2020/11/08 - 2020/11/08
40位(同エリア121件中)
まりも母さん
2月 雪のチラつく中 銅山観光と本山製錬所跡あたりを見学した「足尾」
日本の近代化産業遺産の多く残るこの地
銅山の発展と同時に起こった公害。閉山後の衰退はあちこちに廃墟を残し
歴史と共に大変興味深い場所です。
2月の訪問に続き 今回は華やかな古河掛水倶楽部から朽ちていく建物まで
紅葉見物も兼ねて一日廻って来ました。
旅行記は前後半に分けて掲載します。
2020年2月 前回の足尾訪問
雪のチラつく足尾へ 銅山観光と自主的プチ産業遺産見学
https://4travel.jp/travelogue/11616510
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- ショッピング
- 1.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 自家用車
-
11月になり 紅葉も山から徐々に下り 日光市内あたりが見頃と聞きました。
観光地の賑わいは ずいぶん戻っているようですが、コロナは 再び感染者が増え始め
出かけるにしても なるべく人の少ない場所を選びたいと思いました。
日光地区はやめて、足尾を選んだのにはそんな理由も。
まずは 通い慣れた道 日光宇都宮道で「 清滝」へ向かいます。
道路沿いの木々も進むにつれて色鮮やかに。 -
清滝インターからそのまま足尾方面に進む所ですが、時間がまだ早すぎです。
素敵な紅葉景色が見られるかもしれない・・・と
まず 憾満ヶ淵(かんまんがふち)へ向かいます。
入り口の憾満公園の駐車場は車がほぼ満車。観光案内の方も待機されていて
今日は ここに紅葉見物に来られる方も多いようでした。
と、言ってもまだ9時過ぎ ソーシャルディスタンスは全く問題ないレベル。 -
淵の景観にあわせて 紅葉が加われば、どんなにすばらしいかな?と期待して来てみましたが。
あれ?案外紅葉した木は少ない。 -
お地蔵様に苔がびっしりつく位の場所ですから
日当たりはいまいちで、紅葉する前に葉っぱが落ちちゃうのかも。
思ったような景色が見られなかったので、化け地蔵の最初の辺りで 引き返して来ました。
駐車所に戻り 観光案内の方に聞いてみると、「今日は日光山内の紅葉が一番の見頃だろう」と。
でも、GoToトラベルキャンペーンもあり 東照宮近辺は 結構混んでいるそうなので、
やはり 私たちは足尾を目指す事にします。 -
そのまま車を足尾に進め 今日最初の目的地「古河掛水倶楽部」の駐車場に。
見学できるのは4月~11月 土日祝の10時~15時半です。
前回2月に来た時は 冬季休館中で門の外から外観をチラ見しただけでした。
暖かくなったら来るぞ!と思ったまま コロナもあり やっと今日来られました。
到着したのは10時5分程前。3組位の方が開門を待っていました。 -
見学は大人500円。門を入った右に受付の小屋があり そこで料金を払い
パンフを頂くと あとは自由見学です。
この際何も言われなかったし、webサイトにも記載はなかったと思いますが、
建物内は撮影禁止だったのです。内部の画像はここに掲載できません。
と、言う事で、つまらない画像になりますが、
屋外にあった配置図や館内見取り図も掲載します。 -
今日は季節柄 紅葉探しもしつつって感じで。
敷地内のもみじも まさに見頃。
煉瓦の色に負けじと 真っ赤に染まっておりました。 -
古河掛水倶楽部 旧館・新館 国指定登録有形文化財
旧館 明治43年(1910)
新館 大正初期
設計者についての記載などは無く ジョサイア・コンドルの影響を受けたとしか書かれていません。
(同じ古河財閥の古河庭園の旧古河邸はジョサイア・コンドルの設計で大正6年竣工)
東洋一の生産量まで繁栄した足尾銅山の迎賓館として利用された建物です。 -
掛水倶楽部の建物は複数の建物が廊下でつながったような形になっています。
結構複雑です。一部は2階建て。
図で判るように 立入禁止の部屋も多いです。
これは、現在も古河機械金属の会社で利用されている為でもあるそうです。 -
この平屋の部分が旧館
旧館部分は玄関の間、28畳の和室など。
大広間の和室は 玄関右の鎧戸のある場所で 窓は洋風でありながら
内部は大きな床の間のある純和室。
竿縁天井にとても細かい組子の欄間がある 武家屋敷のような和室でした。
旧館は途中から洋風の内装となり
廊下の左右に宿泊用の洋室 シングル1部屋ツイン 2部屋がありました。
宿泊のお部屋は、ドアを入ってすぐの所にリノリュームが貼ってあり、
その先は3㎝程上がった敷き込み絨毯。
リノリューム部分はスリッパを脱ぐ所なのかなぁ?と思いました。 -
引き戸が見学者の入り口になっています。
中に入り、靴を脱いであがります。 -
玄関を入った右側にあった家具
よく洋館の玄関ホールにある 鏡に傘とステッキが立てられるラックのついたもの
上がった先の6畳間には豪華な彫り物のある洋風のキャビネットが左右にありました。 -
廊下を進むと八角堂というサンルームのようなお部屋が。
そこから窓越しに外観を
角の廊下の中は食堂。2階は和室。
建物は敷地が渡良瀬川方面に下がっている為石積みの懸造りが見えました。
また、1階廊下の窓上部に山形の変形窓があります。
そこにステンドグラスのような色が見えましたが、
この後、廊下から見るとガラスではなく、ステンドグラス風のシートが貼られたものでした・・・。
食堂は 置かれた家具 陶器でできたマントルピース 寄せ木の床など とても素晴らしいお部屋でした。
画像が撮れないのが、なんとも残念・・・。
ビリヤード室には国産第一号と言われる2台があり 室内には展示物も。
新館2階には和室が三間並んでいました。
なにせ写真がNGなので、おまとめのようなコメントしか残せない。
美術品じゃないのに撮影禁止ってのは 超がっかりですわ。 -
表に出て他の建物を見ます。
「鉱石資料館」掛水役宅 明治44年(1911)幹部社員向け社宅
内部は結構広い和風住宅 -
解説板
見学できる建物の他に 社宅街そっくり残っている部分があり
中には洗濯物が庭先に下がっている家もありました。
現在も使われているのでしょうか?
