2025/05/02 - 2025/05/02
16352位(同エリア17232件中)
mitsuさん
- mitsuさんTOP
- 旅行記627冊
- クチコミ18件
- Q&A回答26件
- 367,042アクセス
- フォロワー148人
*:.。白と金のアーチをくぐって、古代エジプトのきらめくお宝めぐり.。.:*
今回の旅行記は、まばゆい白と金の美しいアーチが迎えてくれる、「シュリー翼1階・フランス絵画展示室(ルーム663)」からスタートし、ガラスケースの中に大切に飾られた、古代エジプトの素晴らしいお宝たちをじっくりとめぐっていきました 。
物語の後半では、アメンホテプ3世の治世下に王室の女性のために作られた、貴重な「黒い石製シャブティ」や、当時の農耕と信仰の様子が浅い浮き彫りでリアルに刻まれた、「職人の石灰岩製ステラ」が登場します 。
さらに、7世代にわたる詳細な家系図がびっしりと深く刻み込まれた、重厚な「デディアの閃緑岩製葬祭ステラ」の全景、最高神とその妻が静かで神聖なオーラを放つ、「アムン神とムト女神の二連座像」へと続いていきます。
最後は、ライオンの背の上に堂々と直立する異国の女神を描いた、非常に珍しい「カデシュ女神の石灰岩製葬祭ステラ」の美しい全景で締めくくられる、学術的にも極めて見応えたっぷりな、贅沢なアルバムに仕上がりました。
全体の大まかな行程は以下になります。
今日は,★☆★です (^^)/
4/13(日) 成田⇒ドバイ⇒
4/14(月) ⇒アムステルダム フォーレンダム観光
4/15(火) アムステルダム,ホールン,エダム観光
4/16(水) アムステルダム国立美術館,市内観光
4/17(木) ギートホルン観光
4/18(金) キューケンホフ観光
4/19(土) ザーンセ・スカンス観光⇒ロッテルダムへ移動
4/20(日) デハール城,ユトレヒト観光
4/21(月) キンデルダイク,デルフト観光
4/22(火) ハーグ観光
4/23(水) プラハへ移動とプチ観光
4/24(木) プラハ観光+コンサート
4/25(金) プラハ観光+コンサート
4/26(土) プラハ観光
4/27(日) プラハ観光
4/28(月) プラハ観光
4/29(火) チェスキー・クルムロフへ移動⇒観光
4/30(水) チェスキー・クルムロフ⇒プラハへ移動
5/1(木) パリへ移動,観光
★☆★5/2(金) パリ観光
5/3(土) ヴェルサイユ宮殿観光
5/4(日) パリ観光
5/5(月) 体調不良により観光無し
5/6(火) 体調不良により観光無し
5/7(水) パリ観光
5/8(木) シャルトルへ移動・観光
5/9(金) パリ観光
5/10(土) パリ観光
5/11(日) パリ観光
5/12(月) ベルノンへ移動・観光,パリ観光
5/13(火) パリ観光
5/14(水) パリ観光後⇒ドバイへ移動
5/15(木) ドバイ観光⇒成田へ向けて出発
5/16(金) 成田着
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
1 新しい旅行記は、まばゆい白と金のアーチが迎えてくれる「シュリー翼1階・フランス絵画展示室(ルーム663)」からスタートします!
