シニアー夫婦のスイスゆっくり旅行30日　 (28)ピラトゥス山に上がりました(続10月14日)

2019/09/19 - 2019/10/16

2019年秋、成田からスイス航空でチューリッヒに直行し、主に山岳地帯を中心に鉄道利用の旅を30日間楽しみしました。シャモニーを含めフランスのストラスブールとイタリアのモンツァ/ベルガモに脱線訪問もしました。
旅程の概略です。
★ 9月19日 スイス航空でチューリヒへ。チューリッヒ空港泊。
★ 9月20~22日 アンデルマット泊。
★ 9月23~25日 バーゼル泊。
★ 9月26~28日 シャモニー泊。
★ 9月29~10月1日 ツェルマット泊。
★ 10月 2~ 5日 インタラーケン泊。
★ 10月 6~ 7日 チューリッヒ泊。
★ 10月 8~10日 サン.モリッツ泊。
★ 10月11~12日 モンツァ泊。
★ 10月13~15日 ルツェルン泊。
★ 10月16日 チューリッヒ空港から成田へ。
スイスは鉄道料金が高いという事で、スイス.トラベル.パス.フレックス15日とスイス.ハーフ.フェア.カードを用意しました。最初は、ハーフ.フェア.カードで充分かなと思いましたが、よくよく調べていくとトラベル.パスの方が割安だと分かり結局二つとも買う事になりました。これらのスイス.パスは、ポスト.バス、主要都市の交通機関、ロープウェー、ケーブルカー、博物館などが無料や割引になります。

この28回目の旅行記は、好天下、ルツェルンからティトゥリスに上がり、続いてピラトゥスに上がった記録です。

エリア ルツェルン(スイス)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 鉄道
• 航空会社: スイスインターナショナルエアラインズ
• 旅行の手配内容: 個別手配

午後1時半、好天が続いています。ティトゥリスからエンゲルベルクに戻ってきました。予定変更で、これからピラトゥスに上がる事にしました。

これは中央鉄道が発行する観光案内図です。案内図の赤色の路線で、上から下にシュタンス(Stans)、ヘルギスヴィル(Hergiswil)経由でアルプナッハシュタット(Alpnachstad) まで中央鉄道で行きます。アルプナッハシュタットから急傾斜を登って行く登山電車に乗ってピラトゥスに上がります。

早速エンゲルベルク駅の切符売り場でアルプナッハシュタットまでの列車の発着時刻と乗り換え情報を教えて欲しいと頼むと、その情報をこのように直ちに印刷してくれました。ヨーロッパの切符売り場では、切符を売るだけではなく、色々鉄道の旅程の相談にも乗ってくれます。これが時々、我々日本人にはイライラする原因になります。後ろに何人も並んで待っているのに、長々と旅の相談をしているので。でも文化の違いですね。「郷に入れば郷に従え」です。

エンゲルベルクを14時2分にIR列車で発ち、シュタンスで下車します。7分の待ち時間で14時40分発のS4列車に乗り換えます。S4列車は各駅停車ですが、ルツェルン方向に走り、インタラーケン.オスト方向でないとアルプナッハシュタットには行けません。

そこで、ヘルギスヴィルでS5列車に7分待ちで乗り換え、アルプナッハシュタットまで１駅乗車します。これはヘルギスヴィルのホーム待合室です。

ヘルギスヴィル駅にS5列車が到着しました。 "S"の記号は、ドイツ語のエス.バーンの略号で、近郊鉄道線の列車を指します。

14時59分アルプナッハシュタットに着きました。ここからピラトゥスへの登山電車に乗ります。向こうの茶色の屋根の建物は、中央鉄道の駅舎です。この写真は、ピラトゥス鉄道の駅前から撮りました。正面のピラミッド形の山は、シュタンザーホルン(1898m)です。シュタンスからケーブルカーとロープウェーで頂上に上がれます。

ピラトゥス山の観光案内図です。今回の旅行で、１番良かったパンフレットです。適度のデフォルメで実景を良く反映しています。例えば、ピラトゥス山の左側のピーク、トムリスホルン(2128m)がホテル.ピラトゥス.クルムにとても近く描いてありますが、ハイキングコースで1.1Kmほど離れています。

この電車に乗ってピラトゥスに上がります。

ピラトゥス周遊には、上りはこの登山電車に乗り、下山は北側にロープウェーを乗り継いでルツェルン西地区のキーンスに降り立つ切符を買いました。
電車は定時の15時5分に発車しました。車体は、ケーブルカーと同じ平行四辺形です。車内も個別の扉がついたコンパートメントが階段状に並んでいます。ただ、電車ですから電動機の音、ラックレールの歯車の音・振動、カーブでの車輪が軋む音などがします。
これは下方(後方)の運転台です。この路線は往復しないので、後方の景色の撮影の方が良いと思い後ろに座りました。

