はちのすけさんのクチコミ(72ページ)全3,564件

　ともバスを運行する鞆鉄道の施設だ。路線バスの待合所であり、水産品、保命酒、土産品、特産品、Ｂ級グルメなどのショップでもある。「トモテツ」のミニ資料館、観光情報センターも併設する。鞆の浦観光にはとても便利な施設だ。

　室町時代に日蓮宗の高僧が鞆の浦に上陸し、開創した寺院。寺勢は発展し、中国地方の日蓮宗の布教拠点として繁栄したという。江戸時代には法華経の熱心な信者だった加藤清正をまつる清正公堂が建立され、清正信仰の場としても知られた。境内には国の天然記念物に指定された松の巨木があったが、枯れ死。現在はそのあとが残るのみだ。そばには梅の巨木があり、とても目を引く。

　鞆の浦に行く途中のロードサイドにある水産物加工品のメーカー直売施設だ。ちくわ、天ぷらなどの練り物、珍味、小魚、高級魚の干物など、いかにも瀬戸内海の港町のショップらしい商品を並べている。ロードサイドなので自動車の寄り付きはいい。

　鞆港のシンボルである常夜灯や雁木のすぐそばにあるカフェだ。江戸時代の終わりごろに建築された建物を使っており、雰囲気のあるロケーションも魅力。テイクアウトで雁木に腰かけて食するスタイルを勧めており、この日は港を眺めながらコーヒーを飲んだ。天気がいい日にはおすすめだ。

　平清盛の嫡男である重盛が開創したとされる寺院だ。重盛は平家の本拠であった京都・六波羅の小松第に居を構えたことから「小松殿」と呼ばれたが、それが寺名の縁起だろうか。と思っていたら、重盛が開創時に小松を植えたことがゆえんという。伝説だが、重盛は「この松が天に伸びれば平家は栄え、地にはえば平家は滅びる」と言い残した。松は横に伸びて育ち、平家は滅亡した。南北朝時代には足利尊氏が陣所を構えるなど歴史の表舞台に登場している。

　保命酒入江豊三郎本店に併設された資料館だ。保命酒を販売しているのは４社あるそうだが、駐車場から、あるいはバスセンターから常夜燈に向かうと、真っ先に出合うのがここの店舗だ。構えが立派で観光客の出入りも多く、前を通ると試飲をしていた。資料館には古い徳利がずらりと並んでいた。

　安国寺の隣にある臨済宗妙心寺派のお寺だ。とても庭の手入れが行き届いており、境内を散策するだけでも楽しめる。小宇宙のように整備された砂には球形の石像、お地蔵さん、オブジェのような石が配置してあり、とても現代的だ。雑然とした境内もあるだけに、参拝するとホッとするようなお寺だ。

　本願寺という名称だが、この地方では珍しいという時宗の寺院だ。開創は時宗の開祖である一遍上人。往時は大寺院だったが、毛利家支配時に寺領を没収され、今は小ぶりな感じだ。江戸時代、朝鮮通信使の定宿だったという。鞆の浦の町並みの北側にあり、周辺には寺院が集中している。

　天然の良港である鞆の浦が発達していったあかしがこの波止場だ。地形に恵まれていた鞆の浦だが、大可島を陸続きにするなど地形を改変した結果、水深が浅くなるなどの影響が生じた。そこで大規模な工事を繰り返して波止場を形成している。離れた場所から見ると、もともとあるような造形美に見えるから不思議だ。大掛かりな機械もない時代にどうやってこれだけの波止場を現出させたのだろう。感心するばかりだ。

　江戸時代末期に尊王攘夷派の公家が都落ちする際に寄った跡だが、ある意味、当時の鞆の浦がいかに瀬戸内海航海の拠点であったかを浮き彫りにするような場所かもしれない。1863（文久３）年、尊皇攘夷を唱えていた七人の公家が公武合体派に謀られ、軟禁。長州の手引きで京都を脱出し、海路鞆の港に上陸した。その時に訪れた場所だ。港近くで風情ある歴史的町並みの中心のような建物で、一帯はとても絵になる。

　戦国時代末期に創建され、江戸時代中期に現地に移った。印象的な山門だ。特に二階部の屋根や朱塗りの壁は大陸風の異国情緒を漂わせているが、江戸時代に朝鮮通信使の宿舎として使われたことから歓迎の意を込めて建造されたものだろうか。山門、本堂共に国の登録有形文化財だ。