通路の頭上に広がる、19世紀前半のシャルル10世の治世下に設計された白と金のドーム構造です。
正面には、白い扇を広げたような放射状の筋模様が刻まれた半円形の天井が広がっています。
その下のカーブした壁には、天使たちが長い花綱を掲げて並ぶ古典主義的な装飾絵画が描かれています。
さらに真上には、ゴールドに輝く重厚な彫刻額縁と、19世紀フランスの画家によって描かれた巨大な神話天井画の一部が写り込んでおり、当時の王宮建築の華やかな装飾技術を示しています。 -
2 ルーム663のアーチと壮麗な天井画(正面全景)
中央に設計された美しい丸いアーチの向こうには、19世紀のフランス絵画が飾られたお隣の展示室の天井画が美しく見えています。
アーチのすぐ上を走る横長の壁面には、王冠の紋章を中心に、天使たちが長い花綱を大切そうに掲げて並ぶ古典主義的な装飾絵画が描かれています。
さらにその上の天井部分には、眩い金の彫刻枠で囲まれた巨大な天井画が広がっており、青空の下で羽を広げる神聖な天使の姿が写し出されています。 -
3 フランス絵画展示室・ルーム663(ガラスケースのなかの像)
アーチの下を進むと、通路の真ん中にきれいなガラスのショーケースが立っていました。
中を覗いてみると、大昔のエジプトの王様や神様をかたどった、とてもスマートでかっこいいブロンズ像たちが並んでいます。 -
4 青い冠の王の像(クローズアップ拡大)
この作品は、紀元前1350年頃の新王国時代第18王朝(アマルナ時代)に作られたもので、エジプト中部の古代都市アマルナの遺跡から出土しました。
頭部には「ヘプレシュ」と呼ばれる儀礼用の青い王冠を戴いており、冠の表面には青いガラス製とみられる細かな丸い装飾がはめ込まれています。
身にまとっている白い腰布には、当時の色彩や文様が残されています。
アマルナ時代特有の、なだらかな身体のラインを表現した写実的な彫刻技術を示す、非常に貴重な歴史的遺物です。 -
5 ガラスケースに並ぶエジプトの石像
4番の青い冠の像から少し歩くと、今度はユニークな形をした石の像たちが並ぶケースに出会いました。
正面に並ぶ3つの像には、大昔のエジプトの文字(ヒエログリフ)がびっしりと細かく刻まれていて、歴史の深さを感じさせてくれます。 -
6 ユニークな姿の石像(クローズアップ拡大)
この作品は、古代エジプトの新王国時代(紀元前14世紀~紀元前13世紀頃、主に第19王朝)に制作された、神殿を抱く形態のブロック像です。
人物が抱えている四角い神殿(ナオス)の中には、頭上に三日月と満月を組み合わせた月盤を戴く、聖なるヒヒの姿をしたトト神が立体的に彫り出されています。
神殿の枠や台座、足元に至る表面には、衣服のひだや、この像の所有者の名前・祈りの言葉を記した象形文字(ヒエログリフ)が深く刻み込まれています。
当時の官僚や神官が神への永遠の祈りを捧げるために墓や神殿に奉納した、非常に貴重な歴史的遺物です。 -
7 ガラスケースに並ぶ白い石像と石碑
6番の茶色い像から少し視線を右側へ移すと、また新しい宝物たちが並んでいました。
中央には、先ほどの茶色い像とそっくりなポーズをした、きれいな白い石の像がちょこんとたたずんでいます。 -
8 白い独特な石像(クローズアップ拡大)
この作品は、古代エジプトの新王国時代(紀元前14世紀~紀元前13世紀頃、主に第19王朝)に制作された、石灰岩製のブロック像です。人物が膝を抱えて座る独特のポーズをしており、正面の四角い神殿(ナオス)の中には、頭上に月盤を戴くヒヒの姿をしたトト神が立体的に配置されています。
神殿の周囲や足元の台座部分には、この像を神殿や墓に奉納した人物の名前や、神を讃える象形文字(ヒエログリフ)が深く刻み込まれています。
白く滑らかな石の質感と、何千年も前に刻まれた文字のラインが鮮明に残る、非常に貴重な歴史的遺物です。 -
9 ナキの彩色葬祭ステラ
この作品は、新王国時代第19王朝(紀元前1295年~紀元前1186年頃)に制作され、テーベ(現ルクソール)西岸のディール・エル・メディーナにある書記ナキの墓から出土しました。
木の上に漆喰を塗り、赤茶色、黄色、白、黒などの絵の具で精緻な絵画が施されています。
最上段(第1段)には、ジャッカルの頭部を持つ冥界の神アヌビス、ミイラ姿で表現された死者の守護神オシリス、そしてイシス女神、ネフティス女神などの神々が玉座に腰掛けています。
中段(第2段)と下段(第3段)には、被葬者であるナキとその家族、親族たちが集まり、祭壇に並べられたパンや果物、香などの供物を神々に捧げて儀式を執り行う様子が描かれています。
神々の頭上や人物の間には、それぞれの名前や讃歌を記した縦書きの象形文字(ヒエログリフ)がびっしりと配置されています。 -
