2025/05/04 - 2025/05/04
40位(同エリア1545件中)
+mo2さん
今年のGWは、妹と一緒にウズベキスタンのサマルカンドに行く予定でしたが、母の施設から連絡あり、多分、一週間ほどしか持ちませんと言われたのが4月初旬。それからもってはいるものの日ごとに悪くなっている状況。サマルカンド行きはあきらめました。実は昨年のGWも直前に父が亡くなり、妹との香港・マカオ行きをキャンセルしました。GWは自宅待機となりましたが、近場ならということで、箱根のポーラ美術館へランチで行ってきました。ポーラ美術館では「カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」が開催されておりました。一部作品については写真撮影OKでした。ここでポーラ美術館の不思議なのですが、ある展覧会の時は写真撮影OKだった作品が、別の展覧会では×や逆の場合が多いのですが何故でしょう?ということで、写真撮影できなかったものは、一部過去の写真で補っています。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
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9時半前には到着しました。天気もよく道も混んでおらず最高の陽気です。
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ポーラ美術館では「カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」が5月18日(日)まで開催されています。
ポーラ美術館 美術館・博物館
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ポーラ美術館HPより
豊かな色彩に溢れる現代社会。私たちの身の周りには空の色、自然の色、街並みの色、生活用品の色などに加えて、さまざまなサイズの画面が表示する色があり、最新のモニターやスマートフォンにおいては10億色を超える色の再現力をもつと言われています。いま人間はかつて経験したことのなかった色彩世界に暮らしているといっても過言ではありません。
大きな変革を迎えた21世紀の社会に生き、パンデミックを経験した私たちは、写真や動画あるいはゲームをスマホやPCモニターで見る機会が圧倒的に増えています。無意識のうちに自然や都市、美術館などの建物のなかで目にする現実の色より、画面を通して経験される「仮想の色」に慣れつつあります。ポストコロナ時代に至ってもなお、物質と精神をともに豊かにしてきた「本当の色」がいよいよ身近に感じられなくなっているかもしれません。
本展覧会は、近代から現代までの美術家たちが獲得してきた「色彩」とその表現に注目し、色彩論や色を表現する素材との関係にふれながら、色彩の役割についてあらためて考察するものです。チューブ入りの油絵具を巧みに扱い、さまざまな色彩によって視覚世界を再構築した19 世紀の印象派や新印象派をはじめ、20世紀のフォーヴィスムの絵画や抽象絵画、そして色彩の影響力によって観る者の身体感覚をゆさぶる現代アートにいたる近現代の色彩の歴史を、おもに絵画や彫刻、インスタレーションによって読み直します。
日々研究を重ね、独自の表現方法を編み出し、時代を表してきた美術家たち。彼らが人生をかけて生み出した色彩の秘密に目を向けてみましょう。その経験は、あなたの日々の暮らしに彩(いろどり)をもたらし、自身のなかに眠っている「本当の色」を呼び覚ましてくれるかもしれません。 -
プロローグを飾る杉本博司の「Opticks」シリーズは、まさにこの原理を作品として見せるもの。同シリーズは、アイザック・ニュートンの著作である『 光学 』(1704)に由来しており、プリズムによる分光装置を透過した光のスペクトルをポラロイドカメラで撮影。そのプリントをスキャンしたのち、色調を微調整しながら拡大して印画紙に焼き付けるという一連のプロセスの繰り返しによって生み出されています。
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杉本博司「Opticks 」2018年(平成30)
※本作品は出展されていません。写真は本展での撮影ではありません。
杉本自身が「光を絵具として使った新しい絵(ペインティング)」と評した写真作品であり、本展冒頭を飾るにふさわしいでしょう。 -
杉本博司「Opticks 」2018年(平成30)
※本作品は出展されていません。写真は本展での撮影ではありません。 -
杉本博司「Opticks 」2018年(平成30)
※本作品は出展されていません。写真は本展での撮影ではありません。 -
