トレド旅行記(ブログ) 一覧に戻る
「サンタ・クルス美術館」の後は大聖堂まで旧市街を歩きます。前からはたくさんの人が歩いてきますが、「トレド大聖堂」へ向かう人の姿は少ないのは夕方になってトレドを去る人が多いからのようです。大聖堂の見学も時間ギリギリだったようで、我々が入ってしばらくすると門は閉じられて入場してくる人はありませんでした。お陰でセビリアの大聖堂とは違った厳かで静けさに包まれた雰囲気の中で見学することが出来ました。今回のトレドでの目的はエル・グレコなので「聖衣剥奪」や「十二使徒」の作品を観ることが出来たのは良かったです。「サンタ・クルス美術館」も素晴らしかったですが、「大聖堂」の厳かな空間の中で見るエル・グレコの作品はまた違って見えました。時間があまりなくて見落としたところもありましたが、充実した時間を過ごせたトレド大聖堂の見学でした。

復讐と再挑戦。リベンジ・スペイン(33)トレド大聖堂でエル・グレコの祭壇画に祈りを捧げ、荘厳なトランスパレンテに驚嘆する。

10いいね!

2018/05/03 - 2018/05/03

360位(同エリア813件中)

kojikoji

kojikojiさん

「サンタ・クルス美術館」の後は大聖堂まで旧市街を歩きます。前からはたくさんの人が歩いてきますが、「トレド大聖堂」へ向かう人の姿は少ないのは夕方になってトレドを去る人が多いからのようです。大聖堂の見学も時間ギリギリだったようで、我々が入ってしばらくすると門は閉じられて入場してくる人はありませんでした。お陰でセビリアの大聖堂とは違った厳かで静けさに包まれた雰囲気の中で見学することが出来ました。今回のトレドでの目的はエル・グレコなので「聖衣剥奪」や「十二使徒」の作品を観ることが出来たのは良かったです。「サンタ・クルス美術館」も素晴らしかったですが、「大聖堂」の厳かな空間の中で見るエル・グレコの作品はまた違って見えました。時間があまりなくて見落としたところもありましたが、充実した時間を過ごせたトレド大聖堂の見学でした。

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
ホテル
5.0
グルメ
5.0
ショッピング
5.0
交通
5.0
同行者
カップル・夫婦(シニア)
一人あたり費用
30万円 - 50万円
交通手段
鉄道 高速・路線バス 観光バス タクシー 徒歩 飛行機
航空会社
ルフトハンザドイツ航空 ANA
旅行の手配内容
個別手配

PR

  • 「サンタ・クルス美術館」でエル・グレコの作品を満喫してテンションが上がったまま「トレド大聖堂」を目指します。オーニングテントを初めて見たのはモロッコのタンジールからタリファに戻って、次に行ったカディスの町でした。そんなことを思い出しながら歩き始めます。

    「サンタ・クルス美術館」でエル・グレコの作品を満喫してテンションが上がったまま「トレド大聖堂」を目指します。オーニングテントを初めて見たのはモロッコのタンジールからタリファに戻って、次に行ったカディスの町でした。そんなことを思い出しながら歩き始めます。

  • どうやらこのテントに沿って歩いて行けば大聖堂にたどり着きそうです。ただゆっくり下り坂になっているという事は帰りはゆっくりと上り坂になるという事です。20年前は全く町の勾配など気にならなかったのですが、最近は体にダイレクトに響いてきます。

    どうやらこのテントに沿って歩いて行けば大聖堂にたどり着きそうです。ただゆっくり下り坂になっているという事は帰りはゆっくりと上り坂になるという事です。20年前は全く町の勾配など気にならなかったのですが、最近は体にダイレクトに響いてきます。

  • アンダルシアの旅が懐かしく感じられます。結局フラメンコの人形は買わずじまいでした。

    アンダルシアの旅が懐かしく感じられます。結局フラメンコの人形は買わずじまいでした。

  • 大聖堂の尖塔が見えてきました。

    大聖堂の尖塔が見えてきました。

  • この日の観光の終わりにはご褒美でお買い物タイムが設けてありました。その中にこの「クエーリョ」も入っていますが、町の中に数店支店があるようでした。まだ駄目ですよ。

    この日の観光の終わりにはご褒美でお買い物タイムが設けてありました。その中にこの「クエーリョ」も入っていますが、町の中に数店支店があるようでした。まだ駄目ですよ。

  • ローマ時代に城塞都市として築かれたトレドの繁栄を象徴する「トレド大聖堂」です。大司教座のあるトレドにふさわしい大聖堂を建設することを旨として、フェルナンド3世の命により1226年に着工し1493年に完成したスペインゴシック様式最高傑作ともいわれる大聖堂です。フェンスの上部にはガレーロ帽という枢機卿の帽子と房飾りがデザインされています。「時計の門」は大聖堂の門の中でも最古に造られたもので、18世紀に修復された時は針が1本しかない時計が付けられたのでその名前で呼ばれています。

    ローマ時代に城塞都市として築かれたトレドの繁栄を象徴する「トレド大聖堂」です。大司教座のあるトレドにふさわしい大聖堂を建設することを旨として、フェルナンド3世の命により1226年に着工し1493年に完成したスペインゴシック様式最高傑作ともいわれる大聖堂です。フェンスの上部にはガレーロ帽という枢機卿の帽子と房飾りがデザインされています。「時計の門」は大聖堂の門の中でも最古に造られたもので、18世紀に修復された時は針が1本しかない時計が付けられたのでその名前で呼ばれています。

  • 入り口は時計の門の反対側なので左側の道を建物に沿って進みます。門はいくつかあり、この門はイエスの生涯が描かれています。

    入り口は時計の門の反対側なので左側の道を建物に沿って進みます。門はいくつかあり、この門はイエスの生涯が描かれています。

  • お土産物屋さんも気になりますが先を急ぎます。

    お土産物屋さんも気になりますが先を急ぎます。

  • グラナダを朝に出てトレドに着いたのは午後4時で、そこから観光を初めてすでに5時を回っています。

    グラナダを朝に出てトレドに着いたのは午後4時で、そこから観光を初めてすでに5時を回っています。

  • ようやく大聖堂の入り口まで来ました。通りの反対側のチケット売り場で入場券を求めます。トレド大聖堂の右翼廊部にある「獅子の門」は手前門柱の獅子の像から名づけられ、繊細な装飾が施されたとても美しい門です。

