2019/03/08 - 2019/03/15
106位(同エリア1005件中)
ポポポさん
この旅行記のスケジュール
2019/03/13
-
ネフェルタリ王妃の墓
-
王妃の墓の壁画
-
王妃の墓の壁画
もっと見る
閉じる
この旅行記スケジュールを元に
ハトシェプスト女王葬祭殿の次はオプショナルツアーのネフェルタリ王妃の墓の観光です。
王妃の谷にあるネフェルタリ王妃の墓の内部はこの上なく美しい秀麗な壁画が残されています。
3000年前の貴重な壁画は7年にわたる保存修復を経て1995年に再公開されましたが。2000年代に再び閉鎖され、2016年11月に再び公開されました。人が持ち込む湿気が壁画を劣化させるため一日の観光客は150人、1回の見学時間は僅か10分に限られています。
それなのに入場料金がべらぼうに高い。普通に考えれば避けたいところですがそれでも見たいと思うのがこの墓の壁画の魅力です。
エジプトの写真技術は日本より劣っていますので、ガイドブックではその美しさが正確には伝わらないのが残念ですが、観光時の参考になれば幸いです。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 観光バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- 阪急交通社
-
皆さん、お久しぶりです。
スイスの旅行記を先に完了させるため、エジプトの旅行記は後回しにしました。そのためエジプトの旅行記の作成は昨年12月以降実に5か月振りです。
前回の旅行記はルクソール西岸王家の谷にあるハトシェプスト女王葬祭殿でした。この観光を終えたところから旅行記を続けます。
ハトシェプスト女王葬祭殿の次の観光地はオプショナルツアーで王妃の谷にあるネフェルタリ王妃の墓。
ツアー参加者は葬祭殿の出口でツアー不参加者と別れツアーバスに乗り込んで王妃の谷へ。
オプショナルツアーの参加者は11人で26人が居残り組でした。王家の谷 史跡・遺跡
-
王妃の谷は王家の谷の南西にありますが、王家の谷からは直接行けません。そのため王家の谷に向かった道を再び戻ることになりました。
王妃の谷に向かうバスの左側車窓に見えてきたのがセティ1世やラメセス2世などの葬祭殿の遺跡群です。
葬祭殿が残っているものもありますが、建物はすでに崩れ去り基礎部分しか残っていない場所もありました。
王家の谷に向かう時は反対側の車窓に座ったため見れませんでしたが、帰りのバスではしっかり見ることができました。
写真はアメンヘテプ1世葬祭殿、右端の建物がトトメス3世葬祭殿。王家の谷 史跡・遺跡
-
写真のアーチ形の建物は日乾レンガ製の倉庫です。
かまぼこ型の丸天井が特徴で、食料その他の日常品を保存するために使用されました。 -
ラメセス2世葬祭殿。ラメセウスとも呼ばれています。
ラメセウム(ラムセス2世葬祭殿) 建造物
-
ラメセス2世葬祭殿。
ラメセウム(ラムセス2世葬祭殿) 建造物
-
アメンヘテプ3世葬祭殿跡。
-
ラメセス3世葬祭殿の一部の建物。
ラムセス3世葬祭殿 建造物
-
葬祭殿をバスの車窓から眺めながら王妃の谷の入り口に到着しました。
王妃の谷の入り口では手荷物検査と保安検査を受けて谷の中へ。
中に入るとガイドブックの販売員が何人も我々を取り囲み、「1冊10ドル、どれでも10ドル」としつこく迫ってきます。
彼らが手にしている本は厚いA4サイズの本とB5サイズの薄いガイドブック。これがどちらも10ドルとはおかしくないかい?
