2016/10/14 - 2016/10/28
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jijidarumaさん
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2016年ドイツの秋:ライン・モーゼル・アール・ミュンスターラントの旅
2016年10月14日(金)~10月28日(金)15日間
第6日:143km *
モーゼルワイン街道巡り
モーゼル川の左右の岸を走るB53は“モーゼルワイン街道”(Trier~Koblenz間193km)である。トリアー・Schweichシュバイヒから、モーゼル川は蛇行を繰り返して、Koblenzコブレンツに流れ下っていく。今日はモーゼル川の上流に走り、Trittenheimトリッテンハイムまで行くつもりだ。
今回、トリアー見物は計画に入れていない。モーゼル川中流に位置するZellツェルとの往復をゆっくりとしたドライブになる。2006年5月、2010年10月にこの街道を巡ったので、今日は短めの行程にしたわけだ。
モーゼル川流域にはライン流域ほど古城を連続して見る事がない。川もラインとは異なりゆっくり、ゆったりとした流れで女性的なのだ。
写真はノイマーゲン・ドロン:“ローマ人がワイン舟を漕いでいる彫像”
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
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<6年ぶり、秋のモーゼルワイン街道を走る>
<Mosel-Weinstrasseモーゼルワイン街道>
ライン川に流れ込むモーゼル川とその支流ザール川、ルーヴァー川沿いの地域を指す。
古代ローマ人がこの地でワインをつくっていたと言われ、ドイツワインの発祥の地とうたわれている。産出はほぼ白ワインのみで、ここはドイツで最も優れた白ワインが生まれる地域である。特に二つの銘酒の産地がある。
一つはPiesportピースポートを中心とする、Kluesselrath、Trittenheim、Leiwen、Neumagen-Dhronの村々がある。“Goldtroepfchenゴールド・トレプヒェン”が最高酒として名高い。
もう一つはBernkastel-Kusベルンカステル・クースの地区である。
ここにも、“Doktor Grabenドクトル・グラーベン”等の銘酒がある。
しかしながら全体に共通する、優れた点は香りが高く、軽めのコクとフルーティーな酸味の中にかすかな発泡性が加わった爽やかな味である。
また、世界のぶどう産地の中でも畑の傾斜が最も厳しく機械が使えないため、ぶどうの手入れを人間の手で行うことが多いと言われている。
6つの地域があるが、上流部から順に言えば;
①Moseltor〈 モーゼルトアー 〉:
ペアル、ネンニッヒをはじめとする6つの村を含むが、総栽培面積120haと小さく、特筆すべきワインはない。
②Obermosel〈 オーバーモーゼル・モーゼル上流〉:
ザール川の合流点までのルクセンブルグ国境沿いのこの地区はローマ時代からの古い品種・エルプリング(Elbling)が栽培されていて、ニュートラルで酸のきつい味を有し、主に地元で飲まれるか、ゼクト(シャンパン)の原酒のブレンドに使われている。
③Saar(ザールワイン):
ザールの生産地はモーゼルに合流する前の、わずか20kmほどの流域で、面積も700 haしかない。主な産地にSaarburgザールブルグ、Konzコンツなどの町がある。
この地域は寒く、糖分不足で、優れたワインは難しい地区と言われているが、ベルンカステルよりも個性の強いワインが造られるとも云う。酸味が強く、力強さを持ったワインだが、熟成によって繊細さを持った高貴なワインとなる。
ザール・リースリングの良い年のワインは淡黄金色、林檎のさわやかさを思わせるフルーティーな香り、酸味と甘味の程よい調和があって、爽やかな風味の中に力強さを備えていて、世界の白ワインの女王と称される程の完璧に近いワインが造られる。
Scharzhofbergerシャルツホーフベルガーがその代表。
Saarburg:Rausch
Serrig:Schloss Saarsteiner・Weingut Schloss Saarstein,Serrig
④Ruwertal〈 ルーヴァータル 〉