    ようやく大聖堂の入り口まで来ました。通りの反対側のチケット売り場で入場券を求めます。トレド大聖堂の右翼廊部にある「獅子の門」は手前門柱の獅子の像から名づけられ、繊細な装飾が施されたとても美しい門です。

  • 大聖堂の内部の見学に移ります。内陣はフェンスに囲われて中に入ることは出来ませんが、その周囲の装飾も素晴らしいです。

    大聖堂の内部の見学に移ります。内陣はフェンスに囲われて中に入ることは出来ませんが、その周囲の装飾も素晴らしいです。

  • 高さ約30メートルの主祭壇にはキリストの生涯20の場面を表した木彫りの衝立が置かれています。壁一面に新約聖書の各場面が描かれ、壮大なスケールに圧倒されます。大聖堂自体はシンプルなルネサンス様式ですが主祭壇は装飾過多と言っても良いほどのゴシック様式です。

    高さ約30メートルの主祭壇にはキリストの生涯20の場面を表した木彫りの衝立が置かれています。壁一面に新約聖書の各場面が描かれ、壮大なスケールに圧倒されます。大聖堂自体はシンプルなルネサンス様式ですが主祭壇は装飾過多と言っても良いほどのゴシック様式です。

  • 衝立の上には磔刑にされたイエスの姿と左右には罪人のデュスマスとゲスタスです。罪人でもこんな大聖堂に祀られるのであれば本望かもしれません。イエスの生涯は20の場面が合描かれてあるといわれますが、大きくは14の場面のようです。

    衝立の上には磔刑にされたイエスの姿と左右には罪人のデュスマスとゲスタスです。罪人でもこんな大聖堂に祀られるのであれば本望かもしれません。イエスの生涯は20の場面が合描かれてあるといわれますが、大きくは14の場面のようです。

  • 中央上部から「聖母マリアの昇天」その下は「イエスの誕生」、左上から「聖女ベロニカと聖骸布」「聖衣剥奪」「イエスの鞭打ち」「ピエタ」「神殿で紹介される幼子イエス」「受胎告知」右に移って「イエスの復活」「幼児虐殺」「東方三博士の礼拝」「イエスの復活」と続きます。順序はバラバラで須賀、なじみの深い場面で構成されています。

    中央上部から「聖母マリアの昇天」その下は「イエスの誕生」、左上から「聖女ベロニカと聖骸布」「聖衣剥奪」「イエスの鞭打ち」「ピエタ」「神殿で紹介される幼子イエス」「受胎告知」右に移って「イエスの復活」「幼児虐殺」「東方三博士の礼拝」「イエスの復活」と続きます。順序はバラバラで須賀、なじみの深い場面で構成されています。

  • 壁には巨大なクリストフォロスの絵が描かれています。セビリアの大聖堂のコロンブスの棺を担ぐ4王の近くにも同じような大きさで描かれていました。クリストファー・コロンブスのクリストファーはクリストフォロスのことです。またクリストファロスは殉教者のシンボル棕櫚の葉と、肩に背負った少年姿のキリストで見分けられますが、巡礼者が多い教会などには旅人がお祈りできるように各所に聖クリストフォロスの絵が描かれるということもあります。

    壁には巨大なクリストフォロスの絵が描かれています。セビリアの大聖堂のコロンブスの棺を担ぐ4王の近くにも同じような大きさで描かれていました。クリストファー・コロンブスのクリストファーはクリストフォロスのことです。またクリストファロスは殉教者のシンボル棕櫚の葉と、肩に背負った少年姿のキリストで見分けられますが、巡礼者が多い教会などには旅人がお祈りできるように各所に聖クリストフォロスの絵が描かれるということもあります。

  • トレド大聖堂にはいくつかの出入り口があり、ファサード側の意匠が素晴らしいので有名ですが、内側の意匠も素晴らしかったです。内部の見学はしておきながら一番有名な免罪の門を見てくるのを忘れていました。

    トレド大聖堂にはいくつかの出入り口があり、ファサード側の意匠が素晴らしいので有名ですが、内側の意匠も素晴らしかったです。内部の見学はしておきながら一番有名な免罪の門を見てくるのを忘れていました。

  • 上段の円の中にはマリアの戴冠の姿が描かれています。左にはイエス、右には父なる神、天からは聖霊の象徴の白い鳩が舞っています。下段には聖母子の姿とオリーブの木、詳しい意味が分からなくて残念です。

    上段の円の中にはマリアの戴冠の姿が描かれています。左にはイエス、右には父なる神、天からは聖霊の象徴の白い鳩が舞っています。下段には聖母子の姿とオリーブの木、詳しい意味が分からなくて残念です。

  • 内陣を囲う石彫のフェンスは聖人と天使で覆われています。邪気はこの中へ入れないという結界のようにも思えます。

    内陣を囲う石彫のフェンスは聖人と天使で覆われています。邪気はこの中へ入れないという結界のようにも思えます。

  • ゴシック彫刻の支柱の上に立つ天使の姿が可愛らしいです。またこの大聖堂には750枚のステンドグラスが飾られているそうです。

    ゴシック彫刻の支柱の上に立つ天使の姿が可愛らしいです。またこの大聖堂には750枚のステンドグラスが飾られているそうです。

  • この大聖堂の内陣の最大の見どころは祭壇画の裏にあるチェリゲーラ様式と呼ばれるスペイン独自のバロック様式の傑作といわれる「トランスパレンテ」(ナルシソ・トメ作)があります。天使や聖母像がきめ細やかな装飾が施され、祭壇上部の明かりとりが付いた天井から差し込む光がひときわ美しさを鮮やかに映し出します。

    この大聖堂の内陣の最大の見どころは祭壇画の裏にあるチェリゲーラ様式と呼ばれるスペイン独自のバロック様式の傑作といわれる「トランスパレンテ」(ナルシソ・トメ作)があります。天使や聖母像がきめ細やかな装飾が施され、祭壇上部の明かりとりが付いた天井から差し込む光がひときわ美しさを鮮やかに映し出します。

