2016/10/22 - 2016/10/22
58位(同エリア172件中)
まりも母さん
栃木県真岡市は、茨城県との境にあり、結構通りかかる場所ですが、じっくり歩いた事はありませんでした。
昨日 お昼を食べながら見ていたNHKの番組で、りっぱな和風建築の建物を紹介していた事もあり、翌日の土曜日、出かけてみました。
かつて木綿で栄えた真岡の町には、レトロな建物もありそう・・・と探し歩いてきました。
りっぱな和館、蒸気機関車、レトロも色々見つかりました。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- グルメ
- 3.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
-
真岡に行ってみよう、と決めたのは 当日の朝。
下調べもせずに、昨日 テレビで見た建物を まず、目的地にして向かいました。
車内で スマホとナビで目的地を探し、“真岡木綿会館”へ。
蔵風の建物前に無料駐車場がありました。 -
“真岡木綿会館”の建物のすぐ裏に “岡部記念館 金鈴荘”
ここが、第一の目的地でした。
回遊式の日本庭園と和館があります。 -
まず、“真岡木綿会館”の中へ。
後ろに目的の“金鈴荘”があるのは見えましたが、
“金鈴荘”の管理もこちらでおこなっているそうで、“木綿会館”で声をかけてから、と言う事です。
江戸時代文化文政~天保には、「真岡」は木綿の代名詞として通用するほど栄え、江戸木綿問屋の仕入れ高の8割は真岡木綿であった時代もあったそうです。
絹のようなしなやかな手触りのすばらしい木綿地を織る技術がありました。
“木綿会館”は、かつて盛んだった「真岡木綿」の復興を図るために設立された 真岡木綿保存振興会の活動拠点です。
県伝統工芸士の機織を見学したり、体験も出来る場所です。
10:00~17:00 火曜休館(祝日の場合は翌日)入館無料
真岡木綿会館 webサイト
http://www.mokamomen.com/index.html -
岡部記念館 金鈴荘 明治中期 栃木県指定有形文化財
なまこ壁の印象的な建物です。
岡部家の別荘で、岡部呉服店の接待、展示会場などに使用された建物です。
昭和27年(1952)までは岡部家で使用され、その後、昭和63年(1988)まで、割烹料理店「金鈴荘」として使われました。現在は、市に寄贈され、無料で公開されています。 -
蔵のようななまこ壁は、防火の為の土蔵造りだからだそうです。
中に入ってみます。 -
玄関を上がると、中に居た男性が出てこられ、案内をして下さいました。
写真は、飾られている 掛け軸などを直接 撮影する目的でなければ、良いとの事でした。
1階には、4間続いていました。
手前から、10畳・12.5畳・17.5畳・12.5畳の広さです。 -
どのお部屋にも床の間が設えてあります。
床の間に使われている材は 唐木の銘木 紫檀・黒檀・鉄刀木が使われた豪華なものです。 -
そして、縁側の軒下には、端から端まで1本の杉の丸木が梁に使われています。
これは長い~。17m以上あるそうです。
この建物は、二代目 岡部久四郎が、材を集め、10年余りかけて建築したこだわりの建物なのです。 -
縁側は、一面ガラス戸。もちろん、古い手吹きのガラスが使われています。
-
一番広い 「あじさいの間」には、左右に違い棚のある大きな床。
天袋の扉は、金箔張り。 -
襖絵や扁額 地袋・天袋絵などは、真岡にゆかりのある作者の作品が多いそうです。
建具全体が美術品という豪華さなのです。 -
四つ並んだ豪華なお部屋に、それぞれ、呉服を展示して、商談が行われたのでしょうね。
-
縁側の向こうには、広い庭園。
池や小川のある回遊式庭園です。 -
“木綿会館”の建物方向に 扉らしきものがありそこにはまった、古い、模様ガラス。
今では、ほとんど、見かける事もありませんが、素敵なガラスです。
こんなレトロを見つけるのが、楽しいです。 -
2階へは 狭い階段をあがって。
2階一番手前は畳ではなく、木のゆかのお部屋で「ホール」とされていました。
襖には、芭蕉布に松の柄という 金箔以上に豪華かもしれないものが張られていました。
岡部家は、江戸時代末期に初代が開業。呉服業で大きく発展した家だったそうです。 -
2階も1階同様の間取りで、ホールの先には1階と同じ広さの座敷が 3間続いていました。
-
2階真ん中の「もみじの間」は、やはり17.5畳で大きな床の間付き。