ルーヴァー川流域のこのワインは、ザールと対称的で男性的性格を持つ。複雑な風味に加え、あるものは、土の香りのようなものを感じさせる力強さを持つ。
Eitelsbach:Karthauerhofberg
Kasel:Nies'chen, Kehrnagel
⑤Bernkastel〈 ベルンカステル;モーゼル中流〉
ベルンカステルを中心に広がるこの地域はモーゼルの中部に位置し、シーファーボーデンと呼ばれるスレート粘板岩の風化した土壌で、香り、味共にニュアンスの豊かなワインを生み出し、昔からその名を知られている銘醸ワインの産地である。
Reil、Enkirch、Traben-Trarbach。
Bernkastel:Doctor,Lay,Graben
Weingut Dr.Loosen,Bernkastel
Weingut Joh.Jos.Prum, Bernkastel-Wehlen
Weingut Markus Molitor,Bernkastel-Wehlen
Wehlen:Sonnenuhr
Piesport:Domherr, Goldtropfchen, Grafenberg, Kreuzwingert, Schubertslay
Weingut Reinhold Haart,Piesport
⑥Zell/Mosel〈 ツェル;モーゼル下流〉
中モーゼルのものに比べると、洗練されたニュアンスに富む味わいに欠けるが、新鮮な酸味とほのかな甘さのバランスが良く、フルーティーな若さを味わうタイプと言える。
日常ワインを造っている。
Puenderich:Marienburg
栽培面積:11785ha 、栽培主品種(Mosel全体):Riesling59%、Mueller-Thurgau14% 、Elbling 6%、Kerner4% 。
(2010.09.19.編集)
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写真は古城ホテルの階段には歴史的な銅版が飾られている。 -
*6:00起床、8:50~9:30に朝食をとった。
Gewoelbekeller円天井のケラーというかつてはメインレストランを使用していた。朝食の品々は残念なことに、ホテルの玄関から入ったロビーめいた場に用意されていた。
城内の経営が分離した状況ではやむを得ないのだろうが。その割に宿泊客は7割ぐらいいた様子にみえたから結構なことだ。
写真はGewoelbekeller円天井のケラー -
写真はGewoelbekeller円天井のケラー
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写真はGewoelbekeller円天井のケラー
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写真はGewoelbekeller円天井のケラー
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写真はGewoelbekeller円天井のケラー
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第6日:10月19日(水) 143km、午前中は小雨・曇天、午後晴後曇り、10.5~12.5℃*
Zellツェルの町からモーゼル上流に向かうモーゼルワイン街道巡り=>B53 20km (Traben-Trarbachトラーベン・トラールバッハ)=>B53 13km Uerzigユルツィック=>B53 12km (Bernkastel-Kusベルンカステル・クース) =>B53 16km Piesportピースポート・Neumagenノイマーゲン =>B53 7km Trittenheimトリッテンハイム(片道合計68km)
=>B53 9km Minheimミンハイム=>B53 21km Bernkastel-Kusベルンカステル・クース =>B53 26km Traben-Trarbachトラーベン・トラールバッハ =>B53 19km Zell / Mosel・ Hotel Schloss Zell古城ホテル ツェル城
写真は古城ホテル ツェル城内の歴史的な銅版 -
Zellツェルの町からモーゼル上流に向かうモーゼルワイン街道巡りはTrittenheimトリッテンハイム(片道合計68km)の往復約140kmになる。
写真はモーゼルワイン街道図・・・今日は左下に向かって蛇行のモーゼル川を走る。 -