厚い本が10ドルなら薄い本はさしずめ2~3ドル程度だよ。いい加減な販売価格にあきれて皆は何も言わずに急ぎ足で先に進む。
そのうち薄い本は5ドルに値を下げたが、相手をする者は一人もいなかった。
そのうちガイドのアランさんが薄い方の本を手に持って我々を追いかけて来た。
どうも売り子の一人から買ったようだ。王妃の谷 史跡・遺跡
-
王妃の谷の入場チケット。100EGP(約700円)でした。
-
王妃の谷は王家の谷以上に荒涼とした場所でした。
見えているのは殺伐とした山肌と石榑ばかり。こんな場所に果たして墓があるのかと思ってしまうような場所でした。
道なりに歩を進めて行くと何やら建物らしいものが真ん中あたりに見えてきましたが、そこがネフェルタリ王妃の墓でした。王妃の谷 史跡・遺跡
-
王妃の谷にはこのような大小の墓の入り口があちこちにあります。
この地域を王妃の谷と呼んでいますが、ここは王妃ばかりではなく王子や王女など王家の人々や宮廷人が埋葬されています。王妃の谷 史跡・遺跡
-
ネフェルタリ王妃の墓の立て札。
-
ネフェルタリ王妃の墓のオプショナルツアー料金は13000円でした。
墓の観光時間が僅か10分でこの値段とは余りにも法外な値段です。当初はボッタクリのような値段に驚き敬遠していましたが、内部のレリーフが素晴らしいこと、過去一般公開されたものの公開中止になって再び公開されたことなどが分かりました。
であればまた公開中止になることもあり得るため、見れる時に見ておくことにしました。
そして当日チケットの値段を見てビックリ、なんと1200EGP(約8400円)もするじゃありませんか。これならツアー料金が13000円もするのも分かるような気がします。
アランさんの話では昨年(2018年)は1000EGPだったのが、今年になると1200EGPに引き上げられた。
さらに今年(2019年)10月からは1400EGP(約9800円)に引き上げられ、王妃の谷の入場料も200EGPに値上がりする。
来年はさらに値上げするらしいと言っていました。料金引き上げの前に見学できてよかったと思います。 -
ここがネフェルタリ王妃の墓の入り口です。
入り口には墓の銘板があり、内部の空気循環のホースがあるだけで何の変哲もない質素な印象の入り口でした。
墓の内部の撮影は禁止です。現在はスマホであれば持ち込んで撮影ができるようですが、2019年3月時点ではカメラもムービーもスマホも携帯電話も持ち込み禁止。
写真撮影は一切不可でした。さらに手荷物や小さなバッグなども持ち込みできず、手ぶらで入らなければいけませんでした。
そのため全ての荷物とカメラ類をガイドのアランさんに預けて墓の内部に入りました。
それだけこの墓は特別な墓だという事でしょう。中に入ってみてこの事は納得できました。 -
墓の入り口には「ネフェルタリの墓」と書かれたプレートがありました。
-
光が反射して見にくいのですがこれはネフェルタリ王妃の墓の説明板。板の右隅には墓の見取り図があります。
-
墓の左には時間待ちのための休息所がありました。
その壁に掲示されていた王妃の墓の内部の説明パネルです。墓の内部のレリーフの写真がありましたが、写真で見ても色彩豊かな美しいものでした。
墓の内部にガイドは入れないため、アランさんは購入した小冊子のガイドブックを広げてに掲載されている写真を基に墓の内部の説明を始めました。
ですが私は古代エジプトの神々もイシスやオシリス、ラーやホルス程度の知識しかありません。
レリーフの説明を受けても何が何だか全く理解不能。聞いた言葉も右から左へと流れてしまい全く記憶に残りませんでした。
こんな状態で墓の中に入ってしまったことが今も大変心残りです。事前にもっと勉強しておけば、もっと理解が深まっただろうにととても後悔しています。
ネフェルタリ王妃の墓は大変素晴らしいものでした。古代エジプトの多くの神々やネフェルタリ王妃のレリーフが美しい色彩で描かれていてルクソール西岸の墓の中で最も素晴らしい物でした。 -