　マイカーで行っても、路線バスで行っても、鞆の浦観光のスタートはこのセンターに立ち寄るのがいい。港周辺はそれでも観光面のホスピタリティーが充実しているが、北側の寺院群は無人のケースが多く、観光情報が得にくい。この日は市営駐車場にマイカーをとめて北側の寺院群から回ったが、観光パンフレット一つ置いておらず、少し困ってしまったからだ。お土産品、特産品、B級グルメなどの販売も。奥には「トモテツ」のミニ資料館もあった。

　鞆の浦は狭いエリアに神社仏閣が集中しているが、その中でも寺院を代表する存在だろう。市営駐車場に自動車を止めて、真っ先に参拝に行った。境内はそんなに広くはないが、釈迦堂など国の重要文化財もあり、充実した内容だ。

　古代の悲恋物語が残る場所にある小さな、小さな橋だ。大陸から来日した一行をもてなす役目の役人と女性が恋に落ちたが、罪を問われて処刑された。その後、この橋のたもとで男女がささやく声が聞こえるようになったという。なぜ橋が架かっているのかわからない場所で、少し道路が膨らんでいるのと、たもとに小さな柱や欄干があるのでそれとわかる程度だ。すぐそばに山中鹿之介の首塚もあり、なんとなくパワースポットのよう。

　山門、本殿ともに威容を構えており、こじんまりとした寺院が多い鞆の浦の中では屈指の門構えだ。さらにはご本尊の阿弥陀仏、鞆の浦塔、梵鐘など寺宝も多い。寺を支えた商人たちの往時の羽振りの良さがしのばれる。寺勢は江戸時代中期に隆盛を迎えたというが、鞆の浦が最も栄えた時期と重なるのだろうか。

　八丁堀にあるデパートの三越や福屋の南側を走るアーケード商店街。金座街商店街や中央通りと接して広島市の中心商店街を形成している。他の商店街と違うのは胡子神社の存在だ。商店街の名前の由来になっているほか、十一月のえびす講は広島三大寺社祭りの一つとして大いににぎわう。

　戦国時代のヒーローの一人だ。なぜ、こんな所に首塚があるのかと思ったら、この地に亡命幕府を構えていた足利義昭の首実検を受けたためという。山中鹿介の最期の地は岡山県高梁市落合町。中国山地のど真ん中あり、そこからわざわざ首実検のために瀬戸内海沿岸の鞆の浦まで送られてきたのかと思う。織田方の有力武将を打ち取った報は、亡命してきた元将軍の心境に何らかの作用があったのだろうか。鹿介の英雄譚を物語る史跡はこの首塚を含めて各地にあり、それだけ彼が後年の人々に愛されたのだとつくづく感じる。塚には小玉スイカがちょこなんと供えられていた。

　この地に刀匠が集まっていたことをうかがわせる神社だ。祭神の天目一箇神は山陰地方の製鉄場、各地の刀の産地でよく見かける神様で、まさに鍛冶そのものだ。が、小烏大神はあまりよくわからない。ただ、表の鳥居から入ると神社で、裏の鳥居から入ると小烏大明神、また境内にはお稲荷さんも勧請されており、この地に集まった多くの刀匠の信仰心を満たす存在だったことがうかがえるようだ。足利尊氏ゆかりの古戦場でもある。

　鞆で働いていた多くの仲仕。いずれも船積荷物の陸揚げや積み込みで力自慢を誇っており、彼らが奉納したのが、この力石だ。祭礼の場で力石を使って力を競いあい、差し上げた石に名前を刻んで神社に奉納した。沼名前神社には20個の力石がある。瀬戸内の港町にはこうした力を競う奉納が多いような気がする。

　雁木とは北陸など積雪地帯の町で見かけるアーケード状に連続した庇を呼ぶものだと思っていた。ここでは潮の干満にかかわらず着船できるよう工夫された石階段を、やはりその形状から雁木と呼ぶ。江戸期はもう少し鞆の浦のあちこちにみられたが、現代になって埋め立てるなどした結果、常夜燈前の「浜の大雁木」のみが残ったという。常夜燈とのコンビは鞆の浦を象徴する絵になる風景だ。