杉本博司「Opticks 048」2018年(平成30)
※本作品は出展されていません。写真は本展での撮影ではありません。 -
第1部「光と色の実験」
1部の冒頭を飾るクロード・モネをはじめとする印象派の画家たちは、物体の固有色を否定し、光によって移ろう対象の色彩を表現することによって、独立した色彩表現の可能性を追究した存在です。 -
ウジェーヌ・ドラクロワ「ペルシアの王の贈り物を拒絶するヒッポクラテス」1830年代
この《ペルシアの王の贈り物を拒絶するヒッポクラテス》は、古代ギリシアの医学の大成者ヒッポクラテスの逸話を描いたものです。この話は、ヒッポクラテスがアテネにいたとき、彼の気を惹こうとするペルシアの王アルタクセルクセスの豪華な贈り物を拒絶したというものであり、絵画や詩に取り上げられました。このような主題は、病院や診療所などのために制作されたことが多く、本作品も1832年または33年にドラクロワが肖像を描いた医師のデメゾンが所有していたと思われます。 また、ドラクロワはこの主題を、1842年制作とされるブルボン宮殿図書館の「科学」の円天井の穹隅のひとつにも描いています。この穹隅でヒッポクラテスは、右手を伸ばして拒絶のポーズをとり、両側の贈り物を差し出す人物像とともに立ち姿で表わされています。一方、本作品ではヒッポクラテスは座っており、画面左下に描かれたペルシアの王の使者が差し出す贈り物に対して拒絶というよりも強い驚きの感情を示すポーズをとっています。本作品はブルボン宮殿の穹隅ほど構想が練られていないため、後年のヴァリアント(異作)というよりも、これに先行した作例である可能性が指摘されています。 -
クロード・モネ「バラ色のボート」1890年
モネは、1880年代後半から1890年にかけて、エプト川での舟遊びの情景を描いていますが、この作品は、モネの人物画の最後の大作であるとともに、水面下の水草の動きと神秘的な暗い光を描いた最初の試みでもあります。 -
クロード・モネ「セーヌ河の日没、冬」1880年
モネは、1878年1月にアルジャントゥイユを離れてパリに滞在した後、8月からパリの北西約60km、メダンとジヴェルニーの間に位置する、セーヌ河の湾曲部にある小さな村ヴェトゥイユに転居しました。1878年9月、モネの最初の妻カミーユが、次男を出産後、この地で病歿しました。その年の冬、フランスを襲った記録的な寒波により、セーヌ河が氷結します。そして翌年の1月、氷が割れて水面を流れるめずらしい光景をモネは眼にするのです。自然界の異変によって生じた風景に感動した彼は、描く時間や視点を変えて繰り返し描いています。この作品では、解氷が浮かぶ水面は、後年にモネが没頭していく睡蓮の連作のように、沈みゆく夕陽に染まる空の色を映し出しています。この風景の変化と美しくも厳しい自然の姿は、妻の死に直面し、悲しみの淵に沈んでいたモネを、ふたたび制作に駆り立てたのです。 -
クロード・モネ「ルーアン大聖堂」1892年
ローマの時代からセーヌ河による水運の拠点として発展し、かつてノルマンディー公国の首都として栄えたルーアンは、現在もフランス有数の大都市です。また、1431年にジャンヌ・ダルクが火刑に処せられた地としても知られています。セーヌ河右岸の旧市街の中心の建つノートル=ダム大聖堂は、フランス・ゴシック建築の精華のひとつに数えられています。この大聖堂のファサード(西正面)を、モネは夜明け直後から日没直後のさまざまな時間まで、異なる天候のもとで描き出して、その数は33点にまで及びました。1895年5月には、デュラン=リュエル画廊の個展で、そのうちの20点を発表しています。本作品の上側には夕刻の光を受けてバラ色に輝く大聖堂の表現がみられますが、これは夕方6時頃の光であると言われています。加えて、本作品の下側には灰色の表現が見られますが、これは大聖堂に向かいの建物の影が落ちている様子を表現したものです。モネはこの建物の2階の部屋にイーゼルを立てて、ルーアン大聖堂の連作を制作しました。 -
クロード・モネ「睡蓮の池」1899年
モネは、1883年からパリの北西70kmの美しい村ジヴェルニーに移住し、ここに家を建て、庭を造成します。家の前には色とりどりの花が咲き乱れる「花の庭」を造り、1893年には家の敷地の道路を隔てた隣の土地を買い、「水の庭」を造りました。「水の庭」には、池を作り睡蓮を植え、池の上にはモネは好きだった日本の浮世絵に描かれたような日本風の太鼓橋が架けました。そして池の周りには柳、竹、桜、藤、アイリス、牡丹などさまざまな植物が植えられました。この自分がつくり上げた幻想的な庭で、モネは睡蓮の池と橋の風景を描いていますが、この作品は18点の連作のうちの1点です。この後、しだいに彼の興味は時間や天候による光の変化が、池の水面におよぼすさまざまな効果に向かっていきます。なお、モネの家と庭は、息子ミシェルが亡くなった1966年に国家に遺贈され、現在公開されています。 -
