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*:.。神話のパノラマと宮廷のきらめき☆.。.:* <br /><br />今回の旅行記は、初期イタリア絵画の散策の続きから、見上げるたびに胸が躍るような豪華な展示室へと向かう特別な記録です 。<br /><br />歩みを進めると、きれいな青空や山々を背にした聖母子像から、お祝いのために描かれた華やかなギリシャ神話の物語絵へと視線が移り変わります。さらに、天才ラファエロが手がけた幻の美しい天使の絵など、素晴らしい名作たちが次々に現れます。<br /><br />散策の途中からは、まばゆい金箔の彫刻と天井画に360度囲まれる、とても美しい「シャルル10世の間」へと入っていきます 。<br /><br />天井に浮かぶ大迫力の時の神クロノスや、大巨匠ヴェロネーゼが描いたドラマチックな宮廷の絵、そしてガラスケースの中に静かに佇む古代ギリシャの美しい王女の彫刻など、見応えのある作品が連続します。最後はアングルによる最高傑作『ホメロス礼讃』の壮大なパノラマや、古代の神々が優雅に並ぶ美しい門のレリーフを見つめて、ルーヴルの奥深い魅力に触れていきます。<br /><br />全体の大まかな行程は以下になります。<br /><br />今日は,★☆★です (^^)/<br /><br />4/13(日) 成田⇒ドバイ⇒<br />4/14(月) ⇒アムステルダム フォーレンダム観光<br />4/15(火) アムステルダム,ホールン,エダム観光<br />4/16(水) アムステルダム国立美術館,市内観光<br />4/17(木) ギートホルン観光<br />4/18(金) キューケンホフ観光<br />4/19(土) ザーンセ・スカンス観光⇒ロッテルダムへ移動<br />4/20(日) デハール城,ユトレヒト観光<br />4/21(月) キンデルダイク,デルフト観光<br />4/22(火) ハーグ観光<br />4/23(水) プラハへ移動とプチ観光<br />4/24(木) プラハ観光+コンサート<br />4/25(金) プラハ観光+コンサート <br />4/26(土) プラハ観光<br />4/27(日) プラハ観光<br />4/28(月) プラハ観光<br />4/29(火) チェスキー・クルムロフへ移動⇒観光<br />4/30(水) チェスキー・クルムロフ⇒プラハへ移動<br />5/1(木) パリへ移動,観光<br /><br />★☆★5/2(金) パリ観光<br /><br />5/3(土) ヴェルサイユ宮殿観光<br />5/4(日) パリ観光<br />5/5(月) 体調不良により観光無し<br />5/6(火) 体調不良により観光無し <br />5/7(水) パリ観光<br />5/8(木) シャルトルへ移動・観光<br />5/9(金) パリ観光<br />5/10(土) パリ観光<br />5/11(日) パリ観光<br />5/12(月) ベルノンへ移動・観光,パリ観光<br />5/13(火) パリ観光<br />5/14(水) パリ観光後⇒ドバイへ移動<br />5/15(木) ドバイ観光⇒成田へ向けて出発<br />5/16(金) 成田着

287。*:.。オランダ,チェコ,フランス35日間の旅 ☆パリ-26 ルーブル-23☆.。.:* 

16いいね!

2025/05/02 - 2025/05/02

16347位(同エリア17228件中)

mitsu

mitsuさん

*:.。神話のパノラマと宮廷のきらめき☆.。.:* 

今回の旅行記は、初期イタリア絵画の散策の続きから、見上げるたびに胸が躍るような豪華な展示室へと向かう特別な記録です 。

歩みを進めると、きれいな青空や山々を背にした聖母子像から、お祝いのために描かれた華やかなギリシャ神話の物語絵へと視線が移り変わります。さらに、天才ラファエロが手がけた幻の美しい天使の絵など、素晴らしい名作たちが次々に現れます。

散策の途中からは、まばゆい金箔の彫刻と天井画に360度囲まれる、とても美しい「シャルル10世の間」へと入っていきます 。

天井に浮かぶ大迫力の時の神クロノスや、大巨匠ヴェロネーゼが描いたドラマチックな宮廷の絵、そしてガラスケースの中に静かに佇む古代ギリシャの美しい王女の彫刻など、見応えのある作品が連続します。最後はアングルによる最高傑作『ホメロス礼讃』の壮大なパノラマや、古代の神々が優雅に並ぶ美しい門のレリーフを見つめて、ルーヴルの奥深い魅力に触れていきます。

全体の大まかな行程は以下になります。

今日は,★☆★です (^^)/

4/13(日) 成田⇒ドバイ⇒
4/14(月) ⇒アムステルダム フォーレンダム観光
4/15(火) アムステルダム,ホールン,エダム観光
4/16(水) アムステルダム国立美術館,市内観光
4/17(木) ギートホルン観光
4/18(金) キューケンホフ観光
4/19(土) ザーンセ・スカンス観光⇒ロッテルダムへ移動
4/20(日) デハール城,ユトレヒト観光
4/21(月) キンデルダイク,デルフト観光
4/22(火) ハーグ観光
4/23(水) プラハへ移動とプチ観光
4/24(木) プラハ観光+コンサート
4/25(金) プラハ観光+コンサート 
4/26(土) プラハ観光
4/27(日) プラハ観光
4/28(月) プラハ観光
4/29(火) チェスキー・クルムロフへ移動⇒観光
4/30(水) チェスキー・クルムロフ⇒プラハへ移動
5/1(木) パリへ移動,観光

★☆★5/2(金) パリ観光

5/3(土) ヴェルサイユ宮殿観光
5/4(日) パリ観光
5/5(月) 体調不良により観光無し
5/6(火) 体調不良により観光無し 
5/7(水) パリ観光
5/8(木) シャルトルへ移動・観光
5/9(金) パリ観光
5/10(土) パリ観光
5/11(日) パリ観光
5/12(月) ベルノンへ移動・観光,パリ観光
5/13(火) パリ観光
5/14(水) パリ観光後⇒ドバイへ移動
5/15(木) ドバイ観光⇒成田へ向けて出発
5/16(金) 成田着

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
同行者
家族旅行
交通手段
徒歩
旅行の手配内容
個別手配
  • 1 新しく並ぶ、中世ゴシックから初期ルネサンスの美しい絵画たちをめぐる、次の旅行記のスタートです。ここからも同じ展示室「シュリー翼1階・初期イタリア絵画展示室(ルーム380周辺)」です。<br /><br />フィレンツェ派『聖母子と二人の天使』今回の幕開けを飾る、15世紀後半のフィレンツェ派(あるいはトスカーナ地方の画家)による、大変優美で瑞々しい作品です。<br />画面左側では、深い紺色のマントをまとった美しい聖母マリアが、膝の上に愛らしい幼子キリストを優しく抱いています。キリストの右側には、美しい金髪をなびかせた二人の天使が静かに寄り添い、幼子に慈愛の視線を送りながら主の誕生を祝福しています。<br />最大の見どころは、これまでの金箔一色の背景から、初期ルネサンスらしい奥行きのある空間表現へと移り変わっている点にあります。<br />右奥には端正な古典様式の白亜の建築がダイナミックに描かれ、中央奥には青空の下にゆるやかに広がる緑豊かな山々や木々、および遠くに見える城壁の街並みが、澄んだ色彩の遠近法で詩的に表現されています。

    1 新しく並ぶ、中世ゴシックから初期ルネサンスの美しい絵画たちをめぐる、次の旅行記のスタートです。ここからも同じ展示室「シュリー翼1階・初期イタリア絵画展示室(ルーム380周辺)」です。

    フィレンツェ派『聖母子と二人の天使』今回の幕開けを飾る、15世紀後半のフィレンツェ派(あるいはトスカーナ地方の画家)による、大変優美で瑞々しい作品です。
    画面左側では、深い紺色のマントをまとった美しい聖母マリアが、膝の上に愛らしい幼子キリストを優しく抱いています。キリストの右側には、美しい金髪をなびかせた二人の天使が静かに寄り添い、幼子に慈愛の視線を送りながら主の誕生を祝福しています。
    最大の見どころは、これまでの金箔一色の背景から、初期ルネサンスらしい奥行きのある空間表現へと移り変わっている点にあります。
    右奥には端正な古典様式の白亜の建築がダイナミックに描かれ、中央奥には青空の下にゆるやかに広がる緑豊かな山々や木々、および遠くに見える城壁の街並みが、澄んだ色彩の遠近法で詩的に表現されています。