電車は、複数の単車が連行して走っていきます。左に次行の23号車がポイント待ちをしています。

単車運行ですから、各車に運転手が必要になり人件費が嵩みます。前照灯を見てください。線路の傾きに応じて下向きに付いています。

さらに28号車も続くようです。

駅を出ると少し左にカーブして上がっていきます。

線路のポイント、分岐箇所は、線路が載った台が左右に動いて接続します。この場所では、複線の本線と右側の車庫への支線が、この線路台で仕分けされます。

既にだいぶ上がってきました。

この電車のラックレールは、傾斜が強いので特別の機構が採用されています。

ロッヒェル式と呼ばれる機構で、２個の歯車がラックレールの両側を挟む方式です。歯車の下には、脱輪防止の為に円盤が固着されていて、ラックレールから歯車が浮き上がらないようになっています。この機構だと、いわゆる車輪の脱線もできません。

気が付きませんでしたが、先行で25号車が走っていました。

路線の前半、低高度の区間は、このような林の中を登っていきます。

皆さん後方の写真を撮っています。

後方を振り返ってみます。このような山は、普通ロープウェーかケーブル.カーを建設しますが、ケーブルカーの場合、路線は曲がりが小さくないと難しくなります。また、山の勾配や形を勘案すると、数区間に分けて設置しなければなりません。ロープウェーの場合が最も簡単でしょう。しかし、シャモニのエルブロンネ行きのロープウェーの場合は、氷河の上なので懸吊索の固定場所をどこにするかで悩んだでしょう。

車内で前方を撮ってみます。中央のシルエットは運転手さんです。

車内の様子です。窓は台形で扉は長方形です。

発車9分後です。アルプナッハー湖が見下ろせる高さになりました。対岸の街は、シュタンスシュタットです。木に隠れた左に湖を渡る道路、鉄道橋があります。橋の向こうは、フィアヴァルトシュテッター湖になります。

まだまだ林が続いています。

トンネルに入りました。

紅葉が綺麗です。

エムジゲン(1362m)の待避線が間近です。アルプナッハシュタット(435m)から927mを15分で上がってきました。

下降する電車の到着し始めていました。

この辺りはジグザグのハイキング道路が整備してあります。

我々の後続車はまだ見えません。

下降車の屋根越しにアルプナッハー湖が見えます。

下降車グループの中のこの電車は、全壁面広告の電車です。

我々の電車の次行車が近づいてきました。

下降車も全車が到着し、ポイントが変わり前進再開です。

南南東の方向に(写真では右側に)ユニークな形のティトゥリス山(3238m)、その右に、クライン.ティトゥリス(3041m)の通信設備の鉄塔が見えます。

ほぼ東の方向です。右にアルプナッハー湖、左にフィアヴァルトシュテッカー湖が眼下に見えています。

拡大してみました。中央の山は、二つの湖を切り離すように突き出ている半島上のハスリホルン(959m)の山です。

こちらは少し右に動いて、アルプナッハー湖の方向を眺めています。湖の後方は、シュタンスの街並みです。さらに後方の山は、ブオクサーホルン(1806m)です。

フィアヴァルトシュテッター湖が見えています。

東の方向です。写真下の町は、フィアヴァルトシュテッター湖に面するブオクス(Buochs)です。

すれ違い箇所のエムジゲンを出て5分、樹木は無くなり草原になりました。

続行の電車が上がってきます。

前行車はトンネルに入ります。

随分離れていますが、最後尾の続行電車です。

南東の方向に遠くの山並みを眺めてみました。中央より少し右にティトゥリスが見えます。

続行の電車がトンネルに入ります。その向こうは、雪崩避けの囲いが見えています。

終点が見えてきました。左にホテル.ピラトゥス.クルムです。電車の駅は右側に隠れています。

後方、円形のホテル.ベレヴュの手前に作られている駅に着きます。

15時35分、山頂に到着しました。30分で上ってきました。これだけ見るとケーブルカーですね。

ピラトゥス山頂の案内図です。我々は、ルート④でエーゼル峰を目指します。

ホテル.ベレヴュ前からルツェルンを北東の方向に見下ろします。

中央にエーゼル峰(2132m)とホテル.べレヴュ、右にピラトゥス鉄道の駅、左にロープウェーの駅です。エーゼル峰の頂上は、転落防止の壁で囲まれています。

これからホテル.ベルヴュの南東側にあるエーゼル峰(2132m)に歩いて登ります。50mほど上がる事になるそうです。

北の方向です。こちら側は、まるで平野のように、高い山がない、平の大地が広がっています。

円形の建物が、ホテル.ベルヴュです。このホテルの左下にピラトゥス鉄道の駅があります。右側にはロープウェーの駅があります。向こうにはホテル.ピラトゥス.クルムが見えます。

