スコットランド一周、ついでにフランス、ベトナムに寄り道　４．西ハイランド線でオーバンへ

2023/07/10 - 2023/07/10

7月10日（月）～雨、のち曇り
・午後から西ハイランド線でオーバンへ。折から学校が夏季休暇に入った最初の月曜日で、キャンプなどに行く若者グループが賑やかに乗車していた。グラスゴーを出た列車はしばらくクライド川に沿って走り、途中から内陸に向きを変える。ローモンド湖を過ぎるといよいよハイランド。風景ががらりと変わる。クリアンラリッチで支線に乗り換え森と湖の中をひたすら西に走り、3時間20分でオーバンに着いた。
・オーバンは人口8200人の小さな港町。アーガイル地方の重要な漁港で、へブリディーズ諸島へフェリーが出ている。町の歴史は18世紀末に設立されたオーバン蒸留所に始まる。雨の後の静かな街歩きで、高台から眺めたオーバンの町と海は箱庭のように美しかった。

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【旅程】
　7/08（土）関空→仁川経由→機中（泊）
　7/09（日）→アムステルダム経由→グラスゴー（泊）
★7/10（月）グラスゴー→西ハイランド線→オーバン（泊）
　7/11（火）オーバン発３島巡りツアー（マル島、スタッファ島、アイオーナ島）→オーバン（泊）
　7/12（水）オーバン→西ハイランド線→ラノック湿原→フォートウィリアム（泊）
　7/13（木）フォートウィリアム→グレンコー（泊）
　7/14（金）グレンコー→スカイ島（ポートリー、フェアリープール）→スカイ島（泊）
　7/15（土）スカイ島（オールドマン・オブ・ストー、キルトロック）→カイル・オブ・ロハルシュ→カイル・オブ・ロハルシュ線→インバネス（泊）
　7/16（日）インバネス発ツアー①北西ハイランド地方→インバネス（泊）
　7/17（月）インバネス発ツアー②西ハイランド地方→インバネス（泊）
　7/18（火）インバネス→ハイランド線→ピトロッホリー（泊）
　7/19（水）ブレア・アソール→ピトロッホリー（泊）
　7/20（木）ピトロッホリー→エジンバラ旧市街→エジンバラ（泊）
　7/21（金）エジンバラ発ツアー①ファイフ地方→エジンバラ（泊）
　7/22（土）エジンバラ新市街→ホリルード公園→エジンバラ（泊）
　7/23（日）エジンバラ発ツアー②ハイランド地方→エジンバラ（泊）
　7/24（月）エジンバラ→アムステルダム経由→パリ（泊）
　7/25（火）パリ→プロヴァン→フォンテーヌブロー（泊）
　7/26（水）フォンテーヌブロー→バルビゾン→モレ・シュル・ロワン→フォンテーヌブロー（泊）
　7/27（木）フォンテーヌブロー→パリ→機中（泊）
　7/28（金）→ハノイ→ハノイ発ツアー①ハロン湾クルーズ→ハノイ→機中（泊）
　7/29（土）→関空

エリア イギリス

　12:10　クィーンストリート駅に到着。この駅はエジンバラやハイランド地方に向かう玄関口です。

グラスゴー クィーン ストリート駅 駅

　12:22発のオーバン行きの列車に乗ります。オーバンまでの所要時間は約３時間。

　チケットオフィスで切符を購入。片道￡26.9（約5,000円）でした。

　イギリスの鉄道はいくつかの会社に分割民営化されていて、スコットランドを網羅するのはScot Rail 。この列車は北のFort William行きと西のOban 行きが連結されています。

　12:22　定刻にクイーンストリート駅を出発。

　乗車率は概ね90％といったところ。今週から学校が夏休みなので若者が目立ちます。

　最初はグラスゴー郊外のベッドタウンの中を、

　各駅停車状態で走ります。

　クライド川の河口に沿って走る頃には駅も疎らになりました。

　この辺りはフィヨルド状の入江やLoch（湖）が複雑に入り組んでます。

　隣のボックス席は賑やかな大学生グループ。今週から2カ月半の夏休みが始まり、皆でオーバンに行くそうです。

　クライド川に沿って西に向かっていた列車は、途中から北へ進路を変えます。

　列車はローモンド湖の横を走っていますが、雨と薄汚れた窓でこの始末。

　14:30　クリアンラリッチ駅に到着。ここで北のフォートウィリアム行きと西のオーバン行きが切り離されます。

　この駅はハイランド入口。大きなリュックを担いだハイカーが何人も下車しました。

　彼らは車窓から見えるウェストハイランドウエイを歩いて、北のフォートウィリアムを目指します。

　ウェストハイランドウェイはグラスゴーからフォートウィリアムまでの154ｋｍを8日間で歩くロングトレイル。途中には湖、荒野、湿原、険しい山越えと、ハイランドの雄大な自然を満喫できるイギリス屈指の人気ルートです。

