2013/07/28 - 2013/07/29
691位(同エリア1004件中)
まりも母さん
レトロな建物を見るのが大好きな私ですが、
最近、気になっているのは”大谷石”の建物です。
関東地方では住宅の塀に大谷石のものが多く、身近なものではあります。
栃木や茨城では大谷石の蔵も良く見かけます。
漆喰の蔵ではなく、大谷石の石蔵、意匠が様々でなかなか素敵だと気がついてから 気になっているのでした。
そこで、本場、栃木県の大谷へ行こうと計画しました。
色々調べると、宇都宮あたりにも大谷石の建物が多いことも判り、
今回は、”大谷石のレトロな建物を見まくる”がテーマの旅行となりました。
見どころも多そうなので、宇都宮は近場ながら 安いホテルに1泊してたっぷり時間を取ったつもり・・・。
初日は宇都宮市内、旧篠原家住宅、大谷石の蔵のレストランでランチ、宇都宮城址公園をみて街歩き、
巨大な大谷石建築の松ヶ峰教会を見学しました。
二日目は、石の里「大谷」へ行き、大谷資料館、平和観音、大谷寺そして、自然の中の大谷石の岩壁を眺めてきました。
大迫力の地下採石場、美しい教会、初めて見る大谷石のなまこ壁など見どころがいっぱいでした。
画像が多いので、旅行記は1日を3つに分けて掲載します。
初日宇都宮編は
1 旧篠原家住宅
2 蔵レストランのランチと宇都宮城址公園
3 カトリック松が峰教会
の旅行記になります。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車
-
昨年の秋に、大谷と宇都宮に大谷石を見に行って、餃子を食べるプチ旅行もいいかな〜とそんなのを思いつきました。
宇都宮は茨城の自宅からそう遠くはないので、ま、そのうち・・・と思っていましたが、
ダンナが土曜日出勤の代わりに日・月曜日が休みだと言うので、急きょ計画を進めました。
日光方面に行く時と同じ、北関東自動車道路を一部利用して、午前11時頃に宇都宮に到着しました。
ランチの予約を12時に入れてあったので、
その前に、場所的に見るつもりの中では少し離れた”旧篠原家住宅”だけ見ることにしました。
場所は、割と駅に近い所で、東横INNのすぐ隣です。
広い交差点から、大きな建物が良く見えました。 -
江戸時代から醤油の醸造や肥料の販売を行ってきた豪商の建物です。
主屋と石蔵がいくつか残っています。
国指定重要文化財・市指定有形文化財(有形文化財・建造物)
ここは、有料で内部が見学できる施設となっています。
入館100円。
月曜日がお休みです。
webサイトはこちら
http://61.194.63.139/ext/shinoharake-hp/shinoharake-ext.htm -
主屋は明治28年(1895)に建てられました。
黒漆喰の重厚な建物です。
宇都宮は昭和20年の空襲であらかたの建物が焼けてしまったそうですが、
この主屋と三つの石蔵はなんとか残ったという事です。 -
主屋は見世蔵造りの建物で、入り口を入った左側が座敷の帳場になっています。
-
帳場の部分です。
右側の柱は、この建物の大黒柱で、1尺5寸角(45cm角)のケヤキで、長さ11mを越える通し柱です。
この柱だけでも、篠原家の豪商ぶりが伺えるというものです。 -
土間からは奥の庭が見えます。
帳場の隣にも部屋があり、庭へ続く土間の反対側にも部屋がありました。 -
一組、見学の方が先にいらっしゃいましたが、
私たちが入ってくると、受付けの為に男性が出てきて下さいました。
建物に上がって中も見学ができます。 -
入館料を払って、見学をさせて頂こうと思ったら、よかったら解説をしますが、とおっしゃって下さいました。
レストランのランチの予約時間を入れてしまったのを悔やむ所ですが、
20分位でお願いできるそうなので、解説をお願いしました。
まず、宇都宮の歴史などを交えて、お話して頂きました。 -
解説の松村さんの案内で、帳場隣の茶の間に上がります。
ここには箱階段が置かれています。
12畳の広さに箱階段が置かれているようです。
箱階段はケヤキ製のようで、取っ手もりっぱなものがついています。 -
ここで解説の途中で、クイズが出ました。
この天井についている金属のものはなんでしょう?
