンの巨像から・・・。
メムノンの巨像はルクソール西岸の葬祭殿が並ぶ入り口にあります。この巨像の後ろには第18王朝のアメンヘテプ3世が建てた葬祭殿がありました。
アメンヘテプ3世はルクソール西岸に広さ330アールほどの広大な敷地にマルカタ王宮を造営しました。ここには王宮、政庁、役人たちの諸施設を建設しました。さらに王妃ティイのために長さ3㎞、幅0.9㎞の巨大な人工池(ビルカト・ハブ)を造り、王位の更新を祝うセド祭りでは、王の乗った「アテンの輝き」と言う名の御座船が人工池を巡ったという記録が残っているそうです。
3代前のトトメス3世の頃は覇権を巡って遠征に明け暮れた時代でしたが、アメンヘテプ3世の時代になると対外覇権熱も終わり、文化の爛熟期を謳歌していました。
その後アメンヘテプ3世はマルカタ王宮の北1.5㎞の地点にカルナック神殿よりも広かったと言われている葬祭殿を造り、その入り口に高さ2mほどの王の石像をたてました。
これがメムノンの巨像です。メムノンの巨像 建造物
-
メムノンの巨像のうち右の石像は夜明けに口笛のような音を発していました。そのため古代エジプトを旅したギリシア人はこの石像を「歌うメムノン」と呼んでいたそうです。
メムノンとはギリシア神話に出てくる暁の女神の息子です。夜明けに女神に悲しみを込めて挨拶していたという事でその声が泣き声のようにも聞こえたそうです。そしてこの石像も夜明けに口笛のような音を発していたため「歌うメムノン」と呼ばれました。
音を発する理由については風切り音や熱膨張など色々な原因が想像されましたが、その音を聞くために多くの旅行者が訪れました。
ところが3世紀のローマ皇帝セプティミウス・セウェルス帝が像の修復を行ってからは音が聞こえなくなったそうです。
さて、音を出す理由ですが、西暦27年の地震で右の像に亀裂が走りました。朝になると温度差や朝露の蒸発などで口笛のような音を発していたのではないかと今ではそのように考えられています。メムノンの巨像 建造物
-
ところでアメンヘテプ3世が造ったマルカタ王宮も葬祭殿も消滅していて現存しているのは2体の巨像と、マルカタ宮殿の南にローマ時代の小神殿が残されているのみです。
葬祭殿は第19王朝のメルエンプタハ王が、自からの葬祭殿を建築する資材として石材をことごとく持ち去ったからです。
以上が各文献などに書かれていることですが、実際は葬祭殿の跡地にはメムノンの巨像と同じような像がもう1体立っていました。
その像が写真の真ん中に写っている像です。メムノンの巨像 建造物
-
その石像をアップにしたものです。座像ですがファラオの像だと思われます。
石像の後ろにある石材などは現在発掘中のアメンヘテプ3世の葬祭殿跡です。アメンヘテプ3世の葬祭殿は広大な敷地の上の建てられていたため、葬祭殿の他には他のファラオが建てた葬祭殿等はありません。
石材を持ち去って建てられたメルエンプタハ王の葬祭殿はアメンヘテプ3世葬祭殿の右後ろに建てられています。したがってこの石像はアメンヘテプ3世葬祭殿内に建てられていた像に違いありませんし、石像はアメンヘテプ3世の像かもしれないのです。
アランさんの説明が無かったのでこの像は何なのか分かりません。旅行前にもっと勉強しておけばよかったと後悔しきりです。
このような疑問が湧いたので調べた結果次のようなことが分かりました。
現在アメンヘテプ3世葬祭殿復元プロジェクトが進行中で次のようなことが分かりました。
1 メムノンの巨像は4体あった。(新たに2体のメムノンの巨像が発見された。)
2 アメンヘテプ3世の妻ティイの巨像も発見された。
3 ライオンの頭を持つ戦争の女神セクメト像が84体、スフィンクスが2体発見された。
4 メムノンの巨像2体の後方100mの場所に新たに発見したメムノンの巨像2体を立てる計画である。
現在発掘調査と並行してメムノンの巨像4体を立ち上げる計画が進行中とのことでした。
つまり写真の石像は新たに発見されたメムノンの巨像(アメンヘテプ3世の巨像)だったのです。
いずれこの地には4体のメムノンの巨像が立ち、王妃ティイの巨像も並んで立つことになるのです。メムノンの巨像 建造物
-
これで疑問は一挙に氷解しました。
もう2体だけのメムノンの巨像の写真は撮れないんですね。今後2体だけの巨像の写真は貴重な写真になりそうです。
メムノンの巨像の後ろには新たに発見されたメムノンの像が立っていました。 -
メムノンの像はどちらも顔がつぶれています。後方の巨像も同じく顔が潰れていました。
葬祭殿や石像は低い位置に建てられていたため、当時再三起こったナイル川の氾濫で水浸しになり損傷が酷かったそうです。メムノンの巨像 建造物
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右側のメムノンの巨像。この像が夜明けに口笛のような音を発していた石像です。
メムノンの巨像の後はファラオ達の葬祭殿が並ぶ所を抜けて、王家の谷の入り口に移動しました。メムノンの巨像 建造物