  • 2 フィレンツェ派の匿名画家 『エウロペの誘拐(カッソーネ板絵)』<br /><br />1の優美な聖母子像から一転して、今度はギリシャ神話の劇的な物語の世界へと視線を引き込む、15世紀後半のフィレンツェらしい世俗的な傑作です。<br /><br />画面の右側から中央にかけては、白い雄牛に姿を変えた大神ゼウスが、フェニキアの美しい王女エウロペに優しく近づく場面が描かれています。エウロペが雄牛の角に美しい花輪をかけ、背中にまたがると、大勢の侍女たちが驚きと戸惑いの表情で見守る様子がリアルに表現されています。<br /><br />画面の左側では、物語が一気に急展開します。<br />エウロペを乗せた白い雄牛が勢いよく海へと飛び込み、彼女を連れ去っていく劇的な瞬間が捉えられています。<br />波しぶきをあげて進む雄牛の背中で、驚きながらも必死に掴まるエウロペの姿が、当時の華麗な衣装とともに色彩豊かに描き込まれています。

    2 フィレンツェ派の匿名画家 『エウロペの誘拐(カッソーネ板絵)』

    1の優美な聖母子像から一転して、今度はギリシャ神話の劇的な物語の世界へと視線を引き込む、15世紀後半のフィレンツェらしい世俗的な傑作です。

    画面の右側から中央にかけては、白い雄牛に姿を変えた大神ゼウスが、フェニキアの美しい王女エウロペに優しく近づく場面が描かれています。エウロペが雄牛の角に美しい花輪をかけ、背中にまたがると、大勢の侍女たちが驚きと戸惑いの表情で見守る様子がリアルに表現されています。

    画面の左側では、物語が一気に急展開します。
    エウロペを乗せた白い雄牛が勢いよく海へと飛び込み、彼女を連れ去っていく劇的な瞬間が捉えられています。
    波しぶきをあげて進む雄牛の背中で、驚きながらも必死に掴まるエウロペの姿が、当時の華麗な衣装とともに色彩豊かに描き込まれています。

  • 3 ジローラモ・ディ・ベンヴェヌート 『パリスの審判(誕生皿トンド)』<br /><br />2の横長のカッソーネ板絵に続き、こちらも当時の婚礼やお祝いの文化を色濃く伝える、大変華やかな円形画です。<br /><br />画面左側では、トロイアの王子パリスが岩に腰掛け、誰が一番美しいかを決めるための「黄金の林檎」を手にしながら真剣に悩んでいます。画面中央から右側にかけては、美を競い合う三人の美しき女神たち、ヘラ、アテナ、アフロディテが凛とした立ち姿で並んでいます。<br /><br />パリスの頭上には、小さな翼を広げた愛の神キューピッドが宙を舞い、これから始まる恋の運命を預言するように矢を番えています。<br />背景には初期ルネサンスらしい奥行きのある繊細な自然風景が描かれており、青空の下に広がる柔らかな山々や並木道の描写が、神話の世界に詩的な情緒を与えています。

    3 ジローラモ・ディ・ベンヴェヌート 『パリスの審判(誕生皿トンド)』

    2の横長のカッソーネ板絵に続き、こちらも当時の婚礼やお祝いの文化を色濃く伝える、大変華やかな円形画です。

    画面左側では、トロイアの王子パリスが岩に腰掛け、誰が一番美しいかを決めるための「黄金の林檎」を手にしながら真剣に悩んでいます。画面中央から右側にかけては、美を競い合う三人の美しき女神たち、ヘラ、アテナ、アフロディテが凛とした立ち姿で並んでいます。

    パリスの頭上には、小さな翼を広げた愛の神キューピッドが宙を舞い、これから始まる恋の運命を預言するように矢を番えています。
    背景には初期ルネサンスらしい奥行きのある繊細な自然風景が描かれており、青空の下に広がる柔らかな山々や並木道の描写が、神話の世界に詩的な情緒を与えています。

  • 4 サノ・ディ・ピエトロ『聖母マリアの誕生(祭壇画プレデッラ)』<br /><br />3の華やかな神話の円形画から一転して、再び聖書の温かな人間ドラマの世界へと視線を引き戻す、15世紀半ばのシエナ派らしい気品に満ちた傑作です。<br /><br />画面は当時の先進的な建築描写によって、左右ふたつの場面に美しく分けられています。<br />画面の左側(室内の場面):アーチ型の柱が連なる美しい部屋の奥で、無事に赤ちゃんを出産してベッドに横たわる母聖アンナの姿が描かれています。<br />手前では、生まれたばかりの幼い聖母マリアを、二人の侍女が大切そうに抱きかかえ、優しくお湯で産湯(うぶゆ)を使わせている親密な光景が広がっています。<br /><br />画面の右側(戸外の場面):ガラリと舞台が変わり、建物の外の様子が描かれています。<br />頭上に神聖な後光を讃えた父親の聖ヨアキムが、お祝いに駆けつけた親族や高貴な人々を真摯な表情で出迎え、温かく言葉を交わす様子が色彩豊かに表現されています。

    4 サノ・ディ・ピエトロ『聖母マリアの誕生(祭壇画プレデッラ)』

    3の華やかな神話の円形画から一転して、再び聖書の温かな人間ドラマの世界へと視線を引き戻す、15世紀半ばのシエナ派らしい気品に満ちた傑作です。

    画面は当時の先進的な建築描写によって、左右ふたつの場面に美しく分けられています。
    画面の左側(室内の場面):アーチ型の柱が連なる美しい部屋の奥で、無事に赤ちゃんを出産してベッドに横たわる母聖アンナの姿が描かれています。
    手前では、生まれたばかりの幼い聖母マリアを、二人の侍女が大切そうに抱きかかえ、優しくお湯で産湯(うぶゆ)を使わせている親密な光景が広がっています。

    画面の右側(戸外の場面):ガラリと舞台が変わり、建物の外の様子が描かれています。
    頭上に神聖な後光を讃えた父親の聖ヨアキムが、お祝いに駆けつけた親族や高貴な人々を真摯な表情で出迎え、温かく言葉を交わす様子が色彩豊かに表現されています。

  • 5 フィレンツェ派(あるいはシエナ派)の匿名画家 『サテュロスの家族と女神(円形画トンド)』<br />4の横長の聖母誕生の絵から一転して、再びギリシャ神話の不思議なドラマの世界へと視線を戻す、ルネサンス期ならではの情緒あふれる傑作です。<br /><br />画面中央では、豊かな自然の風景の中で、半人半獣の精霊サテュロスの母親(あるいは野生の女神)が地面に腰掛け、小さな我が子に優しく乳を含ませています。その足元にはもう一人の幼い子供が静かに眠っており、右奥からも別の愛らしい子供サテュロスが寄り添う、親密な家族の様子が描かれています。<br /><br />画面の左側からは、美しいピンク色と紫色のマントを身にまとった気品ある女神が静かに歩み寄り、小さな子供の手を優しく引きながら、この微笑ましい家族の様子を温かく見守っています。<br />背景には、青空の下にどこまでも広がる静かな山々や、等間隔に並ぶ繊細な並木道の景色が、空気遠近法を用いて詩的に表現されています。

    5 フィレンツェ派(あるいはシエナ派)の匿名画家 『サテュロスの家族と女神(円形画トンド)』
    4の横長の聖母誕生の絵から一転して、再びギリシャ神話の不思議なドラマの世界へと視線を戻す、ルネサンス期ならではの情緒あふれる傑作です。

    画面中央では、豊かな自然の風景の中で、半人半獣の精霊サテュロスの母親(あるいは野生の女神)が地面に腰掛け、小さな我が子に優しく乳を含ませています。その足元にはもう一人の幼い子供が静かに眠っており、右奥からも別の愛らしい子供サテュロスが寄り添う、親密な家族の様子が描かれています。

    画面の左側からは、美しいピンク色と紫色のマントを身にまとった気品ある女神が静かに歩み寄り、小さな子供の手を優しく引きながら、この微笑ましい家族の様子を温かく見守っています。
    背景には、青空の下にどこまでも広がる静かな山々や、等間隔に並ぶ繊細な並木道の景色が、空気遠近法を用いて詩的に表現されています。

  • 6 フランチェスコ・フランチャ『アポロンとマルシアス』<br /><br />5の神秘的なサテュロスの家族から続き、ルネサンス期の知識人たちが愛したギリシャ神話の音楽の競い合いを表現した、大変知的な傑作です。<br /><br />画面の右側では、輝くような美しい肉体を持った音楽の神アポロンが、凛とした立ち姿で佇んでいます。<br />左手には音楽の象徴である竪琴を携え、自らの勝利を確信したかのような誇らしげな表情を浮かべています。<br /><br />画面の左側では、半人半獣のサテュロスであるマルシアスが岩に腰掛け、一途な表情で笛を吹き鳴らしています。<br />神に音楽の勝負を挑むという、張り詰めたドラマの瞬間が静かに捉えられています。

