2023/02/23 - 2023/02/23
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東京目黒区に碑文谷という地名があります。歴史を辿ると応永32年(1425年)には碑文谷という地名が記されており、その由来には碑文谷八幡宮内稲荷社に保存されている梵字を刻んだ「碑文石」のある谷、を起源とするようです。
私は「なるほど」と納得してしまうのですが、偉い学者先生は他人の説には異を唱えないとダメらしく、鎌倉・室町期から「ひもの」作りが盛んだったからなんて説もあるようです。
地域内に駅はなく、学芸大学駅か都立大学駅が最寄りの駅です。
目黒に用事があったので、ちょっと足を延ばして東急東横線の都立大学駅から東急目黒線の西小山駅まで歩いてみました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
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都立大学駅。
昭和2年(1927年)8月、柿の木坂駅として開業、昭和27年(1952年)7月に都立大学駅に改称しました。平成3年(1991年)に都立大学は多摩ニュータウンへ移転しましたが、住民投票の結果、駅名は変更しませんでした。 -
駅から東へ向かうとすぐに、学者先生の言うとおり、ひもの屋がありました。
私は「なるほど」と思ったのですが、碑文谷の起源とされるのは干物ではなくて、檜物なんだって、「へぇ」でした。 -
都立大学駅からはずーっと上り坂(標高差7m)でした。
すずめのお宿緑地公園に着きました。昭和56年(1981年)4月1日に開園しました。 -
この土地には地主の角田セイさんが長年暮らしていましたが、「自分の死後は国にこの土地を返したい」と考えていました。没後、土地を寄付されて、目黒区により公園として整備されました。
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江戸時代、この辺りは広大な竹林で筍の大産地でした。昭和のはじめ(駅ができた)頃、竹林は付近一帯のスズメの寝ぐらになっていたことから、この場所は「スズメのお宿」と呼ばれるようになりました。
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すずめと少女のモニュメント。
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すずめと少女のモニュメント。
調べましたが、制作者はわかりませんでした。 -
北側の一角に栗山家の母屋(目黒区指定有形文化財)が復元されています。
公開時間は、9:30~15:30、休館日は、月・火(祝日の場合は公開し翌日休館)。 -
もとは旧衾村の旧家で江戸時代には代々「年寄」という名主を補佐する役職を務めていた栗山家の住宅で、長屋門がありました。
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昭和59年(1984年)4月にすずめのお宿緑地公園内に移築復元し、公開しています。
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古民家は江戸時代中期に建てられた寄棟造の木造一階建て、 敷地面積は780m2、延床面積は155.89m2です。
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古民家の内部も見学できます。
入り口から土間。 -
脱穀機。
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竈門。平日は火を入れるそうです。
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竈門で使う薪。
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古民家の室内。かなり暗いですが真ん中に囲炉裏。
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中二階のある部屋。
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畳敷の寝室。
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雛飾り。
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竹林。
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竹林を抜けると、碑文谷八幡宮の杜があります。
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碑文谷八幡宮の参道はとても長く、社殿まで200m以上ありました。
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一の鳥居。大正4年建立。
手前に社号票柱。 -
二の鳥居。昭和58年建立。
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碑文谷八幡宮の扁額。
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参道に梅の花が満開でした。
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梅の花。
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碑(いしぶみ)小学校創立の地碑。
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日露戦役記念碑。
頑張れウクライナ!頑張れ日本! -
征清戦勝記念碑。
頑張れ台湾!頑張れ日本! -
三の鳥居。
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紀元二千六百年記念 献木の碑。
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こちらも皇紀二千六百年記念の碑。
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狛犬(阿形)。明治26年建立。
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狛犬(吽形)。
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手水舎。
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神楽殿。
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碑文谷八幡宮の創建は不詳ながら、源頼朝に仕えていた畠山重忠の守護神を奉祀したといわれています。
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碑文谷八幡宮の拝殿です。
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狛犬(阿形)。
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狛犬(吽形)。
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碑文谷八幡宮の拝殿、明治5年(1872年)に再建し、同20年(1887年)に改築した建物です。
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向拝の龍。
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向拝の彫刻。
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向拝の龍。
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向拝の彫刻。
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御祭神は誉田別尊(ほんたわけのみこと)。
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拝殿に掛けられていた絵馬。
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奥に御本殿。
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社殿の向かって右に稲荷社があります。