ちょっとびっくりしました。
まだ現役であるならいくら屋外からとは言え写真はなぁ~と そちら方面は撮れませんでしたよ・・・。 -
入り口から脇へそして裏側の庭の方への道がありました。
建物と建物の間はゆったりしていて、石灯籠まで置かれ 幹部用の社宅はりっぱな造りとなっていました。 -
庭の端 防空壕への入り口が。
-
行かれる、と書いてある以上当然行きます。
木部は新しいですから、近年 公開に合わせてお直しされたのですね。
少し下がって、そのまま庭園方面に出られました。 -
渡良瀬川の段丘にある建物の為 庭園は渡良瀬川の方へ傾斜があります。
庭園から見ると新館の建物は3階建てのような高さに。 -
新館の懸造り風の石積みを脇から。
手前は現在管理室に使用されている部分のようです。 -
東屋のような小屋もありました。
中でバーベキューなどできるようです。
お泊りになったお客様は 庭園散歩などされたのでしょうね。 -
社宅群の方に戻って
所長役宅 明治40年(1907)
洋館っぽい造りの上げ下げ窓のある左側は奥に和室もある接客棟
来客用の玄関もありました。 -
居住者用の玄関も別にあり 右側部分は居住棟
居住スペースはすべて和室です。
立派な床の間のあるセレブ住宅でした。 -
床面積100坪とはすごい豪邸です。
洋間も腰壁のある豪華な造りでした。
山の中でもこんな豪華な社宅があったという
いかに 足尾銅山が繁栄していたかが判ります。 -
役宅の並んだ砂利道の反対側には平屋の社宅が何棟も並んでいます。
このような ごく普通の古い社宅の建物までが残っているあたりは、珍しいと言うか
なにか特別な理由があるのでしょうか?
洗濯物があった事から一棟は現役だと思われるので、他の建物も一緒に残されているってだけなのかもしれませんけどね。 -
駐車場からも見える赤レンガ倉庫
旧足尾銅山鉱業事務所付属書庫 明治44(1911)
国指定登録有形文化財
明治40年の足尾暴動事件により焼失した本山鉱業事務所の移転に合わせて建てられた書庫 -
イギリス積みの煉瓦造 角の白い石が ちょっと辰野式を彷彿とさせる洒落た意匠。
-
ただ、かなり痛みも見えますね。
企業所有の建物なので、保存もなかなか大変な事でしょう。
内部は非公開です。 -
最後に入り口の門脇に建つ 電話資料館 に入ります。
1876年にグラハム・ベルによって発明された電話機。翌年1877年に日本に輸入されます。
1886年民間で最初の電話機として足尾銅山の坑内外で使われ始めたと言う事です。
建物の中には据え置き型蓄電機 手動交換機などの展示があります。
自動交換機は 一部屋いっぱいの大きさでした。
掛水会館の有料エリア内は見終えました。
やはり~建物内の写真が撮れない と言う事がストレスですね。
帰宅後画像を見て、細部を検証する事ができないじゃん・・・。
同じ古河財閥系として 旧古河邸も建物内写真撮影禁止ですが、
古河さんのお宅は何か写真撮っちゃいけない掟があるんですかね~?
(旧古河邸は現在国有財産になっていますけどね) -
まだまだ時間もあります。
引き続き 足尾の近代化産業遺産を廻ってみます。
前回来た時に頂いたマップを参考に まず通洞駅へ
わたらせ渓谷鉄道(旧足尾鉄道) 通洞駅本屋及びプラットホーム
大正元年(1912)昭和11年(1936)改修 国指定登録有形文化財 -
銅山観光の最寄駅で 足尾町の中心部にある駅ですが、
観光の人が少し居るだけ。
駅前や近くにコンビニも無い(ちょっと離れてヤマザキショップがあったが、商品もほとんど置いていない~)
本当に時が停まったような空気感の場所でした。 -
お隣の足尾駅
わたらせ渓谷鉄道足尾駅本屋及び上り線プラットホーム
大正元年(1912)昭和13年(1938)改修 国指定登録有形文化財
こっちの方が更にレトロ感がありました。
ホウロウの駅名看板も雰囲気出てます。 -
かつての足尾鉱業所の中心地にある駅。
今は、駅員さんもいないひっそりとした駅。
改札口から覗いてホームを撮ってみました。 -
時間はそろそろお昼の時間。足尾のあたり 食事ができる場所がほとんどありません。
商店もとても少なく コンビニを探して日光方面に結構戻っちゃいましたね。
その道筋でお猿さんの集団と遭遇。 -
ローソンでお昼を買って 足尾本山駅跡まで戻り
銀山平の方へ向かう事にします。
今日は 産業遺産めぐりと合わせて紅葉探しも目的のひとつです。
足尾の山の秋景色も楽しみつつ更に進みます。
ススキの原の向こうに男体山の見える場所。
東照宮や中禅寺湖 沢山の観光客が来る場所と同じ日光市内でありながら
ここは、あまりにも静かな場所です。
この先、どんな遺構が見られるのか・・・。
この続き 後半旅行記は
光と影の地 足尾 近代化産業遺産を訪ねての再訪 朽ちてゆく産業遺産たち
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