    6 フランチェスコ・フランチャ『アポロンとマルシアス』

    5の神秘的なサテュロスの家族から続き、ルネサンス期の知識人たちが愛したギリシャ神話の音楽の競い合いを表現した、大変知的な傑作です。

    画面の右側では、輝くような美しい肉体を持った音楽の神アポロンが、凛とした立ち姿で佇んでいます。
    左手には音楽の象徴である竪琴を携え、自らの勝利を確信したかのような誇らしげな表情を浮かべています。

    画面の左側では、半人半獣のサテュロスであるマルシアスが岩に腰掛け、一途な表情で笛を吹き鳴らしています。
    神に音楽の勝負を挑むという、張り詰めたドラマの瞬間が静かに捉えられています。

  • 7 アンドレア・マンテーニャ『天使たちに囲まれて祝福を授ける神』<br /><br />6の美しい神話風景から一転して、今度は見上げるような天上の奇跡の世界へと視線を導く、15世紀後半の素晴らしい作品です。<br /><br />楕円形の変形画面を巧みに使い、雲の上から人間世界を見守る「父なる神」の神聖な御姿がダイナミックに描かれています。<br /><br />画面中央では、立派な白い髭を蓄えた神が、赤と青の重厚なマントを身にまとい、右手を掲げて厳かに祝福を授けています。<br />神の周囲はアーチ状に並んだ小さな幼子天使たちの可愛らしい顔で囲まれており、天上の賑やかさを表現しています。<br /><br />さらに左右の端からは、大きく美しい翼を広げた二人の大天使がそっと寄り添い、神の存在を支えるように優雅にポーズをとっています。<br />頭上のアーチに描かれた古典的な格子模様のレリーフ描写に、ルネサンス期ならではの高度な遠近法と知的な建築描写が光っています。

    7 アンドレア・マンテーニャ『天使たちに囲まれて祝福を授ける神』

    6の美しい神話風景から一転して、今度は見上げるような天上の奇跡の世界へと視線を導く、15世紀後半の素晴らしい作品です。

    楕円形の変形画面を巧みに使い、雲の上から人間世界を見守る「父なる神」の神聖な御姿がダイナミックに描かれています。

    画面中央では、立派な白い髭を蓄えた神が、赤と青の重厚なマントを身にまとい、右手を掲げて厳かに祝福を授けています。
    神の周囲はアーチ状に並んだ小さな幼子天使たちの可愛らしい顔で囲まれており、天上の賑やかさを表現しています。

    さらに左右の端からは、大きく美しい翼を広げた二人の大天使がそっと寄り添い、神の存在を支えるように優雅にポーズをとっています。
    頭上のアーチに描かれた古典的な格子模様のレリーフ描写に、ルネサンス期ならではの高度な遠近法と知的な建築描写が光っています。

  • 8 初期イタリア・ルネサンスの画家 『キリストの受難の物語(5連作板絵・全景)』<br /><br />7の天上の楕円形フレスコ画から一転して、今度は聖書の最も劇的な「キリストの受難から復活まで」の歴史ドラマを一堂に見渡す、15世紀末の素晴らしい名作です.<br /><br /> 横にとても長い一本のフレームを巧みに使い、左から右へと時間が流れるように、5つの重要なエピソードが映画のスクリーンのように美しく描き出されています。

    8 初期イタリア・ルネサンスの画家 『キリストの受難の物語(5連作板絵・全景)』

    7の天上の楕円形フレスコ画から一転して、今度は聖書の最も劇的な「キリストの受難から復活まで」の歴史ドラマを一堂に見渡す、15世紀末の素晴らしい名作です.

    横にとても長い一本のフレームを巧みに使い、左から右へと時間が流れるように、5つの重要なエピソードが映画のスクリーンのように美しく描き出されています。

  • 9  初期イタリア・ルネサンスの画家 『キリストの受難の物語(左側拡大)』<br /><br />8の全体像から、物語の始まりである左側の3つのエピソードへ完璧に視線を導く、見事なクローズアップカットです。<br />大きく近づいたことで、中世から初期ルネサンスの画家が小さな木の板の中に凝らした、驚くほど緻密な空間描写のディテールがより鮮明に見えてきます。<br /><br />向かって一番左(細い縦長の画面):オリーブ山のゲッセマネの園で、ユダの裏切りによってキリストが兵士たちに囲まれて捕らえられる、緊迫した「キリストの捕縛」の様子です。<br /><br />中央の画面:夜の静けさが漂う中、ゴツゴツとした岩山のふもとでキリストが深く膝を突き、必死に祈りを捧げています。<br />手前では、完全に眠りこけてしまっている三人の使徒たちのリアルな姿が描かれており、整然と広がる幾何学的な床タイルの広がりや、等間隔に並ぶ繊細な糸杉の並木道が美しい奥行きを生み出しています。<br /><br />向かって右側の画面:ピンク色や白亜の美しい宮廷建築がダイナミックに描かれています。<br />チェック柄の床タイルの上で、キリストが柱に縛り付けられ、ローマの兵士たちから過酷な拷問を受ける「キリストの鞭打ち(あるいは裁判)」のドラマチックな人間模様が色彩豊かに表現されています。

    9  初期イタリア・ルネサンスの画家 『キリストの受難の物語(左側拡大)』

    8の全体像から、物語の始まりである左側の3つのエピソードへ完璧に視線を導く、見事なクローズアップカットです。
    大きく近づいたことで、中世から初期ルネサンスの画家が小さな木の板の中に凝らした、驚くほど緻密な空間描写のディテールがより鮮明に見えてきます。

    向かって一番左(細い縦長の画面):オリーブ山のゲッセマネの園で、ユダの裏切りによってキリストが兵士たちに囲まれて捕らえられる、緊迫した「キリストの捕縛」の様子です。

    中央の画面:夜の静けさが漂う中、ゴツゴツとした岩山のふもとでキリストが深く膝を突き、必死に祈りを捧げています。
    手前では、完全に眠りこけてしまっている三人の使徒たちのリアルな姿が描かれており、整然と広がる幾何学的な床タイルの広がりや、等間隔に並ぶ繊細な糸杉の並木道が美しい奥行きを生み出しています。

    向かって右側の画面:ピンク色や白亜の美しい宮廷建築がダイナミックに描かれています。
    チェック柄の床タイルの上で、キリストが柱に縛り付けられ、ローマの兵士たちから過酷な拷問を受ける「キリストの鞭打ち(あるいは裁判)」のドラマチックな人間模様が色彩豊かに表現されています。

  • 10 初期イタリア・ルネサンスの画家 『キリストの受難の物語(中央拡大)』<br /><br />8の全体像から、物語の核心へ向かう最もドラマチックな場面へ完璧に視線を導く、見事なクローズアップカットです。<br />大きく近づいたことで、処刑場へと連行されるキリストの受難の悲痛なドラマが、より鮮明に描き出されています。<br /><br />画面中央では、長い髪をした主イエス・キリストが、自らの処刑道具である大きな木製の十字架を肩に担ぎ、裸足で必死に歩みを進めています。<br />キリストの前方(右側)には、馬に乗った勇敢な兵士たちや、槍を高く掲げた大勢のローマ兵の群衆がひしめき合い、右奥にはゴツゴツとした中世風の巨大な岩山がダイナミックにそびえ立っています。<br /><br />画面の左側では、キリストの後を追うように、深い紺色のマントをまとった聖母マリアが、悲しみのあまり両手を天へと高く掲げ、涙を流しながら取り乱す劇的な瞬間が捉えられています。<br />周囲に付き添う聖女たちも、それぞれ手を合わせたり顔を覆ったりと、悲嘆にくれるリアルな人間模様が色彩豊かに表現されています。<br /><br />背後に広がるどこまでも続く緑豊かな山々や、遠くに見える白亜の城壁の街並み、および長い歳月を経て木の板の表面に刻まれた特有の擦れが、歴史の重みを真っ直ぐに伝えています。

    10 初期イタリア・ルネサンスの画家 『キリストの受難の物語(中央拡大)』

    8の全体像から、物語の核心へ向かう最もドラマチックな場面へ完璧に視線を導く、見事なクローズアップカットです。
    大きく近づいたことで、処刑場へと連行されるキリストの受難の悲痛なドラマが、より鮮明に描き出されています。

