さいたまさんのクチコミ(32ページ)全2,813件

花積貝塚は、考古学上、大変有名な場所だったそうです。単なる貝殻の出る遺跡かと思っていました。
訪れて初めて、知ることができました。考古学を少しでもかじった人は、必ず目にする地名だそうです。
考古学では、ある型式を的確に示すことのできる典型的な遺跡等を標式と言うそうですが、花積貝塚から出た土器は、花積下層式土器との標式に指定されていて、基準となっているそうです。
花積貝塚は、６千年から７千年前の縄文時代の遺跡で、この貝塚から、生活具、貝、魚、獣の骨が発掘されているそうです。春日部市の指定史跡になっているそうです。
現地を訪れて初めて知りました。
地元の人や専門家だけが知っていたのでしょう。
自治体や学校教育の場で、それらの価値を紹介すべきだと感じています。
郷土の誇りです。

岩槻駅東口を出ると、目の前の真正面に人形の東玉岩槻総本店のビルが見えます。
まさに、駅の真ん前です。
しかも、区役所のビルを背にした独立のビルです。
岩槻が人形の街と言われますが、まさかここまで人形の威力が大きいのかと驚かされます。
１階の一部ににドラッグストアーが入っていますが、東玉の総本店が、６階建てのビル全体を使っています。
総本店ビルの４階には、東玉の人形博物館を開設しています。
その他、岩槻のいろんな場所に展示場を設けています。
人形の街岩槻の中心部に、東玉の牙城があるという感覚になりました。
さすがと感じ入った次第です。

岩槻の丹過長谷川家は、お雛様の展示場との感覚でしたが、土蔵の歴史的価値が表面に出ています。
岩槻の観光ガイドには、お雛様の展示場としての意味合いが強く述べられていました。
このため人形の分野に関して期待していきました。
確かに、人形の街岩槻においては、人形に関する事項が強調されるのは、当然かもしれません。
しかしながら現地に行ってみると、まず目に入るのは、立派な土蔵でした。
白壁の建物に黒色の直線が強く浮かび上がっている重厚感に驚かされました。
大正時代からの商家として、繊維分野に名を馳せた長谷川家が建てた土蔵は、素晴らしいものがあります。
幾多の災害にも耐えてきた土蔵は、現在、人形の展示紹介の面で貢献しているようです。
この建物は、文化庁の有形文化財として高い評価を得ているとのことです。

東玉大正館は、大正時代の洋風建築物で、国の登録有形文化財に指定されています。
大正時代に整理された中井銀行岩槻支店として建築された煉瓦造２階建ての洋館建築です。建物全体を３分割し、左右対称に構成された典型的な建物です。
壁面を石貼り、煉瓦タイルとモルタルで仕上げ、金庫室等を独特の形にしています。
屋根は、寄棟の瓦葺造りとし、内部は三角形の骨組を基本とする構造になっています。
大正時代の重厚なスタイルを現在に伝えています。
現在は、人形の展示スペースとして利用されています。
館内は、限定された時間のみ公開されています。
東玉大正館を訪れ、内部を見学する際は、公開時間を確認する必要があります。
時間を割いてでも、訪れる価値のある建物と思います。お勧めです。

岩槻の交通の要衝にある願生寺は、室町時代からの古いお寺で、浄土宗に属しています。
阿弥陀如来を本尊としているそうですが、さいたま市の指定有形文化財の解説が目につきます。
見るからに古い感じのする月待供養板碑と呼ばれる石製の石碑板に関する解説があります。
この板状の石碑は、埼玉県の秩父地方に産出される粘板岩だそうで、埼玉県内には、よく見られるようです。
この供養板碑が、願生寺の自慢のようです。
なお、月待という言葉は、月の出を待つ民間信仰です。
日の出を待つことは、よくあることでしょうが、月の出を待つとは、あまり聞いたことがありません。
なんとなく、風流な感じがします。
いずれにしましても、願生寺は、古さを感じるお寺です。