ネフェルタリ王妃の墓は1904年に発見されました。
発見された当時は墓の内部には湿気が充満し、レリーフの表面は塩で覆われていました。すでに盗掘されていたため副葬品は無く、王妃のミイラさえありませんでした。
塩によるプラスターの亀裂や崩落でオリジナルの壁画とヒエログリフの約20%が失われていました。それ故にネフェルタリの墓は3000年に渡って酷い被害を受けてきたと言われています。
発見以降一般公開を求める声は日に日に高まり、ついに考古学会は劣化防止の措置を墓に施して一般公開しました。しかし壁画の劣化は収まりません。
観光客に付いてバクテリアや菌類が侵入したのです。この他劣化の主な原因は訪れた人々の不注意によるものが多かったと記されているため、壁画に触れて剥落させたり傷をつけたりするものが後を絶たなかったのではないでしょうか。
そのため1950年代に墓は閉鎖されました。そしてエジプト考古局とゲッティ保存研究所の合同プロジェクトチームが1986年から1992年に修復を行い、1995年11月に再公開されました。
修復作業は壁画の修復ではないため、壁画の加筆は一切行われていません。修復の目的は壁画やヒエログリフの手入れと安定処理した。
修復は7年に渡り粉々になりそうなプラスターを特性のモルタルで接着したり、特殊な溶剤で壁画の表面の保護を行ったそうです。
私は壁画の色彩がとても鮮やかで素晴らしかったので、これらは加筆修復された物だとばかり思い込んでいました。壁画の表面の保存処理がされているとはいえ、これらは3000年前のオリジナルの色だったんですね。
このことを知ったのは帰国してからでした。このことを観光前に知っていたら驚天動地だったかも・・・。とにかく素晴らしかったです。
しかし2000年代に入ると再び閉鎖。その2016年11月に外貨獲得と観光誘致のために再び公開されました。
閉鎖されている期間に最新技術を導入して再び壁画の保全処理を行ったそうですが、観光客が持ち込む湿気を調整するために現在では一日の入場者を150人、1回の見学時間は10分に制限されています。
1995年の公開時に訪れた人の不注による劣化が目立ったことから、現在は意図的に入場料を高くしてモラルの高い人のみを入場させるという方式が取られています。
現在の入場料はエジプト人の平均月収の1/3以上に相当するので、自国民を選別しているようにも見受けられます。
では中に入ってみましょう。 -
墓の内部の写真は写せませんでしたから、これ以降は購入した小冊子のガイドブックの写真を使用して説明します。
このガイドブックは売り子が10ドルと声をかけてきたB5判サイズの小冊子。オールカラーですが薄い冊子で10ドルとは値をふっかけてきたものです。
結局5ドルで購入しましたが、これでもまだ高かった。私が売り子と交渉している間に先を進んでいたメンバーさんたちは、売り子の勧誘に拒否するごとに値が下がり結局3ドルで買ったそうです。
そうでしょうね、いくらオールカラーでも5ドルはまだ高すぎた。私は値引交渉に失敗しました。
さて、このガイドブックは英語版。日本語版はありませんでした。ルクソールのA4判のガイドブックも10ドルでしたが、こちらは厚い本だったので10ドルならお買い得だと思います。 -
ネフェルタリ王妃・・・エジプト新王国第19王朝のファラオ ラメセス2世の第一王妃(正妃)でラメセス2世から最も寵愛を受けた王妃です。
ラメセス2世はフェルタリのためにアブシンベルに小神殿を建てていますね。ネフェルタリの墓は王妃の谷の中で最も美しい壁画として有名です。 -
ネフェルタリ王妃の墓の内部の鳥観図。
墓の入り口は中央左上にあります。
入り口から階段(A)を降りて最初に入る部屋が控えの間(C)。控えの間の右には奥に部屋が続いていて最初の部屋が側室(E)、奥の部屋が控えの間(F)です。
控えの間(C)から階段(H)を降りて行くと広い部屋があります。 -
階段(H)を降りた先にある部屋が玄室(J)で、この部屋は4本の柱で支えられていました。