  • ほぼ等身大の聖人や天使が壁一面を覆っています。そして大きな明り取りの窓から太陽光線が差し込んできます。

    ほぼ等身大の聖人や天使が壁一面を覆っています。そして大きな明り取りの窓から太陽光線が差し込んできます。

  • その柔らかな光線に浮かぶ彫刻を見ていると鳥肌が立ってくるのが分かります。この世の物とは思えない美しさです。それはバロック時代のローマを巡る旅で、ベルニーニの彫刻をボルゲーゼ美術館で初めて見た時の感覚に似ています。

    その柔らかな光線に浮かぶ彫刻を見ていると鳥肌が立ってくるのが分かります。この世の物とは思えない美しさです。それはバロック時代のローマを巡る旅で、ベルニーニの彫刻をボルゲーゼ美術館で初めて見た時の感覚に似ています。

  • 今までいろいろな大聖堂を見てきましたが、こんな間近で対峙できるところは少ないと思います。またその完成度の高さに驚かされます。ナルシソ・トメ作と言われていますが実際は彼と彼の4人の息子の合作だという事です。息子たちは2人の建築家と1人の画家と1人の彫刻家だったそうです。

    今までいろいろな大聖堂を見てきましたが、こんな間近で対峙できるところは少ないと思います。またその完成度の高さに驚かされます。ナルシソ・トメ作と言われていますが実際は彼と彼の4人の息子の合作だという事です。息子たちは2人の建築家と1人の画家と1人の彫刻家だったそうです。

  • 見上げるとこのまま天国へ登っていけそうな気になります。天井から巨大な香炉と枢機卿の被る左右に15本づつ赤いタッセルついた赤いつば広のガレーロ帽が吊られています。時計の門のフェンスなどいろいろな所に枢機卿の帽子がモチーフになっています。トレド大聖堂で枢機卿といえばペドロ・ゴンサレス・デ・ メンドーサに由来するものなのでしょうか。

    見上げるとこのまま天国へ登っていけそうな気になります。天井から巨大な香炉と枢機卿の被る左右に15本づつ赤いタッセルついた赤いつば広のガレーロ帽が吊られています。時計の門のフェンスなどいろいろな所に枢機卿の帽子がモチーフになっています。トレド大聖堂で枢機卿といえばペドロ・ゴンサレス・デ・ メンドーサに由来するものなのでしょうか。

  • 非常に上品な大理石造の聖母子が玉座に座った姿で中央に置かれています。

    非常に上品な大理石造の聖母子が玉座に座った姿で中央に置かれています。

  • その上には黄金の光線の周りに舞うミカエルとガブリエルとラファエルの三大天使とウリエルを含めた四大天使の姿があります。

    その上には黄金の光線の周りに舞うミカエルとガブリエルとラファエルの三大天使とウリエルを含めた四大天使の姿があります。

  • そして隙間を埋め尽くすような天使たち。

    そして隙間を埋め尽くすような天使たち。

  • 柱を支え、聖母マリアに踏みつけられ、大理石の板を支える姿…。天使もいろいろ大変そうです。

    柱を支え、聖母マリアに踏みつけられ、大理石の板を支える姿…。天使もいろいろ大変そうです。

  • 杯を掲げるのは福音者ヨハネの姿でしょうか。

    杯を掲げるのは福音者ヨハネの姿でしょうか。

  • 天から舞い降りる天使の足の裏の皺まで細かく表されています。大理石の重さを全く感じさせない彫刻です。

    天から舞い降りる天使の足の裏の皺まで細かく表されています。大理石の重さを全く感じさせない彫刻です。

  • 黄金の吊り香炉を手に持っているので大天使ガブリエルだという事が分かります。

    黄金の吊り香炉を手に持っているので大天使ガブリエルだという事が分かります。

  • 盾を持つ姿は大天使ミカエルのようです。

    盾を持つ姿は大天使ミカエルのようです。

  • 大天使の表情は少年のようだったり若い女性のようでもあります。

    大天使の表情は少年のようだったり若い女性のようでもあります。

  • 黄金の玉座に座る聖母マリアと膝の上に抱かれる幼子イエス。

    黄金の玉座に座る聖母マリアと膝の上に抱かれる幼子イエス。

  • 幼子イエスの手の下の黄金の球体にはエデンの園を追われるアダムとイブの姿が描かれています。旧約聖書の時代が終わり、新約聖書の時代が始まったことを意味しているのでしょう。

    幼子イエスの手の下の黄金の球体にはエデンの園を追われるアダムとイブの姿が描かれています。旧約聖書の時代が終わり、新約聖書の時代が始まったことを意味しているのでしょう。

  • いたずらっ子のような天使も頑張って祭壇を支えています。

    いたずらっ子のような天使も頑張って祭壇を支えています。

  • 中には喧嘩している天使たちもいます。

    中には喧嘩している天使たちもいます。

  • 完全にこの祭壇にハマってしまいました。

    完全にこの祭壇にハマってしまいました。

  • 天国が開いてこの祭壇ごと天に昇っていくように感じます。

    天国が開いてこの祭壇ごと天に昇っていくように感じます。

  • 天使たちも枢機卿のタッセル付きの帽子を手に持っています。

    天使たちも枢機卿のタッセル付きの帽子を手に持っています。

  • 開口部の周りにも天使が遊びながら天に昇っていくようです。気に入ったところを見ていたらかなり時間がかかってしまいました。大聖堂の後は「サント・トメ教会」と「エル・グレコ美術館」にも行かなければならないので先を急ぎます。そのために聖歌隊席や回廊は飛ばしてしまいました。

    開口部の周りにも天使が遊びながら天に昇っていくようです。気に入ったところを見ていたらかなり時間がかかってしまいました。大聖堂の後は「サント・トメ教会」と「エル・グレコ美術館」にも行かなければならないので先を急ぎます。そのために聖歌隊席や回廊は飛ばしてしまいました。

