雷電の生家から国分寺跡を経由し海野宿へ

2023/08/08 - 2023/08/08

蓼科高原から旧中山道に残る宿場跡を訪れた際、足を延ばし江戸時代の最強力士・雷電の生家と近くに造られた道の駅雷電くるみの里に立ち寄り、聖武天皇の命により建てられた上田に残る国分寺跡とその後建てられた国分寺、北国街道に設置されていた海野宿を巡ってきました。
250年前に大相撲で大活躍した雷電が、未だに町のシンボル的存在であること、国分寺跡がきれいに整備されていること、国分寺に室町時代に建てられた三重塔や広々とした蓮池があること、海野宿が以前に増して静かで落ち着きある町になったことなど、新たな発見がありました。

エリア 真田・東御(長野)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 自家用車 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

蓼科牧場から立科町に向かう途中の道路沿いにポツンと建つ展望台です。何度も前を通っていましたが、立ち寄ることもなく通り過ぎていました。展望台周辺が少しずつ整備されてきたこともあり初めて上がりました。展望台から浅間山、荒船山、蓼科山が望めることから名が付いたと記されていました。雲が多く展望は良くありませんでしたが、天気の良い日には素晴らしい展望が望めると思います。

三望台 自然・景勝地

東御市内に造られた、江戸時代の最強力士・雷電から名をとった道の駅です。駅内には他の道の駅同様、野菜や果物、土産物、日本酒、クルミを使った商品などが販売されていますが、特筆すべきは等身大の雷電像が建ち、雷電わらじ焼など雷電と名が付く食品が販売されていることと、雷電資料館が造られていて、江戸時代の番付表や化粧まわし、手形、雷電の足跡、絵画などが展示されていることです。雷電が東御自慢の力士であることが伝わる道の駅です。

道の駅 雷電くるみの里 道の駅

道の駅に建つ雷電像

道の駅 雷電くるみの里 道の駅

雷電資料館に展示されている手形や絵画。

道の駅 雷電くるみの里 道の駅

東御市出身の江戸時代の最強力士・雷電為右衛門の生家が復元され、道の駅雷電くるみの里から歩いて10分ほどのところに建っています。江戸時代のお相撲さんということで、知らない人も多く訪れる人はいませんでした。

力士雷電の生家 名所・史跡

建物内には雷電が生活していた当時の部屋や土俵が復元され、雷電の成績や功績が記されています。

力士雷電の生家 名所・史跡

生家から370mほどのところには、雷電と一族の大きな墓も建っています。

発掘調査が行われた信濃国分寺跡を保存整備した史跡公園内に、1980年開館しました。上田・小県地方の旧石器時代から平安時代の時代別の出土品の展示と、発掘調査で僧寺と尼寺の全容や出土品が展示されています。縄文時代の人骨をおおう深鉢形土器や弥生時代の巴形銅器が印象に残りました。学校で学んだ聖武天皇が国ごとに国分寺を建立するように発した詔により、この地に信濃国の国分寺が建てられた歴史に触れることができました。

信濃国分寺資料館 美術館・博物館

741年、聖武天皇が国ごとに国分寺造営を命じた際、信濃国内に建てられた国分寺跡です。現在は広々とした史跡公園になっていて、僧寺跡と尼寺跡の位置や門や建造物の場所がわかるように整備されています。公園向かいには瓦窯跡も残っています。公園内をしなの鉄道が走り、公園を二分しているのが残念です。

国分寺史跡公園 公園・植物園

公園内に残る廻廊跡です。

国分寺史跡公園 公園・植物園

国分寺史跡公園向かいに建つ、1860年に竣工した寺です。交通量が多い県道に面して建つ仁王門、門から200mほど先に建つ高さ17mの外観が二層の本堂、室町時代に建立された重要文化財に指定された高さ20mほどの三重塔、鎌倉期に造られた多宝塔、百体観音が祀られた観音堂など、歴史を感じる建造物が多く見られます。