300段の階段を登りエーゼル峰山頂に着きました。左側にルツェルンの街、そしてフィアヴァルトシュテッター湖の西側の部分が写っています。湖は更に右側(東側)に広がっています。

カメラを右に振ります。これでもフィアヴァルトシュテッター湖の東側全てを捉えられません。

ピラトゥス山に電車が登ってきます。

こちらは別の電車です。

ルツェルンの中心部を拡大しました。右に鉄道駅が観覧車と共に見えます。

山頂に、アルプホルンを担いで老人が登ってきました。

山頂を囲む転落防止の擁壁に登りました。

アルプホルンを演奏する準備をしています。

準備ができて演奏を始めます。

絵になる姿を見せてくれています。演奏もスイスに来た事を教えてくれます。

演奏を終了して皆さんの拍手に応えご挨拶です。

ジジがアルプホルンを担がせてもらいました。結構重い楽器でした。

午前中に上がってきた、ピラトゥス山の南南東に聳えるティトゥリス山です。左が山頂で、右にクライン.ティトゥリスにある展望台です。

ピラトゥス山の左のピークは、エーゼル峰の南西になるトムリスホルン(2128m)です。ここも展望台になっています。山腹に、整備されたハイキング道路が見えますが、結構傾斜が強い山腹に造られている事がわかります。

こちらは、ホテルピラトゥスクルムの後方になるオバーハウプト(2106m)です。ここも展望台になっています。

北北西の方向に、ルツェルンに下りるロープウェーの中継地であるフレクミュンテック(Fräkmüntegg:1412m)を見下ろします。

フレクミュンテックにはピラトゥス.ロープ.パークと呼ばれる遊園地があります。

ルツェルン市街の中心部です。ホテル.デ.バランスも見えています。

交通博物館をズーム.インしています。

東の方向の遠望です。

右にカメラを振ります。

更に右側です。

エーゼル峰から下りていきます。

左端に途中の踊り場が見えます。

崖淵のヘヤピンカーブを下りていきます。

ロープウェー乗り場に通づる高さに戻って来ました。崖淵の登山道がよく見えています。

またアルプホルンが鳴り響いて来ました。見上げると、先ほどの老人が登山道の途中で演奏していました。

午後4時半です。ルツェルンに戻ります。この大型のゴンドラでフレクミュンテックに下ります。

ツエルマットでも見たのと同じ種類のポスターです。呼吸器障害の人々を助けるための募金をお願いしているとの事です。

時計メーカーであるブヘラーが設置した世界の主要都市の時刻です。

ゴンドラが北北西の方向に下りていきます。ゴンドラの左手にクリムゼンホルン礼拝堂が見えます。

このロープウェーの終点であるフレクミュンテックが眼下に見えます。30分前にエーゼル峰から見たときに比べ、大分日陰になりました。

フレクミュンテックに着きました。ピラトゥス.ロープ.パークのポールがお出迎えです。

大人でも喜びそうな遊戯が揃っています。

これはロープウェー乗り場に掲示してあった遊園地の案内板です。

フレクミュンテックからクリーンスに下りるロープウェーに乗ります。小型のゴンドラです。

北東の方向に下りていきます。

途中のクリーンゼレックで下車できますが、そのまま乗車して下りていきます。

クリーンゼレックには幼児が遊べる遊園地、ピル.ランドがあります。

クリーンスの終点はもうすぐです。ゴンドラは家並みの上を進んでいきます。ロープウェーの駅からルツェルン中央駅に行く１番のバス停まで少し歩きます。

中央駅前に着いてホテルに帰ります。途中のパン屋さんです。朝にもガラスは拭いた筈ですが、夕方にももう一度拭いているようです。綺麗好きですね。

今流行りの駅ピアノです。

駅前に設置されたコンサート.オルガンです。滞在中一度も演奏は聴けませんでした。

午後6時10分、ゼー橋から見た、夕景のロイス川と見張り塔、カペル橋です。

カペル橋の向こうに、夕陽に照らされたホーフ教会が見えます。

6時半、ホテルに帰って来ました。ピラトゥス山を眺めます。

ロイス川とカペル橋です。観覧車にも照明が点きました。
明日の晴天を祈っています。