    画面中央では、長い髪をした主イエス・キリストが、自らの処刑道具である大きな木製の十字架を肩に担ぎ、裸足で必死に歩みを進めています。
    キリストの前方(右側)には、馬に乗った勇敢な兵士たちや、槍を高く掲げた大勢のローマ兵の群衆がひしめき合い、右奥にはゴツゴツとした中世風の巨大な岩山がダイナミックにそびえ立っています。

    画面の左側では、キリストの後を追うように、深い紺色のマントをまとった聖母マリアが、悲しみのあまり両手を天へと高く掲げ、涙を流しながら取り乱す劇的な瞬間が捉えられています。
    周囲に付き添う聖女たちも、それぞれ手を合わせたり顔を覆ったりと、悲嘆にくれるリアルな人間模様が色彩豊かに表現されています。

    背後に広がるどこまでも続く緑豊かな山々や、遠くに見える白亜の城壁の街並み、および長い歳月を経て木の板の表面に刻まれた特有の擦れが、歴史の重みを真っ直ぐに伝えています。

  • 11 初期イタリア・ルネサンスの画家 『キリストの受難の物語(右側拡大)』<br /><br />全体像、そして9と10の拡大に続き、この壮大なる歴史ドラマのクライマックスと奇跡の結末を正面から鮮明に捉えた、素晴らしいクローズアップカットです。<br />大きく近づいたことで、聖書の中でも最も重要な二つの出来事が、美しい自然風景の中に緻密に描き込まれている様子がよく分かります。<br /><br />中央の大きな画面(キリストの磔刑):青空の下にゆるやかに広がる美しい山々と川の風景を背に、3本の十字架が大きく立てられています。<br />中央で息を引き取った主イエス・キリストの十字架の周りでは、悲しみのあまり気絶してしまう聖母マリアを優しく支える聖女たちや、深く膝を突いて涙を流すマリア・マグダラのマネキンがリアルに表現されています。<br />右側では、白馬に乗ったローマの兵士や群衆が厳かに見守る緊迫した人間模様が、豊かな色彩で描き出されています。<br /><br />向かって一番右(細い縦長の画面):受難の過酷なドラマから一転して、聖書最大の勝利の場面が描かれています。<br />画面上部では、白く輝くまばゆい光(雲)に包まれたキリストが死を乗り越えて静かに天へと立ち上がり、手前ではそのあまりの神聖な奇跡の光に驚き、慌てて逃げ惑うローマ兵たちのコミカルでリアルなポーズが捉えられています。

    11 初期イタリア・ルネサンスの画家 『キリストの受難の物語(右側拡大)』

    全体像、そして9と10の拡大に続き、この壮大なる歴史ドラマのクライマックスと奇跡の結末を正面から鮮明に捉えた、素晴らしいクローズアップカットです。
    大きく近づいたことで、聖書の中でも最も重要な二つの出来事が、美しい自然風景の中に緻密に描き込まれている様子がよく分かります。

    中央の大きな画面(キリストの磔刑):青空の下にゆるやかに広がる美しい山々と川の風景を背に、3本の十字架が大きく立てられています。
    中央で息を引き取った主イエス・キリストの十字架の周りでは、悲しみのあまり気絶してしまう聖母マリアを優しく支える聖女たちや、深く膝を突いて涙を流すマリア・マグダラのマネキンがリアルに表現されています。
    右側では、白馬に乗ったローマの兵士や群衆が厳かに見守る緊迫した人間模様が、豊かな色彩で描き出されています。

    向かって一番右(細い縦長の画面):受難の過酷なドラマから一転して、聖書最大の勝利の場面が描かれています。
    画面上部では、白く輝くまばゆい光(雲)に包まれたキリストが死を乗り越えて静かに天へと立ち上がり、手前ではそのあまりの神聖な奇跡の光に驚き、慌てて逃げ惑うローマ兵たちのコミカルでリアルなポーズが捉えられています。

  • 12 フェラーラ派(あるいはボローニャ派)の匿名画家 『二人の男の対話と群衆』<br /><br />11の広大なキリストの物語風景から一転して、今度は登場人物たちの力強い表情や、衣装のデザインを間近で見つめる素晴らしい作品です。<br /><br />画面の手前では、頭に独特なターバンを巻いた左側の男性と、背中を向けて立つ右側の男性が、お互いに真っ直ぐに視線を交わしながら熱心に言葉を交わしています。<br />左側の男性が身につけている細かな青い金属を編み込んだような不思議な衣装や、右側の男性の重厚なオレンジ色と緑色のマントの立体描写に、この時代ならではの高い技術が光っています。<br /><br />二人の背後には、それぞれ異なる形の帽子をかぶった大勢の男たちが画面いっぱいにひしめき合っています。<br />怪訝そうな表情を浮かべたり、じっと二人の対話に耳を傾けたりするリアルな人間模様が、深い陰影を伴う渋い色彩で表現されています。<br />何百年の長い歳月を経て木の板の表面に刻まれた特有の擦れや古色が、ねじり紐のような彫刻が施されたオリジナルの重厚な木製金色額縁と完璧に調和しています。

    12 フェラーラ派(あるいはボローニャ派)の匿名画家 『二人の男の対話と群衆』

    11の広大なキリストの物語風景から一転して、今度は登場人物たちの力強い表情や、衣装のデザインを間近で見つめる素晴らしい作品です。

    画面の手前では、頭に独特なターバンを巻いた左側の男性と、背中を向けて立つ右側の男性が、お互いに真っ直ぐに視線を交わしながら熱心に言葉を交わしています。
    左側の男性が身につけている細かな青い金属を編み込んだような不思議な衣装や、右側の男性の重厚なオレンジ色と緑色のマントの立体描写に、この時代ならではの高い技術が光っています。

    二人の背後には、それぞれ異なる形の帽子をかぶった大勢の男たちが画面いっぱいにひしめき合っています。
    怪訝そうな表情を浮かべたり、じっと二人の対話に耳を傾けたりするリアルな人間模様が、深い陰影を伴う渋い色彩で表現されています。
    何百年の長い歳月を経て木の板の表面に刻まれた特有の擦れや古色が、ねじり紐のような彫刻が施されたオリジナルの重厚な木製金色額縁と完璧に調和しています。

  • 13 コズメ・トゥーラ 『恍惚の聖ヒエロニムス』<br /><br />12の群衆の対話から続き、フェラーラ派の巨匠ならではの強烈な個性と、深い信仰のドラマを真正面から捉えた見事な傑作です。<br /><br />画面中央では、荒野で厳しい修行を重ねる老聖人ヒエロニムスが、衣服をはだけて胸をあらわにし、右手にした石で自らの胸を強く打ちつけながら、天を見上げています。深く刻まれた皺や、苦痛を越えて神聖な恍惚の境地に達したかのような劇的な表情から、彼の内に秘められた激しい人間ドラマがリアルに表現されています。<br /><br />聖人が見つめる頭上(左上)の空には、まばゆい黄金の光に包まれた「十字架のキリスト(磔刑)」の幻影が小さく神聖に浮かび上がっています。<br />の左奥には、初期ルネサンスらしい淡い青空と遠くに見える白亜の山々、および右側には素朴な木々の景色が広がり、緊迫した人物の姿を引き立てています。

    13 コズメ・トゥーラ 『恍惚の聖ヒエロニムス』

    12の群衆の対話から続き、フェラーラ派の巨匠ならではの強烈な個性と、深い信仰のドラマを真正面から捉えた見事な傑作です。

    画面中央では、荒野で厳しい修行を重ねる老聖人ヒエロニムスが、衣服をはだけて胸をあらわにし、右手にした石で自らの胸を強く打ちつけながら、天を見上げています。深く刻まれた皺や、苦痛を越えて神聖な恍惚の境地に達したかのような劇的な表情から、彼の内に秘められた激しい人間ドラマがリアルに表現されています。

    聖人が見つめる頭上(左上)の空には、まばゆい黄金の光に包まれた「十字架のキリスト(磔刑)」の幻影が小さく神聖に浮かび上がっています。
    の左奥には、初期ルネサンスらしい淡い青空と遠くに見える白亜の山々、および右側には素朴な木々の景色が広がり、緊迫した人物の姿を引き立てています。