  • 入口の反対側右手にある聖具室は美術館になっています。 天井に描かれるフレスコ画はイタリア人画家ルカ・ジョルダーノの「聖イルデフォンソの昇天」です。イルデフォンソは606年に生まれ、トレド近郊のアガリ修道院に入り、後に修道院長となってトレド教会会議に出席します。西ゴート王レケスウィントの要望で657年にトレドの大司教となり、後にトレドの町の守護聖人となります。

    入口の反対側右手にある聖具室は美術館になっています。 天井に描かれるフレスコ画はイタリア人画家ルカ・ジョルダーノの「聖イルデフォンソの昇天」です。イルデフォンソは606年に生まれ、トレド近郊のアガリ修道院に入り、後に修道院長となってトレド教会会議に出席します。西ゴート王レケスウィントの要望で657年にトレドの大司教となり、後にトレドの町の守護聖人となります。

  • エル・グレコの「聖衣剥奪」が正面に飾られています。先ほど見た「サンタ・クルス美術館」にも収蔵されていた作品のオリジナルです。展示されているロケーションも素晴らしいので感動します。

    エル・グレコの「聖衣剥奪」が正面に飾られています。先ほど見た「サンタ・クルス美術館」にも収蔵されていた作品のオリジナルです。展示されているロケーションも素晴らしいので感動します。

  • この作品は当時としては奇抜であった題材と、左下の3人のマリア、聖母マリアとマグダラのマリアと小ヤコブの母のマリアは聖書に記載がないために異端的と判断され報酬が大幅に減額されたそうです。<br /><br />

    この作品は当時としては奇抜であった題材と、左下の3人のマリア、聖母マリアとマグダラのマリアと小ヤコブの母のマリアは聖書に記載がないために異端的と判断され報酬が大幅に減額されたそうです。

  • 主題は福音書に登場するローマ兵たちに衣服を剥ぎ取られるキリストの姿で「それから、兵卒たちはイエスを中庭に、すなわち総督艦艇の中庭に連れていき、全部隊を招集した。そして彼らは彼に紫の服を着せ、いばらの冠を編んでかぶらせた。そして”ユダヤの王、おめでとう!”と彼に挨拶をし始めた。また彼らは葦でイエスの頭を打ち、彼につばきを吐きかけた。また膝まずいて、彼を拝んだ。」とあります。

    主題は福音書に登場するローマ兵たちに衣服を剥ぎ取られるキリストの姿で「それから、兵卒たちはイエスを中庭に、すなわち総督艦艇の中庭に連れていき、全部隊を招集した。そして彼らは彼に紫の服を着せ、いばらの冠を編んでかぶらせた。そして”ユダヤの王、おめでとう!”と彼に挨拶をし始めた。また彼らは葦でイエスの頭を打ち、彼につばきを吐きかけた。また膝まずいて、彼を拝んだ。」とあります。

  • 「聖ペトロの涙」エル・グレコ<br />エルサレムのオリーブ山で捕えられたイエスの受難が始まるとペテロはイエスの安否を知るために後を追います。司祭長の家のパティオ入ったペテロはイエスの弟子かイエスを知っているかと3度にわたり尋ねられます。「知らない。」と3度答えたと同時に雄鶏が鳴き、ペテロはイエスの予言を思い出します。「今日雄鶏が鳴く前にあなたは3度知らないと言うだろう。」ペテロは外に向かいながら後悔の涙にむせび泣きます。

    「聖ペトロの涙」エル・グレコ
    エルサレムのオリーブ山で捕えられたイエスの受難が始まるとペテロはイエスの安否を知るために後を追います。司祭長の家のパティオ入ったペテロはイエスの弟子かイエスを知っているかと3度にわたり尋ねられます。「知らない。」と3度答えたと同時に雄鶏が鳴き、ペテロはイエスの予言を思い出します。「今日雄鶏が鳴く前にあなたは3度知らないと言うだろう。」ペテロは外に向かいながら後悔の涙にむせび泣きます。

  • 「福音記者ヨハネ」エル・グレコ<br />広げた左手で右手に持つ聖杯を示しています。この聖杯はエフェソスのディアナ神殿で与えられた毒杯を示しています。杯の中のドラゴンが毒を意味します。彼は毒を飲み干したにも拘わらず奇跡的に死を免れます。緑のチュニカと光り輝く赤いマントをまとっています。彼が黙示録を書いたパトモス島やエフェソスの風景が目に浮かびます。

    「福音記者ヨハネ」エル・グレコ
    広げた左手で右手に持つ聖杯を示しています。この聖杯はエフェソスのディアナ神殿で与えられた毒杯を示しています。杯の中のドラゴンが毒を意味します。彼は毒を飲み干したにも拘わらず奇跡的に死を免れます。緑のチュニカと光り輝く赤いマントをまとっています。彼が黙示録を書いたパトモス島やエフェソスの風景が目に浮かびます。

  • 「聖ペトロ」エル・グレコ<br />青いチュニカと黄土色のマントをまとい、思いつめた表情でこちらを見ています。左手には彼のアトリビュートの天国の鍵を2本持っています。右手は優雅にマントのひだの上に置いています。厳粛で落ち着きに満ちたこの手のしぐさは古代ローマの彫刻を彷彿させます。

    「聖ペトロ」エル・グレコ
    青いチュニカと黄土色のマントをまとい、思いつめた表情でこちらを見ています。左手には彼のアトリビュートの天国の鍵を2本持っています。右手は優雅にマントのひだの上に置いています。厳粛で落ち着きに満ちたこの手のしぐさは古代ローマの彫刻を彷彿させます。

  • 「磔刑」エル・グレコ<br />先ほど行ったサンタ・クルス美術館でも見た磔刑の図です。上野の西洋美術館と倉敷の大原美術館にも収蔵されています。

    「磔刑」エル・グレコ
    先ほど行ったサンタ・クルス美術館でも見た磔刑の図です。上野の西洋美術館と倉敷の大原美術館にも収蔵されています。

  • 「聖ヨセフと幼子イエス」エル・グレコ<br />なかなか絵画の主題にならないイエスの養父であるヨセフの姿です。ヨーロッパの絵画ではヨセフは老人として描かれることが多いですが、これは聖母マリアの間に肉体関係がなかったことを強調するために、生殖能力のない高齢男性としたものと考えられます。また養父という立ち位置のため彼を重要視してしまえば信仰に多大な支障をきたす恐れを考え、長い間キリスト教世界において重要視されず、列聖されるのも時間がかかっています。