10:00ホテルを出発し、B53に入りトリアー方面に走り出す。モーゼル川の左右の岸を走るB53は“モーゼルワイン街道”(Trier~Koblenz間193km)である。トリアー・Schweichシュバイヒから、モーゼル川は蛇行を繰り返して、Koblenzコブレンツに流れ下っていく。今日はモーゼル川の上流に走り、Trittenheimトリッテンハイムまで行くつもりだ。
Uerzigユルツィックで驚くほど巨大なHochmoseluebergangモーゼル川にかかる橋(が建設中で、高々とした柱が何本も並び、その柱をベースにして空間に少しずつせり出す姿を真上に見ながら通過した。
コブレンツ近くのWinningenヴィンニンゲン(下流15km、マインツ方面)にアウトバーンの高々とした橋が架かっているが、Uerzigユルツィックにも同様の計画が着々と実施されているようだ。
こちらのアウトバーンはEifelアイフェル地方とHunsrueckフンスリュック地方を繋ぎ、フンスリュックのHahnハーン空港に繋がるのであろう。
写真はモーゼル・Bernkastel-Kues-Uerzigベルンカステル・クースのユルツィック地区で -
B53に沿って大きな蛇行を二つ曲がっていくと、20kmでTraben-Trarbachトラーベン・トラールバッハになるが、そのまま通過する。
更に13km 走ったUerzigユルツィックもワイン村である。
写真はUerzigユルツィックものワイン村 -
斜面にはUerziger Wuerzgartenユルツィッカー・ヴュルツガルテンと言う銘柄の看板が、ここの斜面でも見える。
写真はUerzigユルツィックの葡萄畑の景観 -
次の町は大好きなBernkastel-Kusベルンカステル・クースだが、ここも復路による予定で通過、Andelアンデル、Muelheimミュールハイムといった小さな村を抜け、Piesportピースポートに着いた。
村を出たいつも場所で葡萄畑の景観を撮る。やはり黄葉だ。目的地のTrittenheimトリッテンハイムには7km、結局ツェレを出てから片道合計68km、11時半頃に到着した。出発したのが10:00だから、一時間半で走ったことになる。
曇天で写真の映りは今一つである。
写真はUerzigユルツィック・・・モーゼル川の向こう岸の遠望 -
写真はUerzigユルツィック・・・モーゼル川のこちら側B53沿いの葡萄畑
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目的地のTrittenheimトリッテンハイムには7km、結局ツェレを出てから片道合計68km、11時半頃に到着した。出発したのが10:00だから、1時間半で走ったことになる。
写真はトリッテンハイム(下流のコブレンツからの距離はモーゼル川155kmの地点)への道は大きく蛇行する
トリッテンハイム(人口1,000人)はローマのワイン舟で有名なNeumagen-Dhronノイマーゲン・ドロンと行政区が同じであり、モーゼル川の見事な蛇行する流れが見られる保養地であり、ワインの村でもある。Trierトリアーから30km、更にモーゼル中流のBernkastel-Kuesベルンカステル・クースから26kmの距離にある。
ドイツの戦後で最も有名な詩人兼作家Stefan-Andresシュテファン・アンドレス(1906~70年)はトリッテンハイムに生まれた。2006年、村は彼の生誕100年を祝い、記念碑を村の中心に建てたという。レストラン名は詩人の名を採ったようだ。
<トリッテンハイムの歴史>
フランク王国の893年、Pruemプリューム大僧院の文書にこの村の名が記載されている。
長い間、トリアー司教の治下に置かれ、1794年フランスの支配下になり、1814年ウィーン会議でプロイセン王国に入る。1947年以降はラインラント・プファルツ州になった。 -
<Trittenheimトリッテンハイム(モーゼル川155kmの地点)>
http://www.trittenheim.de/index.php?id=videoderregion&kat=1&type
11:30~11:45 10.5℃ 風が寒い。
2010年10月に夕食で訪れたレストランStefan-Andres Weinstubeシュテファン・アンドレス ワインシュトゥーベ(D-54349Trittenheim 、Laurentiusstrasse 17)で、今年は昼食を食べようと考えていた。
