2015/06/21 - 2015/06/21
10位(同エリア45件中)
キートンさん
12日目は夜行列車「シティーナイトライン」で朝スイス入りして、ルツェルンとその近郊のピラトゥス山を訪れ、宿泊地となるポントレジーナまで移動します。
ピラトゥス山ではトムリスホルンまで往復ハイキングを予定しているものの、天候に恵まれるかどうかが問題。
ポントレジーナまでの鉄道旅は、グレッシャー・エクスプレス(氷河急行)も通るレーティッシュ鉄道を含む、トーマスクックの景勝ルートを3路線を通るので、車窓にも期待です。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道
- 航空会社
- 中国国際航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
「シティーナイトライン」の個室寝台では比較的よく眠れて、6:30頃起床した。
その頃、ドイツのオフェンブルクを走っていたが、曇りがちの空模様だった。 -
「シティーナイトライン」では朝食が付いていて、7:00に個室に届けてもらった。
「朝食」といってもこの程度だが、付いているだけでもありがたい。
飲み物はコーヒーか紅茶を選べたが、紅茶を選択。 -
スイスのバーゼルにほぼ定刻の7:50前に到着。
このバーゼルで8:04発のIR(インターレギオナル)に乗り換えルツェルンに向かう。 -
そういえば、先日のテレビ番組では裕木奈江がバーゼルの知人宅にホームステイしながら写真家活動をしているとか放送していた。
ポケベルが鳴らなくて愛が待ちぼうけしているかもしれないから、連絡取ってみようかな・・・とアホな妄想が頭をかすめたりするのは、旅特有の浮かれ気分のせいなのか。 -
アホな妄想は即刻振り払って、予定通りのIR(インターレギオナル)に無事乗車。
IRはスイスの地方都市を結ぶ急行列車。
1等席はゆったりしている。 -
ルツェルンに向かう車窓。
雨が降ったりやんだりぐずついた天気。
スイスは山岳の観光が主になるので、天候の良し悪しが大きく影響する。 -
9:10前にルツェルンに到着し、手荷物預かり所にソフトスーツケースを預ける。
料金は10スイスフランと早速スイス的物価の洗礼を受ける。ルツェルン駅 駅
-
ルツェルンもやはり雨はぱらついていたが、1時間弱ほど街を散策することにした。
とりあえずルツェルンといえば「カぺル橋」が有名で駅からも近い。 -
「カぺル橋」は、1333年に完成した木造の橋としてはヨーロッパ最古だという。
湖から襲ってくる敵から街を守る城壁の一部としての機能を持っていた。カペル橋 現代・近代建築
-
橋の梁に掲げられた三角形の絵画には、聖人の生涯と街の歴史が描かれている。
-
橋の途中にある塔は、敵の襲来を見つけるための見張り台であるが、拷問部屋や貯水塔としても使われていた。
-
ルツェルンはあまり下調べをしていなかった上に、このさえない天気でテンションが上がらないまま地図も見ないで歩いていた。
ルツェルンの街中を流れる川は「ロイス川」。
「カぺル橋」のすぐ下流に歩行者用の橋が見えたので、その橋を渡ることにした。 -
歩行者用の橋を渡ると、フィアヴァルトシュテッター湖の方へ引き返した。
せめてもう少し先の「シュプロイヤー橋」あたりまで行っとけばよかったと後悔。 -
ロイス川に沿ってフィアヴァルトシュテッター湖近くまで歩いて来た。
ロイス川の対岸に見えるトンガリ屋根は「ホーフ教会」。 -
晴れていればフィアヴァルトシュテッター湖の景色も良いのだろうが、相変わらずさえない空模様。
-
そんな天候でピラトゥス山を目指すのか悩ましいところではあるが、ピラトゥスの登山電車にはぜひとも乗ってみたい思いから、登山鉄道の乗り場があるアルプナッハシュタットに向かう。
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アルプナッハシュタットから山頂駅のピラトゥス・クルムまでの往復は72スイスフランだが、ユーレイルグローバルパスの有効期間中は30%オフの51スイスフランで購入できる。
10:55発の登山鉄道に乗車。 -
48%という世界一急勾配の登山鉄道だが、この雨模様ではその迫力や景色も満喫できず。
アルプナッハシュタットとピラトゥス・クルムの標高差は約1,630m。
ピラトゥス・クルムまで上るとひょっとすれば雲の上に出るかも、と淡い期待を抱く。 -
登山電車は30分かけてピラトゥス・クルムに到着。
ピラトゥス山には大昔に竜が住んでいたという伝説から、天井にシンボルの竜が描かれている。 -
何も見えねぇ〜
予想はしてたけどね。
1630mも標高が上がれば雲の上に出るかも・・・
などという淡い期待は打ち砕かれ、見事に厚い雲の真っ只中である。 -
ピラトゥス・クルムから南西側(写真で左側)の山頂「トムリスホルン」までは片道30分程度のハイキングなのだが、視界ゼロに近い雨の中でも歩いて行くべきか?