    「聖ヨセフと幼子イエス」エル・グレコ
    なかなか絵画の主題にならないイエスの養父であるヨセフの姿です。ヨーロッパの絵画ではヨセフは老人として描かれることが多いですが、これは聖母マリアの間に肉体関係がなかったことを強調するために、生殖能力のない高齢男性としたものと考えられます。また養父という立ち位置のため彼を重要視してしまえば信仰に多大な支障をきたす恐れを考え、長い間キリスト教世界において重要視されず、列聖されるのも時間がかかっています。

  • イエスの赤いチュニカとヨセフの青いチュニカと黄土色のマントが印象的です。イエスの背景にはトレドの町が描かれています。

    イエスの赤いチュニカとヨセフの青いチュニカと黄土色のマントが印象的です。イエスの背景にはトレドの町が描かれています。

  • 「福音記者ルカ」エル・グレコ<br />福音記者ヨハネと共に福音書を書いた人物です。西方世界では医者及び画家の守護聖人とされ、日本語表記では「路加」とも書かれ、聖路加病院の名前もここからきています。ルカが聖母マリアとイエスを描いたことからイコンが始まったとされ、キプロスのキッコー修道院にはルカが描いたとされるイコンが残されています。オリジナルは観ることも出来ませんが参拝には行きました。

    「福音記者ルカ」エル・グレコ
    福音記者ヨハネと共に福音書を書いた人物です。西方世界では医者及び画家の守護聖人とされ、日本語表記では「路加」とも書かれ、聖路加病院の名前もここからきています。ルカが聖母マリアとイエスを描いたことからイコンが始まったとされ、キプロスのキッコー修道院にはルカが描いたとされるイコンが残されています。オリジナルは観ることも出来ませんが参拝には行きました。

  • 「熱心党のシモン」エル・グレコ<br />青いチュニカと黄色いマントの姿で、両手に持った大きな本に集中した姿で描かれています。通常はアトリビュートである殉教のしるしのノコギリが描かれますが、この絵には描かれていません。

    「熱心党のシモン」エル・グレコ
    青いチュニカと黄色いマントの姿で、両手に持った大きな本に集中した姿で描かれています。通常はアトリビュートである殉教のしるしのノコギリが描かれますが、この絵には描かれていません。

  • 「聖マタイ」エル・グレコ<br />右手に羽ペンを持ち左手で大きな本を持つ姿は、彼が福音書を書いた人物であることを表しています。

    「聖マタイ」エル・グレコ
    右手に羽ペンを持ち左手で大きな本を持つ姿は、彼が福音書を書いた人物であることを表しています。

  • 「聖フィリポ」エル・グレコ<br />左腕の抱えるのは後に自身が架けられる大きな十字架です。誰かほかの仲間と話に夢中になった姿で描かれています。小アジアで布教したフィリポは十字架に縛りつけられて殉教しています。

    「聖フィリポ」エル・グレコ
    左腕の抱えるのは後に自身が架けられる大きな十字架です。誰かほかの仲間と話に夢中になった姿で描かれています。小アジアで布教したフィリポは十字架に縛りつけられて殉教しています。

  • 「小ヤコブ」エル・グレコ<br />左手に本を持ち、右手は誰かと対話しているようなしぐさです。キリストの死後に小ヤコブはエルサレムの教会を担っています。小ヤコブはローマ皇帝ネロの時代に殉死しています。手に持った本は信仰と誘惑に関する質疑を記した「ヤコブの手紙」を暗示しています。

    「小ヤコブ」エル・グレコ
    左手に本を持ち、右手は誰かと対話しているようなしぐさです。キリストの死後に小ヤコブはエルサレムの教会を担っています。小ヤコブはローマ皇帝ネロの時代に殉死しています。手に持った本は信仰と誘惑に関する質疑を記した「ヤコブの手紙」を暗示しています。

  • 「聖ユダ・ダダイ」エル・グレコ<br />彼を殉死させた矛槍に寄り掛かる姿からユダ・ダダイだと分かります。

    「聖ユダ・ダダイ」エル・グレコ
    彼を殉死させた矛槍に寄り掛かる姿からユダ・ダダイだと分かります。

  • 「聖フランチェスコと修道士レオーネ」エル・グレコ<br />グレコの創作で最も広く受け入れられた構図です。聖痕を受けた後の聖フランチェスコが間近かに迫る死について熟考している姿です。

    「聖フランチェスコと修道士レオーネ」エル・グレコ
    グレコの創作で最も広く受け入れられた構図です。聖痕を受けた後の聖フランチェスコが間近かに迫る死について熟考している姿です。

  • 足元では修道士レオーネが祈りを捧げています。レオーネはフランチェスコの幻視にも立ち会った人物です。また「完全な歓び」についてレオーネに説いたことも知られています。<br />

    足元では修道士レオーネが祈りを捧げています。レオーネはフランチェスコの幻視にも立ち会った人物です。また「完全な歓び」についてレオーネに説いたことも知られています。

  • 「聖トマス」エル・グレコ<br />殉教の原因となった槍の柄を左手に持ち、右手のしぐさは承認の表現と解釈することも出来ますが、キリストが復活した際に最も懐疑的であったのは聖トマスでもあるので意味深さを感じます。イエスが復活したという他の弟子たちの言葉を信じませんでしたが実際にイエスを見て感激し「私の主、私の神」と言います。イエスの脇腹の傷に自分の手を差し込んでその身体を確かめたとも言われ「疑い深いトマス」とも呼ばれます。

    「聖トマス」エル・グレコ
    殉教の原因となった槍の柄を左手に持ち、右手のしぐさは承認の表現と解釈することも出来ますが、キリストが復活した際に最も懐疑的であったのは聖トマスでもあるので意味深さを感じます。イエスが復活したという他の弟子たちの言葉を信じませんでしたが実際にイエスを見て感激し「私の主、私の神」と言います。イエスの脇腹の傷に自分の手を差し込んでその身体を確かめたとも言われ「疑い深いトマス」とも呼ばれます。