10 ガラスケースに並ぶ白い彫像と石碑
9番のカラフルな石碑のすぐ隣には、白くて上品な宝物たちが並ぶ大きなケースが立っていました。
中を覗いてみると、中央に立つとても美しい白い彫像が、スポットライトに照らされてきれいに浮かび上がっています。 -
11 王室書記ラモセの立像とアメンナクトの家族像
画面右側の白い石灰岩製の像は、新王国時代第19王朝のラメセス2世の治世(紀元前1279年~紀元前1213年頃)に制作された、王室書記ラモセの立像です。
エジプト中部の古代都市テーベ西岸にある職人集落ディール・エル・メディーナの遺跡から、1939年の発掘調査によって出土しました。
頭部には細かな編み目が立体的に表現された大きなウィッグ(かつら)を着用しており、両肩には当時の国王ラメセス2世、トトメス4世、ホレムヘブの王名を囲む楕円形のカルトゥーシュが刻まれています。
前面に垂らした衣服の帯部分には、ラモセの役職や神々への祈念を記録した象形文字(ヒエログリフ)が縦書きで深く刻み込まれています。
画面左側の彩色された石像は、同じくディール・エル・メディーナ遺跡から出土した、職人たちの首長であったアメンナクトとその家族を表現した座像です。
アメンナクトは膝の上に小さな二人の子供(それぞれ特徴的な冠や頭髪が彩色されています)を抱きかかえており、当時の家族の構成や衣服、装飾品の色彩が良好に保存されている貴重な歴史的遺物です。 -
12 白いエジプトの石碑(クローズアップ拡大)
11番の彫像の隣に展示されている、アーチ型の白い石灰岩製葬祭ステラ(石碑)です。
この作品は、新王国時代第19王朝(紀元前1295年~紀元前1186年頃)に制作され、テーベ(現ルクソール)西岸のディール・エル・メディーナ遺跡から出土しました。石の表面には、彫刻の輪郭とともに赤茶色の色彩が残されています。
画面は上下二つの段(レジスター)に分かれています。
上の段には、玉座に腰掛ける二人の神が描かれています。右側には二重冠(プスケント)をかぶった隼(ハヤブサ)の頭を持つ天空の神ホルス、左側には頭上に太陽円盤と牛の角の冠を戴くイシス女神が座っています。
下の段の右側には、衣服をまとって両手を挙げ、神々へ向かって熱心に祈りと崇拝を捧げている被葬者の姿が刻まれています。
左側には、神々への祈念の言葉やこの人物の名前を記録した象形文字(ヒエログリフ)が縦書きで4列にわたって深く並んでいる、非常に貴重な考古学的遺物です。 -
13 聖なる目が刻まれた白い石碑(クローズアップ拡大)
この作品は、新王国時代第19王朝(紀元前1295年~紀元前1186年頃)に制作され、テーベ(現ルクソール)西岸のディール・エル・メディーナの遺跡から出土しました。
石の表面には、彫刻とともにかつて施されていた青や赤茶色の色彩が残されています。
一番上のアーチ部分には、一対の「ウジャトの目(ホルスの目)」と、その間に魔除けのシンボルが精緻に浮き彫りされています。
中央の段には、この像の所有者(職人集落の住人)の名前や、冥界の神々を称えるための象形文字(ヒエログリフ)が縦書きでびっしりと並んでいます。
最下段には、椅子に腰掛けて蓮(ハス)の花の香りを嗅いでいる被葬者の男性と、その前に立って香炉や供物、液体を捧げながら崇拝の儀式を行う妻や娘たちの姿が、当時の写実的な衣服をまとった姿で克明に刻まれています。 -
14 蛇腹飾り付きの石製リンテル
13番の丸い石碑の近くに展示されている、横に細長い石灰岩製の建築部材(リンテル)です。
この作品は、新王国時代第19王朝(紀元前1295年~紀元前1186年頃)に制作され、テーベ(現ルクソール)西岸にある職人集落ディール・エル・メディーナの遺跡から出土しました。神殿や墓の入り口の上部を飾っていたもので、古代エジプトの建築様式である「凹面コニス(蛇腹飾り)」の構造を持っています。
上段の凹凸が並ぶ蛇腹部分には、かつて施されていた青や赤茶色の縦縞模様の色彩が良好に保存されています。
下段の中央には、所有者の名前や祈言、神聖なシンボルを表現した象形文字(ヒエログリフ)が四角い枠(区画)の中に深く刻み込まれており、当時の神殿建築の細部を今に伝える貴重な歴史的遺物です。 -
15 二つの物語が刻まれた白い石碑
⑭番の横長の建築装飾の近くに展示されている、アーチ型の白い石灰岩製葬祭ステラです。
この作品は、新王国時代第19王朝(紀元前1295年~紀元前1186年頃)に制作され、テーベ(現ルクソール)西岸にある職人集落ディール・エル・メディーナの遺跡から出土しました。
石の表面には、彫刻の輪郭線を際立たせる赤茶色の色彩が残されています。
画面は上下二つの段(レジスター)に分かれており、上段の左側には、玉座に腰掛けたジャッカルの頭部を持つ冥界の神アヌビスが描かれ、右側からは被葬者が手を挙げて崇拝の儀式を行っています。