-
この標高2132mから見る朝やけの風景はこんなに素敵ですよ〜
と、モニターは語っているようだが・・・ -
現実はそんなに都合のいい天候ばかりじゃない。
これがホントの五里霧中ってやつか?
それとも、一寸先は霧というべきか・・・ -
ピラトゥス・クルムの施設を当てもなくうろうろしていたら、素掘りのトンネルの遊歩道みたいなルートを発見。
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霧を晴れさせる黒魔術は知らないし
雨の中を歩く元気もない
たとえ天気予報が雨だとしても
偶然と夏の魔法とやらの力で
カラッと晴れに・・・
なるわけないか〜 -
ちょっとやそっとじゃ厚い雲はなくなる気配はしないし、スイスの観光地で高い土産を買う気にもならず、12:15発の下りの登山電車に乗ることにした。
-
ピラトゥス・クルムを出発して5分を過ぎた頃、眼下の雲が切れ視界が広がった。
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なんと麓まで見えてきた。
ピラトゥスのでの雄大な景色は見られないものと、ほとんどあきらめ状態だったところに突如として現れたこの光景に、テンションは一気にMAXへ。 -
見上げると少し後から発車した下りの登山電車が崖っぷちを下りて来る。
48%という世界一急勾配。
水平距離10mに対して4.8mの標高差を上り下りする勾配である。 -
山頂付近は依然厚い雲に覆われていて、登山電車は雲の中から下りて来る感じである。
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イチオシ
上る時にはこのあたりは雨で雲の中、ほとんど視界ゼロだった。
この光景を見れて、なんとかピラトゥスに上った意味が出てきた。 -
麓からも雲が湧きあがってくる。
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登山鉄道沿いの登山道を登るハイカーたち。
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視界が広がると下りるのが惜しくなるが、登山電車は緑の斜面をどんどん駆け下りて行く。
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ピラトゥスの登山鉄道には「Aemsigen」という中腹駅がある。
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登山鉄道は単線なので、この中腹駅で待ち合わせをして上りと下りがすれ違う。
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ワイルドな素掘りのトンネルを抜ける。
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左手にフィアヴァルトシュテッター湖が姿を見せる。
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麓のアルプナッハの街も見えてきた。
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13:00前、アルプナッハシュタットの駅に到着。
上空には青空ものぞいてきた。
こうなるともう一本後の電車で下りれば良かったという思いもわいてくる。 -
アルプナッハシュタットはフィアヴァルトシュテッター湖に面していて、ルツェルン〜アルプナッハシュタット間は観光船も就航している。
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フィアヴァルトシュテッター湖の風景もなかなかのもの。
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フィアヴァルトシュテッター湖は非常に複雑な形をした湖である。
手前の山の向こうに湖はつながっている。
一番奥の山影はおそらく「リギ山」。 -
フィアヴァルトシュテッター湖のカモの群れ。
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13:30頃の列車でルツェルンに向かった。
右手にフィアヴァルトシュテッター湖を見ながら走る。
ルツェルン〜インターラーケン間はトーマスクックの景勝ルートになっているが、この路線もそのルート上になる。 -
ルツェルン駅で手荷物預かり所からソフトスーツケースを回収して、14:10発のチューリッヒ行きの列車に乗車する。
ここから今日の宿泊地となるポンとレジーナまで5時間近くの列車の旅が始まる。ルツェルン駅 駅
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チューリッヒ行きの列車の1等席は2階建で、2階にはこんな席もある。
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次に乗り継ぐクール行きの列車はチューリッヒでも乗継ぎ可能だが、この「タールヴィル」で乗り換えた方が時間に余裕があるし、小さな駅なので乗車ホームを間違えるリスクも少ない。
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15:21発の列車でクールに向かう。
左手にチューリッヒ湖を見ながら走る。 -
牧歌的な風景の中を走って行く。
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再び左手に見えてきた湖はヴァレーン湖。
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ヴァレーン湖の対岸はフィヨルドを思わせるような断崖絶壁が続き、湖に落ちる滝もいくつか見られる。
このチューリッヒ〜クール間もトーマスクックの景勝ルートになっていて、車窓を楽しませてくれる。 -
サルガンスに近づく頃、左手に山が迫りここでも多くの滝が見られる。