  • グレコの作品の数多さにも驚きましたが、更にビッグネームの作品が連なります。

    グレコの作品の数多さにも驚きましたが、更にビッグネームの作品が連なります。

  • 「洗礼者ヨハネ」フアン・マルティネス・モンタネス<br />モンタネスは木材の神として知られている彫刻家です。ハエン州のアルカラ・ラ・レアルで生まれ、セビリアに移り彫刻学校の最も重要な人物の1人でもありました。<br />セビリアの聖堂に数多くの作品を残しています。

    「洗礼者ヨハネ」フアン・マルティネス・モンタネス
    モンタネスは木材の神として知られている彫刻家です。ハエン州のアルカラ・ラ・レアルで生まれ、セビリアに移り彫刻学校の最も重要な人物の1人でもありました。
    セビリアの聖堂に数多くの作品を残しています。

  • 「ヴェールの聖母」ラファエロ・サンティ<br />ルーブル美術館の「青い冠の聖母」とほぼ同じ構図です。青い冠の聖母はルーヴル美術館では「聖母子と幼き洗礼者聖ヨハネ」という名前で展示されていますが、一般には「ヴェールの聖母」あるいは「青い冠の聖母」という通称で知られています。

    「ヴェールの聖母」ラファエロ・サンティ
    ルーブル美術館の「青い冠の聖母」とほぼ同じ構図です。青い冠の聖母はルーヴル美術館では「聖母子と幼き洗礼者聖ヨハネ」という名前で展示されていますが、一般には「ヴェールの聖母」あるいは「青い冠の聖母」という通称で知られています。

  • 眠る幼児イエスの頭上にマリアが右手でヴェールをかかげています。ルネサンス期の絵画作品において聖母マリアのヴェールは生誕後間もないイエスをマリア自身が被っていたヴェールでくるんだという伝承をあらわし、さらには将来の磔刑の予兆を意味する象徴として使用されています。イエスの顔は正面を向き、赤いドレスをまとうマリアの左手は幼児の姿の洗礼者ヨハネの肩を抱くようにまわされています。イエスと対照的にマリアとヨハネは横顔で描かれています。

    眠る幼児イエスの頭上にマリアが右手でヴェールをかかげています。ルネサンス期の絵画作品において聖母マリアのヴェールは生誕後間もないイエスをマリア自身が被っていたヴェールでくるんだという伝承をあらわし、さらには将来の磔刑の予兆を意味する象徴として使用されています。イエスの顔は正面を向き、赤いドレスをまとうマリアの左手は幼児の姿の洗礼者ヨハネの肩を抱くようにまわされています。イエスと対照的にマリアとヨハネは横顔で描かれています。

  • 「聖家族」アンソニー・ヴァン・ダイク<br />タイトルのラ・サグラダ・ファミリアというキャプションがバルセロナの旅を思い出させますが、もう遠い昔のように感じます。

    「聖家族」アンソニー・ヴァン・ダイク
    タイトルのラ・サグラダ・ファミリアというキャプションがバルセロナの旅を思い出させますが、もう遠い昔のように感じます。

  • ヴァン・ダイクの作品もスペインに数多く残されているのには驚かされました。当時のフランドルやオランダはスペイン領だったからかもしれません。ベルギーとオランダの美術館を丁寧に3週間かけて巡り、そのあとロンドンの美術館、そしてエルミタージュ美術館といろいろな場所で出会うことが出来ました。

    ヴァン・ダイクの作品もスペインに数多く残されているのには驚かされました。当時のフランドルやオランダはスペイン領だったからかもしれません。ベルギーとオランダの美術館を丁寧に3週間かけて巡り、そのあとロンドンの美術館、そしてエルミタージュ美術館といろいろな場所で出会うことが出来ました。

  • 「洗礼者ヨハネ」ミケランジェロ・メリジ・ダ・カラヴァッジオ<br />カラヴァッジオは昔から大好きな作家で、ベルニーニと合わせてバロックのローマ巡りをしたり、メッシーナやマルタまで足跡を訪ねたこともあります。20年前のプラド美術館では展示されていなく、今回のリベンジの1つでもありました。

    「洗礼者ヨハネ」ミケランジェロ・メリジ・ダ・カラヴァッジオ
    カラヴァッジオは昔から大好きな作家で、ベルニーニと合わせてバロックのローマ巡りをしたり、メッシーナやマルタまで足跡を訪ねたこともあります。20年前のプラド美術館では展示されていなく、今回のリベンジの1つでもありました。

  • キャプションではカラヴァッジオになっていますが、バルトロメオ・カヴァロッツィの作という説もあるようです。でも見た瞬間はカラヴァッジオと思いました。

    キャプションではカラヴァッジオになっていますが、バルトロメオ・カヴァロッツィの作という説もあるようです。でも見た瞬間はカラヴァッジオと思いました。

  • 今回プラド美術館のカラヴァッジオの「ゴリアテを負かしたダヴィデ」を見ることは出来ましたが、テッセン・ボルミネッサ「アレクサンドリアの聖カタリナ」は修復中で観ることが出来ませんでした。

    今回プラド美術館のカラヴァッジオの「ゴリアテを負かしたダヴィデ」を見ることは出来ましたが、テッセン・ボルミネッサ「アレクサンドリアの聖カタリナ」は修復中で観ることが出来ませんでした。

  • 「聖母子」ヘラルト・ダヴィト<br />彼はオウデヴァーテル(現在のオランダ・ユトレヒト州の町)で生まれました。彼の画家としての経歴は画家組合に入ったブルッヘ(ブルージュ)の時代が最も長く、1494年にハンス・メムリンクが亡くなると、ダヴィトはブルッヘの主要な画家となります。

    「聖母子」ヘラルト・ダヴィト
    彼はオウデヴァーテル(現在のオランダ・ユトレヒト州の町)で生まれました。彼の画家としての経歴は画家組合に入ったブルッヘ(ブルージュ)の時代が最も長く、1494年にハンス・メムリンクが亡くなると、ダヴィトはブルッヘの主要な画家となります。