信濃国分寺 寺・神社・教会

百体観音が祀られた観音堂。
寺の説明によると、1600年に徳川秀忠と真田家との会見が行われた歴史もあるとのことです。

信濃国分寺 寺・神社・教会

高さ17mの堂々とした本堂。

信濃国分寺 寺・神社・教会

重要文化財に指定されている三重塔。

信濃国分寺三重塔 名所・史跡

本堂裏には広々とした蓮池が広がっています。午後訪れたため花はほとんど閉じていましたが、花の最盛期はみごとだと思います。

信濃国分寺 寺・神社・教会

国道18号線を南下した海野宿入口交差点近くに建っています。海野氏と真田氏を守護した神社で、海野宿の入口になります。

白鳥神社横に、江戸時代に北国街道の宿場町として栄えた海野宿の街並みが保存されています。重要伝統出来建造物群保護地区に指定されていて、江戸時代の旅籠屋造りの建物と明治以降の蚕室造りの建物が調和して建っています。

海野宿 名所・史跡

卯建、袖卯建、気抜きのある小屋根、海野格子など見どころの多い建物が続いています。各家に屋号が掲げられていて住宅として使われています。道路沿いに、かつて生活用水として使われていた表の川と呼ばれる水路があり、柳などの木々が植えられていて風情ある街並みです。

海野宿 名所・史跡

飲食店だけがわずかにある、静かで落ち着きある街並みです。

海野宿 名所・史跡

海野宿にわずかに残る出梁造りの建物。

海野宿 名所・史跡

道沿いを流れる小川。
町全体の風情と落ち着きを感じさせる小川です。

海野宿 名所・史跡

江戸時代、38軒の旅籠が海野宿にありました。そのうちの１軒の建物が東御市に寄贈され、海野の歴史を伝える資料館になりました。1790年ごろに建てられた旅籠屋造りの建物で、展示されている道具などの資料は地元の各家から寄贈されたものです。馬屋と台所、風呂場、桑屋の他、大きな土蔵があります。

海野宿歴史民俗資料館 美術館・博物館

海野は明治になり宿場町から養蚕の町に変わりました。養蚕の道具も展示されています。大屋根の上にのっていた小屋根が取り外され庭に展示してあり、蚕を飼育するために保温の窓が付いていることがわかりました。柘植の櫛やかんざしなどもあり、生活用品が多く展示されています。海野氏の活躍と滅亡や真田氏との関係など興味深い説明がありました。海野宿の静けさが好きで、度々訪れていますが、目当ての店がなくなったことを受付スタッフに聞いたところ、事情を教えてくれました。

海野宿歴史民俗資料館 美術館・博物館

海野宿の中ほどにある、宿泊施設を備えた観光案内所兼休憩所です。訪れた期間、宿泊は受け付けていませんでしたが、涼しい室内を休憩所として開放していて、スタッフが資料を使い案内をしてくれました。静かな海野宿に店は少ないので、気軽に休憩できる場所はありがたいです。トイレもあるので、海野宿散策に便利な場所です。

海野宿滞在型交流施設 うんのわ～une noix～ 名所・史跡

蓼科に戻る際に立ち寄った、中山道に設置されていた長久保宿に建つ資料館兼休憩所です。明治時代初めに旅籠として建てられたものの、中山道の交通量が減ったために開業せず、しばらく住居として使用され、平成になって資料館として内部を公開されるようになったそうです。街道に面した2階部分が1階よりも突き出た出桁造りになっているのが特徴です。館内には長久保宿や中山道の資料が展示されていました。

一福処濱屋(長久保宿歴史資料館) 名所・史跡

長久保宿には資料館の他にも、中山道の中で現存する最古の本陣建築である旧本陣や

高札場、

江戸時代初期から酒造業を営んでいた竹内家住宅などを見ることができ、当時の様子を偲ぶことができます。

買い物目的で立ち寄りました。平日午後3時過ぎの農産物直売所黒曜の店内は、買い物客が多く、桃などの果物、野菜、乳製品、精肉、冷凍食品、土産物など食料品も充実していました。店内の奥で工芸品などを販売するクラフトコーナーがありました。

道の駅 「道の駅」マルメロの駅ながと 道の駅

商工会、観光案内所、漬物処、コンビニなどいくつもの建物が広い駐車場を囲む道の駅です。観光案内所ではレンタサイクルを借りることができます。施設内には日帰り入浴施設や足湯も設置されている大規模な道の駅です。

道の駅 「道の駅」マルメロの駅ながと 道の駅