2015/06/26 - 2015/06/26
323位(同エリア5151件中)
キートンさん
中国国際航空、まさかのフライトキャンセルでジュネーブ泊となった翌日。
旅は延長戦に入り、復路の出発時間もわからない状態。
結局、帰国が遅れるだけになるのか、まだ観光の時間が残されているのか・・・
いよいよこの旅の本当のフィナーレを迎えます。
- 旅行の満足度
- 2.5
- 観光
- 2.5
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道
- 航空会社
- 中国国際航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
スイスのジュネーブで予定外の朝を迎えた、ここ「スターリング・ホテル」。
昨日に引き続き真っ青な快晴。 -
さすが4つ星ホテル。
朝食はこの旅で泊まったホテルの中でも品数は一番だった。 -
というわけで、この旅一番の朝食である。
思い起こせば、この旅最初の食事は、関空発上海行きのフライトが思わぬビジネスクラス振り替えの豪華な機内食だったな。
フライトキャンセルに関しては超格安航空券だけのことはあるが、意外なところで良いこともあるものだ。 -
フライトの目途がたったらしく、10:30過ぎに空港行きのバスが到着。
乗客は9割以上が中国人らしく、日本人は見かけなかった。
みんな北京行きに乗るのだから当然といえば当然だが・・・ -
11:00前にジュネーブ国際空港に到着。
ジュネーブ発は13:00くらいだったかな(正直もう忘れてしまった)。
定刻なら昨日の20:25発だったので、実質16時間以上の遅れである。
そして北京から関空へのフライトは、予定より丸1日後の同じ便になるという。
普通に飛ぶと北京には早朝に到着して、関空行きは16:25発になるので、北京では10時間以上の乗り継ぎとなる。
ということは、ちょっとした北京観光が可能ではないか? -
時は経ち、早朝に北京首都国際空港に到着。
関空行きのフライトまでの約10時間をどう過ごすか?
やっぱ、北京観光でしょ!
ここでの乗り継ぎは預入荷物をピックアップしないといけないので、その荷物を手荷物預り所に預けた。
中国元があまりなかったので空港内の両替所で円から元に両替した。
両替は5000円くらいでよかったのが10000円くらいの額でないと手数料が割高になると言うので、約10000円を両替した。
元が残っても中国ならまた来る機会もあるだろう。
しかし、空港内の両替所はそもそもレートが非常に悪いことをこの後知ることとなる。 -
北京観光なんて全く予定外で予備知識ゼロなので、インフォメーションで北京のシティマップをもらう。
北京の見どころはよくわからないが、確か複数の世界遺産があったはずだ。
万里の長城まで行ってくるには無理がありそうだが、とりあえず中心地に行けば「故宮」と「天壇公園」くらいは近そうなので周れそうだ。
というわけで、故宮近くの「天安門西」を目指すことにした。 -
空港から市内へは、エアポートエクスプレスに乗ると「東直門」という駅で地下鉄に接続するようだ。
なんやかんやしていると、空港のエアポートエクスプレスの駅に着いたのは8:00を回っていた。 -
エアポートエクスプレスからの車窓。
雨は降ってないが、どんよりとした曇り空。
と思いきや、後に聞いた話ではこれでも晴れなのだと言う。
PM2.5やら排気ガスやらで北京の大気汚染がひどいという話は聞くが、晴れでこれなら恐ろしいレベルだ。
それにしても、北京の世界陸上や軍事パレードの時はきれいな青空になった。
この時は事前に相当な交通規制を行ったようだが、そんな応急処置で青空に変わるとしたら、それも驚きである。 -
9:00過ぎに「天安門西」に到着。
地上に出ると、なんとも広い通りがあった。
ここでHIS北京支店に電話して観光のアドバイスをしてもらった。
いかにも中国人っぽい日本語で答えてくれたが、この場所からだと、「故宮」を見て、さらに時間に余裕があれば「天壇公園」に行くのが良いのではということであった。 -
「故宮」に向かって「天安門」に近づくと、観光客がどんどん増えてきた。
おまけにこの歩道、途中に手荷物検査があって歩行者で渋滞していた。
地下鉄もそうだが歩道にまで手荷物検査があるなんて、めんどくさい国だ。 -
9:45頃、「天安門」に到着。
肖像画は毛沢東。
1949年に毛沢東はこの天安門で中華人民共和国の建国を宣言した。 -
重厚な天安門の扉をくぐって行く。
-
天安門を抜けると、次は「端門」をくぐる。
-
「端門」を抜けると凄い人混みが見えてきた。
「故宮博物院」のチケット売り場が長蛇の列となっているのだ。
考えてみれば今日は土曜日。
にしても多過ぎだろ!この来場者。
中国の首都の休日の観光地を甘く見ていた。
でもチケット売り場の窓口は10以上も並んでいる。
待ち時間は30分くらいかな? -
結局、チケットを購入するのに約1時間並んだ。
販売の効率が悪いのか、予想以上に列の進みが遅かった。
甘く見ていた。
11:00前、ようやく「故宮博物院」に入場。
目の前にあるのは「午門」。 -
「午門」から「太和門」までの広場には川が横切っている。
-
「川」と思ったが、ほぼ流れがなさそう。
堀か運河といった方が良いかも。 -
「故宮」は古くは「紫禁城」とも呼ばれていた。
元がつくったものを明の成祖永楽帝が1406年から改築し、1421年に南京から北京へ都を遷してから、清朝滅亡まで宮殿として使われた。
