2013/10/14 - 2013/10/28
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jijidarumaさん
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<2013年秋・ドイツ・ベネルックスの旅>
2013年10月14日(月)〜10月28日(月)15日間
使用レンタカー:メルセデス C-180 ・1800cc 黒色 5T
10月16日(水);280km 、
昨日と同じように曇り時々シャワー、10℃前後の一日。
≪伝説:巨人族の三姉妹・ブラマ、ザバ、トレンドゥラ≫
昔々、ヴェーザー川が流れるヘッセン州のヴェーザーベルクラント(Weserbergland)のなだらかな丘陵地帯を覆う、深く、暗いラインハルトの森(Reinhards-Wald)に古代ゲルマンの巨人族が住んでいました。
写真はブラマ像
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- ルフトハンザドイツ航空 ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
巨人族の長はクルコと云い、族長の3人の娘Bramaブラマ、Sabaザバ、TrendulaトレンドゥラがTrendelburgトレンデンブルグ城に住んでいました。
父クルコが亡くなってから、ブラマ、ザバの二人は急速に広まりだしていたキリスト教に改宗したのですが、トレンドゥラは改宗しませんでした。
古代ゲルマン神を信じるトレンドゥラが頑ななため、心優しいブラマはこの事を泣き悲しむあまり失明してしまいます。
お互いが信ずる神に従い、ブラマ、ザバの二人はトレンデンブルグ城を出て、ブラマはヴェーザー川の向こう岸にBramburgブランブルグ城を、ザバはトレンデンブルグ城からも近いSababurgザバブルグ城を建てて移り住みました。
写真はトレンデンブルグ城の名高い“ラプンツェルの塔” -
仲良しの二人を嫉んでか? 宗教上の争いか?!
ある時、トレンドゥラがザバを待伏せして殺してしまいます。
その後、トレンドゥラは城に篭って、姿をみせなくなりました。
写真はトレンデンブルグ城の秋景色 -
ある日、この辺りを7日7晩の豪雨が降り続きました。
止まぬ豪雨にキリスト教に帰依していた村人たちは、異教徒のトレンドゥラに対する神の怒りだと考え、トレンドゥラを生贄にしようと、森に連れて行きました。
天から稲妻が光り、雷がトレンドゥラを貫き、大きな穴を開け、豪雨はたちまち止みました。
写真はトレンデンブルグ城の全景 -
大きな穴はヴォルケンブルッフ(Wolkenbruch突然の豪雨の意)と呼ばれ、今もトレンデンブルグの村外れに残っているそうです。
(この伝説はグリム童話の陰に隠れてしまい、私も初めて知りましたが、キリスト教の伝来と古代ゲルマン神の衰退の話として、大変、興味深いものです。)
写真はヴォルケンブルッフと呼ばれる大きな穴 -
資料;ドイツ魔女街道を旅してみませんか? (作者:西村佑子)から。
(2013.09.15.編集・加筆)
XXX
写真はヴォルケンブルッフと呼ばれる大きな穴 -
写真はザバブルク城
-
写真はサバブルグ近くのReinhards-Waldラインハルトの森
-
写真はヴェーザー川の向こうRuine Bramburg ブラムブルク城址から見るBramwaldブラムの森
-
*Ruine Bramburg ブラムブルク城址
ヴェーザー川の向こう岸にフェリーで渡り、R.M.Hemelnヘメルンから少し北に走ると、210mの丘の上にブラムブルク城址がある。
11世紀の頃に既に築城されていたと云う。
現在の城址には22mほどの天守閣が残り、城壁の一部、掘割の跡が見られる。
伝説によれば巨人族の三姉妹の長姉ブラマがこの城に住んだと云う。
XXX
写真はブラムブルク城址に残る天守閣 -
≪巨人族・三姉妹の木像≫
1994年に、古代ゲルマンの伝説、巨人族・三姉妹の木像が作られました。
古代の神木オークの一本彫りで、いずれも7mの大きなものです。
ブラマの像はヴェーザー川の向こうBramwaldブラムの森を見渡す場所*に、
トレンドゥラの像はトレンデンブルグ城の谷間を流れるディーメル川の岸辺に、
ザバの像はザバブルグ城の麓に其々悲しげな顔を見せて立っています。
写真は盲目のブラマの像 -
今日はWeserberglandヴェーザーベルクラントを走る。
ヴェーザーベルクラントはドイツの中央部の北にあたり、なだらかな丘陵地帯である。古くからWeserヴェーザー川に沿って発展した地域で、アルプス以北でルネサンスの建築物が多くみられる地域はここを置いてないと云われる。
この地域で見られるよう様式を*ヴェーザー・ルネサンス様式と称している。
【ヴェーザー・ルネサンス様式】