掛けられた掛け軸の大きさもどーん! -
2階の端は、「つきの間」 地袋・天袋の扉は金箔で、まぶしい輝き。
-
扉は、よく見ると、柄が入っていました。
-
2階の縁側廊下にもやはり長い杉丸太の梁。
材を集めるだけでも、お金と同時に時間も費やしたことでしょうね。 -
2階縁側から見る 東屋と池のある美しい庭園。
-
「鶴群舞図一対」高松甚二郎作
額縁がなんとなく洋風なのが天井から下がったシャンデリア同様、和洋折衷のレトロ感を感じます。 -
どのお部屋も もれなく材がすごいわ~と驚きです。
襖の金箔は5層に施されて、枠も唐木銘木3種の紫檀・黒檀・鉄刀木使用です。 -
襖は、今は結構渋い色に見えますが、
建物が出来た当時は、かなりの金ピカだったのかもしれませんね。 -
この廊下は、お部屋の裏側のものです。
かなり狭い廊下なので、使用人が使うものですね。
お客様は、ガラス窓のある、縁側廊下を使うのです。 -
2階 「つたの間」は、一番小さな8畳の部屋。
この真下、1階にある「きくの間」も8畳。
有島武郎の 自由奔放な女性を描いた「或る女」のモデルとされる 佐々城信子の部屋として公開されています。
信子の末の妹が 岡部家に嫁いでいた事から 晩年の25年を 娘と共にここで過ごしたそうです。 -
和室にシャンデリアと言うのは、和洋折衷のレトロ感があって、結構好きです。素敵です。
このシャンデリアは、料亭時代につけられたものかもしれませんが、
そのあたりは、不明です。 -
今までも、「なまこ壁の蔵」、「1階部分がなまこ壁」、なんていうのは見たことはありますが、
2階までが なまこ壁という建物はあまり見たことが無いように思います。
座敷に使われた唐木や襖戸の金箔、それに掛け軸や書画類 防火対策が必要なのも理解できます。 -
今度は、庭に出て、外から建物を見ます。
これだけ多くの板ガラスを明治の中期に使っていたと考えると、それも相当な豪華さです。
日本で 国産の板ガラスが大量に作られるようになるのは、大正時代になってからだと思います。 -
りっぱで、すばらしい建物ですね。
東日本大震災では 壁と屋根にかなりの被害があったそうで、
半解体修理が行われています。
室内にあった、大きな格子壁は、耐震の為にこの時新設されたものだと教えてもらいました。 -
“真岡木綿会館”で頂いた「真岡まちあるきMAP」を参考に、これからレトロ探しの町歩きをしてみようと思います。
マップを見ますと、木綿会館のある辺りが、観光の中心エリアのようなので、お昼を食べる所を探しつつ、歩き始めます。
カーブした道沿いにレトロな感じの建物が並ぶエリア。飲食店や雑貨店が色々ある場所だそう。 -
“長蓮寺”というお寺が見えます。
門前のぎょうざ・やきそばのお店、緑のドアのスナックもレトロ感満載です。
“立花屋”は45年以上続く食堂だそう。
餃子と焼きそばなんて、昭和の時代からのファストフード店ですね。 -
“長蓮寺”の境内にもちょっと入ってみます。
弁財天が市指定の文化財だそうですが、
今日はお寺が目的はないので、境内をちょっと覗いただけでした。 -
“木綿会館”と“観光文化交流館”そばのエリアには空き店舗を若い店主が個性的に利用した小さなお店も沢山ありました。
お好み焼き店、イタリアンカフェ、カレー店、雑貨店など。 -
ハンドメイド品や古家具店 ひとつひとつ見て廻るのも楽しそう。
でも、今日はダンナと一緒なので、建物見物が優先かな。 -
文化財級の建物ではなくても、古い建具だったり
ディスプレイに古い雑貨が飾られていたりするお店だと、レトロ探しの町歩きにはうれしいです。
扱っている商品もそんな、手作り感やなつかしい雰囲気のものがありそうです。 -
お昼を食べることにしたのは、このお店。
“ミドリ食堂”
「真岡初の洋食屋さんとして、昭和初期に開業」とマップにあったので、迷わず決定!
入り口脇のタイルがいいよね~。
メニューを見ると・・・この6種類しかないのかな??と思ったけどね。 -
店内に入ると先客が1名。
店内は、改装されていて、レトロ感はありませんでした。
こじんまりした、全部で17席位の店内。 -
メニューは表にあった6種類の他にもいろいろあり、
定食が沢山ありました。
私は、「メンチボールライス」(800円)というものにしてみました。
「ミドリ食堂のオンリーワンメニュー!3代続いた伝統の味」との事で、めっちゃ期待!
で、運ばれて来たのは・・・。
わ~~でっかいーー!!