当時2泊したSchloss Foehrenフェーレンの伯爵夫人がプライベートによく来る、お気に入りの店だと云い、予約時にレストランも予約してもらい、当夜も伯爵夫人の車Mini(イギリスのブリティッシュ・モーター・コーポレーション。現在はBMW傘下)に同乗して、出かけた。
村中の目立たぬレストランはワイン酒場、ホテルを兼ねたもので、35席(テラス12席)、私共が最初のお客で、珍しい事にスタッフに握手で迎えられた。
料理は美味しく、サービスも良かったので、今回もと思ったのだ。
村内に入って、見覚えがあるレストランも直ぐ見つかったが、なんとなくおかしい。近所の人に聞いてみたりしたが、お店を開いている様子が無い。
近所の人が「呼び鈴を押してみろ」と言うので、ガストホフ(ホテル)の入口の呼び鈴を押した。中から見知らぬご夫人が出てきた。
現在の経営者で、2016年1月にレストランは閉めたと言う。
残念なことだが、思いもムナシク、空腹のまま引き返した。
写真はトリッテンハイムのレストランStefan-Andres Weinstubeシュテファン・アンドレス ワインシュトゥーベ(2010年10月29日) -
イチオシ
<Neumagenノイマーゲン(モーゼル川153kmの地点)>:
http://www.neumagen-dhron.de/
11:55~12:00
モーゼル川の見事な蛇行が見られるトリッテンハイムだったが、昼食の予定がつぶれて、蛇行の事は忘れてしまった。
ともあれ、モーゼルは蛇行のオンパレードだから、その機会は又あるだろうと、ノイマーゲンに行ってみる。ほんのちょっとの訪れだが。
ノイマーゲンは村中に“ローマ人がワイン舟を漕いでいる彫像”がある。
1世紀中頃、ローマ人が製法を伝えたモーゼルワインはドイツワインの元祖になる。独特の緑色の瓶が私にとっても昔から好ましい。
写真はノイマーゲン・ドロン:“ローマ人がワイン舟を漕いでいる彫像”前で -
写真はノイマーゲン・ドロン:“ローマ人がワイン舟を漕いでいる彫像”を前方から撮ると
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写真はNeumagen-dhron-schiffノイマーゲン・ドロン:“ローマ人がワイン舟を漕いでいる彫像”拡大版
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イチオシ
写真はUerzigユルツィック・・・午前と違って明るくなった景観、モーゼル川沿いのB53
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<PiesportピースポートとMinheimミンハイム(モーゼル川145kmの地点)>:
http://www.piesport.de/mosel/cms/front_content.php?idcat=2&idart=523&lang=1
12:05~12:15
先に書いたように名醸地として知られたPiesportピースポートの手前、B53の道路の両脇は広大な平地が続く。それらは葡萄畑がずっと広がっていて、向こう岸の斜面も高々と開拓された葡萄畑だ。
モーゼル下りにくると、いつもここで休憩し、写真を撮るのだ。
嬉しいことに午前の時は天気も曇り、今は晴れだ。
この辺りも大きくモーゼル川が蛇行して流れていて、ピースポートは蛇行の頭にあたる。人口2,000人。St.Michael聖ミカエル教会のバロック様式の内装、フレスコ画の天井が見どころだと云われているが、この村は景色だけ撮って、いつも通過してしまう。
写真はWappen_Piesportピースポートの紋章・・・さすがに葡萄とブドウ籠を -
写真はUerzigユルツィック・・・車が走るのも少ないモーゼル川沿いのB53
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イチオシ
写真はUerzigユルツィック・・・モーゼル川のこちら側B53沿いの明るくなった葡萄畑
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イチオシ
2006年5月、2010年10月と退職後の旅で二度もこの街道を巡ったから、今日は少し短めの行程にした。
モーゼル川流域にはライン川流域ほど古城を連続して見る事がない。川もラインとは異なり、ご覧のようにゆっくり、ゆったりとした流れである。
少し先のMinheimミンハイムの村に渡る橋から見る風景にはいつも感嘆するが、まだ秋も深くなっていないようで紅葉が少ない。