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畠山重忠の家臣・榛沢六郎を祀っています。
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社殿と稲荷社の間に小さな建物がありました。
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この覆屋の中に納められている石が「碑文石」です。高さ75cm、横幅は最大45cm、厚さは10cmです。
正面のガラスに光が反射してほとんど読めませんが、中央に大日如来を示す梵字、左には勢至菩薩を示す梵字、右には観音菩薩を示す梵字がそれぞれ刻まれています。ちょっと珍しい組み合わせで、中央に阿弥陀如来が彫られた阿弥陀如来三尊が一般的です。
石材は付近を流れていた呑川の川床の石が使われています。 -
一の鳥居の外は、立会川緑道に通じています。
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みどりの散歩道 碑文谷・立会川コースの案内図です。出発駅が違うものの、同じような行程を歩いていました。
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立会川緑道、桜並木です。
碑文谷八幡宮前から西小山駅までの約1kmの道、かつて立会川でしたが、東京オリンピックが開かれた昭和39年に暗渠とされました。 -
立会川緑道をしばらく進むと、左手に円融寺の山門が見えました。
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経王山 文殊院 円融寺の山門。
この山門は、天保4年(1833年)に元播磨国美嚢郡三木和田の某寺の山門として造られましたが、明治33年(1900年)3月、品川御殿山の原六朗氏宅に移築、昭和26年(1951年)に原邦造氏から円融寺に寄贈されました。 -
天台宗 圓融寺の寺票柱。
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参道の梅。
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山門の扁額「圓融寺」。
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参道の白梅。
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参道の紅梅。
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仁王門が見えます。
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仁王門の右手前に鐘楼。平成元年の記念事業で再建されました。
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梵鐘。寛永20年(1643年)の鋳造。高さ151cm、口径91cm。昭和15年(1940年)に国重要美術品に指定されました。
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円融寺の仁王門。区指定文化財。
檜と欅を用いた簡素な構成、唐風に和風を取り入れた造りです。
永禄2年(1559年)に仁王像が作成されており、その同時期に建てられと推定されています。ただし江戸時代の寛文期(1661-1672)と永禄期(1688-1703)の間に大改修が行なわれたため、足利時代の面影はほとんど残されていません。 -
拝観時、仁王像は修復のために移動しており、不在でした。
仁王門の木造金剛力士立像は、永禄2年(1559年)に鎌倉扇ヶ谷(おうぎがやつ)の権大僧都大蔵法眼によって作られました。 -
仁王門から見る釈迦堂。
寺伝によると、仁寿3年(853年)に慈覚大師円仁が開き、妙光山法服寺と称する天台宗の寺院でした。弘安6年(1283年)、日蓮の弟子・日源により日蓮宗に改宗し、妙光山法華寺と称しましたが、不受不施派の寺院として江戸幕府の弾圧を受け、元禄11年(1698年)再び天台宗の寺院となりました。天保5年(1834年)経王山円融寺と改めました。 -
円融寺仁王尊の額。
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仁王尊の額。
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こちらも仁王尊の額。
江戸時代、庶民の篤い信仰をあつめ、「碑文谷仁王」「黒仁王」などと呼ばれ親しまれました。 -
円融寺 釈迦堂(本堂)。室町時代中期(1393年~1466年)の建立。国指定重要文化財です。
室町初期の建立とされ、東京都区内最古の木造建築として知られています(都内では東村山市の国宝・正福寺地蔵堂に次いで2番目)。 -
釈迦堂の扁額。
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釈迦堂の後ろに回ると、大きな阿弥陀堂がありました。
昭和50年(1975年)の建立ですが、平安朝阿弥陀堂様式に則って建設されました。 -
御本尊の阿弥陀如来は、半丈六(約146cm)の大きさで仏像彫刻家の第一人者である松本昇氏の作です。日野法界寺の国宝・阿弥陀如来の様式を模して作られました。
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阿弥陀堂の扁額。
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毘沙門天と真公稲荷。
阿弥陀堂の裏、駐車場のそばにあります。 -
毘沙門天。
堂前の石柱に、「福寿増長 厄難消除 毘沙門天王」と刻まれています。 -
真公稲荷。
毘沙門天の右手に祀られており、朱塗り鳥居の扁額に「真公稲荷」とあります。
かつて円融寺山内に住んでいた白狐を稲荷として祀っていますが、お狐様の像はありませんでした。 -
阿弥陀堂の裏にある駐車場入り口に案内図がありました。
墓地には西城秀樹さんや渡哲也さんが眠っています。 -
東門。経王山の名が見えます。
すぐ近くにある正泉寺に向かいます。 -
目黒区立碑小学校の脇にありました。
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正泉寺(しょうせんじ)は、浄土宗の寺院です。
元亀3年(1572年)、存冏(ぞんげい)によって下総国相馬郡に開山され、「泉応院」という名称でした。
天正18年(1590年)、徳川家康の江戸入府とともに江戸に移転し「正泉寺」に改称しました。その後、江戸市中を転々とし、承応2年(1653年)に三田台町に移りました。
明治末期から大正初期の頃、現在地に移転しました。 -
正泉寺の票柱。
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法呑山 長源院 正泉寺の本堂。
ご本尊は阿弥陀如来像です。 -
法呑山の扁額。
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正泉寺の墓地。中央右あたりに式亭三馬のお墓があります。
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お地蔵様。
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式亭三馬の墓。都指定文化財旧跡。
江戸時代後期の戯作者、式亭三馬は、黄表紙、洒落本、滑稽本を得意とし、代表作に「浮世風呂」、「浮世床」、「古今百馬鹿」などがあります。
文政5年(1822年)に47歳で没しました。 -
作家と出版屋を兼業したり、古本屋を営んだり、売薬の販売製造を始めたり、戯作の執筆をする傍ら肉筆浮世絵も描いており、かなり多才な人だったようです。
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正泉寺を出て西小山駅まで歩きました。標高差10mの下り坂、途中から品川区に変わりました。
駅前の理容室「夢」さんのウインドーです。 -
西小山駅に着きました。昭和3年(1928年)8月に開業した品川区最西端の駅です。駅名の由来は、大正12年に開業した小山駅(現在の武蔵小山駅)の西方にあるからのようです。
平成20年(2008年)4月、駅舎と一体の駅ビルが完成しました。
昼前の街歩きを終えてお仕事します。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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旅行記グループ 東京の旅その2
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