クロード・モネ「睡蓮」1907年
モネは1899年から睡蓮を描いていますが、現在、オランジュリー美術館の「睡蓮の間」に展示されている最晩年の「睡蓮」大装飾画にいたるまで、「睡蓮」を主題とした作品は約200点残されています。モネは、最初睡蓮の池と日本風の橋の風景を空間として捉えた作品を描いていますが、彼の興味は、次第に睡蓮の浮かぶ水面に向けられていきます。モネは同じモティーフを描くことで、季節や時間とともに変化する光の効果を捉えようとしました。太陽の光は、季節や天気、時間帯によって異なります。朝の光は白くまぶしく、夕暮れ時の光は桃色やオレンジに見えます。同じ主題で異なる時間帯に描かれた作品を並べることで刻一刻と移りゆく光の表情を表現できるのです。この作品では、水面のさまざまな光による変化を捉えることで、空の色や雲の動き、周囲の木々の存在、水面の下の世界などを表現し、画面外の世界の存在の暗示と象徴に満ちています。 -
クロード・モネ「サルーテ運河」1908年
1908年の9月末から12月にかけて、アメリカ人画家ジョン・シンガー・サージェントの友人の招待により、モネは妻のアリスをともなってイタリアのヴェネツィアに滞在しました。静養が目的でしたが、彼はホテル・グランド・ブリタニアで制作に没頭します。モネがヴェネツィアを描いた作品は約40点残されていますが、本作品を含む29点は、1912年5月に開催されたベルネーム=ジュヌ画廊の個展で展示されました。モネは、グラン・カナル(大運河)の近くに位置するサルーテ聖堂周辺の運河の風景を描いています。建物を照らす午後の強い光をモネはあざやかな色彩で表現していますが、その色使いは豊かでいきいきとしており、同時代のフォーヴィスムの色彩にさえ接近しています。水の都ヴェネツィアをはじめて訪れたモネは、もう一度来たいと願っていましたが、結局この旅行が最後の制作旅行となってしまいました。 -
ピエール・オーギュスト・ルノワール「髪かざり」1888年
椅子に腰掛けた若い女性の後ろにもう一人の女性が寄り添い、髪に花かざりを着けています。当時、ブルジョワ階級の女性が家で過ごす際には、花の髪かざりを着ける習慣がありました。同様の髪かざりは座っている女性の手にも見られます。ルノワールは1890年前後、身づくろいのほかにも、同じ年頃の女性による奏楽や花摘みなどの情景をしばしば描いています。1880年代後半に印象派の描法を脱するべく取り組みました。アングル流の立体的な裸婦が画商や画家仲間に不評だったことで、ルノワールはこの時期、一般に受け入れられやすい近代生活を描きました。しかしこの主題をめぐっては、アントワーヌ・ヴァトーやジャン=オノレ・フラゴナールといった18世紀ロココの画家による、甘美で活き活きとした女性像への憧憬を読み取ることもできます。人物をはじめとして、室内で重なりあう多様なモティーフがそれぞれ明瞭な輪郭で描き出されているのは、アングルを範として1880年代を通じて追究されたアカデミックな描法の特徴といえます。また、二人の女性像が織り成す垂直方向の線が、背後の長椅子の作る水平線とともに均衡のとれた画面を作り出しており、先立つ印象派の時代と比べて、構図の検討がより入念になされています。 -
ベルト・モリゾ「ベランダにて」1884年
モリゾはマネに師事したフランスの印象派で活躍した女性画家。本作は家族で滞在したパリ郊外、セーヌ河沿いのブージヴァルで1884年の夏に制作された作品。この時期の作品には、一家の穏やかで幸福な生活の様子が見られます。陽光溢れる邸宅のサンルームで、机に向かい花らしきものを手にしている画家の一人娘ジュリー・マネの姿が、明るくやわらかな色彩と素早い筆致で描かれています。窓からは、美しい樹々の緑と隣家の建物や屋根がのぞいています。本作品は、身近な人物や風景を主題として制作したモリゾの典型作であると言えます。モリゾの他界後、娘ジュリーがドガ、モネ、ルノワール、マラルメらの協力を得て開催した1896年のデュラン=リュエル画廊での追悼大回顧展に出品されました。 -
ジョルジュ・スーラ「グランカンの干潮」1885年
