初秋のポルトガル、ちょこっとスペインを巡る　１３　９日目①　ナザレ～アルコバサ修道院

2014/09/11 - 2014/09/11

９日目　２０１４年９月１１日（木）　晴れ

・大西洋に面したリゾート、ナザレへ。現在は人気のリゾートだがもとは素朴な漁師町。古い家々が迫る旧市街の狭い路地を歩くと、提灯型の七重のスカートに独特の帽子といったTVで見た伝統衣装のおばさん達に出会う。黒ずくめの衣装は未亡人らしい。ナザレの街の主役はこのおばさん達。
　ケーブルカーでシティオ地区の展望台へ。眼下の赤い屋根の旧市街と前に広がるビーチが美しい。そこここ店で魚介を焼くにおい。朝食後で食べる気はしなかったがちょっと心残り。
・アルコバッサ修道院ヘ。今回の旅行で５つめの世界遺産。礼拝堂の左右にイネスとペドロの棺が並ぶ。一室で子供たちの歌声が聞こえる。「ちょうちょう」のメロディ、日本の曲じゃないんだ。そのあとにはカウンターテナーの独唱が。回廊に出るとやはりマヌエル様式の凝った彫刻が随所にみられた。この時一瞬の豪雨あり。ガーゴイルから雨水が勢いよく流れ出た。

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【旅程】
　　１日目（９/０３）関空→機中（泊）
　　２日目（９/０４）ドバイ経由→リスボン（泊）
　　３日目（９/０５）リスボン（泊）
　　４日目（９/０６）ロカ岬→シントラ→リスボン（泊）
　　５日目（９/０７）パルメラ（泊）
　　６日目（９/０８）モンサラーシュ→エヴォラ（泊）
　　７日目（９/０９）ルドンド→エルヴァス→エストレモス（泊）
　　８日目（９/１０）オビドス→カルダス・ダ・ラィーニャ（泊）
　★９日目（９/１１）ナザレ→アルコバサ修道院→バターリャ修道院→ファティマ（泊）
　１０日目（９/１２）キリスト修道院→ブサコ国立公園→コインブラ（泊）
　１１日目（９/１３）コインブラ（泊）
　１２日目（９/１４）アヴェイロ→ポルト（泊）
　１３日目（９/１５）ポルト（泊）
　１４日目（９/１６）ギマランイス→ブラガ→ポルト（泊）
　１５日目（９/１７）サンチアゴ・デ・コンポステーラ（泊）
　１６日目（９/１８）サンチアゴ・デ・コンポステーラ（泊）
　１７日目（９/１９）マドリード（泊）
　１８日目（９/２０）アルカラ・デ・エナーレス→アランフェス→マドリード（泊）
　１９日目（９/２１）マドリード→機中（泊）
　２０日目（９/２２）ドバイ経由→関空