写真はミンハイムの村に渡る橋から見る風景 -
イチオシ
写真はミンハイムの村に渡る橋から見る風景
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写真は上の写真の中央右手の拡大版だが、“Moselloreleyモーゼルのローレライ”と云われている地点だ。
今回の旅でモーゼルの地図中に“Moselloreleyモーゼルのローレライ”と書かれているのを見つけたのだが、旧来よりこのあたりの写真をよく見てきた。
さて、そのモーゼルのローレライはピースポートとミンハイムの間の丘陵地(海抜262m)を“Moselloreleyモーゼルのローレライ”だと称している。
調べてみると、“ラインのローレライ”の猛々しい岩壁とは大違いだが、“モーゼルのローレライ”は蛇行のカーブに面した所で、特別に目立ったものは無いが、川からの高さ85mにある急斜面の崖(写真中央)だと説明があった。
そう云われてみると、なるほどと思えてくる。
ラインにあり、モーゼルにも(ラインには負けるが)無ければと、世の知恵者が考えたのだろう。
いずれにせよ、手持ちの1970年代の古いドイツの観光書には書かれていない。 -
写真はミンハイムの村に渡る橋から見る風景・・黄葉・紅葉が少ない。
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写真はWappen_stadt_Bernkastel-Kuesベルンカステル・クースの紋章
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<Bernkastel-Kusベルンカステル・クース(モーゼル川130kmの地点)>:
http://www.bernkastel.de/startseite.html
12:45~14:45
モーゼルワインのもう一つの名醸地はBernkastel-Kusベルンカステル・クースの地区である。
モーゼル中流の中心地にあたるベルンカステル・クースの町(人口6,500人)はモーゼル川流域で最も美しい町と言っても良く、私共もたいへん好んだ町です。
写真はベルンカステル・クースの両方の地区を繋ぐ橋・・・右がベルンカステル -
12:45、ベルンカステル・クースに入り、幸い、川沿いのGestade道路下の駐車場P3(ベルンカステル)の橋を越えた先に空きが出来て、駐車(2時間でEuro1.2)できた。
雲行きがおかしくなり、又曇り空に戻って行く。ドイツの秋の空は変りやすいのだ。トイレも利用(二人でEuro1)。
クースには聖ニクラウス教会、ワイン博物館があるが、何時も訪れるのは見所の多いベルンカステルになる。特にマルクト広場を中心にした木組みの家並みが実に美しい。いくらでも写真の被写体となる木組み建築の建物に事欠かないのだ。
写真はベルンカステル・クース・・・こちら側はクースの聖ニクラウス教会、ワイン博物館がある。 -
モーゼルに架かる橋の上から眺めると川中の遊覧船が何隻も並び、13世紀のBurg Landhutランズフート城址は町の上にある。その昔、あの城址まで登った事があるが、実に美しい眺めだった。
今日は残念にも、城址にはクレーンが立ち、改修中のようだ。
写真はBurg Landhutランズフート城址
<Burg Landhutランツフート城址について>;⑨
この城の最初(993年)の所有者はドイツ皇妃が妹であった、ルクセンブルク家のAdalberoアダルベロでした。1238年、Salm (Mosel) ザルム伯の手に渡り、その後はトリアーの大司教Heinrich von Vinstingenヴィンスティンゲン家のハインリッヒに売り渡された。
ハインリッヒの後任のトリアー選帝侯・大司教Boemund von Warsbergバルスベルク家のボーエムント2世(在位1354-1362)はベルンカステルの地を好み、ランツフート城の支柱を強化し、美しい部屋を設け、強固な石組み、堂々とした塔、堅い守りとなる胸壁の造作に大金を費やしたと云う。
その後、1692年に火災で焼失するまで、トリアー選帝侯・大司教の夏の宮殿でした。
・・・・・ランツフート城 城・宮殿
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何時も訪れるのは見所の多いベルンカステルになる。
特にマルクト広場を中心にした木組みの家並みが実に美しい。いくらでも写真の被写体となる木組み建築の建物に事欠かないのだ。