下段の左側には、頭上に太陽円盤を戴く女神(ハトホル女神あるいはイシス女神)が玉座に座っており、中央の供物台を挟んで、右側から二人の女性が深くひざまずいて祈りを捧げています。
それぞれの衣服のラインや、神々の名前を記した象形文字(ヒエログリフ)が深く克明に刻み込まれている、非常に貴重な歴史的遺物です。 -
16 デディアの閃緑岩製葬祭ステラ
15番の白い石碑に続いて展示されている、丸みのあるアーチ型をした黒い閃緑岩(ジオライト)製の葬祭ステラ(石碑)です。
この作品は、新王国時代第19王朝のセティ1世(またはラメセス2世)の治世下である紀元前1300年頃に制作されました。
建立したのはテーベ(現ルクソール)のアメン神殿で絵師長(チーフ・ドラフトマン)を務めていたデディアという高官です。
上段のアーチ型の枠内には、古代エジプト神話におけるアビドスの三柱の神々(三連座像)が立体的な高浮き彫りで表現されています。
中央にはミイラのような姿をまとい、アテフ冠をかぶって crook(杖)と flail(王笏)を胸の前で交差させて持つ冥界の支配者オシリス神が立ちます。
オシリスの左側(向かって左)には、二重冠をかぶった隼(ハヤブサ)の頭を持つ天空の神ホルス、右側(向かって右)には、頭上に太陽円盤と牛の角を載せた妻のイシス女神が並んでいます。
下段には、被葬者であるデディア(左側)と、その妻(右側)が深くひざまずき、神々の前にたくさんのパンや果物、花が載ったお供えの台を捧げて祈る儀式の様子が細い線刻で丁寧に描かれています。
周囲の枠や人物の間には、神々への祈念の言葉とともに、デディアの家族の家系図が7世代にわたって記録された象形文字(ヒエログリフ)がびっしりと深く刻み込まれている、非常に貴重な考古学的遺物です。 -
17 小さな棚に並ぶ可愛い二つの人形
⑯番の立派な黒い石碑の近くで、今度は少し高い場所にある小さな棚を見つけました。
そこには、手のひらに載りそうなほど小さくて愛らしい、土で作られた二つの人形が仲良く並んでいます。 -
18 彩色泥土製のシャブティ(クローズアップ拡大)
17番の棚から一歩近づいて、並んだ二つの小さなお人形をじっくりと見つめてみました。
この作品は、新王国時代(紀元前1550年~紀元前1069年頃)に制作された、テラコッタ製のシャブティです。
ミイラのような形に整えられた体には、死後の世界で畑仕事などをするための農具を握った腕が立体的に表現されています。
頭部には、青い絵の具の跡が残る大きなウィッグ(かつら)を着用しており、顎の下にはオシリス神を象徴する編み込み状の「つけ髭」がつけられています。
胸から足元にかけての前面には、黄色い枠線のなかに、死者の身代わりとして働くことを命じる呪文(死者の書の一部)や、この所有者の名前を記した象形文字(ヒエログリフ)が細く深く刻み込まれています。
当時の死生観や、庶民の墓にも奉納された素焼きならではの素朴な製造技術を伝える、貴重な考古学的遺物です。 -
19 ガラスケースに並ぶエジプトのお守り
18番のシャブティ人形の近くに展示されている、様々な鉱物や陶器で作られたエジプトの小さな護符(アミュレット)の数々です。
古代エジプトでは、死者が冥界で不滅の存在となるよう、ミイラの包帯の間に特定の形をした小さなお守りがたくさん配置されました。
右上(2番)の丸いお守りは、再生や太陽の象徴である聖なる甲虫「スカラベ」をジャスパー(碧玉)などの石で象ったものです。
その下(5番)には、琥珀色に透き通る美しいカーネリアン(紅玉髄)で作られた楕円形の印章お守りが並んでいます。
左下(3番)の茶色いお守りは、イシス女神の結び目(神聖な衣服の紐の結び目)を表現した「タイト(テト)」と呼ばれる護符で、保護や生命力を与える木化石やガラスで作られています。
中央下(4番)の青緑色のお守りは、パピルスの植物を象った「ウアジ」と呼ばれる柱状の護符で、古代エジプトで最も親しまれた青い陶器(ファイアンス)で作られており、若々しさや不滅の活力を表す貴重な歴史的遺物です。 -
20 小さくきらめくエジプトのアクセサリー
19番の鉱物製のお守りに続いて展示されている、金箔やラピスラズリなどの貴重な素材で作られた装飾護符の数々です。
これらは高い身分のミイラを保護するために制作されたもので、当時の高度な金属加工技術を示しています。
左側(10番)には、金や黒っぽい貴石で作られた、大きな羽をパッと広げたハヤブサ(天空の神ホルス)やハゲワシ(女神ネフベト)を象った格好いいペンダントが並んでいます。
中央下(8番)には、細長い楕円形の台座に青緑色の美しいターコイズ(トルコ石)またはガラスをはめ込み、周囲を金の枠で固定した高貴な印章お守りが配置されています。