玄室の奥に「オシリスの間(M)」という部屋がありますが、この部屋の壁画は全て崩れ落ちていて、床には壁画の破片が積み重なっていました。
破片に描かれていた壁画の色が大変鮮やかで鮮烈だったこが忘れられません。
これらの破片は発見された当時のままに置かれているのでしょうが、描かれていた壁画の断片の色が余りにも鮮やかなので衝撃を受けました。
できることなら崩れる前の壁画を見たかった・・・。 -
ここは入り口から階段(A)を降りたところにあった控えの間(C)の壁画。
左はセネトゲームをするネフェルタリ。ゲーム板の上にカルトゥーシュで囲まれたのがネフェルタリの名前。王妃が右手に持っているのは力を表すセケム笏。
次は「バ」の姿のネフェルタリ。「バ」はネフェルタリの魂で自由に墓の外に出ることができます。
そして一番右は跪いて礼拝するネフェルタリ。ネフェルタリはライオンの頭をした大地の神アケルを礼拝しているのですが、アケルの姿はここには描かれておらず別の壁に続きの絵として描かれています。 -
セネトゲームをするネフェルタリのアップ。
-
「バ」の姿として表されたネフェルタリの魂。
-
保存処理が施される前の「死者の書」17章の挿絵。
左から大地の神アケル。上の礼拝するネフェルタリはこの神を礼拝していたのです。
次はアオサギ、アオサギはラーの魂とされ、不死鳥のような性質を持つ鳥。
中央のミイラはネフェルタリで、トビの姿をした女神が守っています。左のトビはネフティス女神、右はイシス女神。
次はヘフ神。水の神で永遠や無限を現す神でもあります。ヘフ神が右手に持つ椰子の枝がネフェルタリに贈る永遠の時を象徴しているそうです。 -
「死者の書」17章の挿絵中央部分のアップ。
-
控えの間から右奥に続く側室と奥の控えの間。
この部分には多くの神々の姿が描かれていました。ガイドブックからそれらの一部を紹介します。
奥の控えの間(F)に描かれているのは冥界の王オシリス神。 -
側室手前の壁に描かれていたアヌビス神。
-
側室入り口の壁に描かれていたネイト女神。
狩猟と戦争の女神で、王の守護者として知られています。 -
向かい合わせの壁に描かれていたセルケト女神。
頭部にサソリを載せた女神で、危険な動物の毒から人間を守る神です。 -
側室の左側の壁に描かれていたのはイシス女神に導かれるネフェルタリ王妃。
イシス女神は「さあ、王の偉大なる妻ネフェルタリ、ムトゥに愛されし者よ。あなたをネクロポリスに迎え入れましょう。」
イシス女神に導かれる先に座しているのはスカラベの頭を持つケプリ神です。
写真右端に笏を突いているのがケプリ神。
全身の様子は下の写真のとおり。 -
ネフェルタリ王妃を座して待つケプリ神。
冥界で死後の再生を司る神です。 -
右側室に描かれた壁画。右端側室の入り口の壁画は先程紹介したネイト女神です。
イシス女神とネフェルタリ王妃の壁画の対面に描かれていたのはホルス神とネフェルタリ王妃。
ネフェルタリ王妃はイシスの息子ホルス神によって、座して待つラー・ホルアクティとハトホル女神のもとに導かれています。 -
ホルス神に導かれるネフェルタリ王妃。
-
日輪の王冠を被った太陽神ラー・ホルアクティとハトホル女神。
-
側室から奥の控えの間に出入口の上に描かれていたのはネクベト女神。
二本の脚で永遠の象徴(シエン)をつかんでいます。上下エジプトの王冠の後見者、王名の守護神だそうです。 -
奥の控えの間の南壁と西壁の壁画。
南壁一面に描かれているのは8頭の牛。牛たちはスペース不足のため隣接する西壁に描かれたネフェルタリに語りかけています。 -
南壁に描かれているのは7頭の雌牛と1頭の雄牛それと4本の櫂。これは「死者の書」148章に書かれた場面です。各々牛の前には野菜、ミルク、パンと言った供物を載せた供物台があります。
「死者の書」148章によると7頭の雌牛はこれらの供物を亡き王妃の霊に捧げる力を持つのだそうです。
牛の下には4本の櫂が描かれていますがこれは何を意味しているのでしょうか?