写真はベルンカステル広場:
手前には3階建てのSpitzhaeuschenシュピッツハゥシェンとんがり帽子のような形の小さな建物があって、今の商売は寝装具屋で健在だった。 -
まずそのマルクト広場に行く。
広場に面して、独特の赤茶色で縁取ったルネサンス様式の美しい木組みの4階建てRathaus市庁舎(1608年)がある。一階部分はRatskellerレストラン・ラーツケラー(休日のみ開くらしい)になっていた。
その前にSt.Michaelsbrunnen大天使ミカエルの像の泉(1606年・町の守護聖人)があり、広場周辺の数階建ての木組みの家並みが殊のほか美しい。
木組みの骨組み自体が美しい文様を作り、実に良い。モーゼルを旅しても木組みの家並みを良く見るが、不思議なことに、この辺りは“Deutsche Fachwerkstrasseドイツの木組み建築街道”がないのだ。
広場の中でも目立った、大きな建物はAdler‐Apothekeアドラー薬局で、その他の市民の建物は16~17世紀の頃の建築だと云う。いずれも美しく調和し、よく残ったものだ。
町の直ぐ上はドクトール山で葡萄畑だ。それもモーゼルの名醸“Bernkasteler Doctorベルカステラー・ドクトール”の畑なのだ。
写真はベルンカステル:マルクト広場の市庁舎と泉市庁舎 (ベルンカステル クース) 建造物
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マルクト広場のパン屋で目に付いたシュトレン250gX2を購入(Euro7.9)。
写真はベルンカステル:マルクト広場の木組みの美しい家並み
広場の中でも目立った、大きな建物はAdler‐Apothekeアドラー薬局(左)で、その他の市民の建物は16~17世紀の頃の建築だと云う。
クリスマスの時期はマルクト広場に面したAdler‐Apothekeアドラー薬局の建物の窓が、Adventskalenderアドベントカレンダーとなるとのこと、12月1日から24日まで毎晩、17:30に窓が開かれていくと云う。
パンフレットを見ただけでも、その楽しさが伝わってくる。
クリスマスのWebは http://www.weihnachtsmarkt-bernkastel-kues.de/ -
イチオシ
写真は:ベルンカステル:マルクト広場の市庁舎前にある「大天使ミカエルの像の泉(1606年・町の守護聖人)」
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ランズフート城址への道を、市庁舎の横道から上がると右手に、Spitzhaeuschenシュピッツハゥシェンの代表的建物(前述)がある。小さな切妻の3階建てのもので、1416年創建のワイン酒場だ。
クリスマス時期には美しく飾られて、最も人気の高い被写体になるそうである。
写真はベルンカステル:マルクト広場の市庁舎傍のSpitzhaeuschenシュピッツハゥシェンの代表的建物 -
道路傍の建物にHochwasserホッホバッサー洪水の印が付いているのを見つけた。2mを超す辺りに1993年12月22日とあり、1947年12月31日の大みそかには1.5mの印もあり、冬の洪水に驚いた。町の洪水記録では、最も高かったのは1784年2月だとされている。
St.Michael大天使ミカエル巡礼教会は1177年に創建され、教会の塔が石作りの強固な姿を示している。かつては町の城壁に連結していたそうだ。
目の前はKirchhof教会広場になっている。この周辺から、マルクト広場までの横丁は木組み建築だらけである。ワイン酒場、ワイン屋、レストラン、洋服店、熊の泉、白鳥横丁などが続くので楽しい通りなのだ。
教会音楽の権威者、オルガニストの“Hermann Schroederヘルマン・シュレーダー の広場”に、彼の功績を顕彰する泉がある。葡萄の産地ならではの葡萄や、伝説のベルンカステラー・ドクトールの場面をモチーフとした銅で作られた3mほどの泉だ。その昔、家族とここで写真を撮った思い出がよみがえった。
写真はベルンカステル:マルクト広場の横丁は木組み建築だらけである。 -
写真はベルンカステル:ワイン酒場、ワイン屋、レストラン、洋服店、熊の泉、白鳥横丁などが続くので楽しい通り
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写真はベルンカステル:熊の泉