  • 14  シエナ派の匿名画家 『洗礼者聖ヨハネの誕生(祭壇画プレデッラ)』<br /><br />13の聖ヒエロニムスの力強い肖像から一転して、再び聖書の親密な家族の物語の世界へと視線を引き戻す、15世紀末のシエナ派らしい洗練された傑作です。<br /><br />画面は、ルネサンス期らしい奥行きのある重厚な室内の空間を舞台に、新しい命の誕生を巡るさまざまな人間模様が生き生きと描き出されています。<br /><br />画面の中央奥:アーチ型の柱に守られた立派なベッドの周りで、無事に出産を終えた母親の聖エリサベトを、当時の美しいドレスをまとった高貴な侍女たちが温かく介抱しています。<br /><br />画面の右側:手前では、床にひざまずいた二人の女性が、生まれたばかりの幼い洗礼者ヨハネを優しくお世話する親密な様子が描かれています。そのすぐ右隣では、父親の聖ザカリアが椅子に腰掛け、息子の名前を記すために熱心に書板に文字を書き込んでいる、聖書特有の有名な場面が表現されています。<br /><br />画面の左端:薄暗い入り口の扉から、一人の人物が静かに室内をのぞき込んでおり、物語の舞台に不思議な陰影と奥行きを与えています。

    14  シエナ派の匿名画家 『洗礼者聖ヨハネの誕生(祭壇画プレデッラ)』

    13の聖ヒエロニムスの力強い肖像から一転して、再び聖書の親密な家族の物語の世界へと視線を引き戻す、15世紀末のシエナ派らしい洗練された傑作です。

    画面は、ルネサンス期らしい奥行きのある重厚な室内の空間を舞台に、新しい命の誕生を巡るさまざまな人間模様が生き生きと描き出されています。

    画面の中央奥:アーチ型の柱に守られた立派なベッドの周りで、無事に出産を終えた母親の聖エリサベトを、当時の美しいドレスをまとった高貴な侍女たちが温かく介抱しています。

    画面の右側:手前では、床にひざまずいた二人の女性が、生まれたばかりの幼い洗礼者ヨハネを優しくお世話する親密な様子が描かれています。そのすぐ右隣では、父親の聖ザカリアが椅子に腰掛け、息子の名前を記すために熱心に書板に文字を書き込んでいる、聖書特有の有名な場面が表現されています。

    画面の左端:薄暗い入り口の扉から、一人の人物が静かに室内をのぞき込んでおり、物語の舞台に不思議な陰影と奥行きを与えています。

  • 15 シエナ派の画家(サノ・ディ・ピエトロ周辺) 『聖母子と聖人たち』<br /><br />14の横長の誕生図から一転して、再びまばゆい純金の背景が美しい聖母子像へと視線を引き戻す、15世紀後半のシエナ派らしい気品溢れる作品です。<br /><br />画面中央では、深い紺色のマントの下に豪華な赤と金の衣装をまとった聖母マリアが、そっと首を傾げながら、膝の上の幼子キリストを愛おしそうに支えています。愛らしい幼子キリストは、母が手にする小さな本(あるいは聖書)に優しく手を伸ばし、熱心に見つめる知的な仕草が描かれています。<br /><br />聖母子の背後の左右からは、この聖なる家族を静かに見守る二人の重要な聖人が寄り添っています。<br />向かって左側:長い髪と髭を蓄え、胸の前で熱心に両手を合わせて祈りを捧げる「聖ジェローム(ヒエロニムス)」です。<br /><br />向かって右側:頭に立派な三段の教皇冠(ティアラ)を戴き、金の刺繍が施された重厚な衣服をまとった「教皇聖グレゴリウス」です。<br /><br />背景の純金の金箔には、美しい植物の花綱模様や、登場人物たちの頭上に輝く型押し装飾の後光(ハロー)が緻密に刻まれています。

    15 シエナ派の画家(サノ・ディ・ピエトロ周辺) 『聖母子と聖人たち』

    14の横長の誕生図から一転して、再びまばゆい純金の背景が美しい聖母子像へと視線を引き戻す、15世紀後半のシエナ派らしい気品溢れる作品です。

    画面中央では、深い紺色のマントの下に豪華な赤と金の衣装をまとった聖母マリアが、そっと首を傾げながら、膝の上の幼子キリストを愛おしそうに支えています。愛らしい幼子キリストは、母が手にする小さな本(あるいは聖書)に優しく手を伸ばし、熱心に見つめる知的な仕草が描かれています。

    聖母子の背後の左右からは、この聖なる家族を静かに見守る二人の重要な聖人が寄り添っています。
    向かって左側:長い髪と髭を蓄え、胸の前で熱心に両手を合わせて祈りを捧げる「聖ジェローム(ヒエロニムス)」です。

    向かって右側:頭に立派な三段の教皇冠(ティアラ)を戴き、金の刺繍が施された重厚な衣服をまとった「教皇聖グレゴリウス」です。

    背景の純金の金箔には、美しい植物の花綱模様や、登場人物たちの頭上に輝く型押し装飾の後光(ハロー)が緻密に刻まれています。

  • 16 ラファエロ・サンティ(ラファエロ) 『天使(バロンチの祭壇画の断片)』<br /><br />15の伝統的な聖母子像から一転して、美術史上の大天才ラファエロの、最初期の瑞々しい才能を目の当たりにする、1500~1501年頃のきわめて貴重な傑作です。<br /><br />画面いっぱいに、優美な金髪のウェーブをなびかせた、非常に美しい天使の上半身が描かれています。<br />天使は首をそっと傾げながら、天上の聖なる光景を畏敬の念で見つめるように、優しいまなざしを右上へと向けています。<br />その頭上には、細く繊細な金色の円形の後光が、まるで浮いているかのように立体的に表現されています。<br /><br />手元では、ラテン語の美しい文字が記された長い巻物(スクロール)を大切そうに広げており、しなやかな指先のラインに、若きラファエロならではの類まれなデッサン力が光っています。背景の左上に見える、端正な古典様式の石柱の彫刻描写も実に見事です。

    16 ラファエロ・サンティ(ラファエロ) 『天使(バロンチの祭壇画の断片)』

    15の伝統的な聖母子像から一転して、美術史上の大天才ラファエロの、最初期の瑞々しい才能を目の当たりにする、1500~1501年頃のきわめて貴重な傑作です。

    画面いっぱいに、優美な金髪のウェーブをなびかせた、非常に美しい天使の上半身が描かれています。
    天使は首をそっと傾げながら、天上の聖なる光景を畏敬の念で見つめるように、優しいまなざしを右上へと向けています。
    その頭上には、細く繊細な金色の円形の後光が、まるで浮いているかのように立体的に表現されています。

    手元では、ラテン語の美しい文字が記された長い巻物(スクロール)を大切そうに広げており、しなやかな指先のラインに、若きラファエロならではの類まれなデッサン力が光っています。背景の左上に見える、端正な古典様式の石柱の彫刻描写も実に見事です。

  • 17 ※ここから「シュリー翼1階・シャルル10世の間(ルーム710周辺)」に変わります。<br /><br /> ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル<br />『時の神クロノス(シャルル10世の間・天井画)』<br /><br />小さな木の板の天使から一転して、今度は見上げるような宮廷の壮大な建築装飾の世界へと足を踏み入れる、19世紀フランスの至高の名作です。<br /><br />金色の重厚な彫刻フレームに縁取られた中央のひし形の画面には、大きな美しい翼を広げ、鎌を手にした「時の神クロノス(サトゥルヌス)」の姿がダイナミックに描かれています。クロノスは青空を背景に宙を舞い、すべてを支配する時間の流れを象徴する厳かな佇まいを讃えています。<br /><br />四方の三角の画面や周囲の枠には、花輪を掲げる女神たちや、豊穣を象徴するさまざまな神話の人物たちが色彩豊かに配されています。<br />宮廷建築ならではの立体的な金の装飾や、何世紀もの年月を経て天井に刻まれた深みのある風合いが完璧に調和しており、この特別な空間の息をのむような美しさが真っ直ぐに伝わってきます。

    17 ※ここから「シュリー翼1階・シャルル10世の間(ルーム710周辺)」に変わります。

    ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル
    『時の神クロノス(シャルル10世の間・天井画)』

    小さな木の板の天使から一転して、今度は見上げるような宮廷の壮大な建築装飾の世界へと足を踏み入れる、19世紀フランスの至高の名作です。

    金色の重厚な彫刻フレームに縁取られた中央のひし形の画面には、大きな美しい翼を広げ、鎌を手にした「時の神クロノス(サトゥルヌス)」の姿がダイナミックに描かれています。クロノスは青空を背景に宙を舞い、すべてを支配する時間の流れを象徴する厳かな佇まいを讃えています。

    四方の三角の画面や周囲の枠には、花輪を掲げる女神たちや、豊穣を象徴するさまざまな神話の人物たちが色彩豊かに配されています。
    宮廷建築ならではの立体的な金の装飾や、何世紀もの年月を経て天井に刻まれた深みのある風合いが完璧に調和しており、この特別な空間の息をのむような美しさが真っ直ぐに伝わってきます。