照明は隣に下がってますから・・・
え?まさかスプリンクラーじゃないよね???
と、思ったら、まさかのスプリンクラー?と思う人は多いようですが、
本当はガス燈用のガス栓なんだそうです・・・。
自宅の室内にガス管を配管してガス燈を室内になんて!!
これはびっくりです!
ガスランプを置くと言うのなら、判らなくも無いですが、
天井にガス管を配管してのペンダントガス燈のある個人宅なんて!!
超セレブ住宅な訳ですよね!
しかし、ガス燈室内暑いだろうなぁ。まぁ冬はいいかもしれないが、
天井焦げないのか・・・。
この建物は20年位前まで住まいとして使われていたそうですから、
電気を通した時点でガス燈は外してしまったのでしょうが、
そのガス燈のついた所、見たかったですねぇ。 -
帳場との境は「大阪格子戸」です。
大阪格子戸というのは、二重構造の扉で、木製の格子戸にもう一枚障子紙の貼られたものが合わせてあります。
夏はこの障子戸をはずすと、風通しが良くなるのです。
3月に常陸太田の”立川醤油店”で見せていただいたものと同様です。 -
屋号は山にサのどこかで見たことのあるものと同じだったそうですが、
ヤマサの方が会社の規模が大きく、豪商と言えども
あえなく、山にサ&チビ「カ」付きに変えざるを得なかったそうです。 -
茶の間の奥の仏間には昔使われていた照明器具が展示されていました。
ランプは石油ランプだそうです。 -
帳場の裏側にあたる場所には他に、六畳間があります。
二階へ上がる急な折れ階段がありました。順路的には、ここから二階へ上がります。 -
上がった先には十畳間と客間
十畳間は若夫婦の寝室として使われた部屋だそうです。
昔の時計、テレビなどが残されて置いてありました。 -
客間は、縁付きの畳で、作りの良い部屋になっています。
-
夏の間は、この涼しげな夏障子に替えられるそうです。
一番下の黒い煤竹(すすだけ)と細いヒゴでできた手の込んだ造りの品です。
スカシ彫りもあり
すばらしい品です。 -
二階の座敷は大広間で、20畳の広さがあります。
すごい広さです。 -
床の間は幅2間半の大床、
大黒柱の通し柱はここで、床柱となっています。 -
大黒柱の通し柱がそのまま床柱になっているなんて初めて見ました。
-
東側が廊下になっています。
長さ8間(14.4m)の廊下にはガラス戸が入っていますが、
これは、建築当初は無く、昭和初期の頃に入れられたものだろうという事です。
下部の模様の入ったガラスは判りませんが、上の素通しガラスはガラス面がゆがんだ古いものが残っています。 -
ここから庭を眺める事ができます。
ガラス越しに庭の様子が見える美しい景色です。 -
石蔵も見えます。
この建物、昭和42年(1967)に道路の拡張に伴い、7mの曳き家で移動したそうです。
その際、一番道路側の石蔵も移動したそうです。 -
二階の照明器具はどれも乳白色のガラスのシェードのペンダントです。
大広間のものがこれです。
実はこのガラス、レリーフのようなエンボス柄がついているのですが、
新しいカメラでは、オートでその柄が写りませんでした。
(前のカメラは撮れたので、写っていると思っていました)
このエンボス柄のミルクガラスシェードは私の大好きなアイテムなので、
ちゃんと写っていなくてすごく残念・・・。 -
こちらは廊下のペンダント。
同じエンボス柄のミルクガラスですが、狭い廊下に合わせて、小ぶりで縦長のデザイン。
素敵です。 -
同じくエンボス柄付きのミルクガラスのペンダント
客間のものは形違いで下の部分がやや尖った形。
部屋によって、ペンダントの形を替えるなど、インテリアも相当凝っています。
しかし〜エンボス柄が写ってなくて泣きです〜。 -
1階へ下りる順路はなんと箱階段利用です。
いいのか?こんなりっぱな箱階段を階段としてそのまま使って・・・。