  • 幼子イエスの持つスミレの花は聖母マリアにつながるものと捉えられています。花言葉も「純潔」や「貞節」や「純真」があります。

    幼子イエスの持つスミレの花は聖母マリアにつながるものと捉えられています。花言葉も「純潔」や「貞節」や「純真」があります。

  • 「悲しみの聖母」ルイス・デ・モラレス<br />スペインのエストレマドゥーラで活躍したマニエリスム様式の画家です。比較的限定された地域で活躍しましたが、作品はスペイン各地に納められています。

    「悲しみの聖母」ルイス・デ・モラレス
    スペインのエストレマドゥーラで活躍したマニエリスム様式の画家です。比較的限定された地域で活躍しましたが、作品はスペイン各地に納められています。

  • ラファエロ・サンティやロンバルディア派の影響を受け、「聖なるモラレス」と呼ばれますが、その理由は彼の技術と色鮮やかな写実性とともに、その絵から伝わる崇高な精神性からだそうです。聖母マリアの背景には十字架の一部が描かれ、キリストの降架の後の横たわる姿を見守る悲しみが伝わってきます。

    ラファエロ・サンティやロンバルディア派の影響を受け、「聖なるモラレス」と呼ばれますが、その理由は彼の技術と色鮮やかな写実性とともに、その絵から伝わる崇高な精神性からだそうです。聖母マリアの背景には十字架の一部が描かれ、キリストの降架の後の横たわる姿を見守る悲しみが伝わってきます。

  • 「神殿で紹介される幼子イエス」ヤコボ・バッサーノ<br />初めてヨーロッパを1人旅した際にヴェネツィアからバッサーノ・デル・グラッパへ日帰り旅行をしました。イタリアの蒸留酒グラッパで有名な町です。目的はお酒だったのですが、その町の美しさに魅了されたのと、美術館でヤコボ・デ・ポンテ(ヤコボ・バッサーノ)を知ったのは大きな収穫でした。以降いろいろな美術館でバッサーノの作品を見つけるたびにグラッパの美しい風景を思い出します。

    「神殿で紹介される幼子イエス」ヤコボ・バッサーノ
    初めてヨーロッパを1人旅した際にヴェネツィアからバッサーノ・デル・グラッパへ日帰り旅行をしました。イタリアの蒸留酒グラッパで有名な町です。目的はお酒だったのですが、その町の美しさに魅了されたのと、美術館でヤコボ・デ・ポンテ(ヤコボ・バッサーノ)を知ったのは大きな収穫でした。以降いろいろな美術館でバッサーノの作品を見つけるたびにグラッパの美しい風景を思い出します。

  • この絵ではエルサレム神殿に参拝したことが取り上げられています。彼らの神殿行きには2つの目的がありました。1つは母親マリアの清めのため、そしてもう1つは幼子を聖別して神に捧げるためであったと聖書にあります。当時、男子を産んだ婦人は一定の期間は宗教的に汚れた存在と見なされ、その汚れのため行動が大幅に制限されていました。聖母マリアは清めの期間が過ぎ、その汚れから解放されたことを示すためにこのとき神殿に赴き動物犠牲を捧げています。彼らが捧げたのは「山鳩1つがいか、家鳩の雛2羽」と伝えられています。この捧げ物のリストは羊を捧げられない貧しい者たちに設けられた律法の例外規定に沿っているものでした。ヨセフ一家が非常に貧しい家族であったことをこの供物は表わしています。

    この絵ではエルサレム神殿に参拝したことが取り上げられています。彼らの神殿行きには2つの目的がありました。1つは母親マリアの清めのため、そしてもう1つは幼子を聖別して神に捧げるためであったと聖書にあります。当時、男子を産んだ婦人は一定の期間は宗教的に汚れた存在と見なされ、その汚れのため行動が大幅に制限されていました。聖母マリアは清めの期間が過ぎ、その汚れから解放されたことを示すためにこのとき神殿に赴き動物犠牲を捧げています。彼らが捧げたのは「山鳩1つがいか、家鳩の雛2羽」と伝えられています。この捧げ物のリストは羊を捧げられない貧しい者たちに設けられた律法の例外規定に沿っているものでした。ヨセフ一家が非常に貧しい家族であったことをこの供物は表わしています。

  • 「十字架降架」ティツィアーノ・ヴェチェッリオ<br />ティツィアーノは同時代の人々からダンテ・アリギエーリの著作「神曲」からの引用である「星々を従える太陽」と呼ばれていました。肖像や風景あ古代神話や宗教などあらゆる絵画分野に秀いで、ヴェネツィア派でもっとも重要なイタリア人画家の1人です。

    「十字架降架」ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
    ティツィアーノは同時代の人々からダンテ・アリギエーリの著作「神曲」からの引用である「星々を従える太陽」と呼ばれていました。肖像や風景あ古代神話や宗教などあらゆる絵画分野に秀いで、ヴェネツィア派でもっとも重要なイタリア人画家の1人です。

  • トレドに到着した時間帯は観光客で混みあっていましたが、その後は潮が引くように人の姿が減っていきます。大聖堂の入場もすでに終わり、扉は閉められています。

    トレドに到着した時間帯は観光客で混みあっていましたが、その後は潮が引くように人の姿が減っていきます。大聖堂の入場もすでに終わり、扉は閉められています。

  • 聖ペデロ礼拝堂です。この礼拝堂には5つの星の紋章がたくさん描かれています。そして枢機卿の帽子とタッセルをくわえた鳩の姿があります。

    聖ペデロ礼拝堂です。この礼拝堂には5つの星の紋章がたくさん描かれています。そして枢機卿の帽子とタッセルをくわえた鳩の姿があります。

  • 「洗礼者ヨハネ礼拝堂」の門扉にはイエスに洗礼する場面のレリーフがありました。その上には枢機卿の帽子とタッセルが…。

    「洗礼者ヨハネ礼拝堂」の門扉にはイエスに洗礼する場面のレリーフがありました。その上には枢機卿の帽子とタッセルが…。

  • 宝物室の中央に飾られるゴシック様式の聖体顕示台は金細工職人のエンリケ・デ・ アルフェが製作したもので、コロンブスが新大陸から持ち帰った金を使用しているそうです。金と銀や宝石などで飾られた聖体顕示台は高さ3メートルあり総重量は200キロで、中央の部分は純金で造られています。聖体祭ではキリストの身体を表すパンを収め、トレドの街を行進するそうです。