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写真はベルンカステル:白鳥横丁
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<昼食;Hotel & Restaurant Doctor Weinstubeドクトール・ヴァインシュツーベ>
D-54470 Bernkastel-Kues 、Hebegasse5
13:30~14:20 Euro44(5,672円)
http://www.doctor-weinstube-bernkastel.de/
3星・全28室。17世紀の創業。ウロウロしているうちにHebegasseへーべ(青春の女神)横丁にこんなレストランがあった。
写真はベルンカステル:Hebegasseへーべ(青春の女神)横丁とホテル・レストラン:ドクトール・ヴァインシュツーベ -
伝説のドクトールを冠したホテル・レストランで、興味を惹かれて中に入った。調子の良いベテランの給仕さんがいて、昼食を食べることにした。
写真はホテル・レストラン:ドクトール・ヴァインシュツーベの看板ホテル ドクター ヴァインシュトューベン ホテル
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少し遅めの食事ながら、観光地ならではの二人連ればかり、仏、独、日の4組になった。
さすが、17世紀創業というホテルだけに、レストラン内の柱、梁、桶、樽、紋章、飾りも古めかしく、面白い。階段を上がった2階もレストランになっていた。
写真はホテル・レストラン:ドクトール・ヴァインシュツーベの店内 -
写真はホテル・レストラン:ドクトール・ヴァインシュツーベの店内
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写真はホテル・レストラン:ドクトール・ヴァインシュツーベの店内
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写真はホテル・レストラン:ドクトール・ヴァインシュツーベの店内には
伝説Bernkasteler Doctorベルンカステラー・ドクトールの絵が架かっていた。 -
≪伝説;ドクター・ワイン:Bernkasteler Doctorベルンカステラー・ドクトール≫
トリアー選帝侯・大司教ボーエムント2世(在位 1354-1362)がBernkastel-Kuesベルンカステル・クースのBurg Landhutランズフート城に滞在中、深刻な病気に罹り、この病には効く薬もなく、手の施しようがなかった時、モーゼル川沿いの、この町のワイン醸造農家が謁見を許されて、病気快癒を願って、自分の最高の畑で取れたブドウで作った小さな樽入りのワインを献呈したそうです。
ワインを飲んだ、その後数日で選帝侯・大司教ボーエムント2世は病も癒え、「これぞ本物のドクトールじゃ」と云ったということです。
この時から、この小さなブドウ畑は「ドクトール」と呼ばれるようになったそうだ。
・・・・・・・・・
写真はランズフート城址 -
料理は
①スープ:私は“結婚のスープ”と称した牛肉入りスープEuro5.8、家内がジャガイモとキノコのスープEuro5.7でした。
②メイン:私は炒めた牛肉にサラダどっさりの一品Euro13.9でした。
家内はキノコ入りオムレツEuro10.9、塩加減が美味かったそうだ。
トリッテンハイムで昼食の機会を逃したこともあって、しっかり食べた。
写真はドクトール・ヴァインシュツーベ:ジュースが来ました。 -
写真はドクトール・ヴァインシュツーベ:スープ
私は“結婚のスープ”と称した牛肉入りスープ -
写真はドクトール・ヴァインシュツーベ:スープ
家内がジャガイモとキノコのスープ -
写真はドクトール・ヴァインシュツーベ:メイン
私は炒めた牛肉にサラダどっさりの一品 -
写真はドクトール・ヴァインシュツーベ:メイン
家内はキノコ入りオムレツ -
写真はドクトール・ヴァインシュツーベ:これはジュースです。
ワイン街道ですので、ワインの飲み屋、レストランでも軒先の看板にZwiebelkuchenツヴィーベルクーヘンとFederweisserフェーダーヴァイサーの文字があり、これを賞味する機会はいくらでもある。
14:45(12.5℃)にベルンカステル・クースを出発。
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写真はベルンカステルの白鳥横丁をマルクト広場に方向に戻る