愛宕神社は、岩槻城の西側に位置する神社で、火防、安全の守り神とされていたようです。
江戸時代初期、岩槻城の建設に際して、土塁を構築する際の奉祀として、重く扱ったとのことです。愛宕という名称は広く使われていて、愛宕神社は、全国的にも、十数ヶ所あります。
岩槻の愛宕神社は、江戸時代初期の武州岩槻城図に、愛宕神社の位置が記されています。
言い伝えによりますと、愛宕神社は、火伏の神として、郷土の安全、家内安全、盗難除の信仰面で、信頼を集めてきたとされています。
岩槻の愛宕神社は、敷地的には、小さいながらも高所にあり、江戸時代から、近隣の住民の信仰が篤かったのではないかと推察しています。
まさに地域に密着した神社と言えるのではないでしょうか。

大龍寺は、曹洞宗のお寺で、人形の振興に功績のあった橋本重兵衛の墓があります。
人形の街岩槻らしいお寺との第一印象です。
江戸時代初期に創設されたお寺のようですが、火災によってしばらく不自由な時代があったようです。
平成１７年に再建されたようで、大変きれいな建物です。
内装や欄間の至る所に彫刻が施されていて、派手な感じがします。
人形の街にふさわしく、飾りが大事と考えられているのではないかと思われます。
質実剛健の気風を貴ぶ曹洞宗の寺院だろうかといぶかしげに感じます。
曹洞宗開祖　道元禅師の立像も置かれています。
道元禅師の質素な姿を見てみると、なんとなく複雑な気持ちになります。
それぞれの時代の考え方により、歴史が造られると思うことにします。

にぎわい交流館いわつきは、岩槻の文化の発信、産業の振興のため岩槻人形博物館の併設されました。
にぎわい交流館いわつきは、日本文化の中に息づく人形の魅力や奥深さを広く国内外に発信する岩槻人形博物館の併設施設として、岩槻の歴史及び文化の発信、産業及び観光の振興並びに地域のにぎわいの創出に寄与することを目的として開設されたようです。
なかなか、岩槻の思惑通り、実態が進んでいるかは、良く解りません。
狙いは、良く解るのですが、一般市民や観光客にとって、それらの理想が理解され、協力が得られているか、一見の観光客には判断できません。
ましてや産業や観光の振興に効果が上がっているのか、評価できない感じがします。
岩槻駅や市街地の中心から離れた場所に、開設されたことも現実の問題として難しいことが推し量られます。

岩槻人形博物館は、日本初の人形専門公立博物館として、開設されました。
岩槻駅東口に、民間の人形博物館がありますが、公立の人形博物館として専門的な施設が開設されたのは、意義深いものがあります。
しかも、その場所として、日本における人形の生産が、最も盛んな岩槻の地に設置されたことは、その目的に沿うものと理解できます。
人形に関する全般的なレベルアップに貢献するものと考えられます。
公立博物館として、近代人形産業の拠点として発展して行って欲しいと願ってやみません。岩槻に伝わる人形作りの技を紹介するばかりでなく、日本文化の中に息づく人形の美と歴史を大観し、広く発信していくミュージアムを目指して欲しいと念じています。

岩槻の時の鐘は、江戸時代の初期、岩槻城の城主の命令で、造成されました。
他の城下町と同様、居住者に時刻を知らせるためのものだったようですが、当初、日に３回鳴らされていたようですが、その後、１日１２回鳴らされるようになったそうです。遠くまで、聞こえるように、鐘の場所を高台として高くする等の工夫がされています。
１日１２回鳴らされていたとのことですので、夜中を除き、早朝や夜間も鳴らされていたのでしょう。
生活のためには、重要な役割を担っていたのでしょう。
鐘自体も５０年後、改鋳されています。１日１２回鳴らされ、酷使されたのかもしれません。
鐘楼は、江戸時代末期に、改修されています。
いずれにしましても、時刻を知らせるということは、大変重要だったことと思います。