148章の呪文には死者が冥界の海を航行する手助けとなる櫂についても言及されています。
「冥界の海を航行する船の舵取りをするラーと巡礼の旅を導くための櫂があれば、敵たちは誰一人としてネフェルタリの存在を知ることも無ければ、気付くことも無いだろう。」と呪文は約束しています。
これらは死後のネフェルタリを守るための物として描かれています。 -
礼拝のため両手を掲げて立つネフェルタリ。
ネフェルタリが描かれたスペースが狭いため、ネフェルタリが発する言葉はヒエログリフで書かれていませんが、学者たちは牛たちに食べ物を求めるために148章に記された呪文を発していると推測している。 -
西壁の壁画は異なる2場面が描かれているため、2つの場面が異なることを示すために上から下へ帯状のレリーフが施されています。
この西側の壁画が最も状態が良かった壁画です。3000年前の色がしっかり残っていて剥落もありませんでした。 -
中央の牡羊の頭部を持つ神は太陽神ラーと冥界の神オシリスの合体を象徴しており、両脇に建つ女神は左がネフティス女神、右がイシス女神です。。
2人の女神の脇には碑文がり、左の碑文には「ラーの姿をしたオシリス」、右の碑文は「オシリスの姿をしたラー」と書かれています。
この碑文からラーとオシリスの2神が合体していることを暗示しているのだそうです。 -
同じく西壁に描かれた壁画で、上のネスティフ、イシス、牡羊頭のラーの壁画の右に描かれています。
ネフェルタリは自らの死体に使用してもらうため、余りあるほどの豊富な布をプタハ神に捧げています。 -
この神はネフェルタリから布を捧げられたプタハ神。
プタハ神はメンフィスの創造神で、手工業と芸術の守護神。ミイラの姿で表現されることが多い。 -
奥の控えの間(F)の東壁の壁画。
冥界の王オシリスに拝謁し、供物を捧げるネフェルタリ王妃の一部分。
絵の左には曲杖と連竿を持ち、アテフ冠を被ったミイラ姿のオシリスが描かれているのですが、ガイドブックには左の写真しか載せてありませんでした。なお、オシリスの姿は控えの間(C)から奥の控えの間(F)を眺めた写真で確認できます。
ネフェルタリは拝謁に際し、右手に供物を捧げるために権力を表すセケム笏持って差し出しています。
供物は3段の敷物に肉やパン、野菜が山のように置かれています。
この壁画は死後の神聖な旅に出るネフェルタリが冥界の王オシリスに正式に拝謁する重要な場面です。 -
控えの間(C)や側室(E)、奥の控えの間(F)をぐるっと回って下降通路の出入り口に来ました。
ここを降りたところが玄室です。そのため出入り口の周辺にはこの下が玄室であることを暗示する壁画が描かれています。
出入り口の右壁にはミイラの姿をした冥界の王オシリスが立位の姿で迎えます。オシリス神は死と再生を象徴する神です。
出入り口の上に描かれている5柱のうち右から4柱は死者の内臓を守るという役割担うホルスの息子4柱です。
右から人間の頭をした肝臓担当の守護神イムセティ、ヒヒの頭をした肺担当の守護神ハピ、ハヤブサの頭をした腸担当の守護神ケベフセヌフ、ジャッカルの頭をした胃担当の守護神ドゥアムテフ、5番目はホルス神です。
これらカノポスの壺を連想させる神々がこの通路の出入り口に描かれているという事は下降通路の先に玄室があり、そこにはネフェルタリ王妃のカノポスの壺があることを示唆しています。 -
下降通路出入り口の上部の壁、左側に描かれたホルス神など4柱の神は「死者の書」17章の挿絵です。
では下降通路を降りて玄室に進みましょう。 -
下降通路(H)東側(通路の右側)に描かれたネフェルタリの壁画。
ネフェルタリは両手に小さな壺を捧げるように持っています。その下には供物台があり、野菜やパンや肉が載せられています。
ネフェルタリ王妃はこれらの供物をホトホル、セルケト、アマトの3女神に捧げている場面です。
王妃の左に3女神が描かれているのですが、ガイドブックでは写真は別々に掲載されていました。
