夢追人さんのクチコミ(20ページ)全1,032件

　熱海駅を出てすぐ南、線路にほぼ並行したアーケードのある200ｍあまりの商店街である。海側には並行して仲見世商店街がある。緩やかな下り坂を進んで商店街を出ると、市街地・熱海海岸に向かう車道である。和菓子屋やレストラン、土産物屋、ハンバーガー、果物屋、アクセサリー店などいろいろな店が並び、南の出口付近にはファミリーマートもある。コロナ感染が少し落ち着いたせいか、平日にもかかわらずもの凄い人出で、行列の出来ている店もいくつかあった。

　熱海駅から南に10分あまり歩くと海岸に到着する。海岸の北東側に、熱海サンビーチの砂浜が続き、砂浜と国道135号の間に「お宮の松」がある。サンビーチの南の端が「ムーンテラス」で、ここから南西に熱海親水公園の遊歩道が続いている。ところどころにベンチがあり、そこから相模湾に浮かぶ初島や遠く伊豆大島をのぞむことができる。熱海城も見える。心地よい風が吹いて、とても気持ち良い（季節にもよるが）。ジョギングや子犬を連れて散歩している地元の人も結構多い。公園の南に伊豆大島や初島に向かう船舶や遊覧船の乗場がある。　

　ＪＲ熱海駅を降りて、平和通り商店街を、さらに車道に沿って南に下ること約10分で、熱海サンビーチの北東にあるお宮の松、貫一・お宮の像、金色夜叉の碑、尾崎紅葉記念碑にたどり着く。50年ぶりに訪れたが、「金色夜叉」を知らない者も多く、碑の前で写真を撮っているのはほとんど年配者だった。熱海駅までのかえりは、坂道を登ることになるので、約20分は歩かなくてはならない（結構しんどい）。バス停「お宮の松」が目の前にあるので、熱海駅行のバスを利用するのもよい。

　熱海駅は、東海道新幹線や東海道本線、伊東線が乗り入れる拠点駅である。新幹線は、こだまが約30分毎に発着し、新横浜からの乗車時間は30分弱であり、東海道本線の電車は、東京から2時間弱である。伊東線は、約30分毎に運行し伊東まで約25分、伊東から先の下田方面に向かう伊豆急行線のほとんどの電車も熱海駅が発着駅となっている。駅の東側が熱海温泉の玄関で、ここから商店街を通って坂道を下っていくと、主要ホテルや熱海の海岸に出ることができる。

　錦川河原の無料駐車場に車を停め、錦帯橋を訪れた。いつもは錦帯橋の西側の吉香公園や岩国城などを併せて歩いているが、今回は錦帯橋の東側の城下町「大明小路」を歩いてみた。かつては、中級武士の屋敷が並んでいたらしく、現在でも立派な門構えが目立つ家や古い家が多数残っており、付近には古い寺も多く残っており、当時の面影を彷彿させる。

　安芸の宮島は「日本三景」、厳島神社はユネスコ世界文化遺産、社殿は、本殿・拝殿・回廊など6棟が国宝、平家納経を始めとした数々の国宝、朱色の大鳥居‥‥厳島神社の魅力は多い。年に一度は訪れているが、今年は弥山登山とあわせて参拝した。水に浮かぶ社殿はとても綺麗だが、大潮で満潮の時は廊下すれすれまで海水がきていて、それに社殿が写って特に美しい。令和4年にリフレッシュ工事を終えた大鳥居は必見だ。遠目にはたいして大きくはないが、干潮の時に歩いてその下まで行くとスケールの大きさに驚く。また、月夜の満潮に、小さな遊覧船で鳥居の下を通り抜けたことがあるが、これも幻想的で素晴らしかった。

　宮島で最古の歴史をほこる真言宗御室派の寺院であり、三鬼大権現が本尊である。観音堂本尊の十一面観世音菩薩や波切不動明王、七福神、一願大師など多くの仏像が安置されている。宮島桟橋から厳島神社の裏を歩いて西に進み約30分である。今回は弥山に登り、大乗院登山コースを下山して参拝した。早春にある広島県北の安芸太田町の「深入山山焼き」では大乗院の僧侶がやってきて「火渡りの儀式」を実施しており、それに参加したこともある。

　弥山は広島県廿日市市の宮島の中央部にある原生林に囲まれた標高535 mの山で、古くからの信仰の対象になっている。主な登山コースは、紅葉谷、大乗院、大元公園の三つがあり、麓から1時間あまり登頂できる。宮島ロープウェイを利用すれば、獅子岩駅から徒歩20分あまりである。頂上付近には花こう岩の巨岩や奇岩が点在し、頂上には展望台が設置されており、絶景を楽しむことができる。以前は、野生の猿が沢山いて近寄ってきていたが、今は全く遭遇しない。

　宮島桟橋から西に約20分歩いて、厳島神社の南側の道に入ると、左手の小高い丘に千畳閣（豊国神社）と五重塔が見える。いずれも国の重要文化財である。五重塔は高さ約28ｍ、桧皮葺で和様・唐様を融合した見事な建物で、晴天の日には、五重塔の朱色が青空に映えてとても綺麗である。本尊の釈迦如来などは、明治の神仏分離で大願寺に移されたそうである。千畳閣は、豊臣秀吉が建立した大経堂で、入母屋造りの大伽藍で857畳の畳を敷くことができる。以前、訪れたとき堂内に「算額」があり、しばし「頭の体操」をした。

　平成25年末に完成した弥山頂上にある展望台で、入口の階段を降りるとトイレ、階段を登った2階部分は周囲に板張りの広いスペースがあり、休憩したり、弁当を座って食べるのに便利が良い。ここから更に階段を登ると展望スペースで、360°の展望で、瀬戸内海、広島市街地、広島県北の山々、天気の良い日は四国連山まで望むことができる。