鈴木酒造酒蔵資料館は、造り酒屋の酒蔵を活用し、資料館として開放している珍しい場所です。
どなたが経営者でやっているのか判りませんが、あまり愛想の良い感じはしませんが、人形の街岩槻の特色を加味した独特の資料館です。
もともと酒蔵と資料館の組み合わせは、無くはないのでしょうが、多くはありません。
たいていは、酒の試飲とかお土産の試食といったものを呼び物にして、多くの人を集めるのが一般的かもしれませんが、ここは、そのような活動はせず、自由に見てくださいとの感じです。
酒やお土産を販売しているのですが、積極的に勧めると言ったことはしていません。
スタッフも１にんのみで、愛想も良くありません。
独特な感じです。
念のため、予め紹介しておきたいと思います。

岩槻大師は、光岩山 釈迦院 岩槻大師 彌勒密寺と号しています。やや変わった名称です。
奈良時代末期に開かれ、永い歴史を有する真言宗の古刹です。
名称が一般的なものと、変わっている点は、〇〇大師という名称は、通常、通称で、正式な名称の中には、入れないはずです。また、彌勒密寺と四文字である点は、珍しいです。
四国八十八カ所の御本尊とお大師様を勧請し、しているようです。
加えて、各霊場寺院からの砂を奉安している等、遍路巡拝の道場としての努力をしているとのことです。
境内には、人形のまち岩槻の特徴を活かして、子育て人形大師との趣を加味しています。
このようにして、関東の不動霊場の札所にも加わっています。
岩槻大師の特色や知ってもらいたい点を、参拝者に伝える努力が評価されることを祈っています。

岩槻の遷喬館は、岩槻藩の藩校で、埼玉県内に現存する唯一の藩校跡です。
寛政年間に、岩槻藩の儒学者児玉南柯が創設した私塾であり、文化年間に、正式な岩槻藩の藩校となりました。 儒学を中心に講義が行われ、多くの藩士の子弟たちがここで学びました。
建物は武家屋敷を利用したものであり、木造平屋建て、茅葺屋根の構造です。 現在の建物は、江戸時代に児玉南柯が創設した当時の姿に復元され、吹きさらしの玄関や漆喰の壁、生徒の入口を設けています。
茅葺の屋根は、当時の一般的な屋根だったのでしょうが、現在では、維持補修する要員がいないため、管理が大変なのではと、心配になります。
藩校としては、手狭の感じがします。
創設時の私塾としては、経済的基盤も十分ではなく、やむを得なかったのかもと想像しています。

岩槻郷土資料館は、さいたま市立の資料館ですが、岩槻警察署旧庁舎を利用した資料館です。
建物は、昭和５年に建てられた古い庁舎で、暗い感じを受けますが、アーチ状の室内構造や古来調の装飾が目に入り、昔の建物の重厚感があふれてます。
外部から見ると、直線的な建物で、さすが警察の施設と感じさせるものがあります。
警察署というよりも、戦前の銀行という感じの構造かもしれません。
警察署と聞けば、留置場や取り調べ室という部屋を連想しますので、それらしき場所はないか、見まわしましたが、それらしき部屋は、見当たりませんでした。
受付けのカウンターが長く、胸の高さまである高さが、特徴なのかもしれません。
予算があれば、内部の照明を明るくすると、雰囲気が柔らかくなり、かつ資料や展示品も良く見えるかもしれません。

芳林寺は、曹洞宗の寺院で、太田道灌の墓所があり、歴史的に興味を覚える場所です。
岩槻の駅から近く、便利な場所にあります。
広い境内の敷地の中に、太田道灌公の場所もあります。
かつては東松山市にあり、太平山地蔵寺といわれていましたが、岩槻城主太田資正により現在の地に移転したと伝えられています。
落ち着いた雰囲気のもと、敷地内をゆっくり見て廻ると、歴史上のできことが思い浮かんできて、尽きせぬ思いが連綿として、続いてくる感じです。
とても充実した感覚に入れる環境です。できれば、雨の中、唐傘などをさしながら散策したいという思いに駆られます。
ゆっくり、そしてじっくり歴史の思いに浸りたいと感じる環境の寺院です。
お勧めです。