下方通路の西側でも3女神に供物を捧げるネフェルタリの姿が描かれているのですが、こちらはイシスとネフティスとアマトの3女神です。
ガイドブックにはこれら西側の女神とネフェルタリの写真は掲載されていませんでした。 -
下降通路(H)東側(通路の右側)の女神たちの壁画。。
左からアマト女神、セルケト女神、ハトホル女神。アマト女神は翼を広げてネフェルタリのカルトゥーシュを守っています。 -
通路西側(通路の左側)の上段に描かれているのは翼を広げたコブラ。
コブラは翼を広げてネフェルタリのカルトゥーシュを守っています。 -
通路西側の上段に描かれているのは霊廟の上にジャッカルの姿で伏せるアヌビス神。
アヌビス神の上に翼を広げたコブラが描かれていました。 -
下方通路に描かれたネイト女神。
-
下降通路の下段に描かれていた日輪を転がすイシス女神。
-
玄室への入り口。
アマト女神が翼を広げてネフェルタリを歓迎しています。
正面奥がオシリスの部屋ですが、ここの壁画は全て崩れ落ちていて床にその破片が散乱していました。 -
同じく玄室の入り口です。
玄室内には4本の大きな柱があり、これらが玄室の天井を支えていました。 -
玄室の周囲の壁画の一部分。
玄室の壁の壁画は湿気の影響をかなり受けていたようで、2面の壁の壁画が崩落していました。これらの壁にはわずかに壁画が残る程度で無残な状態でした。
写真は崩落を免れた壁画の一部でオシリスの世界に存在する7つの門のうちの2番目の門の門番、守護者、告知者です。 -
玄室の南壁の西側、両手を掲げて祈るネフェルタリ王妃。
-
上の壁画のアップ。
-
玄室の天井を支えているのは4本の太い柱です。それぞれの柱にはミイラの姿で描かれた冥界の王オシリス、ヒョウ皮の衣をまとった司祭、神々から祝福を受けるネフェルタリ、ジェド柱の絵が描かれています。さらに玄室の天井を彩るのは満点の星。
写真はハトホル女神から歓迎を受けるネフェルタリ。 -
この柱に描かれているのハトホル女神がネフェルタリの口元にアンクを差し出し、命の息吹を吹き込んでいる場面です。
-
ネフェルタリとホトホル女神のアップ。
-
アヌビス神とネフェルタリ。
-
ネフェルタリとハトホル女神。
-
南側の左にある柱。入り口に向かって描かれているのはイヌムテフ司祭。
中央通路示すかのように右手を挙げて中央通路の方を示しています。
白いキルトに胸飾りや腕輪やブレスレット、金色のヘアバンドで留められたかつらや羽織ったヒョウの毛皮は司祭を務める神官の服装だそうです。 -
イヌムテフ司祭のアップ。左手でヒョウの左後足を持っている姿はリアルです。
-
ジェド柱。オシリス神の背骨を表したものでオシリス神と同一視されています。
-
曲杖と連竿を持ち冥界の王として描かれたオシリス神。
-
ネフェルタリとトト神。
トト神はトキの頭部を持った姿で表され、知性を持って多方面で活躍した神です。
王妃は神の書記であるトト神の前に立ち、パレットを手に入れるための呪文を詠唱している場面だそうです。
トト神は古代エジプト神話の創造神で神の書記、言葉や数学を発明し書記や学者や医者など文字や知識にかかわるものの守護神とされました。
月の神として太陽神ラーと並び称されることもあり、暦を作ったことから「時の主人」とも呼ばれています。 -
玄室の壁に描かれたオシリス神、ハトホル女神、アヌビス神。3神の右側には神々に敬意を表すネフェルタリが描かれていますが、写真では省かれていました。
-
左は第5の入り口を守るナイフを持つ門番。右は第4の入り口を守る雄牛の門番。
死者の書146章では無事に21の入り口を通過してオシリスの世界(冥界)に入るための手段が書かれています。
この墓ではそのうち10の入り口と門番が描かれ、ヒエログリフには入り口を通過するための呪文が書かれているそうです。
以上でガイドブックによる説明は終了しますが、掲載された写真は墓の一部です。
ガイドブックに載せられていない壁画がまだこのほかにもかなりありますし、剥落した壁画の破片にも3000年前の色がはっきり残っています。