大きさの異なる3隻の帆船が、画面の中にさまざまな角度で配されています。中央の遠景の船は正面観で、右側のものは側面観で、そして潮の満干で浜辺に取り残された左側のもっとも大きいものは斜めの軸を強く意識しながら描かれています。こうした画面の構成は、安定した調和をもたらす黄金分割に基づいており、作品全体を覆う綿密な点描の効果と相まって、英仏海峡を臨むノルマンディー地方の小村であるグランカンの情景に、厳格な性格を与えています。 著名な化学者であり、色彩の研究にも力を尽くしたミシェル=ウジェーヌ・シュヴルールの『色彩の同時対照の法則について』(1839年)をはじめとする著作を研究したスーラの大作《グランド・ジャット島の日曜日の午後》(1884-1886年、シカゴ美術館)が話題を呼んだのは、最後の印象派展となった第8回印象派展でした。光学、そして色彩理論による科学的な視座から印象派の技法を再検討し、乗り越えようとしたスーラの作品を、美術批評家フェリックス・フェネオンが「新印象派」と命名したのは、同年に開催された第2回アンデパンダン展でのことです。この展覧会に《グランド・ジャット島の日曜日の午後》とともに出品されたのが本作品であり、額縁の装飾も含めた絵画制作を実践していたスーラによる、点描の縁取りが施されています。 -
ポール・シニャック「フリシンゲン湾」1896年
海を愛したシニャックは、ヨットを自分自身で操縦してヨーロッパ各地の港に赴き、数多くの海や港の風景を描きました。彼は、生涯に30艘を越えるヨットを購入しています。フリシンゲンは、オランダの港湾都市。シニャックは、1896年、自由美学展の開幕とエミール・ヴェルハーレン主催の晩餐に出席するため、友人の画家レイセルベルヘとともにブリュッセルに行きました。その際、彼は、アントウェルペン、ブリシンゲン、フェーレ、ロッテルダム、デン・ハーグ、アムステルダム、ドルトレヒト、フォーレンダムなどのオランダの都市を訪れました。本作品は、紫、青、緑といった寒色系の繊細な色彩を用いた点描で、港の眺めと停泊する船を描き出しています。ほぼ同じ構図で、バラ色の色調で描かれた作品も残されています。 -
フィンセント・ファン・ゴッホ「アザミの花」1890年
本作品は、ゴッホ晩年の1890年6月16日または17日に、ガシェ医師の家でモティーフを見つけて描いた数点の野花の静物画のうちの1点。 -
「アザミの花」(部分拡大)
テーブルや花瓶を区切る輪郭線は、日本の浮世絵版画の影響を感じさせます。外側に広がるアザミの鋸歯状の葉や麦穂、花瓶の同心円状のタッチや背景にみられる垂直と水平方向に交差したタッチは、ゴッホの線と色彩、画肌の効果の追究の成果を示しています。 -
イチオシ
ポール・ゴーガン「小屋の前の犬、タヒチ」1892年
ゴーガンは、1891年に初めてタヒチへ渡りました。それは画家が暮らす文明社会ではすでに失われてしまったかつての人間の営みと精神を、タヒチで見出す心の旅路でもありました。強く憧れていた南国の地で、画家は鮮やかな色彩を呈する風景、島特有のさまざまな生活の場面、人間、動物たちの姿を捉えていきました。本作品では、植物だけを材料に組み立てられた伝統的な小屋が、柔らかい質感と目の醒めるような橙色で表現され、その隣には、村人たちが大地に腰掛けておしゃべりする光景が添えられています。ゴーガン特有の緑を主調にして斜めに平行に置かれた筆致が画面の大部分を覆っていますが、その傾いだ色とりどりの筆致は、はるかなる山裾から集落までを駆け抜ける風にそよぐ草木のざわめきを表わし、この土地固有の空気の流れと輝きを伝えています。
前景には、一匹の黒い犬が頭を垂れ、大地に繁茂する植物とともに、集落の風景に比べてより写実的に描写されています。そこには新天地の大地を踏みしめ、タヒチの人々から距離を置きつつ観察するゴーガンの姿を投影することができるかもしれません。ゴーガンは、この第一次タヒチ滞在ののち、いったんは帰国するものの1895年に再び渡航し、1901年にタヒチよりもさらに故国から離れたマルキーズ諸島のドミニク島(現ヒヴァ=オア島)に到着しますが、1903年、彼の地で生涯にわたった長い旅路を終えました。 -
アンリ・マティス「オリーブの木のある散歩道」1905年
アンリ・マティスらフォーヴの画家たちは、対象から色彩そのものを解放し、画面における色彩の調和を重視したことで知られます。 -
ロベール・ドローネー「傘をさす女性、またはパリジェンヌ」1913年
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ワシリー・カンディンスキー「支え無し」1923年