右下(11番)には、立ち上がるコブラの姿を立体的な金の細工で表現した、一対の聖蛇「ウラエウス」の飾りが並んでおり、王権や神聖な守護のシンボルとしてミイラの頭部周辺などに配置されました。
何千年も前のものとは思えないほどのまばゆいきらめきを保つ、非常に貴重な考古学的遺物です。 -
21 スカラベが輝く金の胸飾り(クローズアップ拡大)
この作品は、新王国時代(紀元前1550年~紀元前1069年頃)に金細工技術によって制作されました。
古代エジプトの神殿の入り口(パイロン)のような形をした外枠には、まばゆい金箔が施され、縁には黒や青のガラスペーストをはめ込んだ格子の幾何学模様が施されています。
中央には、再生や復活を司る聖なる甲虫「スカラベ」が黒い硬質な石(玄武岩やジャスパーなど)で立体的に象られ、どっしりと配置されています。
その左右では、死者の守護女神であるイシスとネフティス(あるいは被葬者の親族)が両手を挙げてスカラベを崇拝し、守るポーズをとっています。
上部の黒い帯状の部分には、被葬者の名前や、死後の安全な旅を神々に祈願する象形文字(ヒエログリフ)が深くきれいに刻み込まれている、非常に貴重な歴史的遺物です。 -
22 羽を広げた鳥の胸飾り(クローズアップ拡大)
21番の金の飾りに続いて展示されている、神殿の入り口(パイロン)の形状を模した立派な胸飾り(ペクトラル)です。
この作品は、新王国時代第19王朝のラメセス2世の治世(紀元前1279年~紀元前1213年頃)に制作され、テーベ西岸の墓から出土した高官パセルの副葬品です。
外枠には金やエナメル、ガラスをはめ込んだ精緻な格子の幾何学模様が施されています。
中央の枠内には、大きな羽を円状にパッと広げた、守護の象形である格好いいハゲワシ(あるいはハヤブサ)の姿が、高度な透かし彫り技術によってダイナミックに表現されています。
鳥の頭の上には、当時の国王ラメセス2世の誕生名(ウセルマートラー・セテプエンラー)を優しく刻んだ楕円形の「カルトゥーシュ」が美しく配置されており、その横には聖蛇コブラ(ウラエウス)が佇んでいます。
鳥の爪には不滅や永遠を象徴する「シェン・リング」と呼ばれる丸い輪が握られており、王権への忠誠と死後の永遠の保護を祈願した、非常に貴重な考古学的遺物です。 -
23 大きな羽を広げたハヤブサの飾り(クローズアップ拡大)
22番のパセルの胸飾りに続いて展示されている、同じく高官パセルの墓から出土した金製のハヤブサ型ペンダントです。
この作品は、新王国時代第19王朝(紀元前1279年~紀元前1213年頃)に制作されました。
天空の神ホルスを象徴するハヤブサが両翼を左右にまっすぐ広げた姿をしており、金で作られた羽の細かな区画(クロワゾネ細工)には、濃い青色のラピスラズリや緑色のターコイズ(トルコ石)、赤色のカーネリアンなどの貴重な半貴石やガラスペーストがびっしりと敷き詰められています。
ハヤブサの頭上には太陽円盤が戴かれており、左右の爪には永遠を象徴する「シェン・リング」の輪が握られています。
展示ケースの底面にミラー(鏡)が敷かれているため、細かな羽の模様が施された表面のインレイ細工と同時に、金箔が美しく彫り込まれた彫像の裏面(鏡に映る金色の部分)の高度な職人技もあわせて確認できる、非常に貴重な考古学的遺物です。 -
24 ガラスケースに並ぶ黒いブロンズ像
23番の鳥の飾りから少し歩いたガラスケース内に展示されている、3体の黒いブロンズ製シャブティ(身代わり人形)です。
これらの作品は、古代エジプトの新王国時代・第19王朝(紀元前13世紀頃)に制作され、テーベ西岸のディール・エル・メディーナ遺跡などから出土しました。
死者が冥界で労働を課せられた際、その身代わりとして働くようにと墓の中に奉納された副葬品です。
向かって右側にある一番背の高い像は、細かなストライプ模様の大きなウィッグ(かつら)を着用し、胸の前で優しく両手を交差させています。
下半身には、細かいひだ(プリーツ)が入った当時の写実的な衣装が表現されており、前面の帯部分には所有者の名前が刻まれています。
左側と中央にある2つの像はミイラ型をしており、両手には農具が立体的に彫り込まれ、衣服の前面には神々への祈念の言葉を記録した象形文字(ヒエログリフ)が縦一列にすっきりと深く刻まれている、非常に貴重な考古学的遺物です。 -
25 カエムワセト王子の蛇紋岩製シャブティ
この作品は、新王国時代第19王朝のラメセス2世の治世(紀元前1279年~紀元前1213年頃)に制作され、カイロ近郊のサッカラ遺跡にある聖なる牛の埋葬地「セラペウム」から出土しました。
被葬者であるカエムワセト王子は、大ピラミッドなどの大昔の建造物を修復した業績から、後世に「世界最初の考古学者」とも称される歴史的著名人です。