　806年に空海が開基し、100日間の修行を行ったことで知られるお堂である。堂内には曼荼羅の図などが掲げられている。弥山本堂広場の向かいの「霊火堂」は、806年に弘法大師が修法を行った際の霊火が、1200年以上たった今も「消えずの火」として燃えつづいている。広島平和記念公園の「平和の灯火」の火も、ここから採火されたそうだ。宮島ロープウェイ「獅子岩駅」から弥山山頂に向かう途中にある。

　弥山本堂前の広場、霊火堂の右横の石段を登った先が三鬼堂である。鬼の神である三鬼大権現を祀る堂で、「福徳」、「智恵」、「降伏」の徳を備えた弥山の守護神である。三鬼大権現は、真言密教の天狗信仰や山岳仏教の信仰対象となる鬼神で、厳島三鬼坊とも呼ばれている。三鬼堂の掲額は伊藤博文公の直筆だそうで、家内安全・商売繁盛にご利益があるといわれている。本堂左から弥山頂上まで、細い急な登山道が続く。10分弱で頂上だ。

　宮島観光の拠点、宮島桟橋はＪＲと松大汽船共用のターミナルビルを出ると、西側にＪＲの１号桟橋、東側に松大汽船の２号桟橋がある。少し東に歩くと広島平和公園と宮島とを結ぶ、「ひろしま世界遺産航路」の発券所と３号桟橋がある。宮島・宮島口間の航行時間は約10分で片道180円、宮島・平和公園間の航行時間は45分で片道2200円である（1日17往復）。

　ＪＲ宮島口駅から東南東に約200ｍ歩くと、左に広電宮島口駅があり、正面右に宮島までのＪＲのフェリー乗り場、左に松大汽船のフェリー乗り場がある。料金はいずれも片道180円で、交通系電子マネーのイコカが使用可能である。乗船時間は約10分で、両方の乗場が近いため直近に出発するフェリーを利用すれば良くて、便利だ。ＪＲは西側の大鳥居に近い方を航行する。

　2月初旬、宮島の対岸の高台にある宮浜温泉に泊まった。客室も綺麗で広く、デッキからは宮島と内海が見える。各室に丸い浴槽の露天風呂があるが、大浴場の露天風呂に入って眼下の瀬戸内海と宮島を見ながら、ゆっくりとした。サウナもあり、朝から入浴可能である。夕食バイキングの料理も充実して美味しかった。ただ、人気の宿らしく、平日にもかかわらず、レストランは混雑していて少し狭い感じがした。2食付きで約1万円だったが、料金の割には中身が充実した宿で、満足度は非常に高い宿だ。是非また利用したい！

　紅葉谷コースを登り弥山頂上へ、下りは弥山本堂前から、仁王門を通って大聖院コースを下った。10数年前に登山したときは、このコースは台風による豪雨のため崩壊しており、大元公園コースを下ったが、現在は幅2ｍ弱の石段の道が整備されている（ただ、急な石段が続いたため翌日は両足が筋肉痛になった）。途中、多くの登山者とすれ違ったが、そのほとんどは西洋人で、「こんにちは」と日本語で挨拶をしてくれ、爽やかだった。大聖院近くまで下ると、瀧宮神社があり、その背後に白糸の滝が見えるが大したことはない。むしろ滝の奥にある花こう岩の一枚岩がすごい。

　宮島桟橋から南に歩き、厳島神社のうらを通って紅葉谷の登山口まで約30分弱である。宮島ロープウェイの紅葉谷駅付近までは、登山道は車道と並行しているが、ここを過ぎると道は急登となる。道を迷うことはないが、登山靴か運動靴が必要だ。約40分でロープウエイの獅子岩駅からの道と合流する。ここからの弥山本堂までの道は整備されていて、本堂前の広場から霊火堂の右横の階段を登って、弥山頂上まで20分あまりである。

　明治神宮は、明治天皇と昭憲皇太后をまつった神社である。ＪＲ原宿駅を降りて、雨の中、一の鳥居をくぐり、深い杜の木々に囲まれた清新・厳粛な雰囲気の参道を北に向かって歩いた。10分あまり歩いて左折し、100ｍ先を右折すると、正面に三の鳥居、その向こうに明治神宮外拝殿が見えた。日本人だけでなく、多くの外国人も参拝に訪れていた。参拝後、東神門を出て北参道を約10分歩くとＪＲ代々木駅に到着した。
　

　ＪＲ上野駅公園口を出て、動物園方向に歩き始めると右手に国立西洋美術館があり、その先を右折して直ぐのところが科学博物館である。右の階段を地下に降りて建物に入るとそこに受付がある。まず日本館（旧本館）に入って、最初に「シアター360」に入って、360°全方位の映像を見て地球内部を探検した。次に地球館（新館）に移動し、科学と技術の歩みに関する展示や、生物や地質・鉱物の展示を見て回った。恐竜骨格の前では多くの子供たちが目を輝かせていた。平日にもかかわらず、小さな子供たちだけでなく、中高生や高齢者、カップルなど多くの見学者がいた。入館料は一般・大学生は630円、高校生以下と65歳以上のシニアは無料である。

　東京にやってくると必ず国立博物館を訪れることにしている。今回は本館と平成館を見学したが、この２つだけでもあっという間に3時間は経過する。本館1階では、特別企画として「大安寺の仏像」の展示を行っていた。仏像の前に立つと、厳粛な雰囲気のなかで、なぜか心が落ち着いてくる。仏像の表情がそれぞれ異なり、何か語りかけてくるようだ。平成館1階では考古展示を行っていた。入館料は一般1000円だが、あれだけ素晴らしいものを見て、70歳以上のシニアは無料というのはとてもありがたい。