モスクワに生まれたカンディンスキーは、法律と経済学を学んだ後、30歳で画家を志し、ミュンヘンへ移住しました。1909年には「ミュンヘン新芸術家協会」を設立います。1910年頃に事物の再現にはとらわれない絵画を模索し抽象にむかい、後に抽象絵画の創始者として認められました。1911年にはクレーやマルクらとともにドイツ表現主義を代表するグループのひとつ「ブラウエ・ライター」(青騎士)を組織し、独自の抽象絵画論『芸術における精神的なもの』(1912年)を発表。第一次大戦の開戦を機にいったんソヴィエトに帰国しますが、1921年に再びドイツへ戻り、建築家グロピウスにより創設された総合造形学校「バウハウス」(1919-1933年)で1922年から閉鎖にいたるまで教鞭をとり、その後パリへ亡命しました。 この《支え無し》では、白を基調とした背景がさまざまな元素を含んだ雲のように色彩を帯び、幾何学形態のモティーフを浮遊させ、ピラミッド型の安定した構図のこの絵画を、絶えまなく変動する空間へと仕立てている。その空間にはじつに多様な世界が共存しています。画面左には、猛々しい馬の首のような褐色のシルエットが突き伸び、中央には三原色に塗られた円が求心力を発揮し、画面のあちらこちらで赤、緑、黄の三角形が高揚感のなかに漂っています。 先進的な芸術活動の拠点だったバウハウスで、カンディンスキーは絵画、版画の制作と芸術理論において空間の思考を深めており、本作品を制作した頃には、とりわけ線のもつ無限の可能性に関心を抱いていました。カンディンスキーはすぐれた理論家でもあったのですが、この作品に描かれた幾何学形態とダイナミックな線は、あるものは高みにむかう精神性の希求を表わし、あるものは詩情溢れる有機的なエネルギーを発散し、観念や理性ではとらえることのできない深遠な世界を繰り広げています。 -
ピエール・ボナール「浴槽、ブルーのハーモニー」1917年頃
本作品は、伴侶マルトが体を洗う姿を描いており、ほぼ同じ構図で、画家自身がマルトを撮影した写真が現存しています。最良のモデルでもあったマルトは、浴室で過ごす時をこよなく愛し、ボナールは繰り返しその姿をとどめようとしました。 写真技術に影響を受けた画家は少なくありませんが、ボナールもそのひとりです。大気の変動のなかで茫洋とする輪郭線、バランスを欠いたポーズは、一瞬の動きをとらえているようです。画面右側から外光が差し込み、青い影がたゆたい、白と黄の光の斑紋が流動する情景は、ボナールの光に対する鋭敏な感覚を反映しており、モネの「睡蓮」の連作をはじめとする印象派の手法を、画家が吸収したことを物語っています。「絵画は、ひとつの充足する小さな世界でなければならない」とボナールは語っています。最初の印象をすばやくとらえたデッサンや写真をもとに、画家はアトリエで油彩のタッチを丹念に重ね、光が満ちた世界へと収斂させました。 -
アンリ・マティス「リュート」1943年 ポーラ美術館
マティスが本作品を制作したのは、マティスが本作品を制作したのは、1943年に戦火を逃れて南仏ニースのレジナ・ホテルに滞在していたときでした。目の醒めるような朱色の部屋は、黄色が下塗りされているために光を帯びてみえます。葉の形の装飾文様とアラベスクが壁紙と絨毯にのびやかに描かれ、女性のドレスにはアルファベットの「K」の文字に似たモティーフが躍ります。画面中央には生命力みなぎる紫陽花が君臨し、そのかたわらでリュートを爪弾く女性は、室内に遍在する音楽的なリズムに主旋律を与える伴奏者として、生の喜びを謳い上げているようです。 -
アンリ・マティス「ジャズ」1947年刊
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「海辺の母子像」1902年 ポーラ美術館
20歳のピカソが描いた「青の時代」(1901-1904年)の作品です。ピカソは、親友カサジェマスの死をきっかけに、生と死、貧困といった主題に打ち込み、絵画からは明るくあたたかな色彩が消え、しだいに青い闇に覆われていきました。ピカソの「青の時代」の絵画には、純粋さ、静けさ、あるいは憂鬱など、さまざまなイメージを喚起する「青=ブルー」が巧みにもちいられています。この作品は、ピカソが家族の住むスペインのバルセロナに帰郷していた頃に描かれました。夜の海岸に、母親が幼子を胸に抱いてたたずんでいます。地中海をのぞむこの海岸は、ピカソが通った美術学校の目の前に広がる浜辺で、ピカソが親友カサジェマスと過ごした学生時代の思い出の場所です。母親がまとう衣は、スペイン人が熱心に信奉するキリスト教の、聖母マリアの青いマントを思わせます。蒼白い手を伸ばして赤い花を天へと捧げる姿には、亡き友人へのピカソの鎮魂の祈りが重ねられているのかもしれません。
※本展での撮影ではありません。 -
レオナール・フジタ( 藤田嗣治)「ベッドの上の裸婦と犬」1921 年
※本展での撮影ではありません。 -
モーリス・ルイス「ベス・ザイン」1959年
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ゲルハルト・リヒター 「抽象絵画 (649-2)」 1987年
リヒターの取り組みは、油彩画や写真、そしてデジタルプリントなど多岐にわたっています。〈抽象絵画〉のシリーズでは、色彩を何層も重ねていく際に、画面の幅にわたるほどの長いスキージ(へら状の道具)を用いて、絵具を塗り広げるとともに削り取っていく痕跡に対して、画家の関心が強く向けられました。