この像は通常のミイラ型とは異なり、頭部の右側から肩にかけて「幼児の側頭髪(サイドロック・オブ・ユース)」と呼ばれる編み込んだ髪の束を長く垂らしています。これは神官(大祭司)や王子であることを示す非常に珍しい意匠です。
胸の前で交差した両手には、神聖なシンボルである「ウアス(権杖)」や農具が立体的に表現されています。
胸から足元にかけての表面には、王子自身の名前や役職、そして死後の労働の身代わりを命じるための象形文字(ヒエログリフ)が11行にわたって非常に精緻に刻み込まれている、学術的に極めて重要な考古学的遺物です。 -
26 各種素材で作られたシャブティのコレクション
25番のカエムワセト王子の像の近くに展示されている、色や素材、形状が異なる様々な身代わり人形(シャブティ)の数々です。
古代エジプトの墓には、被葬者が死後の世界(アアルの野)で労働を命じられた際、身代わりとなって農作業などを行うための人形が大量に副葬されました。
最上段の左側には、エジプト独自の青い陶器(ファイアンス)で作られた小ぶりな像が並び、右側には白い漆喰ベースの体に黒いインクで細かな衣服の模様や髪型、象形文字(ヒエログリフ)を書き入れた泥土製の像が3体並んでいます。
中段に吊り下げられるように並ぶ青緑色や灰色の像は、いずれも頭部が異なっており、ハヤブサ、ジャッカル、ヒヒ、人間といった神聖な存在(オシリスの4人の息子など)の姿や、特徴的なウィッグを模して作られています。
最下段の床面には、素焼きのテラコッタや木で作られた、やや粗削りながらも腕を胸の前で交差させたミイラ型のシャブティがいくつも横たわるように配置されており、当時の身分や時代による副葬品の多様な製造の歴史を伝える貴重な考古学的遺物です。 -
27 白い身代わり人形のコレクション(クローズアップ拡大)
26番のケースからさらに一歩近づいて、白い漆喰や石灰岩で作られたシャブティ(身代わり人形)のディテールをじっくりと見つめてみました。
最上段に並ぶ2体の像(1番・2番)は、新王国時代に多く見られるスタイルで、頭部には細かなストライプ模様が施された大きなウィッグ(かつら)を着用しています。胸の前で交差させた両手には農具が立体的に彫り込まれており、胸から足元にかけての表面には、黒いインクのような顔料を用いて、死者の名前や身代わりの呪文を記録した象形文字(ヒエログリフ)が横書きの帯状にびっしりと書き込まれています。
中段や最下段に並ぶ像(3番~13番)も同様にミイラ型をしており、素材には粗削りな石灰岩や素焼きのテラコッタが使用されています。
それぞれの顔立ちや、文字の配置、経年による色彩の残り方の違いなど、当時の職人たちによる個別の製造の歴史が鮮明に伝わってくる、非常に貴重な考古学的遺物です。 -
28
王室の黒い石製シャブティ(クローズアップ拡大)
27番の白いお人形たちの近くから、今度はひときわ背が高く、非常に精緻に彫り込まれた黒い石製のシャブティにグッと近づいてみました。
この作品は、新王国時代第18王朝のアメンホテプ3世の治世(紀元前1391年~紀元前1353年頃)に制作された、片岩(シスト)製のシャブティです。
頭部には、額のラインから肩の後ろまで細かな縦縞模様が美しく刻み込まれた、高貴な女性用の大きなウィッグ(かつら)を着用しています。
胸の前で交差した両手には、死後の労働に使うための農具が立体的に表現されています。
足元に向かってすっきりと伸びる衣服の真ん中には、この像の所有者である王室の女性(王妃または王女)の名前や、冥界の主オシリス神への祈りの言葉を記録した象形文字(ヒエログリフ)が縦一列に深く、極めて精緻に刻み込まれている、歴史的・芸術的に非常に価値の高い考古学的遺物です。 -
29 職人の暮らしが刻まれた石灰岩製ステラ
28番の黒いシャブティの近くに展示されている、四角い形状をした石灰岩製の葬祭ステラ(石碑)です。
この作品は、新王国時代第19王朝(紀元前1295年~紀元前1186年頃)に制作され、テーベ(現ルクソール)西岸にある職人集落ディール・エル・メディーナの遺跡から出土しました。
画面は上下二つの段(レジスター)に分かれており、当時の人々の信仰や農耕の様子が浅い浮き彫り(レリーフ)で刻まれています。
上段の左側には、二根の立派な角を持つ牛が引く耕作農具(鋤)を扱いながら、畑を耕している人物の姿が描かれています。
上段の右側には、細かなひだ(プリーツ)が入った当時の写実的な衣装をまとった被葬者が、両手を挙げて神々を崇拝するポーズをとっています。
下段の左側には、神々への祈念の言葉やこの家族の名前を記した象形文字(ヒエログリフ)が縦書きで5列にわたって深く刻まれており、下段の右側には、供物台を挟んでひざまずく親族の姿が配置されている、歴史的に非常に貴重な考古学的遺物です。 -