箱階段はけっこう見かける事も多いのですが、上がらせないようになっている所の方が圧倒的に多いです。
だって〜みんなが踏んだら傷とかついたり、すれちゃったり・・・。
もったいないから使わなくてもいいですけど・・・。
と、言いつつ、
この箱階段三段重ねのものですが、大変精巧にできていて、100年経た今でも全く狂いが無いそうです。 -
戻って、庭から石蔵の方へ行きます。
石蔵は3つ
表通りから新蔵、文庫蔵、石蔵、と並んでいます。
画像奥が石蔵です。
その後ろ、塀の向こうは東横INNの建物です。
大谷石の蔵ですが、大谷石どうしの継ぎ目を漆喰でかまぼこ状に盛り上げて仕上げた「なまこ壁」仕上げになっています。 -
文庫蔵には入ることが出来ます。
嘉永4年(1851)建築
(平成14〜15年に修復) -
右が文庫蔵、左が新蔵です。
新蔵の扉が文庫蔵の方に向いています。
この新蔵は主屋と同様、国指定重要文化財です。 -
新蔵 明治28年(1895)築
1階に生活用品(ランプ類、ひな人形)商売の文書
2階に和服、旅行用具などを収納していたそうです。
平成14〜15年に修理工事が行われたそうなので、
なまこの部分はきれいなのかもしれません。 -
美しいですね。
こんな大谷石の仕上げ方法ははじめて見ました。 -
文庫蔵に入ってみます。
こちらには元々1階は生活用品、2階には書画、骨董、古書などが保管されていたそうです。
内部の壁も張り直されているようできれいです。
今は一部、展示室となっています。 -
2階の様子です。
古い箪笥などが置かれています。 -
蔵の中にこの大谷石の石蔵の構造見本がありました。
漆喰の蔵は、木組みに竹や縄で下地を作り、土を塗りますが、
宇都宮は火事が多かった事から火に強い石を更に張ったものと思われるそうです。
なので、大谷石のみを積んだのではなく、薄い大谷石を表面に張った作りのようです。
文庫蔵はそれでも長年の間に傷みが多かったので、平成14〜15年に一度、解体・修復・修理が行われて、今の姿になったものだという事です。 -
石蔵 安政4年(1857)の銘の入ったお札箱が見つかっていることから文庫蔵と同時期の建物と思われるそうです。
醤油醸造の道具やしぼりかす(肥料)味噌、米の貯蔵庫。 -
こちらの扉は他のような観音開きではありませんね。
引き戸なのでしょうか。
こちらも中は見ることができません。 -
主屋の端の蔵に面した方にも大谷石が張られています。
こちらは、黒漆喰にあわせてか、なまこの漆喰も黒です。 -
主屋の建物反対側です。
こちらも大谷石で下半分が張られています。
普通、板で張ってあったりしますが、防火を考えて石を張ったという事なのですね。
薄めにスライスした外壁材を張るってのは、今時の石積みテイストの建物の外壁材の張り方と通じるものがありますね。 -
元々はこの黒い2階部分は黒漆喰だったそうですが、
昭和の曳き家の際に、鉄板に張り替えられ、黒く塗られたそうです。
しかし、大谷石のなまこ仕上げの黒と相成って、シックですばらしい外観になっていますね。
大変美しいです。 -
庭の緑も良く映えます。
-
主屋の軒下です。
ガイシと電線が張られていますが、
篠原家に電気が入ったのは昭和5年頃と宇都宮では少し遅い方だったそうです。
それは5代目が宇都宮ガスの役員で、早くに部屋にガス燈がついていたからだそうです。
当時、電気はあかりを灯すのが主な使用目的だったという事ですね。
ゆっくり見ていた訳ではありませんが、11時45分位になっていました。
そう、遠くはないのですが、ランチの予約時間が迫ってきたので、
駐車場に戻って、移動です。
この続きは
大谷石をめぐる旅2 宇都宮編
蔵レストランのランチと宇都宮城址公園 へ続きます。
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