  • 18 ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル<br />『時の神クロノス(天井画中央拡大)』<br /><br />17の全体像から、主役である時の神の姿を正面から鮮明に捉えた、見事なクローズアップカットです。<br /><br />大きく近づいたことで、19世紀フランスの画家が描いた、ダイナミックで力強い肉体描写の迫力がより生々しく伝わってきます。<br /><br />画面中央では、立派な白い髭を蓄えた「時の神クロノス」が、大きな灰色と黒の美しい翼を広げて青空を優雅に舞っています。<br />右肩にはすべてを刈り取る時間の象徴である大きな鎌を携え、左手をそっと下へと伸ばすドラマチックなポーズが、澄み切った青空と白い雲の背景に見事に映えています。<br /><br />足元には、長い歳月を経て崩れ去った古代ローマ風の石柱の遺構や、壊れた大理石の彫像のディテールが緻密に描き込まれています。<br />何百年もの時の流れと歴史の儚さを静かに物語る表現が秀逸です。<br />画面をぐるりと囲む、丸い鋲(びょう)のような装飾が並ぶ木製の重厚な金色額縁の風合いも、手前に格好よく浮かび上がっています。

    18 ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル
    『時の神クロノス(天井画中央拡大)』

    17の全体像から、主役である時の神の姿を正面から鮮明に捉えた、見事なクローズアップカットです。

    大きく近づいたことで、19世紀フランスの画家が描いた、ダイナミックで力強い肉体描写の迫力がより生々しく伝わってきます。

    画面中央では、立派な白い髭を蓄えた「時の神クロノス」が、大きな灰色と黒の美しい翼を広げて青空を優雅に舞っています。
    右肩にはすべてを刈り取る時間の象徴である大きな鎌を携え、左手をそっと下へと伸ばすドラマチックなポーズが、澄み切った青空と白い雲の背景に見事に映えています。

    足元には、長い歳月を経て崩れ去った古代ローマ風の石柱の遺構や、壊れた大理石の彫像のディテールが緻密に描き込まれています。
    何百年もの時の流れと歴史の儚さを静かに物語る表現が秀逸です。
    画面をぐるりと囲む、丸い鋲(びょう)のような装飾が並ぶ木製の重厚な金色額縁の風合いも、手前に格好よく浮かび上がっています。

  • 19 シャルル10世の間の壁面装飾(アングル周辺の画家による装飾画)<br /><br />18の天井画中央の拡大から一転して、今度は空間全体の立体的な美しさと、贅沢な調度品の調和を味わう、見事な景観カットです。<br /><br />金色の重厚な彫刻枠に彩られた壁面の上部には、豊かな果物や花々に囲まれて優雅に横たわる女神の姿が、美しいパノラマ画として描き出されています。<br />開かれた二つの大きな扉の間には立派な金枠の鏡が設置されており、そこに天井に描かれた時の神クロノスたちの姿が鏡写しに映り込む、計算された宮廷建築の粋な演出が捉えられています。<br /><br />扉の上部の細長い画面にも、小さな天使たちが戯れる愛らしい姿がそれぞれ色彩豊かに配されています。贅沢な植物模様の手彫り装飾や、壁面に施された深い緑色と金色のコントラストが完璧に調和しており、シャルル10世の時代から受け継がれてきた至高の宮廷芸術のドラマが真っ直ぐに伝わってきます。

    19 シャルル10世の間の壁面装飾(アングル周辺の画家による装飾画)

    18の天井画中央の拡大から一転して、今度は空間全体の立体的な美しさと、贅沢な調度品の調和を味わう、見事な景観カットです。

    金色の重厚な彫刻枠に彩られた壁面の上部には、豊かな果物や花々に囲まれて優雅に横たわる女神の姿が、美しいパノラマ画として描き出されています。
    開かれた二つの大きな扉の間には立派な金枠の鏡が設置されており、そこに天井に描かれた時の神クロノスたちの姿が鏡写しに映り込む、計算された宮廷建築の粋な演出が捉えられています。

    扉の上部の細長い画面にも、小さな天使たちが戯れる愛らしい姿がそれぞれ色彩豊かに配されています。贅沢な植物模様の手彫り装飾や、壁面に施された深い緑色と金色のコントラストが完璧に調和しており、シャルル10世の時代から受け継がれてきた至高の宮廷芸術のドラマが真っ直ぐに伝わってきます。

  • 20 ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル(あるいは周辺の画家)<br /> 『時の神クロノス(天井画全景別アングル)』<br /><br />19の壁面装飾から再び視線を上へと戻し、天井を飾る神話の世界を贅沢に見渡す、素晴らしい全景カットです。<br /><br />角度が変わったことで、中央のひし形フレームを囲む四方の装飾画のつながりや、宮廷建築ならではの立体的な奥行きがいっそうダイナミックに伝わってきます。<br /><br />中央の画面では、大きな翼を広げた時の神クロノスが、青空と白い雲の間をダイナミックに浮遊しています。<br />その周囲を囲む弓型の画面には、豊かな果物や花輪を手に持った美しい女神たちが、それぞれの四隅に優雅に配されています。<br />金色にきらめく重厚な彫刻の梁(はり)や、宮廷の紋章が刻まれた手彫りの装飾が、絵画の美しさをさらに格調高く引き立てています。

    20 ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル(あるいは周辺の画家)
    『時の神クロノス(天井画全景別アングル)』

    19の壁面装飾から再び視線を上へと戻し、天井を飾る神話の世界を贅沢に見渡す、素晴らしい全景カットです。

    角度が変わったことで、中央のひし形フレームを囲む四方の装飾画のつながりや、宮廷建築ならではの立体的な奥行きがいっそうダイナミックに伝わってきます。

    中央の画面では、大きな翼を広げた時の神クロノスが、青空と白い雲の間をダイナミックに浮遊しています。
    その周囲を囲む弓型の画面には、豊かな果物や花輪を手に持った美しい女神たちが、それぞれの四隅に優雅に配されています。
    金色にきらめく重厚な彫刻の梁(はり)や、宮廷の紋章が刻まれた手彫りの装飾が、絵画の美しさをさらに格調高く引き立てています。

  • 21 シャルル10世の間の壁面装飾(壁面と鑑賞者たちの景観・別アングル)<br /><br />20の天井画から再び視線を正面へと戻し、宮廷の展示室ならではの圧倒的なスケール感と、華やかな臨場感を味わう素晴らしい景観カットです 。<br /><br />少し引いた角度から見渡すことで、金色のレリーフがびっしりと施された重厚な扉や、中央の大きな鏡、そして周囲を彩る優美な絵画たちが、実際の空間の中でどれほど格調高く調和しているかがよく分かります。<br /><br />天井近くの弓型の画面には、豊かな果物や花輪を手に持って優雅に横たわる女神のパノラマ画が描かれています。<br />その下の細長い枠には、横たわる人物や宙を舞う天使たちの愛らしい姿が、色彩豊かに配されています。<br />さらに右側の壁面にも優美な天使の肖像画が飾られており、空間全体が芸術品で満たされている様子が捉えられています。

    21 シャルル10世の間の壁面装飾(壁面と鑑賞者たちの景観・別アングル)

    20の天井画から再び視線を正面へと戻し、宮廷の展示室ならではの圧倒的なスケール感と、華やかな臨場感を味わう素晴らしい景観カットです 。

    少し引いた角度から見渡すことで、金色のレリーフがびっしりと施された重厚な扉や、中央の大きな鏡、そして周囲を彩る優美な絵画たちが、実際の空間の中でどれほど格調高く調和しているかがよく分かります。

    天井近くの弓型の画面には、豊かな果物や花輪を手に持って優雅に横たわる女神のパノラマ画が描かれています。
    その下の細長い枠には、横たわる人物や宙を舞う天使たちの愛らしい姿が、色彩豊かに配されています。
    さらに右側の壁面にも優美な天使の肖像画が飾られており、空間全体が芸術品で満たされている様子が捉えられています。

  • 22 パオロ・ヴェロネーゼ 『ハマンを軽蔑するモルデカイ』<br /><br />21の美しいお部屋の景観から一転して、今度は大巨匠ヴェロネーゼが描く、鮮やかな色彩と壮大な歴史のドラマに目を奪われる素晴らしい作品です。<br /><br />古代ペルシア宮廷を舞台に、最高権力者である悪大臣ハマンに対して、信仰を貫くユダヤ人モルデカイが頭を下げることを拒絶する、緊迫した対立の瞬間が描き出されています。<br /><br />画面の中央:立派な白いターバンと豪華な毛皮のマントを身にまとい、傲慢な表情で大勢の従者を従えて進むのが悪大臣ハマンです。<br />画面の右側手前:ハマンの前に立ちはだかるように、深い青のマントを羽織って膝を折り、屈服を拒んでじっと見上げる凛とした人物が、主役のモルデカイです。<br />周囲の群衆:左側では、色鮮やかな赤や青の衣装を着た高貴な宮廷人たちが集まり、この一触即発の事態を驚きと不安の表情で見守るリアルな人間模様が表現されています。<br /><br />背後にはヴェネッツィア派らしい、壮麗な古典様式の大理石の列柱や美しい宮殿建築がダイナミックに描かれており、画面全体に素晴らしい奥行きと格調高い緊張感を与えています。