この墓の壁画は古代エジプトの最高傑作の一つです。私はエジプト美術の最高峰と表現しましたが、そのとおりだと思います。この上なく美しく素晴らしい壁画です。是非ご自分の目で見て感じていただきたいと思います。
見学時間は僅か10分で入場料はとても高いため、二の足を踏まれる方も多いと思います。行く行かないはその人の考えですから無理にお勧めはできないでしょうが、この墓の壁画を見た者としては見れる間に見ておくべきだと思います。
理由はこの墓がまた閉鎖されるかもしれないということです。
ツタンカーメンの墓は2019年2月に10年の修復を完了して公開されました。これは偏にエジプト政府が外貨を獲得したいがためです。ネフェルタリの墓が2016年11月に再公開されたのも同様の理由からです。
一方エジプト考古局や元考古局の局長で考古学者のザヒ・ハワス氏は壁画と遺跡の保存のためにツタンカーメン王墓の公開は中止すべきだと主張しています。
入場料金を釣り上げて入場者数を極力抑えているネフェルタリ王妃の墓もいつ閉鎖されるか分かりません。
それほど墓内部の壁画が素晴らしいという事です。心震える美しさです。感動という言葉では表現できないほどの衝撃的な出会いでした。
もし再びルクソールに行くならば、もう一度見たいと思います。
さて、見学時間は僅か10分です。時間丁度に2人の係員から出ていけと追い立てられました。
4トラメンバーさんの旅行記にはバクシーシを払ったが立ち入り禁止区域内に入れるように便宜を図ってくれたとか、見学時間を延長してくれた、あるいは内部の観光案内をしてくれたなどの記事がありましたが、私達を監視していた係員は勤務に忠実でそのような恩恵にはあずかれませんでした。 -
王妃の谷に点在する墓の入り口。
王妃の谷 史跡・遺跡
-
王妃の谷の墓の入り口。
小さな入り口はいくつもありました。この谷にもかなりの数の墓があるようです。王妃の谷 史跡・遺跡
-
王妃の谷の墓の入り口。
入り口まで徒歩で移動し、待っていたツアーバスに乗り込んでルクソールの桟橋へ。王妃の谷 史跡・遺跡
-
来た道を戻り王家の谷の入り口の葬祭殿からメムノンの巨像の側を走って桟橋にむかいました。
写真は車中から写したアメンヘテプ3世葬祭殿跡。この葬祭殿は発掘が進んでいて、メムノンの巨像が4体、アメンヘテプ3世と王妃ティイの像やいくつもの彫像が発掘されているそうです。
写真中央の像は王妃ティイの像ではなかろうかと勝手に想像しています。
以上でルクソール西岸ネクロポリスの観光は全て終わりました。次は東岸にあるルクソール神殿です。
次回はルクソール神殿の旅行記を掲載しますので今しばらくお待ちいただきますようお願いいたします。
私の旅行記にお立ち寄りくださりありがとうございました。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
旅行記グループ
エジプトナイル川クルーズの旅
-
前の旅行記
旅行会社の誇大広告に騙されたナイル川クルーズの旅 22 トトメス3世に破壊されたハトシェプスト女王の葬祭殿
2019/03/08~
ルクソール
-
次の旅行記
旅行会社の誇大広告に騙されたナイル川クルーズの旅 24 夜のルクソール神殿観光
2019/03/08~
ルクソール
-
旅行会社の誇大広告に騙された最悪のエジプトナイル川クルーズの旅 1
2019/03/08~
カイロ
-
旅行会社の誇大広告に騙された最悪のエジプトナイルクルーズの旅 2 ギザの三大ピラミッド
2019/03/08~
ギザ
-
旅行会社の誇大広告に騙された最悪のナイル川クルーズ 3 サッカラとダハシュールのピラミッド
2019/03/08~
サッカーラ
-
旅行会社の誇大広告に騙された最悪のナイル川クルーズ 4 アスワンからアブシンベルへ
2019/03/08~
アブ・シンベル
-
旅行会社の誇大広告に騙された最悪のナイル川クルーズ 5 アブシンベル大神殿
2019/03/08~
アブ・シンベル
-