ご飯のお皿がネーム入りなのもNICE!
お味噌汁のお椀は蓋付きで形もレトロ。
「メンチボール」と言う名前でしたが、ボールは上から押しつぶされておりました(笑)
揚げたハンバーグという感じ。ソースは、ケチャップとソースを混ぜて煮詰めたようなお味でした。レトロな洋食屋さんの味! -
そして、ダンナの頼んだのは「カツカレー」(850円)
うわぁ~~なんだ~このカツの大きさー!
ゆで卵の大きさを参考にするとカツの大きさがわかりますぅ。
チキンカツですが、大きすぎや~ん。
カレーはひよこ豆の入ったキーマ風。結構 辛いのだそう。(後で、子連れの家族が来た時には、子供には辛いです、と注意がありました)
当然満腹に・・・。
カレーに味噌汁ってのや フォークやスプーンに紙ナプキンが巻かれている所もレトロに手抜き無し(?)
ミドリ食堂、メニューのレトロさは期待以上でした。 -
“久保記念 観光文化交流館”に来てみました。
古い建物を活用し 観光物産館や展示室などが、平成26年(2014)オープンしました。
久保記念館 観光文化交流館 webサイト
http://www.kubokinen.net/ -
真岡市ゆかりの美術評論家 久保貞次郎の邸宅跡が、市に譲渡され、保存整備されました。
-
“久保記念観光文化交流館”には、この観光物産館(新たに建てられたもの)
真岡市の特産・名産品の展示と販売。
他に イタリアンレストラン、久保記念館、美術展示室などの建物があります。 -
敷地中心にある大谷石のモニュメントは、暖炉。
遠藤新 設計 昭和18年(1943)建築の久保ギャラリー内で唯一現存する構築物だそうです。
大谷石を使った暖炉は、やはり 遠藤新氏の師匠である、フランク・ロイドライトを思い起こさせます。
久保氏自身がF・Lライトを敬愛していて、それもあって、遠藤新氏に設計を依頼したようです。
この暖炉は、モニュメントして季節のオーナメントやイルミネーションに飾られるのだそうです。 -
こちらの建物が“ 久保記念館 ”(旧日本銀行宇都宮代理店真岡出張所真岡支金庫として使用われたとされる)
明治40年 (1907)
1階は観光案内所・真岡木綿展示室
2階は久保氏の紹介と資料の 久保資料室になっています。入館無料 -
イタリアンレストランの“Trattoria COCORO”
この建物は、廻りの建物と雰囲気をあわせた、新しいものでした。 -
“美術展示室”にも入ってみます。入館無料。
大正12年(1923)米蔵
昭和32年(1957)に久保氏がアトリエに改修したものです。
>瑛九、池田満寿夫、ら多くの芸術家たちが集いました。
との事で、
今は、久保家から寄贈されたコレクションなどを 随時入れ替え展示しています。
(作品は写真撮影禁止なので、入り口あたりから部屋の雰囲気だけ) -
“観光まちづくりセンター”(旧土蔵)明治12年(1879)
なまこ壁の土蔵は、観光ボランティアガイドや観光まちづくり活動の拠点に使われています。 -
中に入れるので、入ってみると、特に展示スペースではありませんが、2階にも上がる事ができ、
立派な梁のある小屋組みを見る事ができました。 -
“久保記念館”に入ってみます。
入り口すぐの所にカウンター。銀行として使われていたであろう雰囲気があります。
そのまま、観光案内所として使われ、各種パンフなども頂けます。 -
2階の展示室
建物はそのままに、ケースやパネルが置かれて、資料が展示されています。 -
1階は座敷で休憩もできるようです。
久保家で使われていた応接セットがそのまま置かれた観光サロン(休憩所)もありました。
久保記念観光文化交流館は、残された建物がかなりリノベーションされていました。
かつての門前町には すでに古い建物が数多く失われていて この久保邸もこうして観光拠点に活用されなければ、壊されてしまっただけかもしれません。
お昼も食べたし、門前エリアは ざっと歩きましたので、真岡駅方面へMAPを参考に歩いてみます。
この旅行記の続きは、
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この旅行記へのコメント (1)
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- 墨水さん 2017/12/28 23:01:08
- 凄いね。
- まりも母さん、今晩は。
金鈴荘、凄いね~~っ。
以前は、料亭だった様ですが、其れを超える作りですね。
(今の料亭は、シケてるよ。笑)
たばこ吸ったら、怒られそーっ。(笑)
絹の様な木綿?。←(-.-)y~~
(貧乏人なんで、見た事無いもんで・・・。笑)
墨水。
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