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写真はベルンカステルのマルクト広場横に出た
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写真はベルンカステルのマルクト広場傍の木組みの家
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写真はベルンカステルのマルクト広場傍の木組みの家
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参考:モーゼル川・宣伝車Moselschleife_Bremmモーゼルの蛇行ブレム
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参考:Moselschleife_Bremmモーゼルの蛇行ブレム(モーゼル川75kmの地点)
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参考:Trittenheimトリッテンハイム(モーゼル川155kmの地点)の蛇行図
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参考:Trittenheimトリッテンハイム(モーゼル川155kmの地点)の蛇行
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参考:
Aral Auto Buch (1974/75版:ドライバー用の観光案内書で、大変詳細な内容で、昔から重宝した。ドイツの旅ではいつもこれを参考にしている) に写真入りで記載されていたSaarschleifeザール川の蛇行を「Schlemenstreich der Natur自然のいたずら」と呼んでいた。
そこでは輪のようになった蛇行の様子が眼下に見られると書いてある。徒歩での山歩きとなるらしいが、是非、行ってみたいと考えていました。
<ドイツ ライン・モーゼル周遊>
2006年5月5日(金)~5月19日(金)15日間
05.11(木) 快晴 25℃
モーゼル川の上流にあたる支流Saarザール川の蛇行を見に行った。
モーゼル川とザール川の合流点・Konzコンツから、ザール川沿いに走る。
Mettlachメットラッファは人口3500人、フランスやルクセンブルグの国境にも近い小さな町である。
ここはVilleroy&Bochヴィレロイ・ボッホ の企業城下町でもあり、Porzellan Museum陶磁器美術館(Saaruferstr. D-66688 Mettlach)があると聞いて訪ねた。
更にMettlachから7km、10分ほど走ると、広い駐車場を持ったCloef-Atriumクロフ・アトリウム(左右対称となっている半円形の建物。中はレストラン・休憩所・ホール)が出てくる。ここで駐車し、蛇行を見に歩く。
ドイツ人の家族や、ワンダリングの人達が案内表示に沿って歩いている。表示を見ると数百メートルの距離だ。ホッとして歩き始める。ゆったりした下り坂なので、助かる。左手に遊園地があり、子供たちが遊んでいる。その先、300mすると、眺望小屋が出てくる。
その前は一気に目の前が開けて、“自然のいたずら“を見下ろす事が出来る。
真ん中にメットラッファの町の延長上にある、緑の半島が横たわり、右手のザール川は上流Saarbrueckenザールブルュッケンから流れきて、左手のザール川は下流のSaarburgザールブルグに流れていくわけだ。
川はここで、ぐるりと大きく輪を描きながら、蛇行しているのが良く見える。なるほど Saarschleifeザール川の蛇行を「Schlemenstreich der Natur自然のいたずら」と称したのも納得です。
XXX -
参考:ザール川のクロフに見る蛇行Saarschleifeザールシュライフェ(モーゼル川の200kmの地点がKonzであり、更にザール川を50km行くから、コブレンツからは凡そ250kmの地点になろう)
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おまけ:
2017.07.09.ハイビスカス -
おまけ:
2017.07.19.ムクゲ -
おまけ:
2017.07.19.ムクゲ
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