旅行会社の誇大広告に騙された最悪のナイル川クルーズ 6 アブシンベル小神殿
2019/03/08~
アブ・シンベル
-
旅行会社の誇大広告に騙された最悪のナイル川クルーズの旅 7 アスワンでクルーズ船に乗船する
2019/03/08~
アスワン
-
旅行会社の誇大広告に騙された最悪のナイル川クルーズの旅 8 ナイルの真珠イシス神殿 その1
2019/03/08~
アスワン
-
旅行会社の誇大広告に騙された最悪のナイル川クルーズの旅 9 ナイルの真珠イシス神殿 その2
2019/03/08~
アスワン
-
旅行会社の誇大広告に騙された最悪のナイル川クルーズの旅 10 ナイル川河岸に係留されたクルーズ船
2019/03/08~
アスワン
-
旅行会社の誇大広告に騙された最悪のナイル川クルーズの旅 11 アスワンハイダム
2019/03/08~
アスワン
-
旅行会社の誇大広告に騙された最悪のナイル川クルーズの旅 12 香油店でのショッピングと切りかけのオベリスク
2019/03/08~
アスワン
-
旅行会社の誇大広告に騙された最悪のナイル川クルーズの旅 13 コム・オンボに向けてクルーズ船出航す
2019/03/08~
アスワン
-
旅行会社の誇大広告に騙された最悪のナイル川クルーズの旅 14 コム・オンボ神殿
2019/03/08~
コム・オンボ
-
旅行会社の誇大広告に騙された最悪のナイル川クルーズの旅 15 古代エジプト神話決戦の地エドフに建つホルス神殿
2019/03/08~
エドフ
-
旅行会社の誇大広告に騙された最悪のナイル川クルーズの旅 16 エジプトの一般道は悪路だった
2019/03/08~
ルクソール
-
旅行会社の誇大広告に騙された最悪のナイル川クルーズの旅 17 ルクソールのカルナック神殿①
2019/03/08~
ルクソール
-
旅行会社の誇大広告に騙された最悪のナイル川クルーズの旅 18 ルクソールのカルナック神殿②
2019/03/08~
ルクソール
-
旅行会社の誇大広告に騙されたナイル川クルーズの旅 19 ルクソール西岸は死者の町① メムノンの巨像から王家の...
2019/03/08~
ルクソール
-
旅行会社の誇大広告に騙されたナイル川クルーズの旅 20 ルクソール西岸は死者の町②王家の谷の観光
2019/03/08~
ルクソール
-
旅行会社の誇大広告に騙されたナイル川クルーズの旅 21 ルクソール西岸は死者の町③ツタンカーメンの謎の死とミ...
2019/03/08~
ルクソール
-
旅行会社の誇大広告に騙されたナイル川クルーズの旅 22 トトメス3世に破壊されたハトシェプスト女王の葬祭殿
2019/03/08~
ルクソール
-
旅行会社の誇大広告に騙されたナイル川クルーズの旅 23 エジプト美術の最高峰ネフェルタリ王妃の墓
2019/03/08~
ルクソール
-
旅行会社の誇大広告に騙されたナイル川クルーズの旅 24 夜のルクソール神殿観光
2019/03/08~
ルクソール
-
旅行会社の誇大広告に騙されたナイル川クルーズの旅 25 クルーズ最後の夜はベリーダンスとタンヌーラダンス、そ...
2019/03/08~
カイロ
-
旅行会社の誇大広告に騙されたナイル川クルーズの旅 26 エジプト考古学博物館 1(前編)
2019/03/08~
カイロ
-
旅行会社の誇大広告に騙されたナイル川クルーズの旅 27 エジプト考古学博物館 2(後編)
2019/03/08~
カイロ
-
旅行会社の誇大広告に騙されたナイル川クルーズの旅 28 あっという間の1週間、いよいよ帰国の途に・・・。
2019/03/08~
カイロ
旅行記グループをもっと見る
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
この旅行で行ったスポット
ルクソール(エジプト) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ エジプトナイル川クルーズの旅
0
74