※本展での撮影ではありません。 -
ゲルハルト・リヒター「ストリップ(926-3)」2012年
新収蔵作品である《ストリップ(926-3)》は、2011年から始められたシリーズに含まれるものです。ある一枚の《抽象絵画》をスキャンしたデジタル画像を細分化して、再統合した結果としてリヒターが浮かび上がらせたのは、数えきれないほどの細片が折り重なるストライプの広がりでした。
※本展での撮影ではありません。 -
ベルナール・フリズ「Rivka」2019年
フリズは絵具同士を編み物のごとく重ねることで1つの巨大な画面を生み出すことで知られる。白い下地の効果によって画面は透明感と明るさを放ち、玉虫色を見せる。 -
ベルナール・フリズ「Nieri」2019年
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ベルナール・フリズ「Ijo」2020年
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前田信明「UB21- 0210」 2021 年( 令和 3)
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前田信明「UDB24 -1025」 2024 年( 令和 6)
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アニッシュ・カプーア「Glisten(Magenta Apple mix 2 to Garnet)」2018 年
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田中敦子「’89A」 1989 年( 平成元)
※本展での撮影ではありません。 -
山口長男「對」1967 年( 昭和 42)
※本展での撮影ではありません。 -
坂本夏子「Window for Alice」 2024 年
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坂本夏子「Window for Bob」 2024 年
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坂本夏子「不確定なシグナル」2024 年
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坂本夏子「Signals, A(lice)」 2024 年
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坂本夏子「Signals, C(olors)」 2024 年
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坂本夏子「Signals,B(ob)」 2024 年
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丸山直文「morphogen (Brown)」 1994 年
丸山直文の《morphogen》(1994)は綿布に張った水の上にアクリル絵画を滴らせ、水が乾くことで模様が画面に定着するというものです。水の動きが絵具を拡散させ、画面全体を淡く彩る。 -
ヴォルフガング・ティルマンス「フライシュヴィマー 74」 2004 年
ティルマンスの「フライシュヴィマー」シリーズは、カメラや被写体、ネガすら使わずに、暗室の中で印画紙を露光させることで生み出した写真作品。 -
ヴォルフガング・ティルマンス「フライシュヴィマー 112」 2007 年
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ヴォルフガング・ティルマンス「フライシュヴィマー 205」 2012 年
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グオリャン・タン「It Moves It」 2023 年
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グオリャン・タン「Untitled 3」 2024年
グオリャン・タン「Sand Drift」 2024年
グオリャン・タン「Slow Release Ⅱ」 2024年 -
グオリャン・タン「Untitled 」 2024年
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流麻二果「余波」2023 年
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流麻二果「雪に白を着る」のための習作 2024 年