エリア ナザレ(ポルトガル)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

• 同行者: 友人
• 交通手段: レンタカー 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

　９日目朝、ホテルから少し歩いたレププリカ広場の朝市にやってきました。

カルダス ダ ライーニャの朝市 市場

　朝早いためお客があまり見えませんが、この地方では有名な市だそうです。

　近隣の農家から持ち込まれた野菜、果物、乳製品が並んでいます。

　試食が楽しい。果物を買いました。

　ドライブも後半。今日から2日間でポルトガル中部にある3つの世界遺産の修道院を訪れます。その前に独自の風習を守る漁師町ナザレへ向かいました。

　カルダス・ダ・ライーニャから北へ３５ｋｍ走ると青い海岸沿いにナザレの街が見えてきました。

　砂浜沿いがプライア地区、丘の上がシティオ地区です。

　車を降りてレプブリカ通りをプライア地区に向かって歩いていきます。

　レプブリカ通りは両側にレストランや土産物店があります。夏は観光客でにぎわうらしいですがシーズンを過ぎて人は少ないです。

　歩いていると…

　おっ、いました。伝統の７枚重ねのスカートをはいた女性たち。TVで見た通りです。

　このスカートを着用するのは既婚女性だけです。写真をお願いしたら快諾してくれました。

　レプブリカ通りの東側はペスカトーレ地区と呼ばれる漁民の住居地区になっています。

ペスカドーレス地区 散歩・街歩き

　何やら立ち話…。

　このおばあさんの民族衣装は黒色、ということは未亡人なのでしょう。
　写真依頼はすべてOK。おばさんたちは観光に一役買っているようです。

　細い路地に洗濯物が下がる。こういった生活の匂いがする路地歩きは大好きです。

ペスカドーレス地区 散歩・街歩き

　プライア地区からケーブルカーで丘の上のシティオ地区に上ります。

ケーブルカー (ナザレ) その他の交通機関

　ケーブルカーを降りた展望台からこの絶景！ブライア地区、ペスカトーレ地区と砂浜が一望です。

シティオ地区の展望台 散歩・街歩き

　崖のすぐ際まで家が建っています。

　ズームアップ。完全にオーバーハングになってる。

シティオ地区 散歩・街歩き

　大西洋～。

　展望台のある広場はいろんな露店が出ていました。

シティオ地区の展望台 散歩・街歩き

　民族衣装のナッツ売りのおばさん。

　一袋買いました。

　ノッサ・セニョーラ・ダ・ナザレ教会
　ナザレの名は８世紀に西ゴート王ロドリゴがロマノという僧を共にこの地にやってきて時、携えていたマリア像がイスラエルのナザレのものだった。ロマノは死の直前にマリア像を洞窟に隠した。その洞窟の後に建てられたのがこの教会の起源です。

ノッサ セニョーラ ダ ナザレ教会 寺院・教会

　ケーブルカーでブライア地区に下りていきます。

　砂浜に行ってみると少数ですが人がいました。

ナザレのビーチ ビーチ

　レプブリカ通りを駐車場に戻ります。この街の主役は民族衣装のおばさんたちでした。これからアルコバッサ修道院に向かいます。

１１：３０　ナザレから東へ１４ｋｍのアルコバサに来ました。ここの見どころは世界遺産に指定されている修道院です。

アルコバサの修道院 寺院・教会

　１１４３年、ポルトガルが独立王国になった時、初代ポルトガル国王アルフォンソ・エンリケスがの命により１１５３年に建築が開始され１２２２年に完成しました。最盛期には１０００人のシトー会の修道士が暮らしていました。

　身廊の幅は２３ｍ、高さ２０ｍ、奥行きは１０６ｍ。

　シトー会の禁欲的な精神に従った簡素な造りが荘厳さを一層際立出せています。

　王のパンティオン。ここに悲恋のヒロイン、愛妾イネスの棺がありました。

【ペドロとイネスの悲恋物語（Wikipediaから抜粋）】
　ポルトガル王アフォンソ４世は王太子ペドロをカスティーリャ王族コンスタンサと結婚させた。ところがペドロはコンスタンサに付き添ってきた美しい女官イネスの方に夢中となった。公務をないがしろにしてコインブラで愛の生活を送るペドロに絶望したアフォンソ王は、王子ペドロの不在の間に３人の刺客はイネスを暗殺した。このことを知ったペドロは怒り狂い、ポルトガル北部で反乱を起こすが、母后ベアトリスのとりなしで父と子は和解した。
　後に王となったペドロは刺客を捉え目の前で処刑し、その後、二度と結婚せず独身を通した。そして公務に精励し、しばしば地方を巡回して裁判を行った。その裁判は厳格を極め、ペドロ厳格王と呼ばれた。

　こちらはペドロ王の棺

　イネスが刺客の手で殺されたコインブラの泉にはこの後訪れました。

　修道院の一角で子供たちが歌を歌っていました。曲が何と「ちょうちょ」、日本の歌も有名なんだな。
　しかし帰国後に調べたらこの今日は元々ドイツの古い童謡で、世界各国の言葉で歌われていると知りました。

　回廊に入りました。

　ここで突然の豪雨。屋根のガーゴイル（怪物などをかたどった彫刻であり、雨樋の機能をもつ）から雨水が滝のように落ちてきました。

　雨の間に修道院の内部を見学しました。
　ここは食堂。食事中に聖書を朗読する説教台や修道士の太りすぎをチェックする狭い扉口が残っていました。

　厨房。７頭の牛を一度に丸焼きできる調理台や巨大な煙突があります。で、修道士って牛肉食べていいの？

　川の流れを引いた水場

　僧の広間

　イネスとペドロの棺が並んでいるのが見えます。

　雨が上がったので回廊に出ます。デニス王によって１４世紀初めに造られ「沈黙の回廊」と呼ばれています。

　２階部分は１６世紀に増築されたマニエル様式で繊細なアーチや柱の装飾が特徴です。

　ここでは大人達が歌っていました。
　アルコバサ修道院はこのくらいで、次の目的地バターリャ修道院に向かいました。