イタリヤ・ルネサンスから派生した一つのバリエーションで、北ドイツ特有の愛らしい建築様式。
この独特のスタイルはハーメルンとその近郊に見られるが、切妻屋根部分にダイヤモンド風に仕上げた石の飾り、渦巻き模様、マスクや厄除けの獣面、紋章、文字の刻印などの豪華な装飾が施されているのが、特徴である。
また、張り出し部分の木彫りの装飾(キリスト、使徒、古代天体の神々など)も華やかで、建物全体をいろどる色彩は大変美しい。
【Weserヴェーザー川】
中部ドイツのThueringer Waldテューリンガーの森に源を発し、ドイツ的な楽しい観光街道・メルヘン街道沿いのハン・ミュンデンやハーメルンを経由し、ブレーメンに至り、50km先のブレーマーハーフェンで北海に流れ込みます。
ドイツでは有名なライン、ドナウ、エルベ川の3大河川と共に重要な河川であり、昔からハンザ商人が船による輸送=通商路としてきた河川の一つです。
全長440km。
(支流あるいは源流の一つWerraヴェラ川を含むと744km。)
写真はザバの像が門番の如く、悲しげな顔を向けて道端に立っている。 -
Trendelburgトレンデンブルグ やSababurgザバブルグの城はラインハルトの森(Reinhards-Wald)の中にある。グリム童話の赤頭巾ちゃんの話が生まれたラインハルトの森は、広大で緑濃い森である。
童話のように、当時は狼がたくさん出没した事だろう。
国道の先の丘陵地帯に茶色の高い塔が見えてくる。
あれが名高い“ラプンツェルの塔”だ。
1907年発行のグリム童話では『魔女に閉じ込められたラプンツェルが塔から長い髪を垂れ下げ、王子に助けてもらった。』という話が載っていて、Trendelburgトレンデンブルグの塔は其のモデルに使われたそうです。
人口6000人という小さな木組みの家の並ぶ村の中心に、Burghotel Trendelburg古城ホテル・トレンデンブルグ城はあり、1303年コンラッド三世伯爵が建てたのが始まりと云われている。
大火災や戦乱に巻き込まれ、城は2度も炎上したものの、都度修復され、その後も幾多の変遷をへて、1948年この城主の末裔によって、6ベッドのみのホテルが開業される。
今は中世の雰囲気をもつ古城ホテルとして、メルヘン街道の目玉になっていて、世界中からやって来る観光客の人気も高い。
トレンデンブルグ城から田舎道を10km走ると、森の中のSababurgザバブルグ城に至る。ザバの木像が門番の如く、悲しげな顔を向けて道端に立っている。
別名100年の眠りから覚めた“眠れる森の美女”であり、Dornroeschenschloss “いばら姫の城”と呼ばれている。
この城は13世紀にマインツ司教が支配地域の前哨基地として建てた。1429年ヘッセン公国の所有となり、狩猟の館となるも、19世紀始め、公国の崩壊と共にうちすてられ、長い間忘れられた存在になっていた。
第二次大戦後、ホテル・レストランに改造され、周囲には自然動物園も設けられている。
写真はトレンドゥラの像(上の3姉妹像は西村さんからの借用画像) -
【Ruine Krukenburgクルケンブルク城址】
ヴェーザー川に沿ったBad Karlshafenバート・カールスハーフェン(-Helmarshausenヘルマールハウゼン)は白いユグノー教徒の町と称されている。
この町は迫害されたフランスの新教徒ユグノーを受け入れるべく、1700年にヘッセン・カッセル大公国のカール大公が建設したものである。
近くのKrukenbergクルケン山上にRuine Krukenburgクルケンブルク城址がある。
クルケンブルク城は珍しいKirchenburg教会城(Kloster Helmarshausenヘルマールハウゼン僧院)でした。
クルケン山上に1107年に教会が建てられ、Erzbistum Paderbornパーダーボルン大司教の指示で、1215 〜1220年には高い城壁や掘割でその周囲を固めた。更に厚い壁の力強い天守閣が作られ、緊急避難用の塔として、中ほどに開けた小さな扉でのみ出入りしたと云う。
現在は遠足・ハイキングの目的地になっていて、天守閣からの眺望を楽しむ人も多いそうだ。 開館:10~18時。
・・・伝説の巨人族の長はクルコと称したそうだが、このクルケンブルク城址と関係があるのか?調べてみたが、記載が無い。
http://www.bad-karlshafen.de/index.php?id=127
XXX
尚、ご参考に;
キリスト教の伝来と古代ゲルマン神の衰退の話として、
≪古代ゲルマン人の聖地Die Externsteineエクステルシュタイネと
“イルミンの柱”≫の章を掲載している。
http://4travel.jp/travelogue/10841776
XXX
写真はRuine Krukenburgクルケンブルク城址
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