    22 パオロ・ヴェロネーゼ 『ハマンを軽蔑するモルデカイ』

    21の美しいお部屋の景観から一転して、今度は大巨匠ヴェロネーゼが描く、鮮やかな色彩と壮大な歴史のドラマに目を奪われる素晴らしい作品です。

    古代ペルシア宮廷を舞台に、最高権力者である悪大臣ハマンに対して、信仰を貫くユダヤ人モルデカイが頭を下げることを拒絶する、緊迫した対立の瞬間が描き出されています。

    画面の中央:立派な白いターバンと豪華な毛皮のマントを身にまとい、傲慢な表情で大勢の従者を従えて進むのが悪大臣ハマンです。
    画面の右側手前:ハマンの前に立ちはだかるように、深い青のマントを羽織って膝を折り、屈服を拒んでじっと見上げる凛とした人物が、主役のモルデカイです。
    周囲の群衆:左側では、色鮮やかな赤や青の衣装を着た高貴な宮廷人たちが集まり、この一触即発の事態を驚きと不安の表情で見守るリアルな人間模様が表現されています。

    背後にはヴェネッツィア派らしい、壮麗な古典様式の大理石の列柱や美しい宮殿建築がダイナミックに描かれており、画面全体に素晴らしい奥行きと格調高い緊張感を与えています。

  • 23  パオロ・ヴェロネーゼ 『アハシュエロス王の前に失神するエステル』<br /><br />22のモルデカイの絵と対をなす、大巨匠ヴェロネーゼが描いた、ペルシア宮廷を舞台にした壮大な歴史ドラマの核心に迫る素晴らしい傑作です。<br /><br />ユダヤ人の命を救うため、許可なく王の前に進み出たエステル妃が、極限の緊張と恐怖のあまりに、崩れるように気を失ってしまう劇的な場面が捉えられています。<br /><br />画面の中央:色鮮やかで美しい刺繍が施されたドレスをまとい、顔を真っ白にして失神するエステル妃を、大勢の侍女たちが必死にその手で支えています。<br /><br />妃の後ろ側:驚きと心配の表情を浮かべながら、急いで玉座から立ち上がり、エステルを優しく助け起こそうと身を乗り出しているのが、夫であるアハシュエロス王です。<br />周囲の人物:画面右側には、赤い重厚なマントを着て椅子に腰掛ける高貴な役人や、驚いて王を見上げる宮廷人たちのリアルな人間模様が色彩豊かに描き込まれています。<br /><br />左奥にはヴェネッツィア派らしい壮麗な大理石の白い列柱がダイナミックに描かれており、豪華な黄金のカーテンの立体描写とともに、画面全体に素晴らしい格調高さを与えています。

    23  パオロ・ヴェロネーゼ 『アハシュエロス王の前に失神するエステル』

    22のモルデカイの絵と対をなす、大巨匠ヴェロネーゼが描いた、ペルシア宮廷を舞台にした壮大な歴史ドラマの核心に迫る素晴らしい傑作です。

    ユダヤ人の命を救うため、許可なく王の前に進み出たエステル妃が、極限の緊張と恐怖のあまりに、崩れるように気を失ってしまう劇的な場面が捉えられています。

    画面の中央:色鮮やかで美しい刺繍が施されたドレスをまとい、顔を真っ白にして失神するエステル妃を、大勢の侍女たちが必死にその手で支えています。

    妃の後ろ側:驚きと心配の表情を浮かべながら、急いで玉座から立ち上がり、エステルを優しく助け起こそうと身を乗り出しているのが、夫であるアハシュエロス王です。
    周囲の人物:画面右側には、赤い重厚なマントを着て椅子に腰掛ける高貴な役人や、驚いて王を見上げる宮廷人たちのリアルな人間模様が色彩豊かに描き込まれています。

    左奥にはヴェネッツィア派らしい壮麗な大理石の白い列柱がダイナミックに描かれており、豪華な黄金のカーテンの立体描写とともに、画面全体に素晴らしい格調高さを与えています。

  • 24 シャルル10世の間の天井レリーフと天窓<br /><br />23の華やかな歴史画から再び視線を上へと戻し、王宮ならではの美しい建築と、職人技の素晴らしさを見つめる見事なカットです。<br /><br />中央には、外からの自然光を優しくお部屋へと導く、格子状のきれいな天窓がどっしりと構えています。<br />その天窓を囲むように、立体的な彫刻や豪華な金箔の装飾が四方に規則正しく配置されており、空間に心地よい安定感を与えています。<br /><br />彫刻の部分をよく見ると、両手を広げて建築を支えるエレガントな女神(カリアティード)の姿や、六角形の枠の中に彫られた高貴な人物の横顔レリーフが、緻密な職人技で表現されています。<br />何百年の時を経て深みを増した琥珀色の木製天井と、眩い金のコントラストが完璧に調和しており、まるで建物そのものが一つの巨大な芸術品であるかのような、素晴らしい魅力が真っ直ぐに伝わってきます。

    24 シャルル10世の間の天井レリーフと天窓

    23の華やかな歴史画から再び視線を上へと戻し、王宮ならではの美しい建築と、職人技の素晴らしさを見つめる見事なカットです。

    中央には、外からの自然光を優しくお部屋へと導く、格子状のきれいな天窓がどっしりと構えています。
    その天窓を囲むように、立体的な彫刻や豪華な金箔の装飾が四方に規則正しく配置されており、空間に心地よい安定感を与えています。

    彫刻の部分をよく見ると、両手を広げて建築を支えるエレガントな女神(カリアティード)の姿や、六角形の枠の中に彫られた高貴な人物の横顔レリーフが、緻密な職人技で表現されています。
    何百年の時を経て深みを増した琥珀色の木製天井と、眩い金のコントラストが完璧に調和しており、まるで建物そのものが一つの巨大な芸術品であるかのような、素晴らしい魅力が真っ直ぐに伝わってきます。

  • 25  ジャン=バティスト・ピエール 『ハマンの前に屈服することを拒むモルデカイ』<br /><br />24の美しい天井レリーフから一転して、再び旧約聖書の壮大な歴史ドラマのクライマックスへと視線を引き戻す、18世紀フランスの素晴らしい傑作です。<br /><br />22番で見たヴェロネーゼの作品と同じ物語でありながら、時代の変化を感じさせる、より広大でドラマチックなパノラマ空間が広がっています。<br /><br />画面の中央:立派なターバンを頭に巻き、白馬の傍らで堂々と胸を張って立つユダヤ人モルデカイが描かれています。彼をひざまずかせようと必死に説得する周囲の役人たちをよそに、真っ直ぐに前を見つめる強い意志が表現されています。<br /><br />画面の左側:突然の緊迫した事態に、黒い軍馬に乗った兵士たちや、色鮮やかな衣装を着た大勢の群衆がひしめき合い、驚きと困惑の表情で見守る様子が生き生きと捉えられています。<br /><br />画面の右側:赤ちゃんを抱いて地面に腰掛ける女性や、深く膝を突いて事の顛末を見つめる人々など、リアルな人間模様が色彩豊かに配されています。<br /><br />背後には、古代ペルシアの宮殿を思わせる壮麗な神殿建築やドームの街並みが、青空と白い雲の背景の中にダイナミックに描かれており、画面全体に映画のスクリーンのような素晴らしい奥行きと臨場感を与えています。

    25  ジャン=バティスト・ピエール 『ハマンの前に屈服することを拒むモルデカイ』

    24の美しい天井レリーフから一転して、再び旧約聖書の壮大な歴史ドラマのクライマックスへと視線を引き戻す、18世紀フランスの素晴らしい傑作です。

    22番で見たヴェロネーゼの作品と同じ物語でありながら、時代の変化を感じさせる、より広大でドラマチックなパノラマ空間が広がっています。

    画面の中央:立派なターバンを頭に巻き、白馬の傍らで堂々と胸を張って立つユダヤ人モルデカイが描かれています。彼をひざまずかせようと必死に説得する周囲の役人たちをよそに、真っ直ぐに前を見つめる強い意志が表現されています。