東玉人形の博物館は、岩槻駅東口を出るとすぐ目の前に東玉のビルがあり、その４階に入っています。
さすが、人形の街岩槻です。
最大手の東玉が、大きなビルを持っています。
その中に、人形博物館を併設しているのです。
あたかも岩槻の街全体が、人形の街のように、人形関係の施設が多いような感じを受けます。
東玉のビルは、区役所のビルよりも、高さが高いのです。
駅東口のローターリーには、からくり人形が置かれていて、定期的に、時間をお知らせするとともに、簡単なからくり演技をしてくれます。
まさに、人形の街という感じです。
人形博物館は、数多くの人形が展示されていて、とても楽しい感じがします。
色鮮やかな人形は、人の気持ちを穏やかにしてくれるようです。
お勧めの場所です。

相生坂は、新宿区や大田区、品川区にもあり、二つの坂が対になっている坂を言うことが多いのかも。
元来、相生というのは、二つの枝や道、人生などが同じ場所から対になって２つ沿って続くことを示しているように、坂にも、二つの坂が沿って並ぶ場所では「相生坂」と命名されているようです。
文京区の相生坂は、神田川を挟んで、南側にある淡路坂を対として、相生とされていたようです。真偽のほどは不明ですが、文京区教育委員会の解説にも、同趣旨の記述があります。
相生坂自体は、緩やかな傾斜で、神田川沿いにあります。
湯島の相生坂は、昌平坂が有名で、すぐ傍にあるため、昌平坂と一緒に含めて、記述されることがあります。
イメージ的に、学問の分野と重なる部分があるため、注意して理解することが大事でしょう。

帯坂は、江戸時代の怪談に登場する腰元が、帯を引きづりながら逃げ惑う様から名付けられたそうです。
帯坂は、市ヶ谷の靖国通りと南側の二七通りを結ぶ坂で、途中に日本棋院の建物がある坂です。靖国通りと二七通りの間を切り開いて作られた関係で、切通坂とも呼ばれいてるようです。
いずれにしましても、上り下りに坂であることを感じさせない傾斜の緩い坂です。
この周辺は、江戸城の内堀と外堀の間の緩斜面地形を、南北に連接する坂が並んでいます。
帯坂、一口坂や東郷坂です。
帯坂を昇りきった場所には、ルクセンブルグ大使館があります。静かな環境に囲まれた落ち着いた感じのする坂です。

聖橋は、神田川の上部に架かっている橋で、ＪＲ御茶ノ水駅の東口前の道路が南北に走っています。
聖橋は、湯島聖堂の傍に架かっている橋ですので聖橋と命名されたものと推察できます。
近代教育発祥の地(昌平坂学問所跡)にも、すぐ行けます。
南北に走る道路は、本郷通りと呼ばれていて、聖橋の北側には、湯島聖堂へ直接入ることができる出入り口があります。湯島聖堂に行くには、外堀通りにある正門まで廻る必要が無く、便利です。
聖橋の下側には、神田川と並行する外堀通りがあり、聖橋の北側から、外堀通りに降りることができ、地下鉄御茶ノ水駅につながっています。
また、聖橋の南側は、新御茶ノ水駅にも近く、交通の便がとても良いです。
聖橋は、学問の名前に関係していますが、交通る面でも、良い場所です。

淡路坂は、千代田区の御茶ノ水駅の聖橋から神田川の南側に下がっていく坂を言います。
淡路坂は、江戸時代、坂の西側に鈴木淡路守の屋敷があったことから淡路坂と呼ぶようになったという説が有力です。
反面、この坂を、一口坂(イモアライサカ)あるいは、相生坂、大坂とも呼ぶ向きもあるようです。
一般的に、場所の呼び方とは、いろんな理由があって、別々の名称が存在することが少なくありません。それそれの別々の思いがありますので、異なることが当然なのかもしれません。
永い間に、特定の名称に収束していくのでしょう。
その間、淡路坂を巡る環境にも、神田川の掘削や線路の拡張等の変化の要因がいろいろあったようです。
歴史というものは、いろいろな要因が絡み合い、興味がそそられるものですね。