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サルガンスの近くで見えた城。
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ヨハンナ・シュピリ原作「アルプスの少女ハイジ」の舞台となったマイエンフェルトが近づいてきた。
クララのおばあさんが滞在した温泉地バート・ラガッツもすぐ近くだ。 -
定刻の16:43、クールに到着。
さすがスイスの鉄道は正確である。
ここで16:58発のサンモリッツ行き列車に乗り換える。 -
サンモリッツ行き列車は左手にライン川を見ながら遡って行く。
ライン川はドイツのイメージが強いが、スイスアルプスを源流にスイス、ドイツ、フランス、オランダを流れ北海に注いでいる。 -
車内の小テーブルにレーティッシュ鉄道の路線図が描かれている。
スイス東部のグラウビュンデン州を中心に路線網を持つ「レーティッシュ鉄道」はスイス最大の私鉄で、トゥージス〜サンモリッツ間のアルブラ線とサンモリッツ〜ティラーノ間のベルニナ線は「レーティッシュ鉄道アルブラ線・ベルニナ線と周辺の景観」として世界遺産に登録されている。 -
列車は徐々に山岳地帯へと突き進んで行く。
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トゥージスを過ぎるといよいよ雪山が見えてきた。
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渓谷も深く切れ込んでくる。
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イチオシ
いかにもアルプスの中の小さな街といった風景が車窓を彩る。
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イチオシ
クールを出発してちょうど1時間が過ぎる頃、グレッシャー・エクスプレス(氷河急行)の代表的景観ともいえる「ランドヴァッサー橋」を渡る。
河床から65mの高さを通過して行く。ランドヴァッサー橋 建造物
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ベルギューンの街が見えてきた。
アルブラ線の沿線の街はどれも山岳の風景にマッチした美しい風景だ。 -
ベルギューンを過ぎるとヘアピンカーブ並の急カーブを描きながら高度を上げて行く。
ベルギューンからプレダまでは直線距離で6kmもないのだが、線路は途中3回もループを描きながら12.6kmの距離があり416mも高度を上げる。 -
レーティッシュ鉄道は山岳地帯に路線網を持つにもかかわらず、スイスの登山鉄道によく使われているラック式ではなく、全て粘着式鉄道としている。
勾配を抑えるためにループやカーブを多用して距離をかせいでいる。
その結果、トンネルや石橋の箇所も多くなっているが、粘着式鉄道にしていることで長大編成の列車を運行可能としている。
アルブラ線は1904年に開通。
当時の先見の目と土木技術の水準の高さに驚かされる。 -
サメダンで乗り換え、ポントレジーナに18:55に到着。
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本日宿泊するホテルは「シュバイツァーホフ・ポントレジーナ」。
駅から1km近くの道のりで結構上り坂を上るので、ソフトスーツケースをころがして行くには少なからず苦労した。ホテル シュヴァイツァーホフ ポントレジーナ ホテル
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サンモリッツやポントレジーナの駅から徒歩圏内のホテルは1泊1万円以下ではなかなか見つからない。
ここはエクスぺディアで予約し、1泊朝食付きで11,350円だった。
マウンテンビューの部屋ではないが、それにはこだわらないので個人的には問題ない。 -
内装は非常にシンプルで清潔感のある部屋である。
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洗面・トイレ・シャワーは可もなく不可もなくといった感じ。
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うれしいのは冷蔵庫が付いていること。
物価が高いスイスなので、スーパーで食品・飲み物購入が多くなることを考えると、これは重要。
イタリア国境に近いせいか、イタリアっぽい放送がテレビに写っている。 -
21:00頃の夕暮れ時にホテルの周辺を散策してみた。
ホテルの裏山の方へてくてくと。 -
ちょっと上ったところから街を見下ろす。
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色とりどりの花が咲き誇る。
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イチオシ
花を見るには最高の季節なのかも。
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天気予報では3、4日後は良さそうだが、明日、明後日は微妙な天気のようだ。
サンモリッツ周辺は晴天率が高いことで知られる。
なんとか明日もその面目を保って欲しいところだ。 -
街はずれにあるサンタ・マリア教会。
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ポントレジーナは華やかさはないが落着いた感じの街である。
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スイス1日目の今日は、予定していたピラトゥス山でのトムリスホルンまで往復ハイキングを実施できずに終わった。
明日は長めのハイキングを予定している。
なんとか天候がもってくれることを願いながら、早めに就寝することにした。
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