　万歩計も当初はここタインドラム・ロアー駅から、フォートウィリアムまで3泊４日で歩く予定でした。
　しかし途中の宿泊施設が確保できずに計画を断念。今回はグレンコー渓谷でその一部を歩きます。

　オーバンに向かう沿線には大小の湖があり、民家はその間にポツリ、ポツリと見える程度。

　これはオー湖（Loch Awe）。全長41ｋｍ、幅1ｋｍの細長い典型的な氷河湖で、スコットランドで3番目に大きな湖です。BS旅番組「欧州鉄道の旅」ではここでトラウトを釣る案内人（ギリー）が紹介されました。

　15:47　終点のオーバン駅に到着。雨が降り体感温度は10℃以下か。

　駅を出るとこの風景に思わず声を上げました。海岸沿いに重厚な建物が並んでいます。

　オーバンはゲール語で「小さな湾」を意味しします。人口は8200人でアーガイル地方で最も活気のある港町の一つ。

　港町らしくカモメが飛び交います。

　岸壁から見た入江の眺め。この辺りの漁場は南からの暖流の恵みが、豊かな海の幸をもたらします。

　港町らしくシーフードを食べさせる屋台が並んでいますが、雨とこの寒さでお客は見えません。

　鉄道駅に隣接してフェリーターミナル。ここはマル島を始め西に点在する島々に向かうフェリーの起点です。

　明日はスタッファツアーズが開催するマル島、スタッファ島、アイオーナ島を回る1日ツアーに参加します。事前にネットで予約（￡80）していますが、前日17:30までにこのオフィスでチケットを受け取る必要があります。

　チケットをゲットしたので安心。宿泊予定のヴィラに向かいます。

　海岸沿いのハイストリートを歩いていくと、

　右手にオーバン蒸留所。スティーブンソン兄弟によって1794年に設立され、町の歴史もここから始まったそうです。

オーバン蒸留所 観光名所

　ガイドツアーも行われていますが、今回の旅ではピトロッホリー近郊の蒸留所を見学する予定にしています。

　オーバンウィスキーの特徴は、マイルドなピートの香りとフルーティで芳醇な味わい。その秘密は海水の成分を含んだピートにあるそうです。

　値段を見ると￡195。スコッチは現地でも高い酒とされ、パブなどで飲まれているのは殆どビールです。

オーバン蒸留所 観光名所

　オーバンは公共交通が不便です。グラスゴーからバスと鉄道を合わせて1日11便、フォートウィリアムからバスが1日3便のみ。

　Rose Villa はオーバン蒸留所から500m先、Ｂ＆Ｂが集まる住宅街にありました。　

　ヴィラと言っても素泊り専用の家族経営のゲストハウス。ここに2泊します。

　かなり狭いが寝るだけなので問題なし。料金は１泊￡52（10,200円）。

　枕元には茶器セットとコーヒー、紅茶

　壁に小型テレビ。どうせ見ませんが…。

　今回も荷物は大小のリュックと杖が１本のみ。

　2室共用のバスルーム。今夜だけは専用でした。

　17:57　荷物を置いて街歩きへ。この頃には雨が上がっていました。

　港の方に歩いていきます。

　North Pier と呼ばれる場所

　ここにはホテルやレストランが数軒。

SGE Columba Hotel ホテル

　港には個人のボートやヨットが係留されています。

　EE・USK。宿の人に美味しいシーフードのお店を聞いたら、ここを推薦してくれました。

EE-USK シーフード

　しかし今夜は予約で2時間先まで満席とのこと。明日利用することにしました。

　North Pier から遠望したフェリーターミナル方向。

　次に向かうのは街の背後の丘に見える円形闘技場のような建物。

　海岸沿いの国道を歩いて、

　オーバン蒸留所横から階段の坂を上ります。

　裏から見た蒸留所の建物

　登るにつれて視界が広がり、

　上の通りに出たらオーバンの街の全景が見えました。絶景です。

　上の通りには民家やＢ＆Ｂが並んでいます。

　花に囲まれたロマンチックなＢ＆Ｂ。

　Ｂ＆Ｂの通りから１０分程歩いたら建物の入口。

　ここはマッケイグズ・タワー。地元の名士マッケイグズ氏が失業者教対策の一環として、19世紀末に建築を開始しました。

　当初はアートギャラリーにする計画でしたが、氏の死によって建設は中断、現在に至っています。今では湾と島々を望むビューポイントとして観光名所になっています。

　今晩の夕食はフィッシュアンドチップスとビール

オーバン フィッシュ & チップ ショップ 地元の料理

　最後に明日の食材を買って宿に戻りました。