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流麻二果「雪に白を着る」2024 年
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流麻二果「Track of Colors」2022-24 年
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流麻二果「Track of Colors」2022-24 年
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流麻二果「色の跡:波多野華涯「玉蘭海棠図」/Track of Colors:White Magnolia and Armonia by Hatano Kagai 」2024 年
波多野華涯「玉蘭海棠図」1921 年( 大正 10)年 -
門田光雅「surf 1」 2017 年
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門田光雅「untitled」 2016年
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門田光雅「Dice(monochrome)」 2024 年
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門田光雅「Logos」 2023 年
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門田光雅「today」 2021 年
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イチオシ
山田航平「スペクトル・ガール( G.R.)」2024 年
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山田航平「スペクトル・ガール」のための下図 2024 年
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山田航平「絵画の庭にて」 のためのエスキース 2024 年
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山田航平「絵画の庭にて( No.1 )」2024 年
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山田航平「絵画の庭にて」のための下図 2024 年
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山田航平「絵画の庭にて」 のためのエスキース 2024 年
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川人綾「CUT C/U/T_mcmxl-mcmxl_(w)_I」 2024 年
川人綾の絵画は、格子状に塗り重ねられた色彩が大きな特徴。「制御とズレ」をテーマに、大島紬の織りや模様の引用を出発点とし、泥染のグラデーションや蚊絣の点描表現を引用しつつ、見事な錯視効果を表出させました。 -
川人綾「CUT C/U/T_mcmxl-mcmxl_(w)_II 」2024 年
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川人綾「CUT C/U/T_mcmxl-mcmxl_(w)_III 」2024 年
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山本太郎「羽衣バルーン」2014 年
日本の古典文学・芸能をベースに、現代風俗を融合させた「ニッポン画」を提唱する山本太郎は今回、琳派のモチーフとアンディ・ウォーホルにオマージュを捧げるシルクスクリーンをはじめ、横山大観の《不二霊峰》(1940年代)と接続する《羽衣バルーン》(2012)など、ポップな色彩を見せてくれます。 -
横山大観「不二霊峰」1940 年代
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山本太郎「Flowers Iris 1 orange 1 purple 1 yellow 2 pink 」2024 年
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山本太郎「White × Green Great Wave ed.2」 2024 年