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バスの車窓から見たクルナ村の風景。
クルナ村の周辺には政府高官や富裕な人々の私人墓が残されています。村の人々はその昔王墓の造営に関係した工人たちの子孫ではないかと考えられています。 -
クルナ村の風景。村の反対側(バスの右車窓)にはラメセス2世葬祭殿を始め、いくつもの葬祭殿の遺跡がありました。
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バスの左車窓からはいくつかの私人墓の入り口や洞窟墳の跡が見られました。
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四角い穴は私人墓の入り口です。この辺りには沢山の墓がありました。
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この辺りにも私人墓がありました。
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王家の谷入り口の駐車場に到着。
バスを降りてビジターセンターまで歩きますが、センターまでの道の両側には土産物店がびっしりと軒を連ねていました。
両側の店からは「ワンダラー、ワンダラー」と、もう慣れ親しんだ呼び声がけたたましいほどに聞こえてきました(笑)。 -
ここはビジターセンターの内部です。
建物の中には有料トイレがありました。料金は確か10EGP(約70円)だったと思います。1ドルでも支払えますがお釣りはもらえません。お釣りは多分チップで取られるんでしょう。EGPの場合はチップ不要で10EGPだけでした。
王家の谷の中にはトイレがありませんのでここで用足しされた方がいいと思います。
写真は王家の谷の模型。各王墓の位置が示してあります。さらに視線を模型の下部に向けると墓の内部の状況が分かる様になっていました。 -
ビジターセンターの周囲の壁には王墓の断面図やレリーフの作成方法や手順などが絵で紹介されていました。
-
それらの解説図や絵の中に日本語で書かれた壁画の解説図があったので写真に写しました。
わざわざ日本語の解説図があるという事は、日本人観光客が多いという事なのでしょうね。
ビジターセンターのある場所から王家の谷の入り口門まではカートに乗って行きます。どれでもいいので来たカートに乗って門の前で再集合するようアランさんから指示がありました。
王家の谷の入り口まではかなり距離がありました。これを歩くとなると大変です。カートに乗って行けたので楽ちんでした。 -
では王家に谷に入ります。一度は来てみたいと前から思っていた場所です。早く墓の中を見たいとやや興奮気味でした(笑)。
正面に見えるピラミッド型の山は王家の谷のシンボル、エル・クルン山。王家の谷の入り口は門の左側でした。 -
ここが王家の谷へ入り口です。左側に建物が見えますが、撮影券を持っていない人はここでカメラを預けないと中には入れません。
カメラを預けると引換券が貰えます。この引換券を帰る時に提示してカメラを受け取る方式でした。
スマホはカバンの中に入れておけば持ち込みが可能ですが、王墓の中では写真撮影はできません。
ガイドのアランさんからは何度もスマホで王墓の中を写してはいけないと注意がありました。
現在はスマホでの写真撮影は自由でしかも無料だという事ですが、私が旅行した時は厳しく制限されていました。
ただエジプト観光庁の写真撮影に対する取り扱いは理解できません。エジプトでは観光収入が重要な外貨獲得の手段な訳で、そのために外国人観光客から高額な撮影料を徴収しています。
スマホ撮影が自由でしかも無料という事ならだれもカメラで写真を写したりはしませんよね。誰もがスマホで写真を写すはずです。
そうすると観光収入がガタ減りすると思うのですが、なぜスマホだけが無罪放免なのか理解に苦しみます。 -
入り口から入場した所です。いよいよ王家の谷の観光スタート。
道なりに歩いて行くと右左に王墓の入り口がありました。我々はどの王墓に入場するのでしょうか。 -
谷の入り口から写したエル・クルン山の景色。この山の麓に王墓が多数造られているのです。
次回は王家の谷の観光です。ここではラメセス9世の王墓とツタンカーメンの王墓を観光しました。
ツタンカーメンの王墓は特別窟なので別に料金が必要でした。一般観光である王家の谷のチケットは200EGP。これで3か所の王墓が観光できるのですが、我々は旅行会社の不手際というか観光不可能な旅程で参加させられたため、王家の谷の王墓の観光は1か所しかできませんでした。
この後の観光を考えると1か所でも見れたのは経験豊富なアランさんの手腕があったからこそだと思います。
次回旅行記のアップまでしばらくお待ちいただくようお願いいたします。
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