30 象形文字がびっしり刻まれた黒い石碑29番のベージュ色の石碑の近くに、今度は上側が丸くなった、黒くてとても立派な石の碑を見つけました。
少し離れた正面から眺めてみると、ガラスのケースの中にどっしりと佇む姿に、何百年もの歴史を守ってきた本物の重みが伝わってきます。 -
31 デディアの閃緑岩製葬祭ステラ(正面全景)
30番のベージュ色の石碑の近くに展示されている、上部がアーチ型になった重厚な黒緑色の石碑(ステラ)の全体像です。
この作品は、新王国時代第19王朝のセティ1世(あるいはラメセス2世)の治世下である紀元前1300年頃に制作されました。建立したのは、テーベ(現ルクソール)のアメン神殿で絵師長(チーフ・ドラフトマン)を務めていたデディアという高官です。古代エジプトの聖地アビドスの遺跡から出土しました。
非常に硬い「閃緑岩(ジオライト)」の表面には、上下の二つの大きな段(レジスター)に分かれた細密な彫刻が施されています。
上の段には、中央のオシリス神、左側のホルス神、右側のイシス神というアビドスの三柱の神々が立体的な高浮き彫りで表現されており、下の段には被葬者であるデディアと妻が神々の前でひざまずいて供物を捧げる儀式の場面が刻まれています。
人物の間や周囲の枠には、神々への祈念の言葉とともに、デディアの家系図が7世代にわたって記録された象形文字(ヒエログリフ)がびっしりと深く刻み込まれている、歴史的に極めて貴重な考古学的遺物です。 -
32 アムン神とムト女神の灰色粘板岩製二連座像
31番の立派な黒い石碑の近くに展示されている、背もたれのある玉座に隣り合って座る二人の神のペア像です。
この作品は、新王国時代第19王朝のセティ1世からラメセス2世の治世下(紀元前1294年~紀元前1213年頃)に制作され、古代の宗教都市テーベの遺跡から出土しました。
古代エジプト神話におけるテーベ三神(父アムン、母ムト、子コンス)のうちの最高神とその妻の姿が、非常に硬い灰色粘板岩(グレイワッケ)を用いて精密に彫り出されています。
向かって右側に座るアムン神(Amon)は、頭部の上に2本の大きな羽飾り(冠)を載せており、これは大気や見えない世界の支配者である最高神としての強い神権を表しています。
向かって左側に座るムト女神(Mut)は、ハゲワシを模した頭飾り(頭巾)の上に、上エジプトと下エジプトの統一を象徴する「二重冠(プスケント)」を高く戴いています。
座像を支える台座の正面や側面、そして足元部分には、これらの神々を称える讃歌や守護のシンボルのほか、この像を奉納した高官(「両界の主の天秤の監督官」であったメリアトなど)の名前を記録した象形文字(ヒエログリフ)が深く克明に刻み込まれている、歴史的・学術的に非常に価値の高い考古学的遺物です。 -
33 カデシュ女神の石灰岩製葬祭ステラ
32番の神像の近くに展示されている、外枠の上部に凹面コニス(蛇腹飾り)の意匠を持つ、石灰岩製の葬祭ステラ(石碑)です。
この作品は、新王国時代第19王朝(紀元前1290年~紀元前1213年頃)に制作され、テーベ西岸の職人集落ディール・エル・メディーナの遺跡から出土した職人フイの奉納品です。
当時は異国(シリア・カナン地方)の神々がエジプトの信仰に広く取り入れられた時代であり、この石碑にはエジプト固有の神と外来の神が並んで描かれています。
画面は上下二つの段(レジスター)に分かれています。上段の中央には、シリア起源の豊穣と愛の女神カデシュ(Qetesh / Qadesh)が、正面を向いた裸体の女性の姿で描かれています。
女神は頭上にハトホル女神のウィッグと太陽・月盤の冠を載せ、ライオンの背の上に堂々と直立しながら、両手に神聖な植物(蓮の花)と蛇を掲げています。
カデシュの左側(向かって左)には、羽飾りの冠をかぶり、 phallus を直立させたエジプト固有の豊穣の男神ミン(Min)が配置されています。右側(向かって右)には、白い冠をかぶり、手にアンク(生命の象徴)と武器を持つ、シリア起源の戦いの神レシェフ(Resheph)が立っています。
下段には、この石碑を神々に奉納した職人フイとその家族が、深くひざまずいて両手を挙げ、神々への熱心な祈りと崇拝を捧げている姿が線刻で丁寧に描かれています。神々の頭上や人物の間には、それぞれの名前や讃歌を記録した象形文字(ヒエログリフ)がすっきりと配置されている、非常に学術的価値の高い考古学的遺物です。
エジプトの素晴らしいお宝を満喫したところで、今回の旅行記はここで終わりとなります。次回は、こちらのケースに並ぶ美しい木像たちのクローズアップからスタートします。どうぞお楽しみに!