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「青磁琮形瓶龍泉窯」 南宋時代 13世紀
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伊藤秀人「CELADON: FLAT Produced by RYUSENDO GALLERY」 2024 年
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中田真裕「AS IF」
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中田真裕「AS IF」
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中田真裕「AS IF」
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中田真裕「AS IF」
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「蒟醤存清蒲甘紀行合子」1992 年( 平成 4)
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小泉智貴「Infinity」 2024年
本展で唯一、ファッションデザイナーとして参加した小泉智貴は、オーガンジーによる大胆なボリュームと鮮やかな色彩の作品で知られています。 -
小泉智貴「Infinity」 2024年
本展で大きな存在感を放つ《Infinity》(2024)は、170ものカラーバリエーションから選ばれ、パッチワークのように紡がれたオーガンジーの色彩は、複雑ながら見事な調和を見せます。そしてその圧倒的なサイズからは、ファッションとアートのボーダーを超えようとする小泉の意欲が感じられるでしょう。 -
草間彌生「無限の鏡の間-求道の輝く宇宙の永遠の無限の光」2020 年
最後を飾るのは、草間彌生による日本初公開のミラールーム《無限の鏡の間-求道の輝く宇宙の無限の光》(2020)。 -
イチオシ
草間彌生「無限の鏡の間-求道の輝く宇宙の永遠の無限の光」2020 年
無限に反射する空間の中に設置された膨大な数の「水玉」その色を次々と変え、鑑賞者をどこか別の世界へと誘う。「色」をめぐる展覧会の締めくくりにこれ以上ないほどふさわしい作品です。 -
草間彌生「無限の鏡の間-求道の輝く宇宙の永遠の無限の光」2020 年
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山口歴「REVISUALIZE NO. 51」 2022 年
山口歴は、グラフィティ文化の大胆な身振りから着想を得て、絵画の基本要素である「ブラシストローク(筆致)」の可能性を追究した、立体的な作品を制作するアーティストです。従来のカンヴァスという枠を超えた彼の作品は、見る人に新鮮な体験を与えます。 -
山口歴「REVISUALIZE NO. 33」 2020 年
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山口歴「OUT OF BOUNDS NO. 124」 2021 年
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山口歴「MÖBIUS NO. 18」 2021 年
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山口歴「PROMINENCE NO.1」 2021-22 年
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ランチです。白で統一されたインテリアが印象的なレストラン。窓の外には小塚山の眺望が広がっています。
レストラン アレイ グルメ・レストラン
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季節のノンアルコールカクテル”桜フレッシュサワー”
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?ワンプレートで?
・サーモンとクリームチーズのタルティーヌ ハーブのアクセント
・じゃがいものクリームスープ
・鶏もも?とベーコンのブロシェット
・鯛と菜の花のパイ包み焼き -
苺ソースのブラマンジェ
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2025 美術館・博物館 展覧会
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