    宝物室の中央に飾られるゴシック様式の聖体顕示台は金細工職人のエンリケ・デ・ アルフェが製作したもので、コロンブスが新大陸から持ち帰った金を使用しているそうです。金と銀や宝石などで飾られた聖体顕示台は高さ3メートルあり総重量は200キロで、中央の部分は純金で造られています。聖体祭ではキリストの身体を表すパンを収め、トレドの街を行進するそうです。

  • 全体を見て単純に美しいとか素晴らしいと思うだけですが、その部分ごとに細かい意味があるのだと分かります。

    全体を見て単純に美しいとか素晴らしいと思うだけですが、その部分ごとに細かい意味があるのだと分かります。

  • 解説によるとこの部分は「カトリック王イザベラの聖体顕示台」とあります。<br />上から「鳩小屋」その下に「月と十字架」と「カトリック王イザベラの聖なる献身」を表しています。

    解説によるとこの部分は「カトリック王イザベラの聖体顕示台」とあります。
    上から「鳩小屋」その下に「月と十字架」と「カトリック王イザベラの聖なる献身」を表しています。

  • バロック様式の台座は18世紀に作られたものだそうです。この大聖堂の天使はみな働き者ですね。ここでも台座を支えています。高さは2.5メートルにも及び、当時世界の覇権を握っていたスペイン帝国の繁栄を象徴しているかのようです。

    バロック様式の台座は18世紀に作られたものだそうです。この大聖堂の天使はみな働き者ですね。ここでも台座を支えています。高さは2.5メートルにも及び、当時世界の覇権を握っていたスペイン帝国の繁栄を象徴しているかのようです。

  • 個人的には上に乗った聖体顕示台より台座のデザインが気に入りました。

    個人的には上に乗った聖体顕示台より台座のデザインが気に入りました。

  • 西ゴート教会の時代に奉献された古い石柱が残されていました。一瞬ローマ時代のマイルストンかと思いました。

    西ゴート教会の時代に奉献された古い石柱が残されていました。一瞬ローマ時代のマイルストンかと思いました。

  • 「降下の礼拝堂」と呼ばれる小さな礼拝堂が印象に残りました。壁際ではなく唐突に置かれた礼拝堂や西ゴート時代の石柱などには置かれた位置に意味があるのと感じました。

    「降下の礼拝堂」と呼ばれる小さな礼拝堂が印象に残りました。壁際ではなく唐突に置かれた礼拝堂や西ゴート時代の石柱などには置かれた位置に意味があるのと感じました。

  • フェンスの隙間から中を覗くと降下した聖母マリアが修道士に祝福を与えているようです。そしてここにもたくさんの天使がいました。

    フェンスの隙間から中を覗くと降下した聖母マリアが修道士に祝福を与えているようです。そしてここにもたくさんの天使がいました。

  • 「聖母マリアの石」と呼ばれると呼ばれるものがありました。

    「聖母マリアの石」と呼ばれると呼ばれるものがありました。

  • この石に触れた者には奇跡が起きるとされるそうですがまだご利益はありません。

    この石に触れた者には奇跡が起きるとされるそうですがまだご利益はありません。

  • バラバラで大聖堂を見学していたのですが、ようやく妻を見つけました。

    バラバラで大聖堂を見学していたのですが、ようやく妻を見つけました。

  • 「免罪の門」の表側を見てこなかったのですが、内側からバラ窓を撮っていました。

    「免罪の門」の表側を見てこなかったのですが、内側からバラ窓を撮っていました。

  • 聖歌隊席と左右に並ぶパイプオルガンも大聖堂の大きさに準じて巨大です。

    聖歌隊席と左右に並ぶパイプオルガンも大聖堂の大きさに準じて巨大です。

  • この大聖堂にもアヴィラの聖テレサ礼拝堂がありました。

    この大聖堂にもアヴィラの聖テレサ礼拝堂がありました。

  • 「セビリア大聖堂」も素晴らしかったのですがあまりに観光客が多すぎました。それに比べて夕方の「トレドの大聖堂」は静けさと厳かさが感じられとても良かったです。

    「セビリア大聖堂」も素晴らしかったのですがあまりに観光客が多すぎました。それに比べて夕方の「トレドの大聖堂」は静けさと厳かさが感じられとても良かったです。

  • 思い返すと20年前に来た時は大聖堂の内部を見学していなかったように思います。全く記憶が残っていませんし写真も外観だけです。今回はトレドに宿泊することも出来るし、思いの残っていた場所を訪れることも出来ました。

    思い返すと20年前に来た時は大聖堂の内部を見学していなかったように思います。全く記憶が残っていませんし写真も外観だけです。今回はトレドに宿泊することも出来るし、思いの残っていた場所を訪れることも出来ました。

  • 大聖堂の閉館時間になりました。がまだ開いている「サント・トメ教」会と「エル・グレコ美術館」へ行かないと予定をこなせていません。

    大聖堂の閉館時間になりました。がまだ開いている「サント・トメ教」会と「エル・グレコ美術館」へ行かないと予定をこなせていません。

  • ここからは迷路のようなトレド旧市街を歩きます。

    ここからは迷路のようなトレド旧市街を歩きます。

  • 大聖堂を出ると街を歩いている人の姿はほとんどなくなっていました。マドリッドから列車で30分ほどの距離にあるトレドは日帰りが多いのでしょう。でもそれはとてももったいないことだと感じました。

    大聖堂を出ると街を歩いている人の姿はほとんどなくなっていました。マドリッドから列車で30分ほどの距離にあるトレドは日帰りが多いのでしょう。でもそれはとてももったいないことだと感じました。

  • まずは「サント・トメ教会」へ向かい「オルガス伯の埋葬」に再会できます。

    まずは「サント・トメ教会」へ向かい「オルガス伯の埋葬」に再会できます。

10いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

スペインで使うWi-Fiはレンタルしましたか?

フォートラベル GLOBAL WiFiなら
スペイン最安 373円/日~

  • 空港で受取・返却可能
  • お得なポイントがたまる

スペインの料金プランを見る

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

タグから海外旅行記(ブログ)を探す

PAGE TOP