つづく
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
旅行記グループ
オランダ,チェコ,フランス,ドバイ周遊34日の旅-10
-
271。*:.。オランダ,チェコ,フランス35日間の旅 ☆パリ-10 ルーブル-7☆.。.:*
2025/05/02~
パリ
-
272。*:.。オランダ,チェコ,フランス35日間の旅 ☆パリ-11 ルーブル-8☆.。.:*
2025/05/02~
パリ
-
273。*:.。オランダ,チェコ,フランス35日間の旅 ☆パリ-12 ルーブル-9☆.。.:*
2025/05/02~
パリ
-
274。*:.。オランダ,チェコ,フランス35日間の旅 ☆パリ-13 ルーブル-10☆.。.:*
2025/05/02~
パリ
-
275。*:.。オランダ,チェコ,フランス35日間の旅 ☆パリ-14 ルーブル-11☆.。.:*
2025/05/02~
パリ
-
276。*:.。オランダ,チェコ,フランス35日間の旅 ☆パリ-15 ルーブル-12☆.。.:*
2025/05/02~
パリ
-
277。*:.。オランダ,チェコ,フランス35日間の旅 ☆パリ-16 ルーブル-13☆.。.:*
2025/05/02~
パリ
-
278。*:.。オランダ,チェコ,フランス35日間の旅 ☆パリ-17 ルーブル-14☆.。.:*
2025/05/02~
パリ
-
279。*:.。オランダ,チェコ,フランス35日間の旅 ☆パリ-18 ルーブル-15☆.。.:*
2025/05/02~
パリ
-
280。*:.。オランダ,チェコ,フランス35日間の旅 ☆パリ-19 ルーブル-16☆.。.:*
2025/05/02~
パリ
-
281。*:.。オランダ,チェコ,フランス35日間の旅 ☆パリ-20 ルーブル-17☆.。.:*
2025/05/02~
パリ
-
282。*:.。オランダ,チェコ,フランス35日間の旅 ☆パリ-21 ルーブル-18☆.。.:*
2025/05/02~
パリ
-
283。*:.。オランダ,チェコ,フランス35日間の旅 ☆パリ-22 ルーブル-19☆.。.:*
2025/05/02~
パリ
-
284。*:.。オランダ,チェコ,フランス35日間の旅 ☆パリ-23 ルーブル-20☆.。.:*
2025/05/02~
パリ
-
285。*:.。オランダ,チェコ,フランス35日間の旅 ☆パリ-24 ルーブル-21☆.。.:*
2025/05/02~
パリ
-
286。*:.。オランダ,チェコ,フランス35日間の旅 ☆パリ-25 ルーブル-22☆.。.:*
2025/05/02~
パリ
-
287。*:.。オランダ,チェコ,フランス35日間の旅 ☆パリ-26 ルーブル-23☆.。.:*
2025/05/02~
パリ
-
288。*:.。オランダ,チェコ,フランス35日間の旅 ☆パリ-27 ルーブル-24☆.。.:*
2025/05/02~
パリ
-
289。*:.。オランダ,チェコ,フランス35日間の旅 ☆パリ-28 ルーブル-25☆.。.:*
2025/05/02~
パリ
旅行記グループをもっと見る
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
パリ(フランス) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ オランダ,チェコ,フランス,ドバイ周遊34日の旅-10
0
33