    画面の左側:突然の緊迫した事態に、黒い軍馬に乗った兵士たちや、色鮮やかな衣装を着た大勢の群衆がひしめき合い、驚きと困惑の表情で見守る様子が生き生きと捉えられています。

    画面の右側:赤ちゃんを抱いて地面に腰掛ける女性や、深く膝を突いて事の顛末を見つめる人々など、リアルな人間模様が色彩豊かに配されています。

    背後には、古代ペルシアの宮殿を思わせる壮麗な神殿建築やドームの街並みが、青空と白い雲の背景の中にダイナミックに描かれており、画面全体に映画のスクリーンのような素晴らしい奥行きと臨場感を与えています。

  • 26<br /> 古代ギリシャの彫刻家 『アリアドネの像の上半身(テラコッタ彫刻)』<br /><br />25番の壮大なハマンの絵から一転して、今度は紀元前の職人が型を用いて優美に作り上げた、立体的な古代彫刻の美に迫る素晴らしいカットです。<br /><br />画面中央には、豊かに編み込まれた美しい髪をなびかせ、そっと首を傾げながらどこか遠くを静かに見つめる、王女アリアドネの胸像がどっしりと佇んでいます。<br />には葡萄(ぶどう)の葉や実をあしらった神聖な王冠を戴き、首元には繊細なネックレスのような衣服の装飾ラインが緻密に表現されています。<br /><br />何千年の長い歳月を経て、右腕の先やベールの一部が失われ、鼻の頭や頬に刻まれた素朴な擦れや傷跡が、ガラス越しの光の中で歴史の重みをリアルに伝えています。<br />粘土を焼き上げたテラコッタ特有の温かみのある茶褐色の風合いが、展示室の重厚な空気感と見事に調和しています。

    26
    古代ギリシャの彫刻家 『アリアドネの像の上半身(テラコッタ彫刻)』

    25番の壮大なハマンの絵から一転して、今度は紀元前の職人が型を用いて優美に作り上げた、立体的な古代彫刻の美に迫る素晴らしいカットです。

    画面中央には、豊かに編み込まれた美しい髪をなびかせ、そっと首を傾げながらどこか遠くを静かに見つめる、王女アリアドネの胸像がどっしりと佇んでいます。
    には葡萄(ぶどう)の葉や実をあしらった神聖な王冠を戴き、首元には繊細なネックレスのような衣服の装飾ラインが緻密に表現されています。

    何千年の長い歳月を経て、右腕の先やベールの一部が失われ、鼻の頭や頬に刻まれた素朴な擦れや傷跡が、ガラス越しの光の中で歴史の重みをリアルに伝えています。
    粘土を焼き上げたテラコッタ特有の温かみのある茶褐色の風合いが、展示室の重厚な空気感と見事に調和しています。

  • 27 ※シャルル10世の間を抜けて、さらに奥の展示室へと入っていきます。<br />重厚な大理石の門をくぐりながら進む、ここは「シュリー翼1階・エジプト古代文明展示室(ルーム711周辺)」です 。<br /><br />シャルル10世の間から続く大回廊のアーチ26番の彫刻から一転して、まるで宮殿に迷い込んだかのような、まっすぐに続く回廊の景色が素敵な一枚です。<br /><br />手前には、赤と白の模様が入った立派な大理石の柱と、おしゃれなアーチ門がどっしりと構えています。柱のてっぺんを飾るきらきらした金色の装飾が、とても華やかです。<br /><br />門の向こうを見上げると、お隣の部屋のきれいな天井画や、壁に優雅に並ぶ白い人物たちの模様がよく見えます。アーチがいくつも重なってどこまでも続く様子は、まるで絵画のような美しい奥行きです。

    27 ※シャルル10世の間を抜けて、さらに奥の展示室へと入っていきます。
    重厚な大理石の門をくぐりながら進む、ここは「シュリー翼1階・エジプト古代文明展示室(ルーム711周辺)」です 。

    シャルル10世の間から続く大回廊のアーチ26番の彫刻から一転して、まるで宮殿に迷い込んだかのような、まっすぐに続く回廊の景色が素敵な一枚です。

    手前には、赤と白の模様が入った立派な大理石の柱と、おしゃれなアーチ門がどっしりと構えています。柱のてっぺんを飾るきらきらした金色の装飾が、とても華やかです。

    門の向こうを見上げると、お隣の部屋のきれいな天井画や、壁に優雅に並ぶ白い人物たちの模様がよく見えます。アーチがいくつも重なってどこまでも続く様子は、まるで絵画のような美しい奥行きです。

  • 28<br />ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル 『ホメロス礼讃』<br /><br />アーチ門を抜けた先で見上げる、画家アングルが描いたとても有名な天井画です。<br />画面中央では、古代ギリシャの詩人ホメロスが神殿を背に座っています。<br />その頭上では、大きな翼を広げた女神が冠を授けています。<br />周りにはラファエロやダンテなど、歴史上の偉大な芸術家や哲学者たちが集まり、彼を讃えています。<br /><br />黒と金色の額縁には偉人たちの名前が細かく書かれており、絵のかっこよさを引き立てています。

    28
    ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル 『ホメロス礼讃』

    アーチ門を抜けた先で見上げる、画家アングルが描いたとても有名な天井画です。
    画面中央では、古代ギリシャの詩人ホメロスが神殿を背に座っています。
    その頭上では、大きな翼を広げた女神が冠を授けています。
    周りにはラファエロやダンテなど、歴史上の偉大な芸術家や哲学者たちが集まり、彼を讃えています。

    黒と金色の額縁には偉人たちの名前が細かく書かれており、絵のかっこよさを引き立てています。

  • 29 <br />シャルル10世の間の壁面装飾<br /><br />?番の天井画から少し下へ視線を移したところにある、美しい壁の装飾です 。<br />天井に近い赤地の部分には、白い大理石の彫刻のような神々や女神たちがきれいに並んでいます。<br />右側にはお互いに寄り添う「三美神」、左側には竪琴を手にした音楽の神アポロンなどが描かれており、それぞれの頭上には名前が書かれています。<br /><br />その下のグレーの壁にも、神話の物語を表した四角いレリーフが埋め込まれています。<br />きらびやかな金色の梁(はり)ともぴったり合っていて、宮殿らしい華やかさがよく伝わってきます。

    29 
    シャルル10世の間の壁面装飾

    ?番の天井画から少し下へ視線を移したところにある、美しい壁の装飾です 。
    天井に近い赤地の部分には、白い大理石の彫刻のような神々や女神たちがきれいに並んでいます。
    右側にはお互いに寄り添う「三美神」、左側には竪琴を手にした音楽の神アポロンなどが描かれており、それぞれの頭上には名前が書かれています。

    その下のグレーの壁にも、神話の物語を表した四角いレリーフが埋め込まれています。
    きらびやかな金色の梁(はり)ともぴったり合っていて、宮殿らしい華やかさがよく伝わってきます。

  • 30 <br />シャルル10世の間の壁面装飾(カンパーナ回廊への入り口)<br /><br />お隣の展示室へと続く大きな門の周りのカットです 。<br />中央には「GALERIE CAMPANA」の文字が入った、立派な金色の門の枠が構えています。その上のグレーの壁には、神話の物語を表した白いレリーフが3枚きれいに並んでいます。<br /><br />さらに上を見上げると、鮮やかな赤地を背景に、小さな愛の神キューピッドや女神たちの白いシルエットが描かれており、最上部にある大作『ホメロス礼讃』の豪華な額縁へと美しく視線を繋いでいます。<br /><br />王宮の豪華な天井画や彫刻をのんびり味わう、最高の散策となりました。今回の記録はここで一度区切りとなります。次からは場所を少し移動して、フランス王宮の歴史を描いた名作からスタートします。<br /><br />つづく

    30 
    シャルル10世の間の壁面装飾(カンパーナ回廊への入り口)

    お隣の展示室へと続く大きな門の周りのカットです 。
    中央には「GALERIE CAMPANA」の文字が入った、立派な金色の門の枠が構えています。その上のグレーの壁には、神話の物語を表した白いレリーフが3枚きれいに並んでいます。

    さらに上を見上げると、鮮やかな赤地を背景に、小さな愛の神キューピッドや女神たちの白いシルエットが描かれており、最上部にある大作『ホメロス礼讃』の豪華な額縁へと美しく視線を繋いでいます。

    王宮の豪華な天井画や彫刻をのんびり味わう、最高の散策となりました。今回の記録はここで一度区切りとなります。次からは場所を少し移動して、フランス王宮の歴史を描いた名作からスタートします。

    つづく

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