1644年の李自成の乱で明代の紫禁城は焼失したが、清朝により再建され、皇宮として皇帝とその一族が居住するとともに政治の舞台となった。
1908年12月に、西太后が光緒帝の後継者として愛新覚羅溥儀を指名し、溥儀はわずか2歳10か月で皇帝に即位させられ、清朝の第12代宣統帝かつ紫禁城に居を構える最後の皇帝となった。
愛新覚羅溥儀は「ラストエンペラー」と呼ばれ、その生涯は映画「ラストエンペラー」(1987年)に描かれた。
「ラストエンペラー」(1987年)
https://www.youtube.com/watch?v=mTTeE1Lhbkg -
「太和門」前の両側には青銅の獅子像(狛犬)。
-
「太和門」は外朝の正門。
紫禁城を居城とした明朝の歴代皇帝は、ここで政務を執った。
それにしても門が多いなぁ。 -
「太和門」をくぐると、これまただだっ広い外朝の前庭が広がる。
その向こうに外朝の三大殿の正殿「太和殿」が見える。 -
建築物の梁には、青と緑を基調にした装飾。
-
「太和殿」へは3段になった大きな台座を上って行く。
それにしても凄い人出。 -
台座に並ぶ石の装飾。
-
「太和殿」前の亀の像。
-
石灯籠のような形をした容積の原器で「嘉量」と呼ばれるもの。
当時の容積は、斛、斗、升、合、龠という単位が用いられていた。 -
太和殿は高さ35m、約63m、奥行き約33mあり、現存する中国最大の木造建築だという。
ここで三大節(元旦、冬至、皇帝誕生日)や皇帝の即位、婚礼、出兵令などの国事発令などの重要儀式が行われた。 -
屋根には仙人を先頭に12体の獣が列をなしている。
他の建物の屋根にも獣が列をなしているが、太和殿は最も格式高い建物ということで、並ぶ獣の数は最多だという。 -
「太和殿」から「中和殿」、「保和殿」へと続く「外朝三殿」は3段の大きな台座の上に建っている。
それにしても故宮は広い。 -
建物の梁には金の龍だらけである。
-
「保和殿」の王座。
「保和殿」は、式典が太和殿で行われる直前に皇帝が更衣をした場所。
清朝の時代は、毎年正月にモンゴル、ウイグルの王侯を招いての宴会も行われたという。 -
内廷から景山公園へと続く、オレンジのいらかの波。
-
子獅子とたわむれる親獅子?
その鋭い爪でそんなことされると子獅子はたまらんよね。 -
いいかげんちょっと飽きてきたところ、内廷の「交泰殿」「坤寧宮」あたりまで来ると、少し雰囲気が変わってきた。
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「乾清宮」は、明・清両王朝の歴代皇帝の寝宮だったという。
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珍しく煙突のある建物発見。
-
「御花園」まで来ると、観光客でごったがえしていた。
すでに12:00を過ぎていて、14:30には空港に戻りたいので、これから「天壇公園」に行くのは無理があると思われた。
なのでここでゆっくりすることにした。 -
「御花園」にある「養性斎」。
清朝滅亡後の1919年に溥儀の帝師(英文教師)として招聘されたイギリス人のレジナルド・ジョンストンが住居とした場所だという。 -
「御花園」の西側、「長春宮」あたりの通り。
-
「皇家電話局」
どう見ても人の顔を意識したとしか思えない1900年前後の電話機が置いてある。 -
鹿とか龍とか・・・
-
「養性斎」の近くにある「千秋亭」。
-
「千秋亭」は中に入ることができた。
天井の細工。 -
「御花園」の東に位置する「浮碧亭」。
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「御花園」に咲く花。
向うに見える「万春亭」は、西の「千秋亭」と対になっているようだ。 -
ちょっとお気に入りの屋根。
-
12:50頃、故宮の見学を終了。
故宮は東西約750m、「午門」からこの「神武門」まで約960mと広大な宮廷建築群である。
今回は南から北へ中心部を歩いてきたが、西側と東側のエリアはほとんど見れてないことに改めて気付いた。
たかが2時間程度では、東西両サイドまで見学するのは無理がある。
増してや休日の混み具合は相当なものだった。 -
故宮は四方を幅約50mの堀に囲まれている。
堀のスケールまででかい。
ここから空港に戻りたいが近くに地下鉄の駅はなく、シティマップによると最寄り駅は「東四」(DONGSI)のようだ。
ただこのマップが模式的で距離がつかめない。 -
「神武門」から東へ歩き、故宮の北東角の「角楼」が見えてきた。
考えてみればこの旅のミッションのひとつ、世界遺産15箇所訪問が、ヨーロッパでは14箇所に終わっていた。
ジュネーブ〜北京の便がフライトキャンセルになって帰国は丸1日送れるが、思わぬ形で「故宮」という世界遺産訪問が1箇所加算されてミッション達成となった。 -
南北に延びる故宮の堀。
ここから地下鉄「東四」(DONGSI)までの道のりは、思っていたより遠かった。
駅を探すのも手間取ったのでちょっとあせったが、13:30過ぎには地下鉄に乗り、エアポートエクスプレスに無事乗り継ぐことができた。 -
エアポートエクスプレスの車窓は、相変わらずどんよりとした風景だった。
最後に大番狂わせが待っていた今回の旅だが、日の長い季節のヨーロッパでハードスケジュールをこなせて満足のいく旅となった。
鉄道網の充実したヨーロッパならではのユーレイルパスの旅だったが、またいつか国を変えて鉄道旅をしてみたいと思える旅でもあった。
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